ヤマトナデシコ七変化 その2
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0001名無しさん@ピンキー2008/01/25(金) 14:53:12ID:4nMubhdZ
落ちてたので立てました。
前スレURL貼れる方お手数ですがお願いします。
0220名無しさん@ピンキー2009/10/05(月) 21:05:35ID:tWWjFDgj
何だこの流れw
というか、このスレにこんなにまだ住人いたことに驚いた
0221名無しさん@ピンキー2009/10/07(水) 19:52:10ID:8cSFNoSg
>>220禿げ上がるほどry
保守。
ハロウィン小ネタ、えろなしですいません。







「とりっくおあとりーとー」
やる気のない声でがちゃりと無遠慮にドアを開けた侵入者を一瞬ちらりと見て、私はテレビ画面に意識を戻した。
「なんですか。お菓子ならさっき貴方遠慮なく強奪してったからもうありません」
それにまぶしいんです。気が散るからさっさとドア閉めてください。とあからさまなくらい背を向け、口早に言い捨てる。
勿論反論なんか聞く耳はない。
南瓜のプディング、タルトにパウンドケーキ、マフィン。今年も精根篭めて作ったのに。
思い出すとイライラするので意識して目の前のDVDに没頭する。もとい、しようと試み…敢えなく失敗した。
「だから出てけと言ったはずですけど」
何故横に座るのだ。何故こちらを凝視するのだ。全く以って意味が分からない。
「出てけなんて言われた覚え、ねーけど?」
まぁ、言われた通りドアは閉めてやったけどな。と鼻で笑うその美しい顔が死ぬほど憎たらしい。
「じゃあ今言います、出てってください」
「やだ」
「ハァ!?何なんですか、一体!」
お菓子強奪したあげく、ご丁寧に嫌がらせですか。この極悪非道!
腹が立ってじゃああたくしが出ていきます!と言いかけ、なんであたくしが出て行かなきゃいけないんだと思い至り忌ま忌ましくて唇を噛む。
むっつりと押し黙る私をちらと一瞥し、高野恭平は事もなげに「お前さぁ、何しに来たのか位聞けよなー」などと抜かした。

「…何か御用ですか」
何だか負けた気がして非常に気分が悪い。
不機嫌も露な質問に、しれっと返ってきた反応は。

「菓子ねーから悪戯されにきた」

で、この場合いたずらってトリックか?じゃあトリックオアトリートになんねーな。などとうそぶく横顔に、私は思い切りクッションを投げつけた。

おわる
*********************************

トリックは悪戯、トリートはおもてなし、と言う意味らしいですね。知らなかった。
このあとそんなのいらんと突っぱねるスナコに、じゃあ俺が悪戯するわと恭平に美味しく頂かれちゃえばいいなぁ。と
思いつつ続きが浮かばず断念。すいません。

0236名無しさん@ピンキー2009/11/08(日) 21:22:32ID:Ce5x5zc7
0238名無しさん@ピンキー2009/11/09(月) 21:28:45ID:HPIb9Q6O
泡立てていたホイップクリームが勢い余って顔にかかっちゃったスナコちゃんに無理やりキスする恭平という電波を受信した。
0241名無しさん@ピンキー2009/11/29(日) 11:23:45ID:9Ql0jtFL
0242名無しさん@ピンキー2009/11/30(月) 22:32:44ID:0HMAkPSn
ドラマ化と聞いて…
ドラマは見ないかもしれないが、それをきっかけに職人さん来ればいいなと思った
0243名無しさん@ピンキー2009/12/05(土) 00:55:27ID:HSZSgjTz
ドラマの設定だと雰囲気変わるだろうけど
それでスレが活性化してくれたらやっぱり嬉しいな
ジャニーズだし荒れないといいが
0244名無しさん@ピンキー2009/12/11(金) 22:39:28ID:WuQhcqfJ
スナコは栗山千明にしてほしかったな
0245名無しさん@ピンキー2009/12/12(土) 01:09:00ID:RIOdU8Kb
>>244
同じく
栗山千明のイメージだよね
0249名無しさん@ピンキー2010/01/12(火) 08:43:39ID:FiCpcedQ
ああ
02531/22010/01/28(木) 16:42:59ID:CDOnbYLn
保守ついでに小ネタ投下。

