0047fusianasan
2018/05/06(日) 20:17:15.82「天国には一つだけ掟があります。アヒルを踏んではいけない、ということです」
と注意をうけて中に入った。
案の定、いたる所にアヒルがいた。とてもアヒルを踏まずには歩けないほどだった。
細心の注意を払いながらも、タラ子がついうっかり一羽のアヒルを踏んでしまった。
するとセントピーターが、タラ子が今までに見たこともない醜い男を連れてやってきた。
彼はその男とタラ子を鎖に繋いでから理由を説明した。
「アヒルを踏んだ罰として、この男と永遠に鎖に繋がれることになります」
翌日、振り子も、アヒルを踏んでしまった。
するとセントピーターが、極め付きの醜男を連れてキッチリやってきた。
タラ子と同じようにセントピーターは振り子と男を鎖に繋いで、同じ説明をした。
ばさ子はこの顛末をつぶさに見ていたので、
醜い男なんぞと一緒に鎖に括りつけられて永遠に過ごす羽目にならぬよう、足の運びには精一杯気をつけた。
ばさ子が何とかアヒルを踏まずに数ヶ月が過ぎたころのある日、
セントピーターが今までに出会ったこともないハンサムな男を引き連れてやってきた。
男は背が高く、長い睫毛をした、筋骨逞しく、細身だった。
セントピーターは何も言わずに二人を鎖に括りつけた。
ばさ子は怪訝な面持ちでつぶやいた。
「私が貴方と一緒に鎖に括られるような、何か褒められるようなことをしたのかしら」
それに男が答えた。
「僕は君のことは何も知らないんだけど、ただアヒルを踏んじゃいました」
これぬっき;H;