ナイバッチきつみは 今日ものんびりゆっくりといこうな
どうやら花粉が飛んでいるのは確定の様だ・・・鼻がムズムズする・・・
きつみはの毛皮にも花粉がついてくるかも知れないから、俺が毎日懇切丁寧にブラッシングしてやるからな

暖かくて気持ちいい・・・
春の日差しを感じて三橋は眠りから目覚めた
目を開けて初めに感じたのは眩しさ、そしてその後に青い色
今、自分がいる場所が認識できず、しばし呆けてしまう
見上げるそこには透明の天井・・・そして晴れ渡った青空
どうやら温室かサンルームの様な場所で自分は寝ていたらしい
それにしても眠い・・・この春の日差しのせいなのか、とても眠くて仕方がない
もう一度寝ようかどうしようか起き上がらずに考えていると、ふと自分の体が浮き上がった
「おはよう、お寝坊さん そろそろ時間だよ」
全身白色の若い男が自分を抱き上げてにこやかに微笑んでいた
「え?、あ、あの・・・」
「ほら、もう式が始まるから行くよ 三橋のドレス姿も似合っているね」
よく見ると、自分の全身も白色の服、それもヒラヒラのドレスというものに包まれていた
状況がつかめず混乱した三橋は男に抱えられて連れてどこかの教会のような場所に連れて行かれただった
神父の様な人が一人だけいて、三橋たちを出迎えた
やっと床に降ろされた三橋は、まだこの状況を把握できなかった
そもそもなんで男の自分が女物のドレス、それもウェディングドレスなるものを着ているのか?
なんで教会につれてこられたのか、式とは何だ?そもそもこの男は誰なのか?
「やっと結婚できるね、三橋」
男は本当に幸せそうに三橋に言った
結婚?なんで?いつの間にそんな話になっているんだ?というか、あんた誰だ?
色んな事が頭の中をグルグルして混乱しているその時だった
「ちょっと待った!三橋は俺の嫁だ!」
誰かが教会の扉を開け、飛び込んできた
「いや違うぞ、三橋は俺のだ」「俺こそが三橋の本当の連れ合いだ!」「ドレス姿の三橋たんハァハァ・・・」
次から次へと男たちがやってきて三橋を俺の嫁だと主張し始めた
こうして、第一回三橋俺嫁争奪戦は始まったのだという
三橋がどうなったのか、というと・・・三橋は俺の嫁、これは譲れない おしまい