0754fusianasan
2018/02/07(水) 15:19:01.26「ねえ俺くん、お昼のうどんってもしかしてクマの肉で・・・」
いや、そんな事は無いぞ、獣系の出汁じゃなくて海産物の出汁でおいしく作ったはずだ
「だ、だって・・・ほら、テレビで熊鍋とかやっているし・・・それに今日のは味も少し違ったしもしかして俺くんも・・・」
いや待て待て、クマーの肉で出汁とかの前に、熊肉を手に入れるのは難しいぞ
そこらの肉屋で売っていないし通販とかでも生の肉は手に入らないんじゃないか?
もっとも俺が直接山に行って・・・いや、無理だ・・・
あ、そうだ、昼のうどんの汁にはな、俺の出汁がちょっとだけ入っているはずだよ
味の確認をするときに指を突っ込んじゃったからさ、俺のエキスがちょっとだけなハハハ・・・
>>737
鬼の子が俺んちに住み着いて数日経った
子鬼は自分のことをレンと名乗ったので俺もそのように呼んでいる
最初は人の目には見えないようになるのかとも思ったがまだ子鬼なので姿を消すこともままならないようだ
「うん!ご飯がおいしいっ!こんなご馳走初めてだよ!」
「そうか?ごく一般的な家庭料理でしかないけどな」
ちなみに今夜は里芋の煮っ転がしに野菜炒め、それと鰯の焼いたのとご飯に味噌汁だ
まさか家に憑く鬼が普通に人と同じ飯を食うとは思ってもいなかったが
レンは俺の出すものを何でも美味そうに食ってくれる
「この鰯、すごく美味いね!」
「お前な、鬼なのに鰯が好きとか一体どうよ?鬼としても自覚、あるのか?」
へ?と不思議そうな顔をするレンに俺は続けて言った
「鬼っての鰯が苦手とか聞いているぞ 特にヒイラギの枝に鰯の頭を刺して魔よけにするとか」
「え?そ、そうなんだ・・・俺、特に苦手とか思わないけど・・・美味しいし」
「じゃあ何が苦手なんだ?」
「うんと・・・豆・・・かな?節分の豆まきのとか凄く嫌だった・・・」
豆、か・・・うん、鬼の苦手なものとしては有名だが・・・
「何から聞くが、その味噌汁、美味いか?」
「うんっ!凄くおいしいっ!」
「それに使っている味噌は豆から作られているんだが・・・」
「え?そ、そうなんだ・・・でも嫌いでも苦手でもないよ」
こいつ・・・美味いものなら苦手なのでも平気なのか・・・ つづく