悪魔と天使でえっち 3rd world
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0001名無しさん@ピンキー2009/02/12(木) 23:31:39ID:Y4tWVdNN
ここでは、敵に負けての陵辱、あるいは和姦など
天使・悪魔のエロを総合的に扱います。
それ以外の人間や精霊などが絡むものや天使同士悪魔同士も歓迎ですが、投下前に一言断ってください。
あくまでもメインは天使×悪魔又は悪魔×天使です。
また、作品の属性も投下前に断ってもらえると何処ぞからの加護があるかもしれません。

初代スレ
天使が悪魔に負けて陵辱されるスレ
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1135232708/

前スレ
悪魔と天使でえっち 2nd world
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161349132/

保管庫
ttp://red.ribbon.to/~eroparo/
 →オリジナル、シチュエーション系の部屋8号室へどうぞ

0301名無しさん@ピンキー2011/03/14(月) 11:22:16.40ID:vZFKhGFl
神の野郎のチンコでも食いちぎってやるわグヘへ
って感じかもしれんw
0302名無しさん@ピンキー2011/03/14(月) 12:18:27.09ID:UMe1HqZT
そのままおなごの首筋やらおっぱいやら内ふとももやらかめば無問題
0304名無しさん@ピンキー2011/05/09(月) 00:04:26.99ID:PD93VIwY
爽やか系天使君が、つんつんした悪魔ちゃんを得意の話術でにっこり優しく丸め込んじゃう話が読みたい。
真面目な悪魔くんとちょっと不良な天使ちゃんでもいい。
もうなんでもいい。
0307名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/12(日) 02:07:21.49ID:oxI+R6Et
悪魔のような天使様に誘惑されたい
0308名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/22(水) 02:10:58.99ID:X86YAjMr
保守
0310名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/30(木) 03:42:00.66ID:znd6F/eJ
>>309
「クックック。その真っ白な羽根も、こうして俺のザーメンで汚れちまったな。
 その処女だった膣も、こうして俺ので汚してやったしな」

 悪魔の身体の下から、天使は答えて言った。
「…赦します」

 あくまで凛とした清らかなその声は悪魔を驚かせる。
「あン?」

「…あなたは罪人ではあっても、悪人ではありません。
 あなたは力の使い方を間違っているだけなのですから」

「な、ナニ言ってやがる! オレは悪魔だぞ!!」
 困惑した悪魔は叫ぶ。
 悪魔は天使が悲嘆に泣き叫んだり、恨みがましく睨んだりするのは予想していても、
こんな態度を取るとはまったく考えていなかった。
「それに処女じゃなくなったらテメエはもうじき天使じゃなくなるだろうが!エラそうな口利くんじゃねえ!!」

「あなたは愛を知らないだけなのです」
 白濁に塗れた天使は、悪魔の首に細い腕を回すと、その胸に悪魔の顔を抱え込む。
 柔らかな乳房が変形し悪魔の顔を包む。

 天使の乳肉の天上の至福の柔らかさに一瞬悪魔は意識を奪われる。
「…」
 天使は胸の中の悪魔に語りかける。
「あなたは間違っています。それは、他人を傷つけたり屈服させる為の道具ではありません。
 いとしい人に愛を伝えるための器官なのです」

「う、うるせえ! オレに説教なんかすんじゃねえ!」
「あなたは可哀想な人です」
「人じゃねえ! オレは悪魔だ!」
「わたくしもあなたも、神のお作りになったものであることに違いはありません」
0311名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/30(木) 03:42:18.13ID:znd6F/eJ
「黙れッ!!!」
 悪魔は叫ぶと、天使の唇を手でふさぐ。
 そして再び猛りきった怒張で天使の白濁に塗れた性器に突き入れる。

「ふっ…っぐ、畜生、やっぱコイツは最高に具合がいいぜ…」
 悪魔は眉根を寄せて天使の膣のその内側の妙なる快楽に耐える。
「て、天使って言ったって、所詮ただの女じゃねえか。憎い悪魔に無理矢理犯されても抵抗できねえんじゃ、
神の力っても大したことねえな!」
 笑い飛ばす悪魔に、その体の下から天使が囁く。
「て、抵抗できなかったのではありません。……抵抗しなかったのです」
「なん……だと!?」

「愛する人に身体を求められて拒む女がいるでしょうか」
 天使は微笑む。悪魔に犯されながら。
「な、な、ひ、ひとじゃねえ!いやそうじゃねえ!なんだそれは!アイ?!アイだなんて、ふ、ふ、ふざけんなッ!!!」
 悪魔は突き入れた腰を動かすのも忘れてそう叫ぶ。

