ナイスポジション、きつみは
よし、今日は大根だな、風呂吹き大根とおでんのどっちがいい?両方?任せておけ!!

>>64
「罪深き、迷える子羊よ、入りなさい」
きつみはの落ち着いた静かな声がして、新たなスポットライトが一人の男を照らす
ロープで体中をグルグル巻きにされ、跪いた姿の男にはもう猿轡は無い
下を向いて跪いている奴の表情は伺えない
というか、俺もあまり目を開けられないのだ
薄目でチラチラと見るくらいしかできないもどかしさ
全てを茶番にする為に考え付いたことだが、今思えばもっと違う方法もあったのでは?
何か、用意した十字型の柱が俺にとってはイマイチで
この上に上がるだけでも大変だった
本当なら足を置くところに登って両腕を広げるだけでよかったんだが
柱の耐久性が危ういとか傾くとか色々とあって、何故か俺も目立たないように柱に縛りつけられてしまった
命綱ってなんだったっけ?
とにかく、さっさと終らせて、全部笑い飛ばして終らせよう!
「心ゆくまで懺悔をなさい」
きつみはが二つ目の台詞をゆっくりと言った
しかし水谷よ、きつみはの衣装はちゃんとした物なのに、俺のは何でこんななんだ?
色は黒いけど、どこかの聖歌隊の衣装みたいなローブに、ツバのない、頭にすっぽりはめるだけの帽子
きつみはは耳があるから帽子の高さが高いが、それでも可愛い
きつみはがこの姿で現れたとき、ご近所からは「可愛い!」と言う声があちこちから聞こえたな
うん、可愛くて似合っているぞ、流石だなきつみは
だが俺の姿は・・・誰だ、原始人なんて呟いたやつは
おまけに青白いドーランを全身塗りとかもう・・・オリジナルを完璧に模倣するつもりか?
後で見ていろよ、水谷・・・
「はい・・・自分は・・・仕事とはいえ無断でこの家に忍び込んで、逃げようとして庭をボコボコにしてしまいました」
お、懺悔が始まったか
前もって教え込んだ台詞をそのまま言うだけとはいえ、こいつも中々のものよのう・・・
「そして落とし穴にはまり、一斗缶の雨に打たれ、金盥の洗礼を受け捕まりました
もはや懺悔の値打ちもありませんが、どうかお許しください」 つづく