一番おめでとうだぞ、きつみは
あれ?俺も目が悪くなったかな?
きつみはがなんかぶれて見えるような・・・
二重にも見えるし、まるで後ろにもう一人いるような気もしないでもない
もしやあれはきつみは背後霊・・・そ、そんなことないよな 夏なら怖い話も判るが今は冬だし・・・
「「俺くん、何か言った?」」
うわっ!きつみはの声まで二重に聞こえるぞ!
ということはやっぱりあれは背後霊・・・ど、どうしよう・・・
守護霊とかならいいが、悪霊とかだったらきつみはが大変だ!
塩か?塩でも撒いてみようか?確か塩入れがどこかに・・・あれ?無い・・・
もしや祓われるのを察知して隠したのか?くそう・・・塩・・・塩はどこだ!塩が無ければ・・・そうだ、これだ!!
調味料入れの奥にあったそれを掴み蓋を取ると、中身をきつみはに向かって投げ撒いた
「「うわっ!や、やめてよ・・・なんで味の◎なんて振り撒くんだよ、俺くん!
化学調味料はあまり好きじゃないとか言ってたじゃないか!それに俺、食材じゃないよ!」」
やっぱり味の◎じゃ駄目か・・・
ううう・・・きつみはについている悪霊を早く祓ってやらなければきつみはが・・・
「「俺くん、おかしいよ?まだ風邪が治らないのかな?熱でもある?」」
ぶれて見えるきつみはが、音声多重な状態の声で俺を心配する
二重にぶれていても、きつみはは可愛い・・・
でもどうしたらいいんだ・・・お寺か神社に相談しなきゃだろうか・・・
「こんちはー!水谷です、きつみはさんいますか!!」
あ、またうるさい奴が来た
だが今日は何か救いの手が来たような心強いものを感じる・・・水谷だが・・・
「「あ、ジタバタさんいらっしゃい!何かね、俺くんがおかしいんだよ」」
「俺さんが?そりゃいつもの・・・あれ?きつみはさん声がおかしいですね?それに体もなんというか・・・」
水谷よ、お前には判るのか?
「「うん、なんか喉がガラガラして変なんだ それに俺、この間の御餅を全部餅巾着にして食べたらちょっと太ったかも・・・」」
「ああ、だからですね 喉はうがい薬とトローチ、それと安静に寝ていれば良くなりますよ」
風邪?きつみはが風邪気味なのか?だから声が二重に・・・
「「きっと俺くんにうつされたんだね もう今日は大人しくしているよ」」
「お大事に 今度は俺にうつしてくれればすぐに良くなりますからね」
水谷よ・・・きつみはの謎を解明してくれたのは有難いが、お礼に風邪は俺からうつして進ぜよう 有難く受け取れ