「…わたくしは、ずっとあなたのことを見ていました。
 人を騙して魂を食べるときも、あなたは弱いものは見逃していましたね」
「ち、違うッ、オレはエラそうにしてる魂が好物なだけだ!」
「女性を襲ったときも、あなたは盲目の女性は避けていました」
「あ、あれは、あれは、目が見えないと俺の正体を見ても怖がらないから他のヤツにしただけだっ!!」
「炎を吐いて人を焼き殺すときにも、あなたは後ろにいた猫だけは焼かないように気を遣っていました」
「なっ、ち、違うっ!お、オレは、獣が焼ける匂いが嫌いなだけだっ!」
「だからわたくしはあなたに恋焦がれるようになったのです」
「な、なに言ってんだ!オレの話を聞けっ!」
 天使は悪魔の首に腕を回すと、ゆっくりとその唇を悪魔に捧げた。
 キスを終えると、天使は嬉しそうに微笑むと、悪魔に囁く。
「ですから、わたくしはあなたに本当の愛を教えて差し上げます」
 悪魔の腰に、天使の細くて白い脚が絡みつく。

 悪魔は腰の動きを止められない。
 天使の中が気持ちよすぎるから。
 天使の甘い喘ぎにを聞くたびに、身体の中に溢れてくる不思議な感覚がたまらないから。
0312名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/30(木) 03:42:33.50ID:znd6F/eJ
 そんな悪魔の腰使いを受けながら、天使は言う。
「悪魔にも知らないことがたくさんあるのですね」
「なんだと!?」
「天使は処女を喪うと天使でいられなくなる。それは正しいです。
 父なる神は、わたくしたち天使に降俗の権利をお許しくださっていますから」
「だろうが!お前はもうじき…ホラ、その輪っかが薄くなってきてるぞ」
 天使の頭上の光の輪がかすれてきている。
「ええ。天使は、下界で人間に恋したときは降俗の儀式を行います。
その儀式の後に処女を喪うと、天使は人間の女の子になれるのです」
「だから何だよ!オメエだって人間になりかけだろうが」
「その儀式を経ずに処女を喪った場合、天使は人間になるのですが、その相手に呪いが掛かるのです」
「何?」
「処女を奪った男根に呪いが降りかかります」
「なななな、何だって!?」
 悪魔は必死に天使の膣から男根を抜こうとするが、天使の脚が悪魔の腰をしっかりと抱きしめていてそれは叶わない。
「もう遅いですよ。呪いはもう成就してしまいました」
「じょ、成就って何だ!?」
 腰の止まった悪魔に、天使は下から腰を突き上げる。
「たいした呪いではありません。生涯、その膣でしか射精できなくなる呪いです」
「なっ、うそっ、そ、そんなっ」
「ウソではありませんよ。天使はウソはつけませんから」
「ちょっ、ちょっと待てっ、待て、止まれ」
「もう遅いですよ。呪いは先ほど発動してしまいましたから。
 あなたは生涯、わたくしの膣でしか快楽を得ることはできないのです」
「ふうっ、あっ、そ、そんなっ」
 天使は、かつて天使だった人間の女は、悪魔に優しく微笑みながら言った。
「ですから、わたくしも生涯を掛けてあなたに真実の愛を教えて差し上げます」
0313名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/30(木) 03:44:07.90ID:znd6F/eJ
「…というのが、ママとパパの馴れ初めなのよ」
 と母親は娘と息子に教えている。エロスな部分はうまくキス程度にぼかしているが。
「うっそだー」「うそー」
「ホントよ。ママはね、昔天使だったの。
 悪魔だったパパがね、『オレは悪魔を辞めるからお前も天使を辞めてくれ』って言ってくれてね。
 ママはホントに嬉しかったのよ」
「えー」「パパ悪魔なのー」
「いいえ。悪魔だったのは昔のことよ。今はちゃんとあなたたち二人のために真面目に働いてくださってるの。
 だから、パパにちゃんと感謝しないといけないのよ――あら。ほら、パパが帰ってきたわよ」
 マンションのチャイムが鳴り、鍵が開く音がする。
「あ!パパだー」「パパー」
 どことなく悪魔の風貌が見える幼い男の子と、天使に似たやはり小さな女の子が玄関に向かって駆け出す。
「おかえりなさーい」「パパー、おしごとおつかれさまー」
 そう言いながら二人の子供が抱きつくのは悪魔。いや。元悪魔のサラリーマンである。
「ただいま。お前らちゃんといい子にしてたかー」
 そう言いながら元悪魔は二人の子供を片腕で一人づつ抱き上げる。
「わー」「きゃーー」

「あのね、ママがね、パパは悪魔だって言うの」
「ママも天使だったって。ホント?」
「ママそんなこと言ったのかー。ホントだぞー」
「えーーー」「うそーーー」
「だから、パパはお風呂に入らない悪い子は食べちゃうんだー。さ、一緒にお風呂入るぞー」
「わーーーい」「わーー」
 二人のちびっ子が先を争って風呂場に駆けていくのを見ながら、元悪魔は元天使の妻にカバンと上着を渡す。
「いいのか? ホントのこと言っちゃって」
「いいのよ。こうやって少しづつ本当のことを教えておけば、いつか事実を知ったときにショックを受けなくて済むでしょう?」

