一等おめでとう、きつみは
冬仕様のむっちりボディも俺には輝いて見えるぞ
よし、今日はゴボウサラダでお祝いしような
ゴボウは精がつくし何より美味いがただ・・・ガスが出やすくなるのがな
もっとも俺ときつみはの仲だから二人でプップップーとやっても別に構わないよな
ついでにゴボウの天ぷらとかゴボウスティックとかも作ってガンガン精をつけて冬を乗り切ろうな

きつみはの風邪がまだ治らない
薬で熱は抑えられ微熱くらいにはなったが、寒気と気だるさはまだ残っている
「ゴホゴホッ!うう・・・寒い・・・」
布団の中で震えているきつみはの湯たんぽを換えてやると、それにしがみついてまた眠ってしまう
室内の温度は暖房を入れているから寒くは無いはずだ
一応、毛布もあったかくなるタイプのを増やしてやったが、あまり増やすと今度は重いと嫌がっていまう
具合の悪い時くらい我侭になってもいいんだぞ というか、そんな時は俺に頼ってくれないとこっちも安心できないよ
「きつみは、何か食うか?」
「うん・・・冷たくした桃缶が食べたい・・・」
具合が悪いときの定番、桃缶を用意していると水谷がやってきた
「こんにちは・・・きつみはさんの具合はどうです?」
「熱は下がったんだがまだ寒気がすると言ってるから寝かせている」
「そうですか・・・今日はお会いしないで帰ります これ、俺と仲間からのお見舞いです」
水谷は見舞いにしては大層な大荷物を俺に渡すと、お大事にと帰っていった
いつもはチャラく見えるが、いざという時はちゃんと気を使うやつだ
見舞いの荷物にはきつみはの好きそうな食べ物や果物や絵本、それに油揚げがたくさん入っていた
戴いたばかりの果物からリンゴを選んでむいてやり、桃缶と一緒にきつみはに持っていった
「ん・・・桃缶おいしい・・・冷たくて甘くて・・・」
「リンゴも食うか?水谷が持ってきてくれたんだぞ」
「うん・・・これもすごく甘いね・・・元気になったらジタバタさんにお礼を言わなきゃだね」
桃の缶詰一つ分とリンゴを一個分をペロリと平らげるときつみははまた眠ってしまった
きつみはの額にそっと手を当てるとそう高くない温度が伝わってきた
「もうちょっと、かな?早く良くなれよ じゃないと今度こそ本当に病院で注射だぞ」
そう言うと、安心したように眠っているきつみはの顔がほんの少しだけ嫌そうになった気がした
お前・・・そんなに注射が嫌か・・・実は俺も嫌いだけどなハハハ・・・