【レシピ架空亭】草川為作品でエロパロ【パレット龍花】
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0001 ◆6lUxBDjekE 2008/06/17(火) 03:23:10ID:L+yJJwef
*ここは草川為作品の総合エロパロスレです
*読み切り含む過去作品から現在連載中の作品まで、男同士を除く
様々なカプで書いたり語ったりマッタリと萌えましょう
*投下時にはカップリング名と作品の傾向の明記を忘れずに
*基本sage進行推奨

0101名無しさん@ピンキー2008/07/29(火) 23:16:16ID:pFRDne0p
「あいつらおせーな」
意味もなく窓の外に目を向ける。サハラとは反対側だ。
でも、俺のそわそわした気持ちをよそにサハラが
「そうだねぇ」
なんて言いながら、すり寄ってきて俺の肩に頭を乗せだした。
「ふふっ」
自分でも分かるくらいドキドキする心臓の音を聞いていたら、
サハラがふいに笑い出した。
「なに?」
「早く花火したいけど、もうちょっとこのままがいいな・・・」
ああ、だめだ。
せっかくおさえてたのに。
「…っ」
サハラを引き寄せ、そのまま強引に唇を奪う。
なんだろう、いつもしてるはずなのに。
今日はちょっと止まらないかもしれない。
舌を絡ませると、びくっと体が震えたのが分かる。
ふいに襲った衝動に苦しそうにするサハラ。
俺にしがみつき、一生懸命それに応えようとしていた。
「…ん、ぁ…」
顔の向きを変える度に漏れるサハラの声に一層欲情する。
ようやく唇を離すと、サハラは肩で息をしていた。
「大丈夫?」
「…ん、」
抱き寄せると甘い香りが漂った。
結い上げた髪のせいであらわになったうなじからだ。
噛み付きたい。
と、思った瞬間にはサハラの首筋に歯を立てていた。
「やっ…だめっ…」
痛くないようにしたつもりだが、びっくりしたらしく俺の体を突き放した。
はだけた胸元を手で押さえながら、息も絶え絶えに
少し怯えた目で俺を見る。
「あー、わりぃ…」
しまった。やりすぎた。
俯くサハラの頭をそうっと撫でてやる。
はらりと落ちた髪の隙間に見える白いうなじには、
俺が噛んだ痕がうっすらと赤く残っていた。
「…もっと」
しばらくそうしてると、小さな声でサハラが呟いた。
0102名無しさん@ピンキー2008/07/29(火) 23:21:16ID:pFRDne0p
「え?」
「もっと、やさしく…して?」
少し見上げて、顔を赤くして、俺の目を見る。
やっぱこいつ今日かわいいな。
遠慮がちに再びすり寄るサハラを、今度は俺の足の間に招く。
「もう、着崩れるって言ったのに」
サハラは少し不服そうに言いながらも、素直に俺の中に入ってくる。
ちゅ。
今度はゆっくり、軽いキスをする。
小鳥みたいなキスを何度か重ねたあと、
サハラの体をなぞるように手で確かめた。
首筋から肩までのライン。
肩から腕、そして胸。
唇を離し、耳元に口をつける。
「怖い?」
「ん、大丈夫…」
ふくよかとは言えないが、手に収まるくらいの胸をゆっくり触ってみる。下着をつけてない分、ほぼダイレクトに伝わる感触に俺もサハラも息が荒くなってゆく。
「…あっ、…ん」
俺はサハラの腰に手を回した。
んん?なんだこれ?
「なぁ」
「…え?」
すっかり俺に身を預けてるサハラは、のぼせたような顔で俺を見る。
その表情にドキドキしながらも、気になったことを聞いてみる。
「どうやって脱がせんの?なんか複雑な形してるけど」
男の俺とは違い、サハラの帯は綺麗に結ばれており
ちょっとやそっとでは解けそうもない。
「待って、お母さんがやってくれたから」
そう言って、後ろに手を回し、しゅるしゅるという音を立てながら
少しずつ解いていく。
それでも苦労している姿を見かねて、俺はサハラを抱き上げた。
「うわっ」
いわゆるお姫様抱っこの状態だ。
「とりあえず、寝室に行こっか」
寝室という言葉を自分で出しておきながら、何故か妙に照れてしまった。
「ふふっ」
帯を解くのをやめて首に手を回し、またくすくす笑い出すサハラ。
「なに?」
0103名無しさん@ピンキー2008/07/29(火) 23:25:20ID:pFRDne0p
ばつが悪くて少し素っ気なく返すと、
「なんでもない」
俺の胸の中で笑いながら答えた。
そのまま寝室へ向かおうとすると ・・・

「ただいまー」
いつもの賑やかな声が聞こえた。
「プッペン、泥をはらってから中に入ろう」
いつもの声が、もう一人。
ああ…
「帰ってきちゃったね…」
「だな…」
残念だ。
深いため息をつきながらサハラを下ろすと、
「おあずけ?」
と、意地悪く聞かれる。
「ふん」
そっぽを向いた。
「あ、サハラが来てる。おーい、サハラー」
「ああ、プッペン、だから泥を…」
「はーい」
プッペンの声に返事をしながら身だしなみを整える。
そしてプッペンがこちらの扉を開ける直前、
「また、今度ね」
耳元でサハラが囁いた。
今度っていつだ。
そう思いながらも俺は、まぁ、いいか。なんて思ったりもしてる。
いつもよりかわいいサハラの姿が見れたし、焦っても仕方ない。
暮れる夕日を浴びながら、いつもの日常に戻る。
「やれやれ…」


そのあとは皆で花火をしましたとさ。
(マリオットはプッペンが振り回した花火のおかげで少し焦げました)
おわり
0104名無しさん@ピンキー2008/07/29(火) 23:27:40ID:pFRDne0p
ふぅ…
いかがでしたでしょうか?
ガー視点にしてみたら、思春期の男の子になってしまいました
この先はどうしようか考え中です
頑張って書けたら書きたいと思います
ありがとうございました
0105名無しさん@ピンキー2008/07/29(火) 23:34:09ID:SqfRVFT7
寸止め!生殺し!たまらん!
今度が楽しみで仕方ありません。
GJGJでした!
0106名無しさん@ピンキー2008/07/29(火) 23:57:51ID:As1WLvws
ガートルードktkr…!
イチャイチャしてそうだけど色気のある展開に持っていくの
難しそうですね…ガーさん可愛いよGJです!
0107名無しさん@ピンキー2008/07/30(水) 00:08:24ID:y2HzPumE
ガートルードキター!!
ガーさんかわいいよサハラもかわいいよGJ!
最後のマリオットカワイソスw
0109名無しさん@ピンキー2008/07/30(水) 21:48:05ID:H2tQBKJz
ガートルード k t k r !!
ありがとう神さま!ケータイから乙華麗でした!!
百歳越えるのに思春期なガーに萌えた!
このあと花火中にプッペンが騒いでマリオとプッペンの視線がそれたときに
ガーとサハラはこっそりキスするんですね、わかります
0110982008/07/31(木) 01:34:05ID:TAH0Loaw
うわー、ありがとうございます!
すっごく嬉しいです!
思い切って投下して良かった…

意外にも思春期ガーは好評なようですね
「今度」があるかまだ未定ですがw
もしその際はよろしくです
>>105-109さん(花火の妄想、笑いましたw)、本当にありがとうございました!
0112名無しさん@ピンキー2008/08/01(金) 02:01:50ID:VnJ6Wbnm
>>31-35
素敵な妄想をありがとう。投下行きます。

ガートルードのレシピ
カーティス×チェルシー=アン
0113Fullmoon-Serenade_12008/08/01(金) 02:03:00ID:VnJ6Wbnm
 鈴の音のような音楽が漏れ聞こえた。
 ずいぶんと控えめなその歌声は、この建物が宿主の財力相応に古びていても、隣の部屋で眠る賓客には届かなかったはずだ。
 だけど生憎、悪魔は耳がいい。鼻声交じりのその歌声は、夜空に溶ける前に綺麗にカーティスへと贈られた。
 カーテン越しに薄いガラスへと頭をぶつけて耳をそば立てる。
 途切れ途切れのそれは、母親が小さな子供へ歌う子守唄だった。
 声の主はもちろん、あの娘。チェルシー=アン=ブラウン。

 あんず色の長いふわふわとした髪。可愛らしい高い声。細く、だけど女性らしい白い身体。あめだまのような、丸く大きい瞳。だけどそこには確かに強い意志が宿っている。
 ――好みだったから。
 そう笑った彼女には頼りなげなそぶりは一切なく。
 ただ静かに、自分の運命を受け入れようとしているアンを見て、人間とは無力な癖に、どうしてかくも強くなれるのかとカーティスは不思議に思った。

 三日後には、アンの魂は自分のものだ。
 魂は悪魔の生きる糧であり、力の源で、命そのものだ。
 今までいくつのそれを体内に取り込んできたか、もう覚えていない。
 どんな色だったかも、味だったかも。その瞬間の高揚感すらも。
 体内に取り込むまでは、相手に執拗な執着をして見せたりもするのに、手に入れた瞬間にどうでもよくなってしまうからだ。
 悪魔は気まぐれだ。それが、悪魔だ。そのはずだ。
 チェルシー=アンと契約を結んでもいいと思ったのは単純に面白そうだったからだ。
 また過ぎれば忘れてしまう程度の、些細な娯楽のつもりだった。
 でも今夜のことは、彼女のことは、この先時折思い出すのだろうなと予感があった。

 かつて抱いたことのない感情を持て余たカーティスは、静かに錠を外して窓を開け、身を乗り出して夜風に頬を撫でさせた。
 歌声はぴたりと止んで、息を殺す気配がする。
 ゆっくりと隣を見やれば、驚きに目を見開いたアンが、自分と同じように窓から身を乗り出してそこにいた。
「いい月夜だね」
 口元だけで微笑んで、カーティスは満月には少し足りない上弦の月を指差した。
「そう思わないかい」
 返答を求められて我に返ったチェルシー=アンは、あわてて笑みを作って頷いた。掠れ声の、ええ、という小さな返答も心地よく耳に響き、カーティスは大いに満足をする。
 ついでに見えた、こっそりと涙をぬぐう仕草には気がつかないフリを決めた。彼女にはこちらの顔が見えていないのかも知れないが、生憎悪魔は夜目が利くのだ。
「眠れない?」
「……いえ、月が余りも綺麗だから、月光浴をしていたんです」
 月は人間にも悪魔にも平等に力を与える。こんな夜に、勇気がほしくなるのは極めて正しいことのように思えた。
 そう、と頷いて、窓枠に頬杖をついてアンを見つめた。
 吸い込まれそうな夜空を見上げたアンが、こちらを見ないまま口を開く。
「カーティス、お願いがあります」
「なんだい?」
「できたら満月の下がいいです。三日後は、ちょうど満月だし」
 主語の見当たらないその言葉に、一瞬だけ眉根を吊り上げたカーティスは、すぐにああ、魂を取る時の話か、と思い至る。
 月光の下で眠るように魂を手放すチェルシー=アン。
 行き過ぎた少女趣味に思えたが、なぜかその絵は容易に脳裏に浮かんだ。
 すばらしく彼女に似合うだろう、とも感じた。

