バンザイポーズが凛々しいぞ、きつみは
今日からいよいよ甲子園での高校野球が始まるな
全国から集まった強豪校ぞろいだが、四日目は特に凄いところばかりじゃないか!
こりゃ家にこもって一日テレビ観戦・・・といきたいがその日はちょと・・・だから俺の分まできつみはに頼んだぞ
「でもさ、俺一人じゃ面白くないよ・・・やっぱり俺くんも一緒じゃないとつまんない」
お前・・・そこまで俺の事を・・・よし、用事が終わったらすぐに戻ってくるかな!
フライドチキンとか色々と食い物ももってすぐに帰るから待っててくれよ
「うんっ!やっぱり俺くんがいないとね だって俺くんのテレビの前での応援姿って見ていて面白いんだもの!」
そ、そんなに俺、おかしな事をしているのかなハハハ・・・

夏に動くのなら早朝か夜中がいい
どっちというと俺は早朝の方が好きだ
まだ太陽が昇りきらなくて風も涼しくて過ごしやすい
こんな日は山に散歩でも、とやってきたらきつみはがいた
物陰に隠れて様子を伺っていると、きつみはは腕を上に上げたり体をひねったりジャンプしたりしている
まるで何かの儀式でもしているのか思ったが、しばらく見ていて判った
あいつ、ラジオ体操をしてやがる
確かに今は夏休みで朝のラジオ体操をしている子供も多い
きっときつみはも見よう見真似で覚えたのだろう
俺はきつみはに気づかれないようにそっと移動し、きつみはの背後に回り込んだ
深呼吸が終わってラジオ体操を終えたきつみはの後ろから忍び寄り、そのまま羽交い絞めにした
「うわっ!な、なにを・・・」
急なことで抵抗することも無くきつみはは俺に拘束される
フフフ・・・この毛皮、実に手触りが良いじゃないか
それにこのふかふか尻尾、ずっとニギニギしていたくなる
だが俺の目的はそれじゃない
きつはみの腕を上げさせ、開いた脇に顔を埋めてクンカクンカとその独特な体臭を堪能する
「ひああ!や、やだぁ・・・」
ここでやっと逃げようとするきつみはを更に押さえつけて、脇から胸、そして腹へと顔を埋めたまま移動させ、そしてさらにその下へ・・・
ゴチンッ!!
突然頭に凄い衝撃を受け、その痛みで俺は気を失った
意識が途切れる瞬間、きつみはと太い丸太を持ったクマーが山奥へと逃げていくのを見たような気がした・・・頭いてえ・・・