1等頑張ったなきつみは 今日ものんびりゆっくりダラダラと・・・降る雪を眺めていような・・・

前スレ>>991
逃げ切れないと覚悟した俺に残されたのは、ただ大人しくしていることだけ
案の定、落とし穴が引きずり出され、縄で全身をグルグル巻きにされ
猿轡を噛まされて声も上げられない状態にされた
いや、もう、抵抗する気力も無いよ
組織の命令の反するのは怖いが、その前に自分の命が一番大事だよな
この家の主であろう男からは、悪いようにはしない、と言われたがどうなることか
ああ・・・思えば短い人生だったな、もっと色々とやりたいことはあったのに
あんな事とかこんな事とか、仕事以外でもっと活躍したかったとか
死ぬ直前に頭の中をそれまでの人生の出来事が走馬灯のごとく回るというが
俺の場合はあまり碌でもないものだろう
「おい」
物思いに沈んでいたら声をかけられた
「今から俺の言うことをよく聞け そしてその通りに従え
そうしたら無事に解放してやるし、そっちの組織の面目も潰さないでおいてやる」
組織の?そんな事がこの男に出来るのか?こいつは一体何者なんだろう・・・
疑問を持ちつつも、俺は身動きが出来ないまま、地面に転がされた状態で頷くしかなかった

「・・・水谷、これ、大丈夫なのか?」
俺は用意された舞台を見て心配になってきた
「急いで作ったものですからね、見た目はアレですけど耐久性は・・・なんとかなるでしょ」
いや、なるでしょ?とか何だよそれ?
「この板に足を置いてくださいね それと命綱はちゃんとつけてくださいよ
それと、これは俺さんの衣装ですからちゃんと着替えてください」
水谷から渡されたそれは・・・なんか肌触りの悪い布?
これ、どこかで見たことがあるぞ、確かコーヒー豆とか入れてる丈夫だけど荒い布の袋・・・
「それと俺さんはドーランも塗りますからね、本格的にいきますよ
きつみはさんはこっちですよ、ちゃんと尻尾も耳は隠れるようになってますからね」
きつみははと言うと、衣装を渡されるとすぐに着てくる、とワクワクな様子で家へと入っていった
この待遇の違い、どうしてくれようか・・・ つづく