「…………いいよ、そうしよう」
 
0114Fullmoon-Serenade_12008/08/01(金) 02:03:29ID:VnJ6Wbnm
 
 ぱ、と顔を輝かせこちらを向いたアンが、ありがとう、と言うと同時にくしゃみを漏らす。その余りの可愛らしさに、カーティスの頬は知らずに緩んだ。
 ちらりと見やったアンは質素な生成りの夜着を身にまとっただけの薄着だった。それでは夜霧もしのげまい。
「約束するさ。安心して、もうお休み」
「あ、あの、もう少し、お話をしてもらえませんか。眠れそうになくて」
 おずおずとしたアンの申し出に、今度は目尻まで緩んだ。

「いいけど」
 そこで言葉を切ると、アンが小首をかしげて不思議そうにこちらを見つめる。
 あめだまのようなそのまっすぐな瞳は、食べたらどんなに甘いのだろうとカーティスは考えた。

「窓を閉めてこちらにおいで。身体が冷えるからね」
「ああ、そうですね。カーティスが風邪をひいては大変です」
 嬉しそうに頷いたアンは、すぐに伺いますと言い置いていそいそと窓を閉めた。
「……悪魔は風邪なんてひかないよ」
 いまだ窓を開いたままのカーティスは上機嫌でぽつりとこぼしたけれど、生憎普通の人間であるアンの耳には届かないだろう。


*

 宣言どおりに、すぐにドアが控えめにノックされて、どうぞとカーティスは声をかける。
 若草色のショールを肩に引っ掛けたアンが、静かに室内へと身を滑らす。
 こんばんは、お邪魔します、と律儀に頭を下げる彼女に、ここは君の家だよと意地悪く返事をして微笑んだ。

 木製のチェアに腰掛けたアンが聞きたがったのは、不老不死の薬や美しさの秘密、金の在り処などではなく、カーティスが渡り歩いた国や土地や、出会った人・悪魔や天使のことだった。
 およそ悪魔への質問らしからぬそれに、カーティスは苦笑いを漏らしながら思いつくままにぽつぽつと答えた。
 そういえば、とアンが立ち上がったのは、秋の終わりに森を飛び回って葉を落とし、冬を呼んで回る妖精に出会った話をしていた時だ。
 頬を撫でられたのは一瞬だったのに、身が切れるかと思うほど冷えた妖精の手に驚いた、と言葉を終えたとき。
「そういえば」
 それまで興味深げに相槌を打つだけだったアンが前触れもなく立ち上がり、一歩踏み出してベッドに座るカーティスの隣に歩み寄った。
 距離の近さに少し驚いている隙に、カーティスの手のひらは捕えられて彼女の柔らかな指に包み込まれてしまった。やんわりと抵抗をする暇も与えないその素早さにぎょっとする。
「アン?」
「悪魔にも、体温はあるのですね」
 まあね、と口元だけで微笑みながらカーティスは、この娘が欲しい、と思った。
 欲しくて欲しくて、たまらない。
 突然の強烈な欲求と、それをどこかで否定する理性に驚いた。
 
 欲しい、けれど、簡単にそうしたくない。
 その感情の正体が判らない。
 今まで、欲しいものはストレートに手に入れてきたはずだ。

「……カーティス? どうしました?」
 不思議そうに見つめるその瞳が、潤んだらどんなふうにきらめくだろう。鈴のような声が甘く喘いだら、自分の心はどんなに満ち足りるだろう。彼女の柔らかな肌はどんなふうに溶けるのだろう。
 一度そう思ってしまえば、ふとよぎった自制などないにも等しかった。
 
0115Fullmoon-Serenade_32008/08/01(金) 02:04:17ID:VnJ6Wbnm
 
「ねえ、アン。悪魔に魂を売るってことがどんなことか、君は知っているかい?」

 当の悪魔にきらりと光る眼でまっすぐと射抜かれて、アンがびくりと肩を小さく震わせる。
 とっさに引こうとした指を強く握りこんでそのまま引き倒す。
 転がり込んできたアンの背中を、強く抱きしめて腕の中に閉じ込めた。
 身動きを封じられたアンが、息苦しそうな声を洩らす。
「……カー、ティスっ……!」
「アン。君にその覚悟が、ほんとうにできている? でなければ穏やかな死は望めないよ」
「できて、います。契約を交わしたでしょう? あなたの目は私が持っていますし、もう占いも済ませてしまいました」
 これ以上なにを、と声を震わせるアンの頬を撫でて、顎に指を添えてこちらを仰がせる。

「魂を売るってことはね、身も心も、すべてを僕に投げ出すってことなんだ」

 それは時と場合によるだろう。契約書には記載されてはいなかった。だけど生憎、悪魔はうそつきなのだ。こんなうそ一つでアンが手に入るのなら、お安いものだ。
 無理やりに心を縛って身体を奪う方法もなくはない。だけどそれは、カーティスがほしいアンではない。

「……覚悟は?」
 耳元にくちびるを寄せて、低く尋ねる。びく、と身体を揺らしたアンが、小さな声で呟いた。
「できて……います」

 語尾をかき消すように、カーティスは彼女のくちびるを塞いでしまった。
 アンがあげた小さな悲鳴をすべて呑み込んでしまって、舌を割り入れて呼吸を奪う。
 ぬるりとした生暖かい舌先を己のそれで、つん、とつつけば、腕の中でアンが盛大に肩を震わせた。
 なだめるように背を撫でながら、深い口づけを繰り返す。

 だんだんとこわばっていたアンの身体から力が抜けていく。
 初々しいその様子を愛しく思いながら、くちびるを解放する。あかく色づいたくちびるは、忙しない呼吸を繰り返していた。
 
 ぼんやりと焦点の合わない瞳を覗きこんで、大丈夫、と問いかけながら前髪を撫でる。
「あ、ええ……大丈夫、です」
「それはよかった」
 潤んだ瞳をゆっくりと瞬かせながら、アンはこちらを見上げている。とろんと溶けたその両目で見つめられ、ごくりと唾を飲んだ。

 彼女が酔ったのは、悪魔のキスにか。それとも。

 従順なその様子に気をよくしたカーティスは、軽くキスを落とすと、そのままくちびるを滑らせて頬をたどる。
 ぺろり、と赤い舌を出して耳朶に這わせれば、アンがまたびくりと身を震わせた。そのまま耳の中へぴちゃりと湿った音を立てて舌を突き入れる。
「あ、ぅん……ひゃ…んんっ」
 甘く高い悲鳴をあげながら、身を捩って快感から逃れようとするアンの背をぐっと抱き寄せて、執拗に耳を、あごを、くびすじを濡れた舌でちろちろとくすぐった。
 時折くちびるで熱い肌に吸い付きながら、服の上から膨らみにそっと触れる。
 女性特有のその柔らかな感触。
 すぐに直接触れたくなって、夜着のボタンに手を伸ばす。
 外気がつめたく素肌に流れ込んだアンが、何か小さく抗議の声をあげたような気がしたが、頓着せずにすべてのボタンを外してしまった。
 そっとくつろげると、白い肉体が月明かりの中にぼんやりと浮かび上がる。
0116Fullmoon-Serenade_42008/08/01(金) 02:04:44ID:VnJ6Wbnm
 
 無言のままそのうつくしい曲線を見下ろした。
 カーティスの視線に気がついたアンが、慌てて胸元をかき合わせた。
 それよりも一瞬早く両手を捕らえたカーティスは、そのまま顔を落として鎖骨にくちづける。

「っ…カーティス……あの、」
「ん?」
 恥ずかしいです、と消え入りそうな声で呟いた彼女の姿に、欲望が沸きあがってくる。
 そう、と意地悪く呟いて、ふるふると立ち上がりかけている胸の突起に吸い付いた。
「ああっ」
 抗議のような声を無視して、濡れたくちびると舌先でそこをこね回す。
 先ほどよりもさらに忙しなくアンは身を捩じらせて口付けから逃れようと背を弓なりに反らした。

 夜着の裾からそろりと伸ばした手を差し入れる。
 肌なじみのいい柔らかな足を撫で上げて、そっと下着の上から秘部へ触れると、そこは若干の潤いを帯びて悦びを表わしていた。
 何かを確認するようにその上から割れ目をなぞると、アンがもどかしげに腰を震わせる。
 粗末な布地をずらして、直に触れた。控えめに溢れ出た蜜を指先に絡めて、そっと内部に侵入をする。
「……あっ、な…に?」
「痛くない?」
 予想よりもずっと掠れた声が出て、己の余裕のなさに内心苦笑する。
 息を弾ませながらアンが、ゆっくりと首を左右に振ったので安心してカーティスはぐいと指の中ほどまでを沈ませた。
 幾度か抜き差しを繰り返すと、そこは別の生き物のような温度と収縮でカーティスを誘い込む。
「あ……ん、んんっ……」
 アンのくちびるから漏れる高い声の、余りの甘さにくらりとした。
 堪えられなくなったカーティスは、腕を引いてその細い身体をベッドに押し倒した。
「え、きゃっ……!」
 驚いて両目を見開くアンのくちびるをまた奪い、意識をとろけさせていく。体中の力が抜けきったところで、魔法のようにすばやく、彼女を覆う下着をするりと抜き去った。
 口内に溜まった唾液を舌伝いで彼女の中へ押し込むと、ごくりとそれを嚥下する様子がうかがえた。

 ゆっくりとくちびるを離して、細い片足を抱え上げて入り口に自身をあてがうと、身をかがめて頬をばら色に上気させた白い顔を覗き込む。
 不安そうに瞳を揺らした彼女に、なぜか、胸が熱くなる。
 めちゃくちゃにしてしまいたい、という欲望と、泣かせたくないという悪魔には似つかわしくない願意が同時に沸いてきて、カーティスは己の心が制御できなくなりそうな錯覚に陥った。
「大丈夫」
 自分にも言い聞かせるように優しく声をかける。
「力を、抜いて」

 両目を軽く閉じて頷いてみせたアンの、熱くぬめる内部へと自身を潜らせる。
 短く喘ぎながらカーティスを受け入れる彼女の魂を、早く手に入れたいとカーティスは思った。
 ずん、と最奥まで挿入を果たすと、はずみでアンの首にかかる彼の目が、白い胸の上で揺れた。
「あ……あっ…、カーティス……! カーティス!」
 悪魔の名を幾度も呼ぶ途切れ途切れの声と、二人の体液が混ざった水音と、カーティスの荒い呼吸が宵闇に溶ける。
 腕に引っ掛けたアンの白い足が、人形のように揺れている。
 手に入れた、と思った。カーティスの胸は歓喜に打ち震えた。
 何か飛びっきり甘い甘い言葉を囁いてやろうかと思ったけれど、そんな余裕もなくただ目の前の快楽をむさぼるべくカーティスは、本能のままに身体を揺らし続けた。
 
0117Fullmoon-Serenade_52008/08/01(金) 02:05:23ID:VnJ6Wbnm
 
*

 額にかかる髪をかき上げたら、空になった眼窩をぐるりと纏う包帯が指の先に引っ掛かった。
 汗に濡れたそれが心地悪く、カーティスは乱雑に頭から剥ぎ取った。その拍子に、後ろでひとつに纏めていたサンディブロンドが、さらりと頬に落ちた。
 すでに出血は止まっていた。用済みになった包帯を、枕元にぽとりと落とす。
 生成りのそれは、不要だといくら主張しても聞き入れなかった契約者によって無理やりに巻かれたものだった。
 巻きつけてくれた当の本人は腕の中でくったりと全身の力を抜いて無防備に眠り続けている。人形のようなその身体を見下ろし、カーティスはそっと息を吐いた。
 浅い寝息。ばら色に上気した頬。汗で張り付いた薄い夜着。その胸元から除く、赤い花を散らした白い肌。細いくびにぶら下がる己の目。ぐちゃぐちゃに乱れたあんず色の髪。
 未だ情事の痕が色濃く残るその身体にそっと肌掛けを被せたら、まぶたがぴくりと揺れてあめ玉のような瞳がぼんやりと開かれた。