恭スナ、スナコ目線。付き合い始めたばかりの二人、のつもりです。
エロに持ち込めなかったうえ無駄に長くなりますたorz
改行エラーのため、2レス消費させていただきます。
ドラマもあるし、また盛り上がってほしいなあ。

************************************************

最近、おかしい。自分が。

学校にいて授業を受けている間も、部屋に籠ってひろしくんを磨いているときも、
こうして大好きな料理をしているときですら。
集中できていないのだ。
原因は自分でもうんざりするほどわかっていた。
気がつけばぼう、と考えている。

「おい、」

…。

「おい、中原スナコ。」

名前を呼ばれて驚く。
気づいたときには既に、整いすぎた美しい顔が自分を覗き込んでいた。
「……!!」

しまった。思い切り後ずさった後で思う。
拒否の意味にとられただろうか。

相手は少し黙り込んでから、小さく嘆息して
「ただいま」
少し寂しそうに言った。

ああ、違うのに。
言いたいことはたくさんあるのに、弁明の言葉は浮かんできてはくれなくて。
あなたのことを考えていた、なんてもちろん言えるわけもなく。
「…おかえり、なさい」
自分を腹立たしく感じながら、紡ぎ出せた言葉はそれだけだった。

「おう。晩メシ、何?」
自分の最近の散漫さの原因でもある男は、
冷蔵庫からペットボトルの水を取り出しながら何事もなかったように訊ねる。

「…鯖の生姜煮と、温野菜と味噌汁、です」
傷つけただろうか。
努力してはいるものの、やはり気恥ずかしさと彼の眩しさに慣れることは、
暗闇で長い時間を過ごしてきた自分には想像以上に難しくて。
またやってしまった、と俯きながら応えると、大きな掌が頭の上に降りてきた。

「何おまえ、元気ねえぞ?」
ぽんぽんと、まるで小さな子どもに、大丈夫だよと言うみたいに。
彼なりの気遣いに安堵すると同時に、申し訳なさが胸を締め付けた。
ごめんなさいと、俯いたままごく小さな声で呟くと、
何謝ってんだよ、と彼が笑った。
02542/22010/01/28(木) 16:44:05ID:CDOnbYLn

聞こえていたことに驚いて顔を上げると、切なそうな瞳と視線がぶつかる。
なんて綺麗な目、などと一瞬ぼんやり見とれていると、そのまま距離が縮まってくる。
驚いて反射的に避けそうになって初めて、緩く抱きしめられていることに気がつく。
いつの間に、なんて思ったときには額に口づけが降っていた。

真っ直ぐな目が、私を捉えて離さなかった。
「逃げんなよ。」
無理はしなくていーけどさ。少し拗ねたように言ってから、タコみてえ、と真っ赤になった私の顔を笑う。
どうしていいのかわからなくて、とりあえず小さく頷くと、今度はしっかりと抱きしめられた。
額に、こめかみに、頬に。優しい口づけが降りてくる。
心臓の音が、相手にも聞こえてしまいそうなくらい、うるさかった。
そっと添えられた骨張った指先の冷たさが、火照った頬に心地良かった。
「外、寒いんですね」
あまりの近さが恥ずかしくて言うと、
「うん、お前のほっぺたあったけー」
少し赤くなった顔で笑いながら、額をこつんと合わせてくる。


愛しい、と思う。
今でさえ持て余しているこの気持ちを自覚するのに、いったいどれ程の遠回りをしただろう。
恋なんてただの錯覚だと思っていた。
人を好きになる資格なんて、私には一生無いと思っていた。

思いを交わしたあの日から、私でいいのかと何度も問うた。
その度に、おまえがいいと笑ってくれた。
これからだって、きっと悩みは尽きないけれど。
あなたが笑ってくれる度、私の気持ちは軽くなるから。
今はまだ恥ずかしくて、言葉にするのは難しいけど。
ずっと隣にいさせてください。
心の中で、目の前の愛しい男にそう呟く。


合わせた額が離れて、真っ直ぐに見つめられて。
「目、閉じろ」と彼が囁く。
唇が、重なった。
溶けてしまいそうだと思いながらも、離れていくのが名残惜しかった。

「なぁ、」
見上げると、赤くなった顔が、子どもみたいに笑って言った。
「ずっと一緒にいてな。」


*************************************************

以上です。
えっと、ごめんなさい。
0255名無しさん@ピンキー2010/01/28(木) 16:55:32ID:2fVP7Uf9
GJ!スナコかわええ

ドラマ化したしまた盛り上がってほしいねえ

恭スナでなにか書きたいなあと思ってるんだけど、ネタが降ってこないんだよなあ

なにか浮かんだら投下しにきまーす

0257名無しさん@ピンキー2010/02/01(月) 14:14:04ID:JeaVwZRu
>>253です

>>255,256様、拙い文章にコメントありがとうございます
小説を書くこと自体初めてで
とても緊張していたのでほんとに嬉しかったです
ありがとうございました!

