0756fusianasan
2017/07/03(月) 19:25:47.13うん・・・暑さのせいなのかすごく気力が出ない・・・というか、なんでもう夜なんだ?おかしいな?
>>715
テレビの中で、白球が飛ぶ
その度にレンはそれを目で追い、表情を輝かせる
「ん?どした?野球好きかお前?」
俺の問いかけにレンは頭を縦にブンブンと振る
そしてまた、その目はテレビに釘付けになってしまう
こんなに何かに夢中になるレンを見るのは珍しい
他には旨いものを目の前にした時など同じような反応をしたこともあったが
投手が投げる、打者が打つ、そしてその球を追う
その繰り返しをレンは飽きることなくキラキラした目がずっとみていた
そうか、こいつ・・・そんなに野球が好きだったのか
野球中継が終わり、寝る前に軽くと思い冷蔵庫の中の野菜でサラダを作った
もっとももう消費期限が迫っていたので捨てる前に食ってしまえと考えて作っただけなものだ
「ほら、トマトも食え マヨネーズたっぷりだぞ」
差し出したトマトを頬張り、◎な口の周りを白いマヨネーズで汚しながら
レンはもっとくれと催促してくる
「よし、次はアスパラだぞ ちゃんと茹でて柔らかくしてあるからな」
アスパラを口元に持って行くと今度はプイ、と横を向いた
ブロッコリーとかアスパラとかが嫌いとはどれだけ口がお子様なんだろうこいつ・・・
何とか食えるようにとマヨネーズをこってりと付けてやるが、それでも食おうとしない
こいつが何者なのかは俺も知らない
初めは呪いの人形とも思ったが、俺に危険が迫ると教えてくれいつも回避することができた
俺の左腕にしがみついて離れない以上、俺がちゃんと責任を持たねばならない
そんな変な責任感を俺は持つようになっていた
「そうか、いらないか・・・全部ちゃんと食べられたら今度の休みにいいとこに連れていってやろうと思ってたのにな」
レンの目が?な感じで俺を見る
「実はな・・・会社の厚生福利でプロ野球の観戦チケットがもらえたんだ でも残念だな・・・ああ、とっても残念・・・え?」
そう言った瞬間、箸で摘んでいた野菜がかき消すように消えていた
口にマヨネーズをたくさんつけたレンが、口をモグモグさせながら早く次をくれと目で催促しているのがわかった つづく