ナイバッチきつみは
今日も・・・もう夕方だが頑張っていこうなパフパフ

>>817
何もしないでため息ばかりしていても仕方がない
それにまた明日には違う修理依頼の荷物が届くはずだ
俺と助手の俺野は片っ端から箱を開け、「あったかみはしくんRX」の具合を確認していった
故障の度合いでいくつかのグループに分け、簡単な物から手際よく修理していく
内部装置の部品交換だけなら簡単なものだ
一体につき10分もかからず流れ作業でこなして行く
顧客に戻す最後の洗浄作業は別に専用の職人がいるからそっちに任せておげはいい
完全に壊れてしまい、動作チェックの為の電源さえ受け付けないのは
もう仕方が無いので新品を送れば手間がだいぶ省ける
だが、問題は中途半端に壊れてしまったものだ
電源も入って動作チェックも問題ないのに内部にまで達する穴を開けられたり
どんな事をしたのか知らないが、腕に強く縛り上げた痕が残り、自動補修機能でも直らないもの
そして何をしたのか知りたくもないが、内部に水分が入り込みショートしたものなんかは修理が面倒くさい
「うわっ!人工皮膚が剥がれてますよ、これ」
「リサーチして人間の皮膚と同じくらいに柔らかい人工皮膚を開発したんだが、それがあだとなったんだな
僅かに擦れたくらいでは自動修復装置が直すが、うっかり噛み付いたり吸い付いたりするともうどうしようもない
柔らかいから傷が付き易いんだよ」
「この白い液体はなんだ?この臭いは・・・うえっ・・・」
内部破損の「あったかみはしくんRX」の故障場所を確認していた俺野が泣きそうな顔をしながら飛び下がった
性的愛玩ロボットとして使われた「あったかみはしくんRX」に一番多い故障がこのタイプだ
この手の精密機械には水分が一番危険だ
それに人間由来の白い何かしらの液体を内部にぶちまけたらどうなるか・・・
故障修理はこの手のイカ臭さとの戦いでもあるのだ
「うげえ・・・メインコンピューターまでは汚染物質はいっていないからこれだけ別のに入れ替えよう」
「お、俺・・・もう嫌ですよ、博士・・・」
「耐えろ俺野・・・俺だってもう修理じゃなくて新しい開発に取り掛かりたいのを我慢しているんだ」
次の開発計画はあるものの、あまりにも故障が多い為、修理が一段落するまで研究はストップしている
その時、社内電話がけたたましく鳴った