あの日水浴びする鯉を覗き見して欲情した月はその腰に炎を点した
その夜月は鯉を夜這いし月の黒光りする太いでかまらが鯉の処女性あふるる清純なる蕾を往復し、その摩擦によって生じたのが原初の月鯉ボルケーノである
月は誰に唆されたでもなく己の腰に点った炎によりこの世の清らかさの象徴である鯉を穢した罪により楽園を追われた
これが失楽園である
−月鯉神話一章−