ナイバッチきつみは
今日も雨か・・・仕方ないから家の中でゴロゴロしていような

>>955
「ただいま!」
「おう、おかえり おやつがあるから手を洗ってこい」
はーい、と元気良く手洗いに向かうきつみはの様子からは特に異常は感じられない
鯉のぼりの姿をした鯉のぼり男・・・いったい何が目的なのか・・・
「今日は少し時期がずれたが、柏餅を買っておいたんだぞ」
「おっ、さすが俺くんだね じゃあいただきます!!」
甘い柏餅と熱い茶の相性は最高だね、などときつみはと語りながら三時のおやつをいただく
何気ないひと時だが俺にとっては大事なものだ
「ところできつみは、今日はどこまでいってきた?」
二つ目の柏餅に手を伸ばしながらきつみはが今日の散歩での出来事を話してくれた
「うーん・・・いつもと同じ、かな?神社まで行って休んでまたもどって・・・そう、鯉のぼり!」
突然、何かを思い出したかの様にきつみはがそのフレーズを口にした
「こ、鯉のぼりがどうかしたのか?」
「うんっ!子供の日も終わったけどまだ鯉のぼりを揚げている家もあってね
それを見ながら帰ってきたんだ ちょっとだけ寄り道もしたけど面白かったよ」
ああ、きつみはの鯉のぼり観察だったのか・・・
俺はまたきつみはが例の奴に出くわしたのかと・・・
もっともそんな事があれば水谷たちが何とかしてくれるとは思うのだが、それでも心配だ
「俺くん、ちょっと怖い顔つきになっているけど、鯉のぼりがどうかした?」
「あ・・・実はな、昼寝していて変な夢を見たんだよ 鯉のぼりに追いかけられるって内容でな」
「それって、鯉のぼりにまで走ってダイエットしろって言われているんだよ、きっと」
そんなことあるか、と笑って誤魔化したが、やっぱり心配だ
「そうだな・・・走るのは苦手だが歩くくらいならいいか 明日からお前と一緒に散歩に行こうか」
「俺くんが?」
「む・・・なんだよ、何か変か?」
「うーん・・・俺くんが自発的にって、これって何か天変地異の前触れじゃ・・・冗談だってw」
明日から俺くんも一緒で楽しみだな、ときつみはは最後の柏餅に手を伸ばした
この穏やかでかけがえの無い時間を守るためなら、俺も動かなければ つづく