「…………カーティス……?」
 控えめとはいえ散々に喘いだせいで、掠れてしまった声がなんとも艶っぽい。
 目元だけを柔らかく緩めて、カーティスはそっとあめだまの瞳を覗き込む。
「なんだい?」
「……あなたの髪は、とても綺麗ですね」
 腕の中のアンがくすぐったそうに微笑む。
 それはどうも、と呟いたその声の色に、何がおかしいのかくすくすと笑い肩を揺らす。
 その笑顔が、春の陽のように眩しくてカーティスは目を細めた。
「君は、」
「…………?」
 何かを伝えようとして、だけどすぐに言葉に詰まって仕方なくアンの額を撫でた。
 少し驚いたように両目を見開いた彼女は、うっとりと心地よさそうに瞳を閉じて彼の温度を楽しんでいるようだ。
「……まだ夜は深い。眠るといいよ」
 カーティスの言葉を聞いていたのかいないのか、よく判らないタイミングでアンが穏やかな寝息を立て始める。

 そういえば。今日は自分の話ばかりをしていて、彼女のことは何も知らないのだなとカーティスはふと考えた。
 例えば、何故占い師などになったのか、とか、占いで何を得たのか、とか。家族や恋人はいないのか、とか。
 他人に、まして人間などにあまり興味のない自分らしからぬ質問の類だ。

 明日起きたら、一つずつ彼女に問おうと悪魔は決めて、久方ぶりの安寧な眠りに身を預けた。腕の中の緩やかな温度は、彼を深い深い眠りへと誘ってくれた。
0118Fullmoon-Serenade_62008/08/01(金) 02:05:52ID:VnJ6Wbnm
 
**

 うたた寝から緩やかに覚醒を促したのは、さめざめとした湿っぽいすすり泣きの声だった。
 低い革張りのソファに行儀悪く横にまますっかりと寝入っていたカーティスは、ゆるゆると首を回しながら身を起こす。
 枕もとには、両手で顔を覆って乙女のようにむせび泣く、博識屋店主の姿がある。
 見なかったふりをしたい。
 心底願ったが、放っておくのもめんどくさいので仕方なく声をかける。第一、バイト中の居眠りを咎められたら何の反論もできない。
「…………君、なにをしてるの?」

「いえ、いいんです、カーティスさん! 何もおっしゃらないでくださいいいいい」
 そうは言ってもね、と居住まいを正したらぐいと首が絞められて、絶命時のカエルような変な声が漏れた。
 枕もとの男が、カーティスの黒いネクタイをしっかりと掴んで、ハンカチ代わりに涙と鼻水をぬぐっていたのだ。
「君ね、離してくれないかな」
 さて、どうやってこの男をイビろうかと思案を巡せたカーティスは、彼の黒い手袋にしっかり握られた数本のサンディブロンドを見つけてしまった。
 はたと気がつけば、後ろで括っていたはずの長髪はさらりと肩に落ちていて、視界の端に入る横髪の一束が耳の辺りですっぱりと切り取られている。

 ――やられた。

 カーティスは舌打ちをする。
 ここの店主の手癖の悪さは、重々承知していたというのに油断をした。
 誰にも話したことがない、甘くて痛くて重い秘密の記憶を抜き取られた。
 久方振りに懐かしい夢を見てしまったのも、こいつのせいか。
 お陰で胸が痛い。とっくに完治した怪我のせいではなく、もっと奥のほうがつきんと痛む。

「マーサくん」
 穏やかに名を呼ばれ、店主はびくりと肩を震わせた。
 伏せていた顔をゆっくりと上げて、引きつった笑みを真っ青に染まった顔に無理やり浮かべながら、カーティスに目を向ける。
「とりあえず、ネクタイを離してくれないか」
「あ……あ、あ、ハイ…………」
 カーティスの言うまま、操り人形のように従順にネクタイから手を離した瞬間に、片手で店主の頭を掴んだ。
「ぐおっ」
 指先に力をこめる。めりめりと音がしそうな勢いで、こめかみを締め上げられた意地汚い博識屋店主は、前髪の下のギョロ目から相変わらずだらだらと涙を流している。

「勝手に人の記憶を覗き見だなんて。やることが下品だね」
「あ、おっ美味しそうだったもので、つい! 味見を! あだだだ」
「つい、で許可も取らずにぺろりと行くわけか」
「ごっごめんなさ」
「後始末はどうつけるつもりだったのかな? ん?」
「ひぃぃぃぃ」
 カーティスはさらににこやかな笑みを浮かべて、店主の前髪をぐいと引っ掴んで隠れていた両目をむき出しにさせる。

「僕の記憶は安くない……相応の対価はいただくよ。ああ、君のギョロ目は遠くがよく見えそうだね」
 長く鋭く伸びた爪を、じりじりとギョロ目に近付けてゆく。
 店主は瞬きも出来ないほど追い詰められて、ただブルブルと身を震わせて絶叫をした。

「ももも申し訳ありませんっ。何でも! 何でもいたしますのでどうかお許しをっ! 神さま仏さまカーティスさまっ」
「いや僕悪魔だし。第一、そうやって謝罪の言葉を流暢に口にされるとドン引きするんだよね」
「あああああ! いたいぃぃっっ! ではっ! こここんな情報はどうですかっ」
「……ほほう、どんな?」
「百余年前、国一番の占い師になるはずだった少女の人生っ」
0119Fullmoon-Serenade_72008/08/01(金) 02:06:13ID:VnJ6Wbnm
 
 眼球まであと五ミリと言うところで、長い爪の動きがぴたりと止まった。
「………………いかがです?」
 冷や汗を浮かべたままにたりと笑う店主を見据え、悪魔はしばし思案の表情を浮かべる。

 まばたきを三度繰り返して、カーティスは大仰に溜息をついた。
「……………………やめておく」
 ぽつりとそれだけを呟くと、指の力をすうと抜いた。その隙に、マーサはカーティスの腕を振り払って後ずさり、取り合えず身の安全を保障できそうな位置へと距離を置く。
「よく考えたら、そんな大きな目では右目とバランスが取れないね。サイズアウトも甚だしい」
 博識屋にはすっかり興味がなくなった様子で、カーティスが言う。
 渡りに船、とばかりに、マーサが幾度も首を大きく縦に振った。
「そうでしょう! そうでしょうとも! カーティスさまにはもっと相応しい目がございますっ」
「そうだね……僕と同等以上の力を持った悪魔が、不幸にも目玉を落としたという噂が入ったら教えてくれるかい…………それで手を打つよ」
「ははははいっ」

 大げさに返事をしてみせた店主に向かって、くちもとを上げて表面上だけにやりと笑う。
「頼むよ」
 短くそれだけを言うと、くるりと踵を返した。


 アンの人生は、彼女の口から語られなければまるで意味がない。いまさらそれを知ったとして、何になるというのだろう。

 純金のドアノブを握った瞬間、背後から焦ったようなお声がかかる。
「どちらへ!?」
「夕食に招かれているんだ。今日は失礼させていただく。
 …………そうそう。僕の記憶はくれぐれも他言無用だよ」
 アルバイトのくせに態度が不遜だ、と自覚はあるものの、これ以上の感傷に陥りたくはなかったカーティスは、返事を待たずにさっさとドアを開けて、博識屋を後にした。
0120Fullmoon-Serenade_82008/08/01(金) 02:06:35ID:VnJ6Wbnm
 
 カーティスが飲み込んだチェルシー=アン=ブラウンの魂は、彼の中ですっかりと溶けて混ぜあわさり、一つになってしまっている。もう分離することも叶わない。

 あの時。
 
 がくんと軽くなった骸から出てきた魂に。
 柔らかく口づけをして飲み込んだ。あの甘さを、あの心地を、色を形を温度を感触を、この曖昧な命が続く限り忘れられないと思った。

 だけど、飲みこんで己の物としてしまったことが、正しいのかどうか今でも判らない。

 おかげでアンは転生を果たせない。
 融合を望んで、二度と巡り合えなくなったのはただの自己満足だったのではいか。
 この百余年、幾度も自問してきたが、回答は未だ見つからぬままだ。

 それでも。
 得難かった正解が、 あの二人に張り付いていれば見られるような気がしたから、毛嫌いしていた馴れ合いに身を置くようになったのだ。
 もう幾ばくか後には、それが得られるかもしれない。
 悪魔はにたりと、口が裂けたように笑った。

 ふと落とした視線の先に長く延びた影の背にに生えた翼が、まるで悪魔の象徴そのもののように尖っ見えて、カーティスは愁眉を浮かべる。
 ふと夜空を見上げると、そこには満月がぽっかりと浮かび上がっていた。

 月光は、人にも悪魔にも等しく力を与える。

 己の中の、愛しい彼女のに届けばいいと願いつつカーティスは、子守唄を口ずさみながら、月夜の夜道をらしくなく急いだのだった。


*

以上です。お付き合いありがとうございました。
0121名無しさん@ピンキー2008/08/01(金) 02:35:08ID:WTNNRVbe
わーすごい…読み応えありました
この二人の話を拝めるとは思ってなかったよ
ラストしんみりしちゃった…カーティス切ない
このスレ神の宝庫ですね、作品毎にすごく愛を感じる…GJです!
0122名無しさん@ピンキー2008/08/01(金) 08:58:44ID:qVdbWIGa
カーティス×アンktkr!!
良い…すごく良いです。
エロいしうまいわー。眼福眼福。
GJでした!
0123名無しさん@ピンキー2008/08/01(金) 19:18:08ID:/tmyDzyA
泣いた。久々に泣いた。
エロも良かったんですが、ちゃんと恋をしていた二人の姿と心が
すごく良かったです。
GJでした。ありがとう。
0124名無しさん@ピンキー2008/08/02(土) 02:19:01ID:WmZR5sZO
おおおおおおおお、本当に書いてくれる職人が来てくれるなんて・・・
萌語りしてよかった。ほんっとーによかった。GJ。ありがとう。
カーティスの心情が悪魔っぽくてすごい良かった(*´Д`)
0125名無しさん@ピンキー2008/08/03(日) 20:49:47ID:Yx4/jmc3
神の後だと出しにくいことこの上ないですが
花わずらい、ルシン×シャクヤです。
自分はクワン派ですが本編でのあまりの不憫さと
>>89で電波を受信したので。
ヘタレてないルシンでよければお付き合いください。
0126ルシン×シャクヤ12008/08/03(日) 20:50:35ID:Yx4/jmc3
ルシンやっぱり駄目。やーめーてー!」
「駄目がダメ。無理。聞けない」
何でこんなことになったんだっけ。
いつも彼女はクワンクワンで。分かってるけど。待つ、つもりだけど。
あんなに目の前で嬉しそうにされると偶に本気で凹む。
そんなときに限って寄ってきて、勝手に罪悪感なんか感じて。
だから俺に付け込まれる。
たった一度だけの甘い情事。そんな記憶にすがる俺に。