 そう言うと、奥さんは夫にキスをする。
 唇を割り、下が絡み合う濃厚なキス。
 そのキスが終わると、元天使な奥さんは夫に囁く。
「ねえ、あの子たちもそろそろ手が掛からなくなってきたし…ね。三人目、作りましょうよ」
 その甘い囁きを聞きながら元悪魔は思った。
――ああ。この最愛の女を作ったヤツのモットーは「産めよ殖えよ、地に満てよ」だったなあ。
 給料を増やすには資格をもう一つ取って手当てを増やさなきゃ。
 そう思いながら元悪魔はネクタイを元天使の、最愛の妻に解かれていた。



 おしまい
03163092011/07/02(土) 01:41:36.42ID:/qNxpRw1
ふおお!まさか甘々に転ぶとは思ってなかったぜ
期待してたのとは全然違うがそんなことどうでも良くなるくらいGJ!
大変おいしかったですごちそうさまでした
0322名無しさん@ピンキー2011/09/13(火) 09:26:26.20ID:WC7PYa7r
保守
0324名無しさん@ピンキー2011/10/20(木) 13:56:53.63ID:FPushnRd
保守
0325名無しさん@ピンキー2011/10/21(金) 16:48:27.77ID:T+qpntFA
元天使(ドS男)×天使(ロリ美少女)って需要あるのかな・・・

変な電波受信して今書いてるんだけどさ
0331 忍法帖【Lv=34,xxxPT】 2011/11/22(火) 11:57:43.18ID:TVobR4zQ
テストついでに保守
0332名無しさん@ピンキー2011/11/23(水) 06:56:07.58ID:9TnaCtiD
>>330
ありがとう。
書いた僕も泣きながら書いたのでそう言ってもらえると嬉しいです
0335名無しさん@ピンキー2012/02/12(日) 01:45:32.35ID:t2xM4U/c
ほしゅ
0336名無しさん@ピンキー2012/02/14(火) 07:21:08.55ID:d+lMY8gx
読み返してたら>>126の元ネタがわかってニヤニヤできた
0362名無しさん@ピンキー2012/06/30(土) 13:17:25.33ID:PwBR/+hM
保守
0365名無しさん@ピンキー2012/07/16(月) 00:14:57.80ID:2xY5V/g3
0368名無しさん@ピンキー2012/07/23(月) 15:37:20.54ID:lo2OSO68
保守
0381名無しさん@ピンキー2012/09/02(日) 11:01:07.19ID:1sG/oK5I
0382名無しさん@ピンキー2012/09/06(木) 21:01:59.00ID:iCBWmS1p
0385名無しさん@ピンキー2012/09/18(火) 21:11:07.85ID:uKuBZWEM
0389名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:03:30.15ID:LcmecgfP
投下します
・うまいこと言って悪魔に何度でも願いをかなえてもらえちゃう契約をさせてしまうお話です
・先に手を出すのは天使 性交をもちかけるのは悪魔のほう
・天使のパーツは翼のみ 悪魔は触角と翼と尻尾
・連投規制対策で投下はゆっくりめに行います
0390名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:04:35.64ID:LcmecgfP
 いつも通り人間界におりて来て、いつも通り俺が見回りを任されている町に問題がないか確認して、
どうやらいつも通り問題なんてなさそうだとわかった俺はため息をついた。
こう毎日毎日平和な日ばかりが続くと、俺までこの町特有の平和ボケムードに毒されてしまいそうだ。
問題がないとわかっていながらこのあたりの見回りをしなければいけない俺の身にもなってほしい。
うちの神サマはいったい何を考えてるんだ。というか、このあたりは平和すぎる。それこそ問題だろう。
因みに、ここ以外の地域はそんなに平和ではないらしい。なんでよりによって俺がここの見回りなんだ。
 俺にとっては不幸な、うちの神サマと平和ボケしたこのあたりの人間たちには幸運なことに、
今日という日も問題なく終わりそうだ……。
 と思った矢先、俺の視界に問題と呼べるものが映った。
それは人間の女の子のような姿をしているが、明らかに人間とは異なる点があった。
というか、どう見ても人間じゃない。悪魔だよなあれ。
まず最初に目を引くのは背中から生えた大きな黒い翼だろう。
闇を象徴するかのようなそれは、ぼんやりと差し込む夕日に対抗するように、黒く怪しい輝きを放っている。
翼の先と生え際の中間あたりから上に向かって鉤爪が飛び出しているあたり、モチーフとなっているのはコウモリだろう。
どこの宗教の神か知らないがあの子を創った神は馬鹿だ。コウモリの翼は腕が進化したものなのだから、背中なんかには生えていないはずだ。
案外俺を創った馬鹿な神サマと同一の存在だったりするかもしれない。だとするとあの子は俺の姉か妹になるのか?
視線を下に移すと、お尻から尻尾が生えているのが確認できた。先端の形状がハートマークのようになっていてかわいらしい。
翼と同じように真っ黒なそれは、まるでそれ自体が意思を持った不思議な生き物であるかのようにゆらゆらと揺れている。
あんなにしなやかな動きができるってことは、よっぽど尻尾の関節の数が多いんだな。
次に目を引くのは身に纏っている衣装だった。
冬場だというのに、大胆にもお腹を露出した格好は、見ているこっちが寒くなってしまう。
服が上下に分かれているだけでなく、袖も本体とは分離していて、腋や太股も寒気に対して無防備だ。
基調となっている色は、暖色の赤と光を吸収する黒なのだが……それでも寒そうな印象は拭えない。なんであの格好で平気そうにしていられるんだろう。
 悪魔は手に何やら紙切れのような物を持ち、キョロキョロと何かを探している様子だ。
何を探してるのか知らないが、どうせ暇だし手伝ってみてもいいかな。あるいはちょっかいを出してみようか。
多分持っている紙切れは地図か何かだろう。きっと道がわからないんだな。
そんなことを考えながら悪魔のほうに歩みを進めると、むこうがこちらに気づき、先に声をかけてきた。
0391名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:05:23.37ID:LcmecgfP
「ちょっとそこのあなた!」

