まずまずのポジションだな、きつみは
今日は雨だな・・・
うん、こんな日はやっぱり家かせ出ないのが正解だが
それでも用事が有るときは仕方ないか
おや?雨の日でもきつみはは散歩か?
俺も夕飯の買出しに行くから途中まで一緒しようよ
二人で傘さして仲良くならんで行こうそうしよう

>>732
とある日の昼下がりの事だ
その日も割烹着姿のその人はいつものように買い物に出かけた
さっきまで雨が降っていたせいか、外にはだれもいない
昼過ぎの住宅地は共稼ぎ世帯が多いのか、一人気配があまり、というかほとんど無い
子供たちが学校から帰ってくるには早すぎる時間に、その人は一人で寂しい道を歩いていた
今日の夕飯は何にしようか、昨日は魚だったから今日は肉にしようか
スーパーの特売はどんなのがあるかな、それで献立を考えてみようかな
色んな事を考えながら、その人は道を進んだ
ヒタヒタヒタ・・・
後ろから誰かがやってきた気配がして振り返るが、誰もいない
雨上がりの雲の切れ間から太陽が顔を出し、日差しが熱く感じられ思わず目を閉じてしまう
気のせいかな、とその人はまた歩き始めた
ヒタヒタヒタ・・・ヒタヒタ・・・
また誰かの気配がしてこの密やかな音は自分の歩みと同じだと気がついた
試しに歩調を少し崩すと、後ろの気配が慌てた様子になった
気味悪さを感じたその人、かあちゃんは急いでその場から逃げようとした
だがすでに遅く、後ろの気配は背後からかあちゃん襲いかかり
逃げようとするその身体を羽交い絞めにすると人気の無い細い路地へと引きずりこんだ
「ううっ!」
悲鳴を上げ、助けを呼ぼうと試みるが口を塞がれそれも叶わない
謎の人物に捕らえられたかあちゃんはコンクリートの塀に押し付けられ動きを封じられた
背後からは男のものと思われる体臭と、ハァハァという息遣いがして、背筋がゾッとするのをかあちゃんは感じていた
つづく