今日も凄いなきつみは!
ちょっと頑張りすぎていないか心配になるくらいだけど
もしかしてお前、無理していないか?疲れていたりしないか?
あ?俺くんは心配性だなアハハ、だってさ
そのくらいの軽口が叩けるくらいならまだ大丈夫みたいだ
よしよし、常日頃の頑張りに対して今日は俺がきつみはを癒してあげよう
まずはご馳走を用意して大好きな野球の試合の録画を流して
それから疲れを取るためのリラクゼーションな施術をしてあげよう
また身体中を揉むんじゃないかって?それもあるが今回は特別なのを用意したぞ
この熱くならいお灸できつみはのツボを刺激して疲れを吹っ飛ばせてやるよ
あれ?どこにかいってしまった・・・照れてるのかな、あいつ

今日もあの臭いがする
俺は教室に入った瞬間、それに気がついた
その臭いに始めに気がついたのはこの学校に入学して教室に入ったときだった
他人より嗅覚が敏感でどんな僅かな臭いでもすぐに感じてしまう
そんな体質の俺を友人たちは「警察犬みたいだ」と笑ったが
時にはそれが役に立つときもあった
誰かが物を無くした時にその人間の体臭から探し物を見つけ出したときには周りを驚かせた
中にはそれをテレビ局に売り込もうとか言うやつもいたが俺は拒否した
こんな体質、役に立つことなんてそんなに無いし、臭いに敏感というのも結構辛いのだ
特に満員電車の中とかの臭いは拷問以外の何者でもない
だがその教室に漂う臭いは違っていた
それは表現するなら甘い感じでずっと嗅ぎ続けていたいと思わせる何かがあった
それを嗅いでいると頭の中がジーンと痺れてきて自分の中の何かが熱く大きくなっていく感じがする
前からうっすらと臭ってそれはここ数日、どんどんと濃くなっている
だが他の奴にはそれがわからないらしい
俺だけが知る臭い、その正体が知りたくて俺は教室中を嗅ぎまわった
そしてそれが、ある人物だの周りで一番臭うことを突き止めた
三橋廉、それが奴の名前だ つづく