255様、恭スナ待ってます!
0262名無しさん@ピンキー2010/02/07(日) 22:48:06ID:7JFBd9NU
ニヤニヤニヤニヤ
0267名無しさん@ピンキー2010/02/21(日) 01:16:28ID:FCqj3e14
ドラマの恭スナもエロくて萌えるのに
スレが止まってる…_| ̄|○

恭スナもいいけど、雪スナや蘭スナもいいよ。
竹ノイは…。
0271蘭丸12010/03/09(火) 01:13:33ID:glsuVHH/
ドラマ版8話終了後の蘭丸
原作を知らないので多々お目こぼしを


俺は自分しか愛せないんだ。確かにそう思っていた。なのになぜ、こんなに心がざわついているのか自分でも分からない。
泣かれたから?
まさか。女性の涙なんて、俺には別れを彩る小道具の一つでしかない。
だいたい、あの子は親が決めた婚約者で…

「何考えてるの?」
髪を絡めとる指先に漂うのは、俺がプレゼントしたのとは違う香りだ。
甘い匂いがさらに近くなり、耳たぶから首筋へと女の吐息が落ちてきた。
俺の胸に添えるようにしなだれていた女の指にくちづけてやる。
「なんでもありませんよ」
「あら、気にしないわよ、私は。昼間の子のことでしょう」
「僕にはあなたしか見えませんよ」
今度は唇を重ねて、ゆっくりと彼女の体をベッドに沈めた。
0272蘭丸22010/03/09(火) 02:09:35ID:glsuVHH/
柔らかな乳房に触れると、女の体温が次第に高くなっていくのがわかった。
それに合わせて、肌から立ち上る香りも、より甘く、鼻をつくように感じた。
俺以外の男の匂いをさせて、俺に抱かれる女…良いんだよ…それくらいで。お互い様じゃないか…今までだって、そうやって…

「オソレイリマス」

どうしてこんな時にあの能面娘の顔がちらつくのか…。
「ごめん。用事を思い出した」
「え?」
「埋め合わせは必ず。部屋は使って良いから」
振り返りもせず、乱れた襟と髪を整え、ホテルを出た。
心臓が燻されていくみたいだ。

