「考えなおすんら、ぶさこ。お前は総合子殺しに向いてる男じゃない。(中略)」
震える肩に、振り子の手が伸びた。
「違う!違うのよ、振り子!」
だん、とぶさこのこぶしが、振り子の垂れた胸を叩いた。
その瞳から零れた涙が素肌を伝って、岩に吸い込まれて、消える。
「私は……総合子……なのに……なのに、私が…ぶさこが…演じたスケベ女にしか、
総合子は価値を認めない…あなただって…そうじゃない…」
「…ぶさこ」
振り子は、初めて自分の軽口が、どれだけ友人を傷つけていたかを知って
慄然となった。
「総合子のさ…総合子のセックスのための理想型にされて、毎日みたいに性欲剥き出しに
した眼で見られてさ…!(中略)」
「…顔、拭けよ。涙でえらいことになってるぞ」
「振り子…」
さまざまな感情を押し殺して、振り子はぶさこの涙をハンカチで拭いてやった。
目の前で泣きじゃくる友人が可憐な乙女にしか見えなくなって、振り子はぶさこの
おっぱいがぷるんぷるんなのかどうか、直に確認したい衝動にさえ襲われた