「ナコルル……」

そう呟いたのは銀髪の忍者、ガルフォード。
先程呟いたのは今は亡き愛しの少女の名前。
小さながらも頼れる相棒パピーは鬼籍には入り、今は一人。
今は己が正義に殉じ、世のため人のため、悪事を働く者共を成敗している。
しかし……

「俺の正義は……本当に正義なのか?」

ガルフォードの成敗とは殺す事。 つい最近自分が殺した悪党の息子に刺された。
幸い命に別状はなかったが、それ以来、子供の投げた言葉が頭から離れない。
ガルフォードの正義とは強さを挫き、弱さを助け、悪を許さぬもの。 しかし、人を殺すことは悪ではないのか? ならば、自分の正義は、本当に正義なのか……?
そう迷っていた。

「むっ?」

ふと森から人の気配を感じ、ガルフォードは背中の刀の柄に手をかける。
出てきたのは……