0514fusianasan
2017/06/15(木) 12:38:00.05今日は暑くなるから散歩するときは帽子を忘れるなよ
それと凍らせたポカリを持っていくんだぞ
>>498
「気にいられた?」
店主の思ってもいなかった言葉に俺は戸惑った
「ああ、ここのは自分で気に入った主を決めるんだ
そら、お兄さんの左腕 待ちきれずに自分から行ったなククク・・・」
左腕、と言われそこに目をやると、いつの間にかダッコちゃん人形のようなものがしがみついていた
「あ、あの・・・これ・・・」
「大事にしてやんなよ そのうちいい事があるさ もっともそれがお兄さんを見限って離れてしまうこともあるがな」
またどこからか祭囃子が聞こえてきて音のするほうへと目を向けた
数秒後、屋台へと目を戻すと、まるでかき消されたかのようにそこには何もなかった
まるであの屋台が初めからそこに存在していなかったかの様な空虚な空間だけが残されていた
「夢・・・かな?」
いや、夢ではないのは判っている
なぜなら、俺の左腕にはあの人形がしがみついていたから
家に戻り、着替える為に人形はを外そうとするが、外れない
仕方が無いから服ごと外そうとすると、人形は服をすり抜けてずっと俺の腕にしがみついていた
薄気味悪くなって無理やりに外そうとしたが、更に強い力で締め上げるようにしがみついてくる
あまりの力に腕の血行が悪くなってしびれてしまった
「・・・仕方ないな」
あきらめて人形の上から室内着を着ると、それもすり抜けた どうやら無機物な物はこの人形をすり抜けてしまうらしい
思わず「呪いの人形」なんてオカルトなフレーズが脳裏によぎった
改めて人形を観察することと大きさは長さ20センチほどの空気を入れて膨らませるタイプで押すと弾力がある
両腕は半円状に曲がっていてそれが俺に左腕にホールドする形でしがみついている
肌の色は少し白めの肌色、髪の毛はふわふわで薄い茶色、大き目の猫目で、口の形状が◎になっている
だがその人形、目が動いていて俺の動きをずっと目で追っているのだ・・・まるで逃がさないとばかりに・・・
やっぱり「呪いの人形」なのか・・・俺は薄気味悪さを感じていた つづく