「…ね、ルシン。やっぱり…やめよ?」
押し倒された寝台の上で、強く跳ね退ける事はなく。
あくまで自分が止めてくれることを待っている。律儀だなと思う。
信じるシャクヤを裏切ることが胸をちくりと刺す。それでも。
「…やめたら龍になってでも逃げるでしょ?」
わざと寂しそうに言うとシャクヤの抵抗の手が止まってしゅんとする。
「ごめん、言いすぎた。でも、逃げないで。…お願い」
額に軽くキスをする。そのまま鼻先を通って唇に軽く触れ、深く口づけた。
胸に感じ小さなる抵抗。舌を絡め取って口内も余す処なく自分の舌で撫でると
やがて抵抗からすがる指に代わる。
「んん…んっ、ふ」
その隙に胸元に手を伸ばし、そっと撫でつつ釦を外した。
まだ、本気では怒ってないかな。異変に気付かせないように立たせて
後ろからスリットから手を差し込む。太腿の外側に手をすべらせると
予想外からの攻撃で慌てるシャクヤ。
「待って待って待ってそこまでしていいとか許してないから!」
「駄目?…すごく嫌?」
耳元で囁く。拒まれるかもしれない、とは思っていたけれど。
「すごく…嫌、じゃあ…ないけど」
「俺はシャクヤがすごく欲しいよ?」
置いた手はそのままにうなじにキスをするとふわあ、と息が漏れた。
そっと太腿から手を放し、シャクヤの安堵の溜息を聞き流しながら
スリットの上、衣服を衣服たらしめる留め具を外す。
ただの布となったそれは容易に床に落ちた。
0127ルシン×シャクヤ22008/08/03(日) 20:51:20ID:Yx4/jmc3
まずいな。ちょっとからかってすぐ自由にしてあげるつもりだったのに。
全裸で手袋だけの姿は破壊力が高すぎる。飛んだ理性が帰ってこない。
ただひたすらに彼女の全てに指を這わせ、啼かせることに一心になる。
「ルシン、の…へんたい…っ」
耐えられなくなったシャクヤが吐いた吐息交じりの聞き捨てならない発言に
両手首をまとめて掴み、髪止めのひもで結んだ。
あくまで、すぐ取れるくらいの緩さで。
「傷ついたから1ペナ、ね」
ま、その発言はたぶんあってるんだけど。

少女は龍の化身と言われても納得いかないくらい華奢にできている。
こちらの方がシャクヤに飢えた、獣。いや…獣じゃないな。
見えないような細い糸で絡め取って動けないようにしてから捕食するのは
―――蜘蛛だ。
寝台の上で手の自由を奪われ、いいようにされるシャクヤを見る。
「んぁ、はっ…ルシンっ…」
とろりと蜜が溢れる。さっきまで自分が指を彷徨わせたところから。
煽情的で、誘われるままに口を寄せる。
「や、ちょ、っ!…ホントに、っだめ…!」
抵抗しにきた両手の結び目に手をかけ、逸らせてから。
舌が触れた。白い裸体がびくんとのけ反る。
赤く咲く秘裂から蜜を舐めとり、陰核にそれをなすりつける。
尖らせた舌先で軽くはじき、わざと唾液を混ぜて啜りあげた。
もうそこに限界がきているのであろう、上ずる喘ぎ声。
「あ、あ、あ、ルシンっ、ルシンっ…!」
離したいのかもっと密着させたいのか、自由にならない手が自分の髪をかき乱す。
足の指がぴんと張り詰める、ちょうどそこ、で。唇を離す。
0128ルシン×シャクヤ32008/08/03(日) 20:52:05ID:Yx4/jmc3
「…ぁ…」
明らかに逃したことへの不満の声。体を起して唇を求める。
「…どうして欲しい?」
ちゃんとシャクヤの口から聞きたい。俺を、欲しがって。
「もうっ…ちゃんと…してっ…」
仰せのままに。

焦らすように先端だけ止める。それを蜜に絡めているとシャクヤがむずがる。
「は、ゃく…っ」
ねだる声の熱さに脳の隅まで溶かされ、言われるままに貫いた。
「あ、ふぁあ、んん…」
シャクヤは自分以外にも「こういうこと」の経験がある。
それも痛みでなく快楽を得るほどには。
そんな相手は一人しか思いつけず胸を痛みが灼く。
何もしなくてもシャクヤの呼吸に合わせて
ぬめり、自分の全てを絞り取ろうとしてくる。
それに合わせて動き出したい衝動の波が収まるまでじっと待つ。
「…ル、シン…?」
「なに?シャクヤ」
もっと気持ち良くなりたいけれど、自分からそこまではねだれない。
そんなシャクヤはただごにょごにょと愚図った。
「どうにかしてほしいなら…」
貫いたまま腰を抱え体を起こす。シャクヤの輪になった腕の中に自分の
頭を通して安定させる。
「自分でしていいよ?」
「ふぇ…え、あ…ん!」
下から軽く小突くいて止めると呼び水となったのかゆらゆらと体を揺らす。
自分から体を密着させて膝を立て前後にくねらせる。
それに合わせて体を動かしながらたわわに実る水蜜桃を手のひらで愉しむ。
「うん…ぅふぅ、ん…」
自由にならない腕を絡めて自分を貪るものになる。
互いの顔が見えないことで羞恥心が弱まるのか、ただ自分の快楽に忠実なシャクヤ。
0129ルシン×シャクヤ42008/08/03(日) 20:52:41ID:Yx4/jmc3
「かわいいね、シャクヤ」
「っ、んあっ、ルシ、ン、んんっ」
舌を絡めあい、腰を引きよせてわざと陰核に根元をこすり合わせると
「!あ、ひゃ、あっ、あふぁぁ」
嬌声が跳ねあがり、シャクヤの背がぶるりと震えた。
そのあふれる愛液で締め付けられる感触に自分の限界が見えてくる。
「ま、って…シャク、ヤ…」
「止め、ない、で…っ!」
まってそんな理性とぶこと言わないで止まれなくなる。
「ルシン…っ」
可愛くて、可愛くて。自分のものだと主張したくなる。
手首の拘束を解いてから後ろに押し倒した。シャクヤの赤くうるんだ瞳。
「我慢、しないから。辛かったら、ごめん」
「え、あ、あ、あ!ルシンっ、そんな、したらっ、わた、しっ」
宣言通りにただシャクヤの体を貪る。
届く限りのすべての場所にキスして時々痕を残す。
たとえ大人気ないマーキングだとしても、もっと自分を刻みたい。
右手の手袋だけ外す。細く残る痣が眼に痛い。
手の甲にわずかに咲く薔薇。
もっと増やしたくて、花に唇で触れ。自分の自制心を解き放った。
「ん、ぁ!あ、や、だっ、…ぃ、くぅ…っ!!」
ただ息をとめ自分の動きに体を震わせたシャクヤ。
「…っ!」
限界まで中で暴れ、白い腹に吐き散らかした。

「お、はよう、ルシン」
「おはよう」
いつもの屋敷。いつもの朝。
シャクヤの態度はぎこちないものの…軟化してるようにも見える。
「シャクヤ様、おはようございます」
ちょうど俺とシャクヤの間にするりと入り込むクワン。
途端。
「おおお、おはようクワン!じゃ、じゃあまた!」
シャクヤが脱兎の如く逃げる。
これは、やましさ、かな。だったらいいけど。
どうしても顔がにやける。憎い相手に優越感を感じて。
「…これは、意外ですね」
珍しく奴の表情から余裕の笑みが消える。ただそれも一瞬だけで。
「こちらばかりがどうにも有利で相手に不足を感じていたところです。
これでようやくいい勝負ができるのではないですか?」
それでも決して最後に勝つのは自分だと信じて疑わない相手に。
「…あたぼうよ」
ようやくスタートライン。こちらとて負けるつもりで勝負はしない主義だ。
01301252008/08/03(日) 20:53:08ID:Yx4/jmc3
以上。やっぱりあんまりヘタレてない…
書きたい所書いてから繋げようとしたけど満足しちゃったので
中間部分が投げっぱなしでスマン。

クワンのシャクヤ着たままプレイは神に任せます!
0131名無しさん@ピンキー2008/08/03(日) 22:33:26ID:Xc05D1Zq
うわああああー
めちゃめちゃエロかったです!
ありがとう!
ヘタレてないルシン良いですね!
自分もクワン派ですが、この展開良いな…
GJでした!
0132名無しさん@ピンキー2008/08/03(日) 22:55:17ID:LHvtEAFr
>>125
ルシン×シャクヤってどうも想像出来ずにいたけど、これはイイ!
ありがとうご馳走様です。
0133名無しさん@ピンキー2008/08/04(月) 01:45:34ID:p1wPwFw/
そろそろ龍花来ないかなーと思ってた矢先に職人様が…!ルシンシャクヤGJです!!
このスレ神多すぎだろ常識的に考えて…幸せww
0134名無しさん@ピンキー2008/08/04(月) 15:01:49ID:ly0YMYH8
ルシシャクキター
龍花は草川比でエロが濃いですね
二人とも手袋だけプレイしそうなのが…
このスレ需要が結構高いんだなー神様GJありがとう!
01351102008/08/05(火) 23:45:43ID:bp+kV7w+
ガー×サハラの続きです

バカみたいに長いので、お暇な時にでも読んでやって下さい

あれから数週間後の出来事です
0136ガー×サハラ12008/08/05(火) 23:50:12ID:bp+kV7w+
「プッペン、そろそろ行かないと間に合わないぞ」
マリオットが玄関先で叫んでる。
「んー…もうちょっと…よし、入った!」
さっきからリュックの許容量と格闘していたプッペンが満足そうにリュックを背負う。
「…詰めすぎだろ」
そんなプッペンを横目に俺はお茶を飲む。
外でツクツクボウシが鳴いていた。
夏ももうじき終わりだ。
「プッペン、なにやって…何だその荷物は!」
しびれを切らしたマリオットがやって来た。
「えー…だってチョコレートでしょ、キャンディにドーナッツ…
あ、プリンも入れなくちゃ」
「入れなくてよろしい!大体、私たちは合宿に行くのだぞ!
向こうで作ってやるんだからお菓子なんかいらないだろう!」
「それとこれとは別なんだよ!これは絵を描いてるときのおやつで、
マリオットが作ったのは食後のおやつなんだ!」
「つべこべ言わない!」
懲りずにキッチンへ向かおうとするプッペンを制し、マリオットが説教を始める。
今日は二人が在籍している美術部と家庭科部合同で
写生大会があるのだそうだ。
家庭科部は合宿所の料理担当として、合宿に同行するらしい。
美術部はともかく、家庭科部も合宿があるなんてよくよく考えると不自然極まりないが、
まぁ二人が何かしたのだろう。
「時間大丈夫なのか?」
マリオットがリュックのお菓子を出してはプッペンが入れの繰り返しを
見かねて声を掛けた。
「あぁ!部長に怒られる!ほら、行くぞ!
ガートルード、鍋にカレーを作っているので食べてくれ」
「…どうも」
「あぁぁぁー…プリンー…」
マリオットに引きずられながら、プッペンの声は遠くなっていった。
やれやれ…
ふと床を見ると、転げ落ちたキャンディ。
拾い上げて気まぐれに口に放り込む。
広い屋敷に一人。
ここ最近はパーツ狙いの悪魔や、何かとちょっかいを出しに来る輩が
ひっきりなしにやって来ていた。
どれも雑魚だったしいつものことなのだが、
こうやってぼんやりと出来る時間は久しぶりだった。
皆で花火をしたのも遠い過去のように感じる。
「やっぱあいつらいないと静かだな」
天井を見上げながらポツリと呟く。
そんな声もするりと溶けて消えてしまうほど、ただ静かに時間が流れ出す。
0137ガー×サハラ22008/08/05(火) 23:52:38ID:bp+kV7w+
カラン、と口の中で転がるキャンディが次第に小さくなり始めたとき、
サハラに会いたい、と言葉に出したのか心の中で思ったのか
曖昧な状態になっていった。

