今日もナイスポジションだな、きつみは
何か肌寒い日が続くが、風邪を引かないようにしような
>>970
今日からきつみはと一緒に散歩
そう決めたはずなのだが・・・
「いてて・・・」
「だから重たい物を持つときは腰に気をつけなって・・・今日は俺ひとりでいってくるから俺くんは休んでてよ」
俺の固い決意は腰の痛みに負けてしまった
「や、約束だから・・・」
「でも途中で動けなくなったらどうする?俺くんは重いから俺じゃ引きずって帰れないよ」
すぐに戻るから寝ていて、ときつみはは俺を置いて行ってしまった
我ながら不覚・・・とりあえず、水谷に連絡してきつみはの警護を頼んでおいた
「俺さんでも寝込む時があるんですね 鬼の霍乱かなハハハ」
などと笑った水谷に後で覚えていろ、と思いながらもきつみはの事を託した
「いざとなったら俺以外に頼りになるのはあいつだからな・・・」
謎の鯉のぼり男・・・その目的がきつみはなのか、そうでないのか
その正体はいったい誰なのか・・・
過去にきつみはに付きまとったり危害を加えようとした連中なのか、そうでないのか
今の俺には何も出来ないが、頭を使って考えることはできる
もし、きつみはが目当てなのなら、それは事前に排除せねばならない
もし、本当にもしもだが、単なる鯉のぼり好きなちよっと変わった人間ならどうするか
だがそんな人間がこの俺の住む町内もしくは近辺に出没するだろうか?
もっとも水谷たちみたいなきつみはラブな連中もいたくらいだから現れてもおかしくはない・・・かな?
まずはその鯉のぼり男と接触して目的を聞き出さねば・・・
「ただいま!」
色々考えてそろそろ熱が出そうになった頃、きつみはが戻ってきた
「お帰り、今日は早かったな」
「うん、俺くんが心配だったしね それに・・これ見て!」
きつみはが手にした紙袋から派手な色合いの布を取り出して広げた
嬉しそうにニコニコしたきつみはは本当に幸せそうだったが
手にしたその布は細長くて両端に大きな穴がいくつか
空いていて・・・鯉のぼりそのものだった つづく