「今までのバチが当たったんだよ」
ふんっ と雪之丞がそっぽを向く。
「夕方、珠緒ちゃん来てたんだよ。蘭丸に失礼なことしたから謝りたいって」
「え…」
「女のとこになんか行ってないって、信じたかったんだよ。蘭丸のバカ」
「それは…」
「電話くらいしてあげたら。待ってるかもよ。付き合うって言ったんだろ」
武長に促されるようにして、俺は部屋に戻った。足が重い。
0273蘭丸32010/03/09(火) 02:44:23ID:glsuVHH/
「わざわざのお電話恐れ入ります」
能面娘が電話口でお辞儀をしているのがわかった。
礼儀正しくて成績優秀。習い事もピアノにお花にお茶に琴だか。多分森井グループの嫁としては申し分ないんだろう。
ただ、問題は俺が彼女を愛せるかどうかなんだ。そしてそれはすごく難しいことな気がする。
「あの…」
「…ごめん。今日来てくれたって」
付き合うと言ってしまったことを今さらに後悔しながら、相手を伺う。どうせならあっちからふってくれれば楽という打算も無くはない。
「今日は申し訳ございませんでした。挨拶もせず帰ってしまって」
「いや、こっちこそ」
まさか、君の顔がちらついて最後までできなかったと言うわけにもいかず、気まずい沈黙が流れてしまう。
「…会えるかな」
「え?」
「会えるかな。今から」
いっそのこと、嫌われてしまおう。
時計は十二時。俺は前持って、大人の付き合いと断ったからな、と自分に言い聞かせた。
0274蘭丸42010/03/09(火) 04:14:56ID:glsuVHH/
どうして、この子はこんなにも素直なのだろう。待ち合わせ場所に現れた姿に、もう一度胸が痛んだ。
「出てきて大丈夫だった?」
「両親は海外に行っておりますので」
外泊の為の余分な嘘は要らないようで、なぜかほっとする。
白いコートの下に、ほっそりとした足が見える。清潔感のあるメイクに、髪もきちんとセットされて、こんな夜中でも一部の隙もないお嬢様なんだな。
けしてブスというわけじゃない。むしろ美人の部類に入るだろうこの子を、なぜ愛せないと思うのか。
女なら誰でもOKと自負していたはずなのに…
「寒いだろ。中に入ろう」
さりげなく肩を抱くと、彼女がかちかちに強ばっているのがコート越しにも分かった。
これからのコトが分かっているのかどうなのか。
ふっと、柔らかな髪の匂いが鼻をくすぐった。シャンプーか石鹸か…香水ではない、優しい匂いだった。
「良い匂いだね」
「恐れ入ります」
「泊まれるんだよね」
「……」
「意味は、分かるね」
能面のようだった顔に赤みがさして、彼女はうつむいた。箱入り女子校育ちとは言え、大学生だ。その手の噂話と無縁で生きてきたわけでもないのだろう。
「嫌?」
「……」
「今なら…」
「だい…じょうぶ、です」
傷付けたくなんかないんだ、と言っても伝わらない気がして、言葉を引っ込める。
彼女の指は、俺のコートの端を掴んで、わずかに震えていた。艶めいていく夜に怯えたのか、視線を俺に向けてくる。
「入って」
促されるままに、彼女は進む。
ダブルのベッドはこんな時、なんとも生々しく存在を主張するんだな。
「シャワー、先に使う?」
「いえ、もう入って来ましたから」
「そう」
とん、と軽く背中を押すと、彼女はよろめくようにベッドに手を着いた。薄い橙色の灯りに、泣きそうな顔がゆらゆらと揺れている。
ゆっくりと間合いを詰め、彼女の横に座る。彼女は逃げなかった。
「昼間ヤれなかったんだ。他にいなくてね」
「私…」
「大人の付き合いだって言ったよね。だから、嫌だったら帰って良いんだよ」
「だい…じょうぶ…ですから」
「ふうん」
上から覆い被さるように、彼女の手を抑えつけ、唇を吸った。薄い唇は外の冷気をまとって冷たく、口紅の匂いがした。
コートのボタンを外し、ブラウスに手をかける。胸元に小さなネックレスが光っていた。
「蘭丸…さ…」
舌を絡め取ると、彼女の口から吐息が漏れた。抑えている手が震えている。
「こわい?」
「初めてなので…」
「優しくできないかも知れないよ」
ぎゅっ と目を瞑り、俺を待っている。多分、彼女にしてみれば、相当の勇気を必要とすることだろう。
俺は、何をしているんだろう。傷つけたいわけじゃないのに…
そのまま、俺は彼女から手を話し、ベッドに腰かけた。
0275蘭丸52010/03/09(火) 06:23:37ID:glsuVHH/
「…私、何か失礼なことを…」
はだけた胸元を集めながら、彼女は起き上がり、声を震わせた。その目は涙に潤んでいた。
「君のせいじゃない。俺は、自分しか愛せない男なんだ」
喉の奥から搾り出すようにして声にすると、少し気が楽になったように思えた。
「雪之丞様に伺いました」
「ごめん。ひどいことを」
彼女の頬に伝う涙を拭ってやると、ほっそりとした指が、包むように俺の手を握りしめてきた。
「初恋の方のことも…伺いました」
「あいつ」
「私の方から聞かせて欲しいと頼んだのです。申し訳ありません」
はらはらと涙がこぼれて、俺の膝を濡らす。
「私のせいだったのですね。私がいたから」
「違うよ。君がいなくても、結果はきっと同じだった」
あの冬の日、駆け落ちまで誓いながら、彼女はとうとう俺の前に現れなかった。
冬の雨の中で、新しい彼氏と腕を組んで歩いていく姿に、どうして声をかけられなかったのだろうか。
もう夢にも出て来なくなったというのに、まだ俺は忘れてはいないらしい。
「初恋だったんだ…だから」
「……」
「認めたくなかったんだよ。捨てられたことを」
「……」
「認めたくなくて、君のせいだと心のどこかで思っていたかったのかも知れない」
「はい」
「ごめん…俺は」
ああ、そんなことだったのか。彼女に向けていたのは、行き場のない八つ当たり。それを知って尚、彼女はここに来てくれたのか。
俺は…
「…私、蘭丸様をお慕いしておりました。初めて会った時から」
触れあう相手の指を優しいと感じたのは、いつぶりだろう。誰と、どんなに体を重ね合わせても消えることのない虚しさが、澱のように心の底に溜まっているのが、今は分かる。
俺は愛されたかったんだ。ただ、自分が愛したときに相手が去って行くのが恐ろしくて…。
「私は…蘭丸様のもとから去ったりは致しませんわ。お誓いします」
「珠緒ちゃん…」
「蘭丸様だけなのです。私を美しいと言ってくださったのは」
もう、彼女の涙は乾いていた。
「私は父から、感情を表に出すのは恥ずかしいことだと教わりました。笑うのも、泣くのも、良くないことだと」
「……」
「蘭丸様だけですわ。私をあんなふうに言って下さったのは。でも嬉しくても、それをどう伝えたら良いのか…分からなくて」

