尾田:実際プロになってみて、ファンレターとか貰うようになると、
そのほとんどは女の子からなんだということをまず知るわけです。
男の子っていうのはもう、筆をとらない(笑)。
手紙も切手も持ってないし、わざわざ労力をかけて、人に
「面白かったです」なんて答えようと思わない。だから、少年というのは
楽しんではいるんだけど、意見は伝えてくれない人達なんです。

女の子の意見というのがすごく多いんだなということが分かって、
漫画界を見渡してみると、「この人、女子の意見に流されてないか?」という人が
たくさんいることに気づいたんですよ。ということは、もらった
ファンレターの意見をお客さんのニーズだと思って描いたら、
これは結果的に少女漫画になるぞと(笑)。

それは女の子達からの手紙も嬉しいですよ。黄色い声が
キャーキャー上がっているようなものですから。
だけどその意見に揺り動かされているようでは、僕は
少年漫画雑誌での立ち位置を失うというか、存在価値が
なくなるんじゃないかと。それは連載を始めてから実感したことです。



訳:「お前ら客じゃねーから」