「また、今度ね」と言ったサハラの声は今でもはっきりと覚えている。
いつだったか、俺がクロードの結界を無理矢理破り、
手当てしてくれたサハラが家に戻るとき、
「もっといっぱい望みを考えておくように」と言った。
色んなことも解決し、平穏ではないけどサハラやあいつらと一緒に
過ごしていって、これ以上何も望むものは無いと本気で思っていた。
でも…
あの時は雰囲気に流されてあんまり考える余裕はなかったけど、
今は本当に思う。

サハラが欲しい、と。

生きていれば欲はどんどん増える。
一度自覚したら、それは溢れるようにあいつに触れたい、
ずっと抱きしめていたいと思うようになってしまった。
そんな気持ちはもちろん初めてだし、なんというかむず痒いものだ。
まさか人間に恋をするなんて思いも寄らなかったよ。
人間に作られた俺が人間に焦がれてしまう。
皮肉な話だ。
でも、幸せの在り方を教えてくれた人を愛することに、俺は唯一胸を張れる。
俺が俺であり続けることを良いと言ってくれたサハラが、欲しい。

ガクン、と体が落ちてハッと目を覚ます。
ソファからずり落ちたのだ。
気付けばすっかり日が暮れて、窓から心地良い風が吹いていた。
その中にふと良い匂いが紛れて鼻をくすぐる。
キッチンから鍋がコトコト煮える音も聞こえて、
あいつら一泊だったんじゃねぇのか…
なんて働かない頭で考えていた。
「あ、起きた?」
ひょいと顔を出したのは
「え…サハラ?」
おたまを片手にエプロン姿のサハラがそこにいた。
「気持ち良さそうに寝てたから起こさなかったの」
見ると体と一緒にタオルケットも落ちていた。
「ああ…」
そう、と言いかけてふと気付いた。
俺、夢見てたよな。
なんだっけ。
ええと、
「…!!」
「ん?どうしたの?」
こちらに笑いかけるサハラ。
「いや、別に」
とっさに目を逸らしてしまう俺。
今はまともに顔なんて見れなかった。
穴にでも入りたい気分だ。
何考えてんだ…
欲しいってなんだよ!
「?…顔、赤い」
サハラが明らかに怪訝な顔でこちら見てくる。
「別になんでもねぇって」
0138ガー×サハラ32008/08/05(火) 23:54:40ID:bp+kV7w+
ああ、なにやってんだろう。
これじゃますます怪しまれるじゃん…
でも、
「…。ご飯の用意が出来たから早く食べよ」
サハラはあっさりとキッチンに戻っていった。
「ああ…ってあれ?なんで二人がいないこと知ってんだ?」
ダイニングに向かうと、既に夕食の準備が整っている。
「ご丁寧に家のポストに入ってたの。合宿で一晩空けるから
一緒に夕食を食べてやってくれって」
エプロンのポケットから一枚の紙切れを出す。
「マリオットから?」
「そうよ」
見ると、走り書きでマリオットの神経質な字が見てとれた。
「ふぅん…」
律儀な奴。
でも、なんとなく今日はその親切な気持ちが嬉しいような嬉しくないような…
目の前にいれば嫌でもサハラのことを意識してしまう。
「いただきまーす。うーん、美味しい!」
「あぁ」
正直カレーの味はあんまり覚えてなかった。
その後は他愛もない話をして、食後にリビングでお茶を飲んだ。
「それでね、…聞いてるの?」
隣に座るサハラが俺の服を掴んで引っ張ってくる。
「…え、あぁ何?」
「…」
サハラは突然黙りだし、俺をじっと見つめてきた。
「え、なに?」
あまりにも話を聞いてなくて怒ったのかと焦り始める。
今なにを言っても全部嘘臭くなってしまいそうで、
でもとりあえず何かを言おうとしたら、
「別に。お茶、おかわりする?」
俺のほとんど口をつけてないカップを取り上げ、うん、ともいらないとも言わせてくれる猶予をくれずに、サハラは
さっさとキッチンへ持っていった。
しばらくしたら戻ってきて、「ん」とカップを渡してくれた。
「ありがとう」
そのあとは少し気まずくて、俺から話しかけることが出来なかった。
ほんと、俺なにやってんだろう。
ため息をついて、もう遅いから家まで送るよって言おうとした。
「サハラ、…!」
ふわっと甘い香りが漂う。
突然、振り向いたら口を塞がれた。
少しぎこちない、サハラからのキス。
首に手を回されたとき、ゾクリとした。
なんとなく震えてる気がするのは気のせいだろうか。
ぐっと引き寄せ、深いキスをする。
舌をサハラの中に入れると、遠慮がちに答えるサハラの舌を無理矢理絡めとる。
「ん…ふぁ…」
やはり少し伸びている髪に指を絡め、首筋をなぞってやると
「やっ…」
唇を離して、俺にしがみついた。
震えてるのは気のせいじゃなかった。
「気持ち良かった?」
耳元で囁くと、その耳が一瞬で赤くなった。
0139ガー×サハラ42008/08/05(火) 23:56:57ID:bp+kV7w+
「いじわるっ」
赤い顔をして俺を睨むが、それも俺にとっては可愛くて仕方ない。
ふふん、と笑ってやるとサハラもニッと笑った。
「ん?」
「いつものガートルードに戻った」
そう言いながら、サハラは何事も無かったようにまたお茶を飲みだした。
「え?」
「なんか今日変なんだもの、ガートルード」
「あぁ…それは」
なんて言えばいいんだ。
「だから、キスでもしたいのかなって思って」
「へ?」
キス?
「だって、最近忙しくてゆっくり出来なかったし
二人きりになることもあまりなかったから」
「…ははっ、なんだそれ」
そうか、そういう風に見えてたのか。
残念ながらそれは外れてるけど、
まさかサハラからキスをしてくれるとは思わなかった。
そんなことをされたら、責任取ってもらわなきゃ。
「さっ、めでたく解決したしそろそろ帰るね」
だから、すっきりした顔で立ち上がったサハラを
「帰るの?」
俺は
「うん、もうこんな時間だもの」
帰すつもりはなかった。
「サハラ」
「なに?」
二人分のカップを持っていこうとする手を掴み、サハラを見上げて言った。
「俺の望み聞きたい?」「…ん?うん」
「“今度”の続きがしたい」
一瞬首を傾げたが、すぐになんのことか思い出したようで、
あ、と小さく声を漏らした。
またみるみる顔を赤くさせていく。
「覚えてないとは言わせねぇよ」
このままじゃ落としかねないカップをテーブルに置いて、
赤くなって俯いてるサハラを抱き寄せる。
「…覚えてる、ちゃんと」
サハラは胸の中で小さく呟いた。
「寝室行こう」
そう言うとサハラはやっぱり、ふふ、と笑った。

「あ」
ベッドに寝かせてブラウスのボタンを一つずつ丁寧に外していると、
サハラが唐突に声を出した。
「なに?」
「家に電話しなきゃ」
「…あぁ、そっか」
鞄から携帯を取り出し、後ろを向いて電話を掛ける。
「もしもしお母さん?あたしだけど、今日さ、…っ!」
俺は待ってる間にシャツを脱ぎ、サハラを後ろから抱きしめた。
「あ、ううん!なんでもない!今日ね、友達の家に泊まっていくよ。
うん、うん、分かってるって」
耳まで赤くさせて声が上ずるサハラが可愛かった。
ちょっとからかってやりたくなる。
「うん、っ!…うん。分かった、じゃあね」
あわてて電話を切るサハラのうなじをそのまま愛撫してやると、
「もうっ、ガートルードの変態!」
キッと睨まれる。
0140ガー×サハラ52008/08/06(水) 00:00:06ID:bp+kV7w+
「ごめんごめん。用事は済んだ?」
「済んだ」
ちょっとムスッとしてるサハラを
俺の足の間に入れて、柔らかくキスをする。
握っていた携帯を取り上げて、床へ落とした。
「もう俺しか見んなよ」
「うん…」

「あっ…んんっ…」
薄暗がりの中、小さく控えめに聞こえるそれは、けれど確実に俺の耳に届く。
体のラインに手をなぞりながら、少しずつ下半身の方へ持っていく。
「ぁ…」
少し不安げな表情のサハラに俺はなだめるようにキスをした。
そこは、俺の指を少し湿らせる程度でまだ十分とはいかなかった。
少しずつ分け入って、そろそろと指を入れていく。
「あっ!…んっ」
「痛い?」
「少し…」
苦しそうにするサハラを抱きしめ、ゆっくり出し入れして慣らしてゆく。
しばらくすると、ぴちゃ、という音ともにサハラから吐息が漏れた。
「あぁっ…は、ぁ…」
しがみついてきて、耳元でそんな声出されたら。
もう、限界です。
指を抜き取り、蜜を舐める。
「やっ、だ!汚いよ」
顔を背けて恥ずかしがる姿が俺のS心に火をつける。
「汚くねぇよ。お前のだから」
無理矢理顔を向けさせ、舌を入れる。
「んっ、ちょっ…まっ…て」
口内を犯しながら、少しずつ自身のものを入れていく。
「いたっ」
「ごめん、大丈夫?」
侵入を止めて、腕の中で苦しそうにするサハラをなだめた。
「ん…ゆっくり」
時折、擦れ合う水音と少しずつ締め付けてくる中に
何度も理性を飛ばされそうになるが、
痛がるサハラに合わせて少しずつ押し進めた。
「…っ!」
額に汗を滲ませ、顔を歪めるサハラに今度は優しくキスをしていく。
「やめようか?」
見かねてそう言ってみた。でも、
「それでやめられるの?」
と、聞き返されてしまう。
「や、厳しいけど」
正直に言うと、サハラは辛そうにしながらも、
「やめないで」
真っ直ぐ俺を見た。
それを聞いた瞬間、やっぱり理性は吹っ飛んだようで、ちょっと強引にグッと中を押し広げた。
「あぁっ…」
すぐにでも腰を動かしたい衝動に駆られるが、
先にサハラを抱き締めた。
二人の荒い息だけがお互いの耳を行き来する。
「…ガートルード」
「ん?」
「あたしは、いつかあなたの子供を産むのかしら?」
顔を上げてサハラを見ると、ふっと笑って俺の顔をなぞった。
唇に手を伸ばされて、彼女の指を咥える。
0141ガー×サハラ62008/08/06(水) 00:03:27ID:bp+kV7w+
「くすぐったい」
指を離し、俺は言った。
「いつか、産んでくれるのか?」
見下ろすと、俺から流れ出た汗をサハラは受け止めた。
多分、そんなものよりももっと、色んな覚悟を。
彼女は受け止め、俺を見る。
「ええ、もちろん。あっ…」
サハラの足を持ち上げ、ゆっくり動かしてゆく。
まだ痛みに慣れないようで、俺にしがみつき背中に爪を立てる。
そのサハラの中を滑らせながらも、俺は泣きそうになるのを必死で堪えた。

久しぶりに穏やかな夜が訪れる。
今は腕の中で眠る彼女の髪を撫でながら、
これ以上ないくらいの満ち足りた気持ちでいた。
額に唇を落とす。
「ありがとう」
抱き締めると、また甘い匂い。
その香りに顔をうずめて、深い眠りに手を引かれていった。



