もうね、昼間は暑くて外に出たくないよ
外出するならやっぱり夜だな
きつみはと夜の散歩・・・星空の下を虫の音を聞きながら二人でのんびりと歩く
どこからか風鈴のチリン・・・という音が聞こえ、空いっぱいに花火が開く
いいねいいね、だけど真夜中の散歩は駄目だぞ
不審者や変質者、それに足の無いナニかが出るからな
最近、テレビでの怖い特集番組があまりなくてちょっとつまらないが
なんで暑い時に限ってあいつらは目撃数が多くなるのだろうな、不思議だ

>>104>>117
「な、なんでだよ!なんでメタボのきめえ体なんか撮るかよ!」
カメラを持った若い男は急に激昂すると、俺に向かって突進してきた
「うおっ!」
ぶつかってこようとした男をかわし、足を引っ掛けて転ばすことに成功した
「このっ!」
「おっと、何を撮っていたかちょっとだけ見せてくれればいいからさ」
男が手にしていたカメラを取ろうとすると、絶対に渡さないという風にそれを抱え込んだ
「やめろっ!俺は・・・を撮っていただけだっ!」
男が何かを言ったが聞き取れない
「だから俺の裸を」
「そんなきめえもん撮るかよ!馬鹿じゃねえのかあんた!」
自分のメタボな体は自分が一番良く知っている
だが見ず知らずに他人にこうも気持ち悪いと連呼されると流石にへこむものもあるもので・・・
「俺はな、川を撮っていたんだよ!」
「川?じゃあそんなに抵抗しなくても・・・」
「やっと撮れた「もい」の写真を他人に見られてなるものかよ!これを世に出して金にするんだ!だから邪魔をするなっ!」
「もい?もいが出たのか?本当にもいなのか?」
「・・・もい、を撮る予定だったがなぜか川にペンギンがいた それでもスクープなんだよ!」
やばい・・・ペンギンスーツを着たきつみはを本物だと思い込んでいる
これが世間に出たらきつみはの存在が大勢の人に知られて、あのかわいいきつみはを狙う変質者が増えてしまう
どうにかしなければ・・・ つづく