1等頑張ったな、きつみは
よし、今日はちらし寿司でお祝いだ!稲荷寿司じゃないぞ、ちらし寿司だ!!
ん?稲荷寿司のほうがいい?今日くらいはちらで行こうぜ!

昼下がりの住宅街
日差しも強く、外に出歩いている人もあまりいない
チリンチリン・・・
どこからともなく、小さな鈴の音が聞こえてくる
チリンチリンチリン・・・
「・・・どうですか?・・・いりませんか?」
まだ少年とも思われる若い男の声が、鈴の音と共に聞こえてくる
それを聞いた俺は一目散にその声のするほうへと走り出した
暑く、陽炎が立っている昼下がりの道を、小さなリヤカーを引っ張っている行商人らしき人影があった
「おーい!待ってくれ!」
俺の呼びかけに「み」と書かれたヤカーは止まり、行商の若い男がこちらを振り向いた
「あっ、これは・・・まいどありがとうございます・・・」
客の前だというのに、オドビクとした態度・・・だが、これがいい
「やっと見つけたよ 今日はナニがある?」
行商の男は視線を彼方此方に彷徨わせ、そして意を決したようにリヤカーに詰まれた売り物を広げた
「きょ、今日は・・・三年ものが・・・」
「三年!どんなのだ、見せてくれ!早く!」
この行商人、実は知る人ぞ知る逸品のみを扱っていて、その手の好事家にとって見かけたら即買い!なのだ
これです、と見せられたそれは、着倒されようなよれよれのシャツで、白地がところどころ黄ばんでいる
「いいなあ、これ・・・他には?何か特別なのはないかな?」
「あ、あの・・・これ・・・」
行商人が出してきたのは、ビニール袋に入った子供用のブリーフで、これも黄ばみ、特に股間の部分が酷かった
「凄い・・・滅多に出てこないぞ、こんなの・・・これとそれと・・・アレも・・・あ、持ち合わせがないや、じゃあこれで」
中々の金額を提示され、それを払うと、俺は買ったそれを抱えてスキップしながら帰路に着いた
途中で振り返ると、リヤカーは色んな男たちな囲まれて盛況のようだ
いやあ、いい買い物をした このブリーフはビニールから出さずに、時々匂いだけ楽しもうっと
それと穴の開いた靴下・・・穴が開くくらいはいたんだろうな、これも色々と楽しめそうだ
三橋から直に買える三橋の古着、いやあ、たまりませんなあハハハ