今日も良い天気だ。

「あー、疲れた!」
「ただいま」
「おう」
ソファで本を読んでいると、二人が合宿から帰ってきた。
「あれ、サハラは?」
マリオットが荷物を解きながら訊ねる。
「とっくに帰ったよ」
「そうか、土産を渡そうと思ったんだが」
「また来るだろ」
「ああ…どうした?」
マリオットがじっと俺を見る。
「なにが?」
「嬉しそうな顔をしてるから。なにかあったのか?」
「…別に」
ふっと笑ってそれだけ答えた。
「マリオット!お腹空いたよ」
「さっき食っただろう!」
この慌しくも楽しいと思える日常、そう遠くない未来に、
もう一人増えることをこいつらはまだ知らない。
01421102008/08/06(水) 00:06:05ID:bp+kV7w+
以上です

ここまでお付き合い頂き、感謝します

あーもうすっごい満足だww
ありがとうございました!
0143名無しさん@ピンキー2008/08/06(水) 00:11:12ID:ffYI312S
初めて職人のリアルタイム投下に遭遇したw
GJ。ガーとサハラのラブラブっぷりニヤニヤしながらリロってたよw
ガーがサハラをすごい大事にしてる描写がよかった
01441102008/08/06(水) 00:13:38ID:EYtlSc1C
追記

エロシーン下手くそでほんと申し訳ない
あれが限界ですorz
0145名無しさん@ピンキー2008/08/06(水) 00:17:11ID:f000qBxt
ガー×サハラの続きだ嬉しい。
ありがとうご馳走様でした。やっぱり幸せなのはいいな!
0146名無しさん@ピンキー2008/08/06(水) 00:17:16ID:OZ0AXPp1
リアルタイムに遭遇してしまった…!超GJ!!
>>144の書くガートルードはいちいちかわいくて何かツボだww
サハラへの愛が伝わってきてかなり萌えたよ
0147名無しさん@ピンキー2008/08/06(水) 01:14:36ID:6wMpjXVT
ガー×サハラ、きたぜイヤッッホォォォオオォオウ!
ありがとう作者様!GJGJ!!
昼寝から目覚めて思春期してるガーに萌えたw
>「あたしは、いつかあなたの子供を産むのかしら?」
>顔を上げてサハラを見ると、ふっと笑って俺の顔をなぞった。
>唇に手を伸ばされて、彼女の指を咥える。
↑が特にときめく描写でしたw
0148名無しさん@ピンキー2008/08/07(木) 00:28:33ID:zDrRGTkK
このスレは需要と供給のバランスが素晴らしすぎるww
覗きに来たら大抵職人様達の新作が読めるという…
触発されて自分も何か書きたくなるよ

ところで作者サイトのセーラー服姿のシャクヤが可愛すぎて
先生クワン×セーラーシャクヤとかブレザールシン×セーラーシャクヤを妄想してしまうw
0150名無しさん@ピンキー2008/08/08(金) 18:34:50ID:Ibi+IbYv
>>148
さあ先生クワン×セーラーシャクヤを書く作業に戻るんだ

でも先生って言われて白衣しか思い浮かばなかったよ
どんだけ十二秘色に染められているんだ…
0151名無しさん@ピンキー2008/08/08(金) 19:31:25ID:9idP/Oxi
問1.クワン先生の服装について答えよ

A.やっぱりスーツ+白衣!オプションは眼鏡です。教える教科は理数系でw
B.いやいやブランドジャージで保健体育!実技見本も華麗にこなしますw
C.ジャケットでスクエアな感じ!毎朝職員室で英字新聞をチェック!な英語教師w
D.ラフな私服で気取らないよ!書道も達筆、国語科教師!
0152名無しさん@ピンキー2008/08/09(土) 00:02:59ID:mB2YHUTx
>>151
クワンはやはり隙のない男なのでCだな
眼鏡理数系も捨てがたい
ん?眼帯の上に眼鏡…なのか…?
0155名無しさん@ピンキー2008/08/10(日) 00:53:31ID:RJYbFnye
家庭教師か…それはそれでおいしいww
シャクヤの性教育はクワンがしたらいいよ
0156名無しさん@ピンキー2008/08/10(日) 11:51:54ID:nAWd/yFj
そしてルシンがシャクヤの超絶技巧にうろたえるんですね、わかります
0157名無しさん@ピンキー2008/08/10(日) 22:16:55ID:7mHOW2Jm
>>155でお嬢様(主)に使える従者のクワンを受信しますた
シャクヤを性教育でねっとりと最後の一線は越えずに開発する一方で、
婚約者のルシンを「お嬢様は任せられませんね」ってあしらうww

あれ?脳内でなぜかホテルマンな衣装のクワンになった……
0158名無しさん@ピンキー2008/08/12(火) 19:19:31ID:MHVl9Kfd
ホテルマンと言えばキコクですね
ドジなうえにアホ呼ばわりで割と好きなんですけども。

キコク×ルピナもいずれは、とは思うものの
本編がひと段落ついてくれんことにはうっかり受信も出来やしねえ
ああ早く連載再開を!
0160名無しさん@ピンキー2008/08/13(水) 08:26:18ID:Bs3QIUFj
龍花な流れの中パレットです
セロがパレットになって海外飛び回って逆に先生はおうちで待ってる感じ
結構長いのでしぶしぶおつきあいください
0161グエル×セロ2008/08/13(水) 08:28:41ID:go4flpKw
「あ、先生…もう…」
次で何度達することになるのかセロはすでに曖昧だ。
かきまぜられあふれかえった蜜で、そこにまざりあう白濁で、互いの体が溶け合って久しい。
薄暗い室内は密やかに狂おしいほどの熱で満ちている。
「先生…、私…また…っ」
グエルは今夜、別人のようだった。
  
   ***

行ってきます、はい気をつけてとグエルに見送られ、共に住まう家を空けること数日。
小さな不運が重なりセロの帰宅の予定は簡単に延びてしまった。
仕事で海を渡るようになってからは珍しいことではないけれど、
どうやら悪い報せが間違って交錯してしまい、港は一時ただならぬムードになっていたらしい
───ということをずっと後で聞くことになる。
ともかくも家路につき、鳥舎に寄って愛しのピンクを預け、
すっかりくたびれ果ててただいまとドアを開けると無言で骨が軋むほど抱きしめられた。

ずれ込んだ日程のせいで帰宅は早朝だったが、グエルはかいがいしく世話を焼き、セロはまず睡眠を欲した。
ぐっすり眠って日も暮れる頃に目を覚ますとグエルはベッドの脇に腰をかけ彼女の手を握っていた。
重病人を看護でもするかのような静謐さで。まばたきもせず。
「どうしたんですか」
問いかけにはいつもの無表情で小さく首を横に振り、しかしながら縦にも振って寝室から出て行った。
不可思議なその態度は初めて見せるものだった。
セロは小首をかしげたものの、じきにキッチンから漂ってきた匂いに違和感は霧散した。
なにしろお腹がすいていたので、彼女の好きなものばかりならぶ夕食に没頭しないわけにはいかなかったのだ。
食後のお茶でくつろぎ、それから風呂に飛び込んでセロはうんと羽をのばした。
0162グエル×セロ 2 2008/08/13(水) 08:30:17ID:go4flpKw
星が無数に散らばった宵闇を心地良い風が渡ってくる。
やっぱり我が家はいいな、と鼻歌まじりの上機嫌でセロは寝室の窓を開ける。
風呂上がりの濡れた髪を乾かすため、ベッドに両膝をついて外へ身を乗り出した。
グエルのために買って来たみやげのことなどを思い出しているうち、ふと夕方の違和感が舞い戻った。
疲れてグースカ眠っているだけの自分の手を、彼はずっと握っていたのだろうか。
そんなに寂しかったの…?
夜風は花の匂いをはらんで甘い。
とりあえずそれを胸一杯に吸い込んでみたところで、背後からずぶぬれの腕に抱きすくめられた。
「わっ、先生?!」
盛大にしずくを滴らせた髪がセロの頬にかたくなに寄せられる。
自分の後で浴室に入ったはずのグエルだが、どうやら腰にバスタオルを巻いただけという格好ではないか。
シャワーの途中で飛び出してきたという状態だ。
セロの薄い生成りのワンピースはみるみる水滴を移され、まだらに濡れてゆく。
「何かあったんですか?」
驚いてグエルに向き直り訳を聞こうとするが、もがくほどきつく腕の中に捕らえられ動きを封じられた。
帰宅した時と同じ、骨も軋む強さ。
「先生…?」
顔をあげると言葉は舌でこじあけられた。
いきなり始まった搦めとるようなキスに思わずよろめくと、腰が窓枠に軽くぶつかった。
背中が戸外へ反ってしまいセロは慌てた。まずい、落ちる。
というか窓が開いたままだ。
「へ、へんへい…っ」
からんだ舌に間の抜けた振動が伝わるのも構わずグエルはセロを貪った。
いつにない激しさにセロは戸惑う。
ま、窓…。

ようやく唇を解放すると、彼はセロの耳朶を食み、首筋、鎖骨にかけて舌を這わせた。
形をなぞって、確かめるように。
「先生、待って待って」
キスだけで済まない予感に、焦って窓を閉めようと身をねじるが腕を振りほどくことができない。
ワンピースの胸は、グエルの肌を流れるしずくをとうに吸いつくし濡れそぼっていた。
はりついた布越しに舌でねぶられ、わずかばかりのふくらみがぶくりと頂きを露にする。
グエルはそこを歯列で数回かすめると、セロの意識が集まって来る頃合いで甘噛みした。
痺れに息を呑んだ瞬間、再び唇をふさがれ引きずり倒される。
セロはなんとか窓に手をのばし鍵をかける。
シェードを勢いよく降ろしたところで、さまようその手もベッドに押さえつけられてしまった。
0163グエル×セロ 32008/08/13(水) 08:32:02ID:go4flpKw
一体どうしたんだろう。
突然のことに鼓動が逸る。セロの頭は疑問でいっぱいだった。
寝室のランプには火が入っていたので、仄暗くゆらいだ陰影にかろうじて相手の表情が伺える。
見上げた視線の先には意外にも静かな眼差しがあった。
グエルはシーツに広がるセロの髪を両手でそっとすくいとり頬を包む。
そうして彼女の胸もとに、祈るように顔をうずめた。
しばらく押し黙って、ぽつりと。
「…帰ってこないかと思った」
消え入りそうな声が鼓膜を小さく震わせた。

