久しぶりの一等賞な気がするがめでたいぞ、きつみは!!
たとえお前が横に広がろうが、その愛らしさは変わらない
いや、ふくよかになった分愛らしさが上がっていると俺は感じているぞ!
俺と抱き合ってもふもふし合えるこの喜び
ああ、なんという幸せ・・・ん?あれ・・・目が痒いな、それに鼻水が出てきたんだが何でだろうか
こ、これはもしや春の招かれざる使者、スギ花粉か?
まさかきつみはが散歩に行ってこの毛皮にいっぱい花粉をつけてきたんじゃ・・・
く、くうき・・・空気清浄機はどこだ・・・鼻が詰まってくるしい・・・

息苦しさで目が覚めた
ここ数日、俺を苦しめていた高熱はだいぶよくなっているが、まだまだ油断はできない
窓を締め切り電気を消した部屋は暗く、今が何時なのかも判らない
きつみはの気配が無いからどこかに出かけたのだろう
今は休息を鶏のが一番だ
俺はもう一度寝る為に目を閉じた

夢の中で俺は走っていた
何のために、どこへ向かっているのか、それさえも判らずに暗い空間を走っている
息が上がって苦しい・・・だが止まる訳にはいかない
後ろからアレが、ヒタヒタと近づいてくる・・・アレが・・・アレに捕まったら俺は・・・強い恐怖を感じ、走る速度を上げる
"まて・・・まて・・・"
アレがすぐそこまでやってきている 俺は心臓が壊れんばかりに足を早めた
"まて・・・まって俺くん・・・ほうら、立派なネギだよ・・・"
後ろからアレの、きつみはの楽しそうな声がしてきた
だけど捕まると、確実に尻にネギをぶち込まれてしまう
そんなのは嫌だあああああああああああああああああ・・・・・・・・・・・

「俺くん、どうしたの?凄くうなされていたけど悪い夢でも見ていた?」
揺り起こされ、目覚めた俺の目に入ってきたのは心配そうなきつみはと、そして・・・太くて立派な・・・
「あ、これ?ご近所さんからもらったんだ、立派なネギでしょ? これなら俺くんの風邪も一発で治るんじゃないかな」
悪夢はまだ、終わらない・・・俺は思わず尻を手で覆った
と思ったら、ネギは夕飯の材料になって出てきた ネギ尽くしの料理はどれも美味で俺の風邪もすぐに治りそうだハハハ・・・