きつみはもふもふふもふもふ 
何がベストか、か・・・
黒は少し重い気がするからグレーとかチャコールとかこげ茶がいいかな
気分を変えたい時はクリームとか明るくいきたいね
まかり間違っても赤とか真っ青とか派手系は俺には似合わないと思うんだ
きつみはなら・・・赤が似合いそうだな、あいつの黄色い毛皮とマッチしそうだよ
え?何の話かだって?だってベストだろ?ベストといやチョッキじゃないか
英国紳士みたいなカッコいいチョッキも憧れるな・・・俺にも無理かハハハ・・・

>>160
きつみは・・・きつみは!!今行くから無事でいてくれ!!
神社へと駆けて行く俺の姿は傍から見れば異様そのものだったろう
ピザなメタボな冴えない男がすごい勢いで走っているのだ
だが今は形振りかまってはいられないのだ
すべてはきつみはを魔の手から救うため、俺にはそれしかないのだ
途中で水谷と合流し、共に神社へと向かう
「お前も神社にか?」
「はい、きつみはさんの行動パターンを考えるとあそこが一番じゃないかと思いましてね」
水谷にしては中々な推理だ
俺たちは息が切れようと心臓が爆発するくらいの動きをしようとも足の動きを緩める事無く先を急いだ

「う・・・」
「おっと、もう少し大人しくしてくれないかな?うっかり手を滑らせて落としてしまったら大変だよ」
男の声が気持ち悪く、そして段々と怒りが募ってきた
身動きは取れないが、それでも何かやれることがあるはず・・・
きつみはは考えて考えて、そして唯一自由になる場所に至った
体中には何か長い布の様なものがグルグル巻きになっていて動きを封じられているが、頭は体ほどでもない
そしてきつみはは人間よりも鋭い武器にもなるアレを持っている
意を決したきつみはは自分の顔に張り付いている布の様なものに思いっきりその歯を立てて噛み付き、引きちぎろうとした
一回では何も噛み切れなくて、それでも何度も続けていると布に綻びができ始め、そこを再度、渾身の力で引き裂いた
ビリッ!と何かが切れる音と共に顔を覆っていたものが無くなり、きつみはは肺いっぱいに空気を吸うと大声で叫んだ
「助けて!!俺くん助けて!!!」 つづく