 むこうから声をかけられる理由は特に思い当たらない。こんな下っ端天使に何の用だろう。
というか俺は一応天使なんだし、少しぐらい警戒してもいいと思うが……。
あぁそうか、今は翼を折りたたんで服の中に収納してるんだっけ。
こうすれば俺の外見は人間と変わらない。むこうには俺が人間に見えてるのかもな。
ところで質量を無視して俺の大きい翼を収納できるこの服の構造は、どうなってるんだろう。
俺を創るよりも、この服を創るほうに神サマが労力を使っているような気が……。

「突然だけどさ、あたしと契約しない? 寿命の16分の1を渡せば願いを3つかなえてあげるわよ」

 さっき俺がした予想は大きく外れた。あの紙切れは地図ではなく契約書だったのだ。

「16分の1? 願い3つの代償にしてはずいぶん安くないか? それで釣り合うの?」

「あたしは契約した相手の願いをノーリスクでかなえられるし、問題ないわ。寿命をちょびっともらえればいいの」

 ふーん。そういうものか。
にしてもこうして間近で見ると結構かわいいな。
少し釣りあがった赤い目はなんだか強気な印象。寒そうな格好をしてるわりに肌の色は健康そうだ。
うるおった薄ピンク色の唇はどこか色っぽい。全体的に幼そうな顔立ちをしているせいで余計に際立って見える。
この衣装もけっこう似合ってる。やっぱり寒そうだけど。


「ん? あたしの顔に何かついてるの?」

 いきなり顔をジロジロ観察されて、悪魔はちょっと戸惑うような顔をした。
その表情もまたかわいらしい。このままずっと見つめていてもいいけど、契約のほうに話を戻さないとな。

「いや、なんでもないよ。ところでこの契約ってかなえられる願いの数を増やしてくれとか願うのはダメなのか?」

「もちろんそれは禁止よ。他にもかなえられない願いはあるから、ちょっとこのへんを読んでね」

 俺の意地悪な願いを跳ね除け、悪魔は契約書の禁止事項と書かれた欄を指差して、俺に差し出した。
何とか契約の穴を突いて悪魔を困らせてやろうと思ったが、やはり対策されてるな。
やはりかなえられる願いの数を増やすのは禁止だというようなことが書いてあった。
悪魔を殺したり、ひどい目にあわせたり、遠くにとばすなどして、寿命の回収が不可能、もしくは困難な状態にする願いも禁止。
というかこんなかわいい子を殺したりするのは、それこそ悪魔のすることだろう。
あと契約の内容を変えてくれと願うのも禁止。
そして寿命を延ばしてくれ、渡さなくてもいいようにしてくれ、などと願うのも禁止。
さらに寿命を引き渡すのは最後の願いを言ってから1週間以内で、それ以上先延ばしにする願いも禁止。
ここで一つの疑問が俺の脳裏を過ぎった。

「なんだこれ。引き伸ばしても結局はとられるんだから一緒じゃないのか? 禁止する意味なんてあるの?」

「あぁ、それ? この前契約してくれた人がずるい人でさ、寿命を引き渡すのを150年待ってくれって言われちゃったのよ。
だからあんまり先延ばしにするのは禁止にしたの」

