今日もまずまずの位置だな、きつみは
いつも頑張ってくれてありがとうな
お礼に今日は俺がきつみはを慰労してあげるよ
全身マッサージとか全身ブラッシングとか全身ナデナデとかモフモフとか
あ、こらまて何故逃げる!俺のこの感謝の念を全身で感じてくれよきつみは!!

目覚めはいつもと同じ朝
まだ気だるい気分が残っていてもうちょっと寝ていたい・・・
布団のぬくもりという名の魔性に再び取り込まれそうになった三橋は、いつもと違う何かに気がついた
"ん・・・あれ?水?濡れている・・・"
あるはずの無いものが布団の中にある
昨夜、寝る前に水分のあるものを布団に持ち込んだ覚えはないか、のんだです記憶はある
ということは・・・
思わず勢い良く起き上がり布団をはいでみると、そこには立派な世界地図があった
「ど、どうしよう・・・」
小さな子供の頃なら良くある事だが、今の自分はもう高校生だ
それなのにおねしょをしたなんて知れたら・・・親にも知られたくない・・・俺らなら喜びそうだが
「・・・か、乾かさないと」
部屋にあったありったけのタオルをつかって布団の水分を取ろうとするがなかなかうまくいかない
前にテレビで見た、洗濯物をタオルではさんでその上で跳ねるという乾燥法を試してみたが
布団の厚さは洗濯物の比ではない
それにあまりドンドンと床を鳴らしていたから親に「どうした?」と声をかけられてしまった
布団もそうだが自分の服もどうしたらよいものか・・・
とりあえず全部脱いで学校から帰ったらこっそりと洗おうと大きなビニール袋に入れた
布団もある程度は水分を抜いたが、それでもまだまだ濡れている
なんとか乾かそうと窓のそばの日の当たる場所まで布団を移動させたところで、もう時間が無いことに三橋は気がついた
全裸で着替えを探し、急いで家を飛び出して学校へ行く
親は滅多に三橋の部屋には入らないから大丈夫、なはずだ
部活が終わったら急いで戻って今度はドライヤーで乾かして・・・と一日中、布団を乾かす事で頭がいっぱいな三橋だった
だがそんな三橋が帰宅すると、何故か洗濯物はもう洗われていてそして布団もふっかふかに・・・
「洗濯物はちゃんと出しておいてね」と行った母親の表情がどこかにやけていて・・・
三橋はもう、寝る前には水分を取るまいと心に誓うのであった どっとはらい