それがやっと返された問いかけへの答えだと気づいて、しかしセロはまたわからなくなる。
「あ…あの…遅くなってごめんなさい…」

───そんなにも寂しい思いをさせただろうか?
帰宅が遅れることはこれまでにも時折あったことだ。
普段のグエルは多少不満げな顔をしてみせるくらいで勿論取り乱したりはしない。
帰宅予定はたしかに延びてはいるが、今回留守にしていた日数自体は比較的短いものだった。
それなのにどうして…?
0164グエル×セロ 42008/08/13(水) 08:33:34ID:go4flpKw
「先生、でも…」
かすかに顔をあげたグエルの眼差しが熱を帯びるのが見て取れた。
何がいけないんだろう。
何がいつもと違うんだろう。
セロにはわからない。
グエルの指先は既にくしゃくしゃになっているワンピースの裾から腿を撫であげ性急に秘所へと辿り着いた。
「あっ、や…っ」
下着の中まで滑り込んだ指に、淡い茂みの中で蕾をなぶられる。
グエルは手首の角度を変え指をもう一本滑らせると、潤みはじめているやわらかい肉へ強引にそれを沈めてゆく。
セロはたまりかねて目の前の肩にしがみついた。
そういえば久しぶりなのだ。
「…あ、あっ」
体の内側をなぞる少しだけごつごつした指をあっというまに蜜が呑み込んでいく。
なぶられ続ける蕾から早々と甘い痺れが広がって、
「だめ先生、いっちゃう…」
目を閉じてとりあえず流れに問題をゆだねようと思ったとたん、唐突に快感が途切れてしまった。
グエルは蜜にまみれたその指でセロの手首を掴み、肩からひきはがしてシーツに組み伏せたのだ。
続きが読めず見開いた彼女の視界には覆いかぶさる赤い髪。
視線から0センチ、睫毛のすきまから別の赤が滲んだと思ったら眼球をひと舐めされたところだった。
「わ…っ」
未知の感触に思わず怯む。
まぶたにも濡れたキスが落とされる。
次いで、こめかみに唇がおし当てられ、耳の淵から尖った舌で優しく蹂躙される。
「セロ…」
直接流し込まれる普段よりもうんと低い声に、セロはぞくりとした。
呼び捨てにされることは滅多にない。
いかに情事のさなかであっても珍しいことだった。
真意を乞うべく向けた視線の先でグエルは彼女の指を飴のようにしゃぶってみせた。
長い前髪に隠され、表情は判然としない。
少なくとも口元はこれまでになく扇情的でセロは釘付けになる。
今、どんな目で自分を見ているんだろう。
「グエルせん…」
呼びかけの最後は言葉にならず咽を抜ける。
「……っ!」
せり上がる熱がセロを一気に貫いた。

   ***
0165グエル×セロ 52008/08/13(水) 08:34:41ID:go4flpKw
あれからどれくらい経ったのか。
裏に表にとひっくり返されているうちに気づけば最初と同じ体勢になっていた。
甘い痺れに浮かされながらグエルを見上げる。
いくの次で何度目だっけ私…
「あ、先生…もう…」
シーツの上で律動を支えるグエルの腕に、身もだえて額をすり寄せる。
1度目の到達でヒクヒクと脈打った秘所は、中に残されたグエルに再び煽られるとたやすくのぼりつめ、2度目は彼をつれて絶頂を迎えた。
腹の上に吐き出された白濁を拭う間もなくさらに責められ、繰り返すほどにあっけなく到達は連続する。
先生は何度目…?
こんなにするの、はじめてだ…
もう限界だった。
ねじ込まれた熱に押し出される嬌声はとめどもなくて。
「先生、私…また…っ」
「まだ…だめ」
そう言いながらグエルは彼女がのけぞるほど容赦なく奥まで求めていく。
もっと深くでつながりたい。
欲しくて欲しくてたまらない。


船が沈んだという報せを受けてどうにかなりそうだった。
かつて味わった引き裂かれるような痛みをまざまざと思い出す。
誤報だと知れるまでの数日をほぼ眠らず、ろくに食事も摂らずで過ごした気がするが、それも曖昧な記憶だ。
愛する者を奪われる恐怖にただ蝕まれ続けていた。
2度は耐えられない。
変わらぬ姿で帰って来たセロを前に、傷は血を流し渇望した。
存在を確かめたい。
あたたかい体を味わいたい。
その衝動のあまりに強烈さに自分でためらった。
きっと彼女を驚かせる。過去と重ねた過剰反応なのだから。
遣り過ごせるものならその方がいい。
そうするつもりだった、のに。
0166グエル×セロ 62008/08/13(水) 08:35:55ID:go4flpKw
「セロ」
勢いにまかせ何度も何度も突き上げた。
華奢な四肢がかわいそうなくらい大きく揺れている。
「ああっ、あっ、あっ、あっ」
がくがくと振れるセロの腰は、もう彼女の意思を離れているようだ。
「セロ…」
目眩がするほど気持ちがよかった。
「やぁ…っせんせ…ほんとに、もう…っ」
内へ引き込む動きに逆らい抜きさって、音を立ててさらに穿つ。
セロは跳ねて、ただ鳴いた。
ぐちゃぐちゃにとろけて熱い収斂を受け否応無しに射精感が高まる。
もういくらも保たない。それでもまだセロが欲しくて、どんどん切迫してくる喘ぎにキスを被せる。
「グエル、先生…」
息を継ぐ間の声はせつなく、身も心も締めつけられた。
「いいよ…いって」
右腕だけに体重をあずけ力を込める。
彼女の背に残った腕を回し、細い肩を掴みぐいと抱き寄せて、痛いくらいはりつめた熱を奥の奥へと突き入れた。
ひときわ深い挿入を中が一斉に締めつける。
グエルの形をはっきり感じる。狂うような波が大きく膨れ上がった。
すべて攫われていく兆し。
セロもグエルの背を必死で抱きしめた。
「あっ、やぁっ………っ」
強烈に明滅しながらかけあがってひらかれる、欲情の果て。
理性を失った腰が壊れたようにグエルにすがりついている。
「は…」
呑み込まれるような強い感覚に彼は呻いた。
充溢が先端からはじける。
意識を失っていくセロの中で、それはほとばしった。

   ***
0167グエル×セロ 72008/08/13(水) 08:37:00ID:go4flpKw
まるごと食べられてしまったみたいだとセロは思う。
けだるい体は皺のひどいシーツと渾然一体となって、シェード越しの朝日を浴びていた。
ランプの火は色褪せながらもまだちらちらと揺れている。
オイルが残っているのかな。

グエルは静かに眠っていた。
セロを覆うようにのびた腕に昨夜の余韻を感じて、しばし羞恥に目を伏せる。
見知らぬ人のような激しさだった。
とは言ってもグエル以外の男は知らないのだが。

とりあえずランプを消そう。
ベッドを抜け出すため、重たい腕を細心の注意を払って持ち上げた。
ふいにそれが軽くなると、シーツの上からセロの腹に巻き付いた。
しがみつくようにグエルが頭を寄せてくる。
「…昨日、ごめんね」
まだはっきりしないかすれた声が小さく謝った。
「無茶させた」
言葉にされるとなおさらはっきりと余韻がこみあげセロの頬は熱くなる。
確かに無茶だったと思う。
訳もわからず。
「でも」
グエルをあんなふうにさせたのは自分のせいなのだと、それだけはよく分かった。
ずっと叫びのようなものを全身で受け止めている感覚があったから。
「大丈夫ですよ」
怪訝そうに視線をあげるグエルの髪を撫でてみる。
「…セロ君もしかして、いつもあれくらいやんないとだめだった?」
「違いますよ!」
撫でていた髪を軽く引っ張って抗議した。
「いたた…ならよかった…」
「ランプ消しますね!」

もう呼び捨てではない。
セロは脱ぎ散らかしたワンピースを拾い上げ、今度こそベッドを抜け出す。
自分も起き上がるべくもぞもぞしているグエルは相変わらずの無表情ではあるが。
「今日はほんとにいつもの先生ですね」
火を落として振り返ると、頭からすっぽりシーツをかぶったグエルに抱きしめられた。
骨の軋むことはない優しい抱擁だった。
「…満足したから」
「その言い方はなんかやらしいです…」
ていうか先生は普段淡々としてるくせにほんと意外と…
昨夜の戸惑いを抗議とも批判ともつかない口調でこぼしていると再び頬が赤くなる。
グエルを見上げると少し目を細めたようだった。
「ただいま、って言ってセロ君」



それから数日後、ようやくセロは自分の乗っていた船が沈没したという誤報について知る。
彼女は飛んで帰ってグエルを抱きしめた。
01681602008/08/13(水) 08:39:06ID:go4flpKw
おわりです!
おつきあいありがとうごぜえました
0169名無しさん@ピンキー2008/08/13(水) 09:37:17ID:0AIvqqjM
GJ!!
ありがとう!!すっごい良かったです!
グエル先生やっぱりかわいいなw
ふと思ったけど、逆バージョン(本編通り)だったら
どうなるんだろう…

盛るセロwww
0170名無しさん@ピンキー2008/08/13(水) 12:16:16ID:qhhzBzTm
160さん乙です、GJです!
グエル先生は淡白に見せかけてむっつりなので
激しいのはわかってます
パレット終わっても構わず作品投下待ってます!
0171名無しさん@ピンキー2008/08/13(水) 13:06:39ID:0bTYrjwW
ぐっじょおおぉぉぉぶ!b
しぶしぶどころか貪るように読ませていただきました。
二度目の喪失の可能性にぐわんぐわんと動揺する先生+盛る先生=ウマ萌えー!!
パレットは2人で色んな海を渡っていそうだと思っていたけど、
こんな風に待つグエル先生、いいっすねぇww
翌朝の会話もラブくて2828が止まらなかったよ!
0173名無しさん@ピンキー2008/08/14(木) 12:38:52ID:26tG2MrY
グエセロめちゃくちゃ萌えました!GJ!!
また大切な人を亡くすことに怯える先生っていいな、私的に
普段は淡白なのに結局この時は何回やったんだw
0175名無しさん@ピンキー2008/08/15(金) 14:51:24ID:U6MzCkS6
え?4回くらいじゃないの?ww
普段は1〜2回、盛ったときはこのくらいかと思ってたw

盛ったときに1番回数が多いのは誰なんだろう?
やっぱりクワンとグエル先生の年長組が多いかな?w
0176名無しさん@ピンキー2008/08/15(金) 22:06:17ID:ITKR6LX/
クワンは回数もだけどテクニックがヤバそうだ
逆に回数少ないのは笹舟だな、体力ないからw
0177名無しさん@ピンキー2008/08/15(金) 23:40:12ID:x2/TyskD
クワンのテクは半端ないと思う。言葉攻めとかも好きそうだよね。
回数はガーかルシンが多いんじゃない?やはりそこは若さですよ。
0178名無しさん@ピンキー2008/08/16(土) 22:24:16ID:F6Lyg1VA
ガートルードを若者のカテゴリに入れていいものなのか迷うw
サハラのが元気そう(ry
0179名無しさん@ピンキー2008/08/17(日) 18:11:53ID:Vv9uhf2I
クワンなら視姦やっても縛りや目隠しのSMやっても薬使っても
言葉攻めやってもおもちゃ使っても二輪挿しやってもアナルセックスやっても
ここの住人に「あー…クワンだからね」で済まされそうだw

>>178
普通に翌朝ガーより早くベッドから抜け出して元気なサハラに、
「俺、もっとガンバロウかな…」
ってちょっとたそがれるガーもありだと思うw
0180名無しさん@ピンキー2008/08/19(火) 22:38:03ID:MFyn9Uul
下がって来たんでageますよ

クワン×シャクヤ読みたい
書けない自分が憎い…
0181名無しさん@ピンキー2008/08/20(水) 10:11:04ID:feogSr6k
>>180
定期的にレスがあればどんなにサカっていても落ちませんよシャクヤ様。

ルシンもなかなかにHENTAIでいいと思うんだ。
以外にガー様がノーマルなセックスをしそうだww
0182名無しさん@ピンキー2008/08/20(水) 13:14:51ID:6DhraX3P
ガーは思春期だから猪突猛進な感じ?
0185名無しさん@ピンキー2008/08/20(水) 14:55:17ID:ihcC0ks5
>>181
ちょwサカるってww