 確かに俺が死んでから取りに来い。なんて言われても無理だよな。だからこのルールを作ったのか。
そのずるい人間より先に俺がその願いを思いついていれば、悪魔を困らせてやることができたのに……。
0392名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:06:30.98ID:LcmecgfP
「ところで寿命の8分の1を渡すから願いを後3つかなえてくれとか願うのはダメなのか?」

「それは願いの数を増やす願いだから無理だけど……頼むならもう一度契約してあげるわよ」

 今のは微妙な点を突付いて困らせてやるつもりの質問だったんだが、悪魔は即答。
ん? 今の会話で何か悪魔を困らせる方法が思い浮かびそうになったんだが……。
おぉ、こう願えば寿命を渡さずに、何度も願いをかなえてもらうことができるじゃないか。
もう一度禁止事項の欄に目を通すが、この方法なら前述したもののどれにも触れないし。
前述したもの以外にも禁止されている願いはいくつもあるが、
前述したもの意外は何度も願いをかなえてもらうこととは関係なさそうなものばかりだ。

「もしも代価をなくせて、かなえられる願いの数を増やせるような穴が見つかったら、君はどうするの? やっぱり一方的に契約切ったりしちゃう?」

「そ、そんなことしないわよ! というかできないわ。契約は絶対なの。」

 心外だ。という風に悪魔は言った。どうやら一方的に契約を切られる心配はなさそうだ。

「万が一そんなものが見つかったら、ちゃんとあなたの願いを何度もかなえてあげるわよ」

 自分のことを毛ほども疑われるのは嫌だ。というような感じで悪魔が続ける。今ので言質を取った!

「絶対にそんなもの無いけどね」

 自信ありげにそう付け加えるが、俺が既に穴を見つけていると知ったら、悪魔はどんな顔をするだろうか。
……今更だがこの契約は悪魔と天使の間でも成立するものなのだろうか。
人間界に相手を探しにきてるんだから、人間の契約相手を探していると考えるのが自然だろう。
俺が天使だと気づいていながら声をかけてきた可能性もなくなはいが、
それならそれで人間界に天使がいることに反応してくれてもいいはずだ。

 「ところで俺が人間じゃなくて天使だってことには気づいてる? 契約相手は人間じゃなくてもいいの?」

 収納していた翼を思いっきり広げ、羽ばたく。やはり悪魔は俺が人間ではないことに気づいてなかったようで、
顔に驚きの表情を浮かべる。が、俺に驚いた顔を見られるのを恥じたのか、すぐにもとの強気な表情を取り繕った。

「も、もももちろん気づいてたわよ! 別に契約相手は人間じゃなくてもいいのよ」

 なんてわかりやすい反応をしてくれるんだろう。その自覚があるのか、悪魔の健康そうな色の頬に少し赤みが差した気がする。

「つ、翼だったらあたしだって負けてないわよ!」

 そう言って悪魔は羽ばたき、翼を強調して見せた。発生した風が黒髪のショートを撫で、頭に生えた触角を揺らす。
今気づいたが角じゃなくて触覚なのか。なんだか悪魔というより虫歯菌か何かに見えてきたぞ。
先端の形状が3角形になってるとことかけっこうそれっぽいと思う。

「で、契約はしてくれるの? してくれるならここにサインしてね」

「俺、名前とか無いんだよな。なんて書けばいい?」

「別に、あなたのことを指してれば本名じゃなくてもいいわよ。偽名でもなんでもいいの」

 俺は小さく「天使」とサインした。これではあんまりな気もするが、俺は名前の無い天使なんだから仕方が無い。

0393名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:11:24.88ID:LcmecgfP
「これで契約は成立よ。さぁ願いを言って頂戴」

 俺に穴を突かれて悪魔がどんな表情をするのか今から楽しみでたまらない。
ニヤけてしまいそうになるのを堪えながら、俺は口を開いた。

「3つ目の願いを言った後に、もう一度俺と契約してくれ」

「願いを1個つぶさなくても頼めばまた契約してあげるわよ?」

 悪魔はわざわざ俺が損をしないように教えてくれた。
だが、確実もう一度契約を結ぶことができないと俺は都合が悪いんだ。
願いを1つ潰してでも、もう一度契約することを確定させる必要がある。

「いいから!」

 俺がちょっと語気を強めると、悪魔はちょっと納得がいかないような顔で頷いた。
確かに今の願いは意図を知らなければ不可解に見えるだろうな。

「2つ目の願いは、寿命を引き渡すのを最後の願いを言ってから一週間後にすることだ」

「え? さっき引き伸ばしても意味なんか無いって自分で言ったじゃない」

 悪魔はますますわけがわからないというような顔をした。
しかしこの願いを了承してもらわないと話にならない。

「いいから!」

 悪魔は渋々といった感じで俺の願いを了承した。よし、これで俺の勝ちだ。
0394名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:15:29.15ID:LcmecgfP
「了承……したよな?」