0276蘭丸62010/03/09(火) 13:57:11ID:glsuVHH/
空調でかすかにカーテンが揺れるのに合わせて、彼女の顔にできた、橙色の影も揺れている。
なんだ…普通の、優しい子じゃないか。そんな子に、こんな悲しそうな顔までさせて、俺は…
「本当にごめん…」
「…私こそ」
沈黙が、夜を支配していく。窓の外では雪が降り始めていた。
「帰る?送るよ」
「…はい…でも」
「なに?」
「もう少し、いても良ろしいですか?」
そう言われて、胸の奥がシクシクと疼いた。
「…蘭丸様は、お嫌ですよね。申し訳ございません」
そそくさと立ち上がり、ドアに向かおうとするその手を、何故か俺は握り止めていた。
このままなら、間違いなく俺の思い描く結末に持っていける。婚約を破棄できる。なのに何故か、手を離すことができなかった。
「蘭丸様?」
「もう少し、ここにいようか」
「え?」
「笑ってくれる?別に…笑うだけじゃなくて…その…色々、表情見せてくれると嬉しい、っていうか」
あまりにもブンブンと首を上下に振られて、思わず吹き出してしまった。
可愛いじゃないか。
女の子の表情でドキドキするなんて、いつぶりだ?あれ?
「蘭丸様?」
「可愛いよ」
「恐れ入ります」
ぐっと手に力を入れると、彼女はよろめくように俺の胸の中に落ちてきた。
細い腰が、腕の中で小さく震えている。ドキドキ言っているのは彼女なんだろうか、俺なんだろうか。
0277蘭丸72010/03/09(火) 14:25:02ID:glsuVHH/
彼女の背中に回した腕を、背骨を数えるようにうなじへなぞり、コートを脱がせた。
先ほどは見もしなかったコートの下の服は、白いブラウスに白いスカートだった。
「可愛いよ」
「恐れ入ります」
緊張しているのか、彼女の指は冷たく、俺の手の中で、居所なくうごめいている。
「鏡、見て」
彼女を鏡の前に立たせると、後ろからスカートのファスナーを下ろした。
しゃら、としなやかな音を立てて、輪のようにスカートは滑り落ち、彼女は身を強ばらせた。頬が染まっていくのが分かる。
「蘭丸…様」
「見て」
俯きがちになる彼女を、後ろから支えながら、ブラウスも脱がせる。
膝上の白いロングスリップが、細い肩紐に支えられて、しっとりと肌に吸い付いていた。
「きれいだよ」
彼女はもう、恐れ入りますとは言わなかった。
首筋に軽くキスを落とすと、ビクリと体を震わせ、身をよじった。
そのまま、首筋へと唇を這わせると、小さな吐息と同時に、熱が上がっていくのが分かった。
左手は腰を支え、右手でスリップの肩紐をつまむ。胸の膨らみを覆っている固い布を外すと、よりくっきりと、スリップに彼女の肢体が映し出された。
0279名無しさん@ピンキー2010/03/09(火) 23:05:20ID:5pcEHBCb
>>271
横レス失礼。
投下してもらうのは非常にありがたいが、ある程度まとめてから投下してもらいたい。
0280蘭丸82010/03/10(水) 06:17:42ID:Tce77yhk
ゆっくりとスリップごしに、体のラインを確かめていく。
小さいけれど、存在を主張する二つの丘。その頂点はもう硬く尖り、色づいている。
うなじにキスを落とすと、珠緒の背中がビクリと強ばる。俺たちの姿が鏡に映り、なんとも淫靡な光景だ。
「恥ずかしいです…」
頬を赤らめ、うつむくその姿は、もういつもの能面ではなく、恥じらいに揺れる、清楚な花の風情だった。
ドクン、と俺の心臓が大きく打った。
ヤバい。これはヤバい。
反則だろう、これは。
支えていないと倒れてしまいそうなほどに、珠緒は震えていた。
けれど、それは俺も同じで、まるで、生まれて初めて女に触れた時のように、身体中が熱く高ぶっていた。
珠緒を抱き上げ、ベッドへと運ぶ。
なんなんだ、この余裕のなさは。どうした森井蘭丸。百戦錬磨の手腕はどこへ行った。
