今週は良い出だしだな、きつみは
段々寒くなってきているし、風邪なんか引かないように気をつけような
掛け布団も分厚いのにしたし、毛布も多めにして・・・敷布団もふっかふかのにしようか
そしたら枕も良いのにしたいしシーツも厚手の肌触りの良いにして・・・
それならパジャマも冬用にして柔らかいタイプのに変えよう
あ、頭が冷えると眠れなくなるかも知れないからナイトキャップも必要だな
それと寝るとき用の靴下と湯たんぽと・・・
「俺くん・・・心配してくれるのは嬉しいけどそれだと暑くなり過ぎてかえって寝れなくなるんじゃ・・・」
いやいや、念には念を、と言うだろ?風邪で熱出してから後悔しても遅いんだよ、きつみは
病院行って痛い注射されてもいいのか?な、嫌だろ?

クマーは冬眠をする動物である
手ごろな穴ぐらにこもって春まで寝るのがデフォである
「ふう・・・これでいいかな」
一仕事を終えてクマーは手を休めた
穴ぐらというには広すぎる、どちらかというと小部屋とも言える空間に大量を落ち葉を敷き
その真ん中には大きな寝台が置かれていた
「落ち葉、もっといるかな?あとそれと布団も持ってこないと」
どうやらクマーはここで冬眠をするらしい
穴ぐらは自分で拡張したようであちこちに爪あとが残っている
落ち葉は防寒用らしく、周りからの寒気を遮断するために敷き詰めているようだ
何度か外と穴ぐらを行き来して、落ち葉の追加と布団を持ち込み、ようやく冬眠の支度が整った
「うん、これでよし!後は春まで寝るだけだ」
皮下脂肪でむちむちになった体にパジャマを纏い、穴ぐらの入り口を閉じで鍵をかけ、クマーは布団の中へと入った
前に寝ている間に侵入してきた何者かがいて、いたずらされるということがあったので厳重に施錠されている
「春まで・・・おやすみなさい・・・」
暗くなった穴ぐらに、クマーの寝息だけが流れる
このまま静かに寝続けるのだろう・・・と思った時、いきなりクマーが勢いよく置きあがった
「しまった・・・トイレを作るのわすれちゃった・・・」
クマーの冬眠は中々始まりそうに無い
我々クマー調査隊はこれからのクマーの行動を注意深く観察していく とっぴんぱらりのぷう