「したけど……それが何よ? 変な願いばかり言ってどういうつもりなの?」

 このへんでネタばらしといくか。たっぷり困らせてやる。

「寿命を引き渡すのは「最後」の願いを言ってから1週間後だよな? 俺が何度ももう一度契約しろって願い続けたらどうなると思う?」

「え……? どういうことよ?」

 俺の口ぶりで何かまずい願いを了承してしまったらしいことは察したようだが、
まだどんな風にまずいのかはわかりかねているようだ。

「ほら、何度も契約するってことは何度も願いを言うってことだろ? だから「最後」はこないんだよ。 俺が寿命を渡すことはないんだ」

「え? あっ?! だ、ダメよそんなの! それ禁止!!」

 自分がどういう状況にいるのか完全に把握した悪魔が慌て出す。
でももう了承させちゃったもんね。今からそんなこと言っても無駄だ。

「この契約書には禁止だなんて書いてないみたいだけど? 穴を見つけたんだから約束どおり何度も願いをかなえてよ」

「ダメダメ! お願いだから見逃して!」

 顔の前で両手を合わせながら、悪魔が懇願してくる。そ、そんなかわいいことしたって無駄だからな。

「じゃ、じゃぁ代価なしで願いを10個かなえる契約を結んであげるから! それで妥協して! ね? いいでしょ?」

 必死に懇願する様子があまりにもいじらしいので、その問いにうんと頷いてしまいそうになるが、ぐっとこらえる。
無限に願いをかなえてくれると確かに悪魔は言ったんだ。ここで妥協してはいけない。

「ん? 願い10個? 契約の内容はそっちが決められるのか? やべっ、まったく同じ内容の契約をもう一度って願うべきだったかな」

 それを聞いた悪魔は一瞬きょとんとした表情を浮かべた後、意地悪そうな笑みを浮かべる。

「そっか……それもそうね。あたしが次に契約をするときに契約内容を変えたり禁止事項を書き足せばあなたはお終いね!」

 まずい、抜かりがあったか。もう一度契約しろと願うのは禁止とか書き足されたら、願い2つを無駄に潰して寿命を取られてしまう。何とかして打開しないと。

「というか、もう一度契約するということだけが決定してるんだから、あたしが無茶な契約をふっかけてもあなたは拒否できないはずよね?」

「えっと……どゆこと?」

 「あなたが契約するように願ったから、あたしとあなたが近い未来に契約をすることは確定したけど、
契約の内容は確定してないわ。だから、あたしはどんな契約をあなたにふっかけてもいいわけ。おわかり?」

 悪魔がなんだか怪しい雰囲気の新しい契約書を書き綴り始めた。もしかして俺ピンチ?

0395名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:16:28.36ID:LcmecgfP
「できたわ。これはあたしがあなたを一生召使いとしてこき使える雇用契約書よ。あたしをタダ働きさせようとしたんだから、
これくらいの代償は当然よね?」

 悪魔の口元がますます吊り上る。ま、まずいな……この状況を何とかするには……。

「願いはあと1個残ってるんだし、その願いを使って1個目の願いを取り消させてあげてもいいわよ? でもそうすれば
何も願いをかなえられずに寿命だけをあたしに渡すことになるわね」

 ……って願いがあと1個残ってるんだから簡単な話じゃないか。

「次にする契約の内容を今回のとまったく同じものにしてくれ。これが俺の3つ目の願いだ」

「あっ?! それはダメ! お願いだからやめて!」

 意地悪そうな表情から一転し、悪魔が困り顔になる。
むこうはむこうで俺を召使いにしようとしたんだし……もっと意地悪してやる。

「だってそうしないと俺は意地悪な悪魔の召使いにされちゃうわけだしなー。こうせざるをえないだろ?」

「い、今のは……その……じょ、冗談よ! ちゃんと願いを10個かなえてあげるからそれで妥協して! お願い!」

 さっきの意地悪そうな笑みは本気っぽかったし、正直信用できないな。俺は首を横に振る。

「少ない代価でかなえてあげてるんだから見逃してくれてもいいじゃない! どっちが悪魔なのよ! この意地悪ー!」

 それとこれとは別だろう。俺が見逃してあげたとしても、本当に願いを10個かなえてくれるのかは保障されてないし、
契約の内容をこっちがいじるのは禁止だと書いてあるんだから、「願いを10個かなえる契約を結べ」と願って保障させることもできない。

