ナイバッチきつみは
そうだった、今日は雛祭りだったな
ならばちらし寿司と蛤の潮汁を作ろうか
今風にケーキを用意するのもいいが、問題が一つあるんだ
何かだって？うん・・・うちには女の子がいない
本来雛祭りは女の子の成長を祝うものだから、男所帯な俺んちに関係ないものだ
だけどやっぱり祭りとなると便乗したくなるよな
え？女の子がいないなら用意すればいいって？
きつみはよ・・・中々大胆な発言をするようになったな
だが、俺には知り合いの女性というものは、行きつけのスーパーのレジのおばちゃんくらいしかない
そうだ、きつみはよ
お前が女の子の格好をすればいいじゃないか！
我ながら名案だな、うん・・・
ん？それはお断りだって？
いや、きつみはは可愛いし、ちょっと女の子の着物とか着たらきっともっと可愛くなるって
俺が保障するぞ・・・やっぱり嫌か
お？なんだって？俺が女装すればいい？
いやまてよ、こんなムサイ男が女装したってグロ注意にしかならないぞ
どこのマニアックなおかまバーだよって話さ
でもな、無理やりに雛祭りの体裁を整えたって楽しくないしな
よし、俺んちは俺んちのやり方で雛祭りを楽しむとしようか
そうと決まれば、今から米をといで夜用の酢飯にしよう
そしてご馳走をたんと作って二人で食って飲んで楽しもうな
これが俺んちの雛祭りだ！！