これヒグマも使う止め足ってやつか

途中でオオカミはトラの足跡を見つけたが、飢えていたのか追跡を続けた。
 そのうちシカが円を描くようにして迂回し、今まで歩いていた方向とは逆向きに歩くような結果となった。
シカの位置が風下になって、やがてトラは後ろから来るオオカミの匂いを捉えたらしい。
トラは左側に5、6回、大きくジャンプして巧みに自分の足跡をそらした。そして今来た道に平行して後戻りして岩陰でオオカミを待ち伏せた。
 オオカミを一度やり過ごしたトラは、トラの足跡を見失って躊躇しているオオカミの背後から忍び寄り、襲いかかった。オオカミはトラの餌食となってしまった