「俺の3つ目の願いは……」

「ああ……それだけはダメ……お願いだから……」

 口を開いた俺を見て、悪魔が悲痛な声を出す。願いを言うのを躊躇ってしまうから本当にやめてくれ。

「次にする契約の内容を、今回のとまったく同じものにすることだ」

 俺が躊躇って本当に願いを言えなくなる前に、一気に言い切ってやった。

「うぅ……わかったわよー! タダ働きすればいいんでしょ! すれば! もう好きにして!」

 もうやけくそだ、といった感じで悪魔が叫んだ。途端に悪魔の持っていた雇用契約書が、今俺が持っている契約書とまったく同じものに変わる。
 ノーリスクでかなえられるのに、タダ働きさせられるのはそんなに悔しいことなのかな。
ノーリスクなら別に何度もかなえさせられても、そんなに損するわけじゃないと思うが……。
0396名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:22:02.15ID:LcmecgfP
 衣と食は神サマがいちおう何とかしてくれてはいるからいいや。俺は願いを使って住を確保することにした。
さて、どこに俺の住む場所を作ろうかな……。そうだ、あそこに行ってみよう。確か景色が綺麗なとこがあったはずだ。
 よし、このへんなら俺の部屋を作っても誰の邪魔にもならないし問題ないんじゃないか。
瞬く間に出来上がった俺の部屋、というより俺の家は正直神サマが用意した天界の環境より快適そうに見えた。
住む場所がほしいと願っただけなのに、しっかりと家具までそろってるし、
風呂場やトイレもちゃんとあるみたいだ。ここから見える寝室にはふかふかのベッド、俺たちが今いる部屋の中心にはでっかい炬燵がある。
クリスマスが近いからか、ツリーまで飾ってある。やけに親切だな。

「君、悪魔だよね? クリスマスツリーが飾ってあることに抵抗は無いのか?」

「別にあたしはキリスト教の悪魔じゃないし……キリストを嫌う理由は特に無いわよ。
あたしがキリストの誕生日を祝っても、何の問題も無いわ」

 そういうもんなのか。悪魔ってくらいだからこういうのは嫌いだったり苦手だったりするんじゃないかと思ってたが、どうやらそれは間違いだったらしい。
じゃぁどこの宗教の悪魔なんだとか、この家の電気はどっからきてるんだとか聞こうと思ったが、やっぱりやめた。
こんないいものを俺にくれた上に、これからも願いをかなえてもらえちゃうんだ。その前にお礼を言わないとな。
にしても本当に天界よりこっちのが快適そうだな……神サマもっと頑張れよ……。

「すっげぇ住みやすそうな家だな……ありがとう! こんなところに住めるなんて夢みたいだ」 

「どういたしまして。ねぇ、あたしもここに住んでいい? そしたらあたしに意地悪したことを許してあげてもいいわよ」

 なるほどね、この家具とかは悪魔用でもあるわけか。よく見ると女性がよく使いそうなものもあるし、家のインテリアとかもかわいらしいものが多い。

「ん? 自分の家を自分で建てることはできないの?」

 こんなものをすぐに作れるんだから、自作すればいい。この家にこだわる理由はないだろう。

「あたしは契約した相手が願ったことしかかなえられないわよ。正直あなたがすごく羨ましいの。ね? こんな広い家なんだからあたしも住んでいいでしょ?」

 そういうものなのか。相手の願いはノーリスクでかなえられるのに、その力を自分のためには使えないってのはちょっと悲しいな……。

「いいよ。それにこの家は俺だけが住むには広いよな」

 俺が返答すると、悪魔が顔を輝かせた。

「本当? やったぁ! ずっと束縛されてこき使われるみたいなのを想像してたけど、こうやってあたしも願いの恩恵を受けられるなら案外悪くないかも」

「別にそこまでしようとは思ってないけど……それに俺が「6日以内にもう一度」契約しろとか願えば、6日間君は自由に動けるわけだろ?」

「それもそうね! よかった〜。寿命の回収に出かけたりとか自由にできるのね」

 俺が悪魔をそんなに酷使するつもりがないとわかると、悪魔はさらに顔を輝かせた。頭に生えた触角がうれしそうに揺れる。
 ところで、あの虫歯菌とかの頭に生えてそうな触角にはどんな役割があるんだろうか。

「ところでその触角は何のために生えてるの? 何か役立つのか?」

「あぁ、これ? こうやって先っぽのとこを押し当てると、相手の考えてることと、今感じてることが読めるのよ」

 確かに取引をしてるんだから、相手の心を読めたら何かと便利だよな。
相手が妥協するギリギリのラインを探って、代価を釣り上げたりとか……。
って、おい。何勝手に俺の頭に触角を押し付けてんだよ。

「うわわわ! 恥ずかしいからやめろ!」

 俺が、触角を振りほどくと、悪魔は口を尖らせた。
0397名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:24:50.97ID:LcmecgfP
「何よー。ちょっとぐらいいいじゃない。ケチ」