自分もガートルードはノーマルな感じがするかな
100年生きてるから知識とかは豊富そうだけどw
0187名無しさん@ピンキー2008/08/21(木) 00:47:04ID:L5zCJdGY
先生はありとあらゆるプレイしそう
ムッツリなくせにテクニシャンだとなお良い
0189名無しさん@ピンキー2008/08/21(木) 10:56:03ID:2Mv04OqK
クワンは「ご覚悟ください」と有言実行。シャクヤが泣いてもやめない。
先生は「僕もう年だから期待しないで・・・」といいつつセロが泣くまでねちっこい責め。
そしてセロが泣いたらおろおろするw

一番気が強そうなのはサハラ。ぎりぎりまで泣かない。泣いても終わったら平気。
ギブが一番早そうなのはシャクヤ。でも泣いても相手がクワンだしね…。案外平気。
セロは標準的ぽいかな。若干ヘタレなはずの先生に泣かされた時、しつこく拗ねそう。

しかし私としてはダークホース甘喃を押したい。
きっと毎回のように動揺して慌てふためいて可愛いだろう。
ああ、ダレにしようか悩む。
0190名無しさん@ピンキー2008/08/21(木) 11:32:27ID:I0rWNIjO
>>186
機能するか心配したサハラがあの手この手を使って頑張るんですね、わかります
0191名無しさん@ピンキー2008/08/21(木) 17:31:53ID:42Ufqkz5
シャクヤは本編でもエロい顔してるから想像つく
感度がいいタイプ
しかし…本スレよりこっちの方が賑わってるのはどうなんだw
0192名無しさん@ピンキー2008/08/21(木) 18:56:48ID:aBf1cO7w
クワン×シャクヤ書いてみましたよ
スレの妄想を活かしきることはできなかった
0193クワン×シャクヤ2008/08/21(木) 18:58:13ID:aBf1cO7w
侍女達の明るいさざめきが段々と近づいてくるのに気づいてシャクヤは静かに体をこわばらせた。
ここへ、来るつもりだろうか。
使用頻度の低いよろずの物が保管されている、離れのこの小部屋へ。
「クワン…」
彼女は不安げに後ろを振り返ろうとする。
午後の強い日差しが扉の隙間からわずかに漏れ入る室内は、しかしひんやりと涼しい。
密会の最中だった。

所用で宮に顔を出すことの多い歳上の許婚と
人目を忍んで情事を重ねるようになってどれくらい経つのだろう。
無論シャクヤは大好きな相手に抱かれることが嬉しくてたまらなかったが
それを表に出すにはもう一人の許婚に遠慮がありすぎた。
アンバランスな関係を続けておきながら、ルシンを傷つけることを思えば胸は痛む。

ともかく密会の最中である。
二人ともかろうじて着衣。
しかし既にシャクヤは熱く掻き乱されており、立ったまま背後からクワンの侵入を許していた。
凶暴な熱のかたまりに内部は余すところなく支配され、わずかの振動にもシャクヤの声はうわずるほど。
それなのに。
侍女達は確かに近づいて来ている。

「この部屋じゃなかったかしら」

扉に手をかける音が鈍く響いた。

「だって去年使った時は3人がかりで運んで…」
「ていうか一部屋ずつ調べていけば済むってさっき決めたばっかでしょうが」

何やら探し物で賑やかに揉めている風である。
うず高く積まれた書籍やうっすらと埃をかぶったつい立ての隙間からシャクヤは扉の様子を伺う。
体重をかけている空っぽの飾り棚が小さく軋んだ。
どきりとして思わず身を起こすと
下腹が今にも動いてとおねだりしたくなるような激しい疼きに襲われて息を呑んだ。
しばらくじっと耐える。
見つかってしまうだろうか。それは非常にまずい。
「…シャクヤ様」
ふいにクワンが覆い被さって耳元に唇を寄せる。
鼻腔をくすぐる制服のストイックとも言える匂い。
シャクヤはこの匂いが以前から好きだったが、最近では背徳を感じ余計に反応してしまう。
「声を出さないでくださいね」
低い囁き。
その直後。
「───っあ!」
シャクヤの細い腰を両の掌で掴み、クワンは彼女を勢い良く突き上げた。
0194クワン×シャクヤ22008/08/21(木) 18:59:19ID:aBf1cO7w
「…何か聞こえなかった?」

扉の外のいぶかしがる言葉に青ざめる。
シャクヤは続けざまに揺さぶられ、また飛び出しそうになる高い声を必死で殺した。
片手で口元を押さえたために体はバランスを崩し、より大きく抉られる。
「………っ」

「気のせいじゃないの?」

あふれる蜜も淫らに音を立てたが幸いそれは届いていないようだ。
「…クワン、だめ」
小さな抗議は突き上げる動きに打ち消される。
シャクヤは振り返ってクワンの顔を見ようとしたが、あやうく声をあげそうになり棚にしがみついた。
腰を掴んでいた大きな掌が平らな腹をすべり、衣服を開かれた左の胸に添えられた。
桃色の屹立した頂を意地悪くつねる、その長い指。
「クワン、や…」
「どうして。動いて欲しかったんでしょう」
再び耳朶をかすめる低い声には明らかに愉悦がにじんでいる。
「こういう趣向も悪くはない」
腰を引き寄せられ、しっかりと囚われる。
本来なら喜びにふるえる瞬間だが今のシャクヤはおののく他なかった。
クワンの腕の中でどんな快楽が待っているか知っているだけに。
律動はゆるやかになり密着したまま奥の方で蠢めいた。
これまでに把握された弱点がゆっくりと、執拗に狙われる。
「ほんとにだめ…っ」
息を乱しシャクヤは唇を噛んだ。

「いいからほら、鍵ちょうだい」

たわわな胸を這い回る竜胆の花を、同じ刺青を包んだ手袋の指が牽制する。
「…お願いクワン」
「その目、たまらないですね…」
頬に唇を押し当てるようにしてクワンはそう言うと、濡れた舌で首筋までをじっくりたどった。
言葉に嘘はないらしく欲情はシャクヤの中で一段と固さを増す。
「侍女に気づかれちゃう」
三つ編みのうなじにキスの跡をひとつ残して、クワンはそれを見る者のことを思い浮かべる。
「気づかれるかどうかは、シャクヤ様次第かと」
腰に残されていた掌が脚の方向へ下降したのに弾かれて、シャクヤは報われないと知りつつ身をよじって懇願した。
「クワンやめて、だめ…!」
ふくらんだ蕾を2本の指が挟むように触れる。
「あ」
甘い痺れが加速する。
そして律動は再び力強く、疼き悶える体を貫いた。
「あぁ…っ」
「お静かに…シャクヤ様」
わずかに上がるクワンの口角。
0195クワン×シャクヤ32008/08/21(木) 19:00:14ID:aBf1cO7w
「ねえ、やっぱり何か聞こえない?」
「いいから鍵出してよ、もう」

はいはいという声がして鍵が差し込まれる。
「………っ」
浅い吐息で快楽を散らそうとするが、強い衝動が次から次へと押し寄せてくる。
堪らえきれずシャクヤは両手で飾り棚に突っ伏した。
鍵を何度も回す音はするものの、錠と噛み合わない様子だ。

「こっちだったかしら」

新たに鍵が差し込まれ金属は無粋に鳴り合う。
胸と蕾を捏ねられる一方で、やわらかい肉は幾度も彼の侵入を受けシャクヤは目の端に涙を浮かべた。
快楽に流されまいとする理性は、関係が暴かれることへの焦りを認識し続け体を熱くするばかり。
「そんなに感じますか」
蜜は今やシャクヤの腿を伝い、はずみで床に落ちては染みを作っている。
「…おね、がい…やめてぇ…っ」
「声を出さないようにと言ったはずです」
からかいを含んで責め立てながらクワンもまた彼女に酔わされていた。
シャクヤから引き抜いた先端は、蜜とは別にあふれたもので濡れている。

「これも合わない。こんなに鍵の束があると覚えられないわね」
0196クワン×シャクヤ42008/08/21(木) 19:01:32ID:aBf1cO7w
気ぜわしく次々と鍵が試される。痺れをきらした侍女が扉をガタガタと揺すっている。
もう耳をそばだてる間でもなく外の状況は理解できた。
シャクヤも同じように揺すられて、必死で声を呑み込む。白い肌が上気する。
そのなまめかしさ。
今だけはとても子供扱いできないとクワンは思った。口に出すことはないけれど。
棚にしがみついているシャクヤの手を、左右、上から握り込む。
逃がさない。
誰にも、渡さない。

扉はガタガタ鳴り続ける。

ひといきに深く子宮の入り口まで貫いた。のけぞる華奢な肢体を見下ろして、もう一度。

快活な侍女の会話と、ひっきりなしの鈍い金属音。

シャクヤは悲鳴のような息を吐き、突き当てられる熱に理性を見失う。

「これが最後の鍵よ」

脚がわななく。
崩れ落ちてしまいそうな体はクワンに繋がれて繰り返し打ち上げられた。逃れられない。
ただ彼を感じることしかできなくなる。いつものように。

残った鍵が差し入れられる。

さんざん情欲をぶつけられた奥の方から熱が広がっていくのをどうすれば止められるのか。

差し入れられた鍵が、回される音。

扉が開いた時なんと言えばいい。
わからない。
何もわからなくなる。
両手を拘束するクワンの手に力がこもる。
シャクヤは声もなく喘いで乱れに乱れた。
どうしよう私、いっちゃう。
いっちゃう─────!

   ***
0197クワン×シャクヤ52008/08/21(木) 19:02:20ID:aBf1cO7w
脚の上で熱くはじけるものがあり、ついでそれが滴った。
クワンがそこに出したのだとわかる。
重ねられた手はまだ力強く、頭越しに彼の整わない吐息が聞こえる。
シャクヤは混乱の中で味わってしまった絶頂に息も絶え絶えだった。

結局、錠の噛み合う音を聞くことは最後までなかった。
不思議そうに言葉を交わしていた侍女の足音が少しずつ遠ざかっていく。

「よく我慢できました」
首筋に唇が寄せられる。
シャクヤはくたりと力を抜き、うるんだ目で彼を見た。
「…扉が開いたらどうしようかと思ったわ」
余韻にまぶたを閉じる。
見つからなかったのは幸運だった。
「なのにクワンったら…」
「そう簡単に開くものではありませんよ」
ささやかな抗議をよそに、クワンは先ほどうなじに残した跡を軽く舌でなぞる。
「こういう時に備えて、鍵を付け替えましたから」
しれっと。
上体を少し起こしてシャクヤはあらためて彼を見た。
余裕の表情に浮かぶ、わずかに黒い笑み。
「情事に乱入を許すほど私が寛大だと思いますか?」
シャクヤの目がまんまるに見開かれた。
「……言ってくれれば…!」
「なぜ。せっかくの余興を」
二の句もつげない。
頬を赤く染め、ぱくぱくしている唇にキスが落とされる。
楽しかったでしょうシャクヤ様、と彼はあえて優しく優しく囁いた。


ふたりの密会はまだ終わらない。

                         おしまい
0198名無しさん@ピンキー2008/08/21(木) 20:11:38ID:I0rWNIjO
グッジョブグッジョブ!!
シチュエーションとか二人の様子がいちいたエロくて萌えた!
クワンとシャクヤ本当にこういうプレイしそうだw

クワンはもうエロチャンピオンですね
このまま第2ラウンド突入してしまえww
0199名無しさん@ピンキー2008/08/21(木) 20:33:27ID:42Ufqkz5
クワ×シャクキター!
クワンの言葉攻め萌える…!
キャラの特徴よく掴んでおられる!
このままクワンにはシャクヤの性教育をしてもらいたい
すでに3回リピートしてしまったGJです!
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