0716fusianasan
2020/11/12(木) 12:36:36.35クマーもいよいよモコモコ帽子を被る季節となったか
いや、その前にクマーなら冬眠だろ?
というか、今年はクマーにとっては過酷な秋だったはずだ 冬眠前にたらふく食べさせてやらねば
「クマーは大丈夫じゃないかな?」
ん?何故だ、きつみはよ 今年は山の恵みが不作で里に下りて来る獣が増えているんだがな
「だってクマーのお腹、いつにも増して俺くんに似ているよ」
は?俺に?おい待て、俺の体型はクマーと同じかそれ以上なのか?
「あれ?俺くんは気がつかなかった?お腹に関してはクマー以上も以上だよ」
なんか日本語の使い方が違っている気もするが、俺の腹はそんなにクマー以上だったか
うん、俺よりもアレだというクマーのお腹の為に、何か美味い物を用意しようか
そう、俺よりももっとふっくらムチムチにならないと、冬眠は出来ないからなククク
「あ、あの・・・何か食べ物を・・・」
「わあっ!クマーだ逃げろ!」
ああ、また逃げられてしまった・・・これでもう何回目だろう
今年は山に食べ物が無い、というか、まったく無い!
山の神様が怒ってしまったのか、本当に食べるものがないのだ
仕方なく俺、クマーは里に近い人のいる場所に出て、食べ物を乞うてみるのだけど
俺の姿を見るだけで人間は逃げてしまう
酷いときには鉄砲を持った人間に追いかけられてしまい、沢山走って逃げて、ますますお腹がすいてしまう
「もう・・・動けない・・・」
空腹が極まり、もう身体が動けなくなった
もうすぐ雪も降るだろうな、冬眠も出来ない・・・凄く・・・眠いよ・・・
「おい、クマー これを食え」
誰かが俺の口元に美味しそうな匂いのするものを近づけ、その匂いで俺の意識は一気に覚醒した
「た、食べ物!!美味しい!!」
がつがつと食べる俺の姿を一人の人間が見下ろしていた
「もっと食うか?沢山食べてくれていいよ でもちょっとしたお願いがあるんだけどな
大丈夫、しっかりした冬眠施設で寝ていてくれるだけでいいんだよ たまに添い寝させてもらえればね」
「え・・・は、はい・・・それくらいなら・・・あの、もっと食べ物ください」
その冬、冬眠しているクマーと同衾できるという、あまりにもマニアックな秘密クラブが繁盛したというどっとはらい