「蘭丸様…」
潤んだ瞳で見つめられた瞬間、俺の中で何かが弾け飛んだ気がした。
可愛いじゃないか。
「こわい?」
「…少し…でも」
「優しくする。約束するよ」
珠緒の肩を抱きしめ、唇を重ねた。さっきの強引な口づけを詫びる代わりに、何度も優しくくちづける。
舌を差し入れると、彼女もまた、俺を求めるように応えてくれた。
こんなことが一々嬉しいなんて、どうかしている。
0281蘭丸92010/03/10(水) 06:55:15ID:Tce77yhk
胸元を軽く噛むと、花びらが散ったように、赤い跡がうっすらと浮かび上がった。
身体中に花びらを降らせるように、俺は珠緒の身体にキスをし続けた。してもしても足りない気がした。
彼女の指が髪を撫で、俺の肩を抱く。
足を開かせ、その間に割って入ろうとすると、やはり彼女は小さく悲鳴のような声を上げた。
「恐くないから」
きゅっと目を閉じ、震えている彼女をもう一度抱きしめ、ゆっくりと、足の間を探り、源泉を辿るように指を動かす。
「あ…」
吐息が彼女の口から漏れ、体がしなる。甘い蜜がこぼれ落ちるように、俺の指をぬめらせ、溢れていく。
さらに指をよじると、彼女は悲鳴とも喘ぎともつかない声を上げた。
俺は俺で、もうとっくにはりつめて、余裕などなくなっていた。
この子といると調子が狂う。ああ、でももうそんなこと知るか。
「痛かったら言って…」
ぐ、と男の部分を押し当てると、珠緒は一瞬逃げようと身を固くした。ごめん、と心の中で小さく詫びて、俺は珠緒の中に押し入った。
ゆっくりと、暗い道を進む時のように、珠緒の中を確かめる。
「…あ…ぅは」
苦しそうな息遣いから、彼女が耐えているのが分かる。
額に、頬にとキスを落とすと、今度は彼女の方から唇を求めてきた。
切ない喘ぎを受け止めながら、俺は夢中で彼女を貪った。
「蘭丸…様…」
うわ言の様に俺の名を呼びながら、彼女の指が俺の首に絡み付く。
「…はぁ…ぁあ…」
何度目かの大きなため息を吐ききった途端、するりと彼女の力が抜け、くったりとベッドに沈みこんだ。
額に張り付いた髪をよけてやると、その指を握り返してきた。
0282蘭丸102010/03/10(水) 07:05:11ID:Tce77yhk
「最低!最低だよ!」
雪之丞はそう言って、またそっぽを向いてしまった。
「結婚する気もないくせに、あんな良い子をさ」
確かに結婚するかどうかとなると、話しは別な気がした。
それでも、昨日とは確実に何かが変わった。もう少し時間はかかるのかも知れないが、いつかはっきりと答えが出せそうな気がした。
それまで、あの子の色々な表情をもっと見てみたいと思っている俺がいる。
このおかしな感情は、どうやらそう嫌な物でもないらしい。
0284名無しさん@ピンキー2010/03/10(水) 09:39:03ID:Q7MmrC3Z
>>271蘭玉GJです!
正反対な二人がいいですね♪ドラマもこんな感じになってほしいです。
0287名無しさん@ピンキー2010/03/20(土) 20:57:40ID:Vdh/jq6W
蘭珠GJ!ドラマ見て読みたいと思ってたからすごく嬉しい!!
0289名無しさん@ピンキー2010/03/27(土) 23:30:25ID:2SQlJ00e
しゅage
0291名無しさん@ピンキー2010/04/22(木) 12:35:16ID:AypnbSon
保守
0294名無しさん@ピンキー2010/05/22(土) 11:38:20ID:ln9P1FaL
書きたいけど書けねぇ
誰かリアルな恭スナ書いてくださいな
0295名無しさん@ピンキー2010/06/07(月) 22:19:55ID:Ri/EHavX
原作とドラマ版だとどっちの方が需要が高いのかな?
自分はドラマでハマッた口なんだけど・・・

