ナイバッチきつみは
今週も頑張っていこうなモフモフ
パフパフモフモフパフパフモフモフパフパフ・・・ふう・・・良い仕事をした・・・

>>188
自分をどこかへ運ぼうとしていた男の足が止まった
「だ、誰だ!!」
「御主の様な悪漢に名乗る名など無い」
きつみはは声のする方を見た
白地に綺麗に染め上げられた魚の鱗・・・
「よ、妖精さん!!」
「我が友よ、もう少し待っておれ 今、助けてやろう」
そこにいたのは間違いなくあの鯉のぼりの妖精であった
だがきつみはの知っている笑顔の優しいそれではなく、今は凄く・・・あえて言えば静かに怒っているような表情をしていた
「なんだ!これは俺のだ!俺が捕まえたんだから俺のなんだ!」
きつみはを捕らえている男が狼狽しながらも妖精を振りきって逃げようとした
「逃がさぬ」
妖精が何かを投げると、それは大きな鯉のぼりとなって男の体に巻きついた
「うわっ!な、なんだこれ!」
クルクルと体に巻きつき動きを封じられ、男はきつみはを取り落としてしまった
地面に転がったきつみはは、妖精が次の鯉のぼりを飛ばし、更に男に巻き付かせ締め上げるのを見た
「うぐっ!く、苦しい・・・」
「我が友が受けた苦しみはそんなものでないはず・・・」
更に締め付けを強くすると、男は急に動かなくなってしまった
「気を失ったか・・・無事か、友よ」
鯉のぼりの妖精に拘束を解いたもらうときつみはは安堵からか泣き出してしまった
「ふえ・・・怖かったよ・・・」
「よしよし、もう大丈夫だ」

俺がやっと石段を上がってきつみはを探しに神社の裏へと行くと、きつみはが誰かに抱きついて泣いていた
「きつみは!大丈夫か!お前・・・お前が!!」
「ち、違うよ俺くん!この妖精さんは助けてくれたんだよ!」  つづく