「ね、ここにいる人たちがみんなマスターベーションしているわけ? シコシコッって?」と下手子は寮の建物を見上げながら言った。
「たぶんね」
「総合子って振り子のこと考えながらあれやるわけ?」
「まあそうだろうね」とぶさこは言った。
「株式相場とか動詞の活用とかスエズ運河のことを考えながらマスターベーションする総合子はまあいないだろうね。まあだいたいは振り子のことを考えながらやっているんじゃないかな」
「スエズ運河?」
「たとえば、だよ」