このスレの流れからして、やっぱり原作だろうか。

・・・と。恭スナに飢えすぎたが為に
自給自足を考えてる自分が投下検討中。
0298名無しさん@ピンキー2010/06/20(日) 16:02:57ID:DkdZIw0T
保守age
0300名無しさん@ピンキー2010/08/01(日) 22:07:36ID:4RE2oQcJ
保守!
0302名無しさん@ピンキー2010/08/13(金) 18:06:47ID:PH40bgSl
保守age
0306名無しさん@ピンキー2010/10/16(土) 22:04:03ID:9pqfRJyr
職人様降臨期待age
0308名無しさん@ピンキー2010/11/17(水) 20:17:39ID:I1ydMVc0
フライングいい夫婦保守。






*

恭平は、うなじのにおいを嗅ぐのが好きだ。
セックスのあとでうっすらと汗ばんだ首筋を甘く噛むのも好きだ。
お互いの熱を分け合うように混ざり合って、荒く息をつきながらぐったりと沈み込む白い背中に散らばる長い髪を掻き分けると、
ぶるりと震えたスナコが寒いんですがと恨み言を吐いた。
わりぃ、と全く悪びれない軽い調子でうっすら笑って恭平は体を傾ける。
すべらかな膚をまっすぐ伸びる背骨にやわらかく舌を這わせて舐め上げた。
「や…あ、っ」
引ききらない余韻があらたな漣をつれてきて、スナコはか細く喘ぐ。
少しだけ掠れた甘い吐息にぞくぞくしながらゆっくりと脊髄まで確かめ、辿りついたうなじにかぷりと歯を立てる。
ぴくんと跳ねる正直な反応に、恭平は至極満足した。
鼻筋で生え際に潜りこむ。そっと息を吸い込むとシャンプーのにおいに混じってほのかに甘くスナコが馨る。
その慎ましいやわらかさにちょっとうっとりして目を細めた。
女の人工的なにおいを恭平はひどく嫌っていた。
たいていその強いにおいは突き刺すような視線だとか、物欲しげな甘ったるい声色と一緒にやってきて彼を辟易させたからだ。
「あ〜…落ち着くわあ〜…」
すんすんと鼻を鳴らし、首を曲げて流れる髪に顔を埋める。頤をすこし上向かせて形の良い耳を食む。
薄い耳たぶから耳殻をねぶってかたちをなぞり、わざと濡れた音をたてて舌先を捻じ込むと痙攣したように震える。
「やだ、あ、もぅっ」スナコが逃げようと身を捩るので、押しつぶさない程度に体重をかけて圧し掛かる。
「さみーんだろ、ほら、あっためてやっから暴れんなって」
「ちょ、なに、ばっ、…やぁ!」
ちゅぷ、と高く音を出して耳から口元を離し、またうなじへと。
今度は密やかに撫でるようにくちびるで愛撫する。
さらさらと背中からシーツに散らばる黒髪を全て片方に流し、そのまま先程舌で辿った薄い背を、今度は掌でさすりおろして行くとスナコの体がひくひく波打った。
「まっ、 ばかっ、また」するんですかとか細くあがった抗議が嬌声に変わる。
くるりとまろみを帯びた尻に恭平が忍び込んだからだ。
くちゅりと粘ついた水音をたてて、長い指が秘裂をそっと解していく。
「俺もさみーんだよ」
だからあっためろ。とばかりに指先を遊ばせてしまえばスナコはもう断れないと恭平は知っていた。

*


中途半端にエロなしぶった切りすいません
0310名無しさん@ピンキー2010/11/24(水) 22:21:17ID:R4FpEfOn
>>308 いい夫婦の日ネタGJ!
しかし、続きが読みたすぎるんだせ…
0311名無しさん@ピンキー2010/12/02(木) 03:02:55ID:dZgK+fWf
今月はコミックの新刊発売です。
誰か職人さんが出てきてくれるでしょうか?
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