いきなり投下すいません。鬼畜な枢×優姫です。苦手な方はスルーお願いします。


「わたしももう人ではない存在だから・・・」
ヴァンパイアとしての記憶を取り戻した彼女の赤い瞳は涙で潤んでいた。
それは「自分は人ではなかった」ことを悲しんでのことだろうか、それとも十年間そのことを忘れていたことへの罪の意識だろうか。枢はただそれを黙って見つめていた。

しかし、優姫の頭の中には、枢以外の別の存在があった。

『もう零とは一緒にいられない』

この感情が何かは分からない。ただ、悲しい。
悲しい。
不意に涙が溢れて頬を伝った。
「ねぇ、優姫・・・君は今、誰を想っているの?」
枢の低く響く声に、優姫ははっと我に返った。ふと枢の方を向くと、そこにあったのはいつもの穏やかな顔。しかし、何かが違う。何か、怒気のような、威圧するような、そんな気を纏っている。
「枢せんぱ・・・おにいさま・・・?」
怯える優姫に、枢はふと微笑んだ。優姫が何を考えているのか、誰を想って涙しているのか、そんなことは聞かなくても分かっている。
ただ、そのことが口惜しい。
その涙が、あの男のために流されているのかと思うと、その悲しそうな表情が、あの男のせいだと思うと、体中の血液が沸騰しそうだ。

優姫はもう、ヴァンパイアだ。
僕の妻として、永遠にも近い年月を共に歩む運命なんだ。


優姫はもう、僕のものだ。


「僕は君にとても残酷な事をした・・・だけど、その涙を流している君は、僕にもっと残酷な事をしているね・・・」
「え・・・?枢おにい・・・んんっ!?」

優姫の淡いピンクの唇に押さえつけられたのは、少し冷たい唇。突然のことに、優姫は何が何だか状況を把握できないようだった。
押し当てられた唇が、首筋へと動く。優姫の柔らかな皮膚を一舐めすると、鋭い牙がその皮膚にめり込んだ。
「いやぁっ!!やめて、おにいさまっ!」
突然の吸血行為に、優姫は反射的に悲鳴をあげた。普段から零に許しているとはいえ、零以外の者からの吸血には大きな抵抗があった。

今まで零にしか許したことがなかったのに。
零だから許せたのに。

じゅる、という血を啜る音とともに、枢の喉が鳴る。優姫は、はじめのうちは強く抵抗していたものの、急激な血液の減少により次第に抵抗を弱めていった。

だんだん、視界がまどろむ。完全に抵抗をやめても、枢は吸血をやめようとはしなかった。
「これはね、君への罰だよ・・・僕以外の男のことを思っている君への、ね」
自分の血に濡れた枢の口角がわずかに上がり、いつもの微笑みが作り出される。しかし、優姫にとって、その微笑みはいつものように安堵をもたらすものではなく、なぜかとても残虐なものに見えた。
「もう僕は我慢しないよ・・・君を、完全に僕のものにしてあげる。もう君が、僕以外の男のなど考えられなくなるようにね・・・」

優姫の小さな悲鳴とともに、纏っていた純白の夜着が引き裂かれた音が広い室内にこだました。


すいません。続きはおいおいに・・・