ボサボサながらも頑張っているきつみははもう最高・・・
その毛皮の乱れは頑張った証だよな
え?ただの静電気だって?いやいや謙遜を・・・
とにかくだ、ブラッシングして毛並みを整えような
このままだとただの野良きつねにしか見えなくもない・・・
さあ、取り出したるこのブラシ 今年新調した特製の毛皮用のブラシでこれで梳くとアラ不思議?
あっという間に艶々サラサラヘアになってしまうという優れものだ
ではササッと・・・うわっ!今、バチッて鳴ったぞ!それに火花が飛んだ!
こ、これは・・・本当に静電気だったのか・・・ならこの静電気防止スプレーをシュッと・・・
うん、これで大丈夫だな よしよし、乱れた毛皮は俺が丁寧に直してあげるから大人しくしているんだよ

クマーはふわふわな白い世界でまどろんでいた
あたたかくて気持ちよくて、お腹もいっぱいで幸せな気分・・・
時々グラグラと揺れた気がしたけど、そんな事も気にならない
このまま、ここでずっと・・・

何かが自分の体の上を動いている
ゆっくりと覚醒していく頭でクマーはそれを感じていた
ああ、でも・・・不快じゃないし気持ちいいし落ち着く・・・
浮上しかけた意識はまた眠りの中へと沈んでいった
「・・・寝たか」
再び眠りの世界へと行ってしまったクマーを見て、男は安心したように呟いた
寝ているクマーの毛皮を撫で回したいという欲求にあがなえず、撫でくり回していたらクマーが起き掛けた
今、起きられて暴れられたら大変な事になる
春までクマーと共に幸せに暮らすという計画が・・・俺の夢が台無しになってしまう
男はクマーの寝息を確認すると、クマー部屋から静かに出て行き、監視室へと向かった
そこには多くもモニターがあり、クマー部屋に備えられている多くの監視カメラの映像が映されていた
「さっき起き掛けていた時の映像は・・・これか フフフ・・・このモゾモゾ感が実にたまらないな」
男にとってクマーの一挙手一投足、ほんのちょっとした動きでさえも男にとっては実に堪らなく思えるのだ
そのクマーを自分の手の内に入れた男は、これからどんなちょっかいをしてクマーを弄ろうかと考えるのであった
そしてクマーはそんな事を知るよしもなく、惰眠を貪るのであった