 心の中を読まれるなんて、それほど恥ずかしいことは無い。ダメなものはダメだ。

「あとあたしはこれを代価を釣り上げるのに使ったりはしないわよ。もっと違うことに使うわ」

 しかもしっかり俺の心の中を読まれてるし……。恥ずかしいから俺の考えてたことを口に出したりしないでくれ。」

「じゃぁどう使ってるんだ?」

「あなたにはわからないと思うけど、これで相手のドロドロした欲望とかを読むのってけっこう気持ちいいのよ。
あと、願いがかなったときの満足感とかを読むのもあたしは大好きよ」

 代価をもらって相手の願いをかなえたりしてれば、必然的に人間たちの欲望を目の当たりにすることになるだろうし、
欲望を読み取って快感を得られるように創っておくのはいい考えだな。
この辺はちょっとぐらいは評価できる。この子を創った神はうちの神サマほど馬鹿ではなさそうだ。

 それから俺は、悪魔と世間話をしたり、夕飯をすませたりした。
新しく宗教を立ち上げたどっかの神が信者を大量に獲得したとか、会話の内容は他所の宗教のものが多かった。
食事をすませると、悪魔は風呂場に向かった。

「ごちそうさま〜。ちょっとお風呂入ってくるわね」

「ん?いってらっしゃい」 

 俺は食器を片付けながら、悪魔を見送った。

「わかってると思うけど、覗くのは禁止だからね」

 風呂場に向かいながら、悪魔が付け足した。
 悪魔の裸か……。たしかにそれは魅力的だと思うけど覗きはよくないよな。うん。
0398名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:27:54.67ID:LcmecgfP
 だが、気が付くと俺は風呂場の手前にある洗面所の前にいた。食器を洗っていたはずなのに……何故だ。
 そ、そうだ。風呂のなかで眠ってしまう人もいるんだし、悪魔がそうでないとは限らないじゃないか。
うん。俺は悪魔が眠ってないか確かめるために来たんだ。少しもやましい気持ちなんてない。
 洗面所を見渡すと、悪魔の脱ぎ散らかしとは別にもう一着同じ服が用意してあった。
確か自分の願いはかなえられないんだったよな……?
住む場所がほしいって願いをどう解釈すれば自分用の代えの服を出せるんだ……?
しかも湯暖簾(ゆのれん)には悪魔湯とか書かれてやがる。
悪魔湯って何だよ悪魔湯って。悪魔だったら男が一緒に入ってもいいのかよ。
悪魔湯なんか作っちゃったり、風呂に入った後の代えの服を用意してたり、
俺に許可を求めてきた割には、最初からこの家を自分も利用する気満々じゃないか……。
突っ込みどころは色々あるが、俺は何よりも悪魔湯が用意されてるのに、天使湯は用意されていないことに突っ込みたかった。

「あ……ん……」

 風呂場に悪魔の声が響いた。思わずそちらに耳を傾けてしまう。

「ん……くぅ……い、今はあいつも家の中にいるんだし……ひゃぁ! が、我慢しないと……」

 徐々に、悪魔の声に熱がこもり、音量も上がっていく。
そして俺はとんでもないことに気づいた。
なんと風呂場と洗面所の境目にあるものが湯暖簾しかないのだ。
これじゃちょっと屈めば中が丸見えじゃないか……。

「んっ……うぅ……だ、ダメ……あぁっ……」

 中で何をしているのかは見なくとも大体想像がつく。
だからこそ俺は体の底から湧き上がる黒い欲望に打ち勝つことができなかった。
 そもそも悪魔というのは宗教によっては人を誘惑して精を絞り取ったり、たぶらかして悪道に誘ったりする存在なのだ。
こんな覗いてくれといわんばかりの状況を作って俺を誘惑する悪魔のほうが悪い。
天使の俺に覗きだなんて背徳極まりない行為をさせるなんて流石だよ全く。
さて、そんな悪い子がお風呂で何をしているのか、拝見させていただくとするか。
 にしてもこうしてると昔神サマの風呂を覗いたことを思い出すな……。
顔を真っ赤にしてきゃーきゃー叫ぶ神サマはかなりかわいかった。

「おぉっ……むぐっ」

 中の光景に思わず声を漏らしてしまい、慌てて口を押さえる。
 もうもうと沸き立つ湯気、湯に濡れた黒髪、そして何よりも艶かしい悪魔の裸体。
視界に映った何もかもが俺の中の恥ずべき感情を刺激する。
腋から腰にかけてのほっそりとしたラインとへっこんだお腹に大き目のお尻。まさに理想の体型だ。
こうして改めて見てみると、けっこう胸あるな。
背丈からして年齢は……少なくとも肉体年齢のほうは俺とおなじくらいなんだろうが、
そのわりにはけっこうなボリュームがある。巨乳というほどではないが、俺にはこの大きすぎず小さすぎずのサイズがベストに見える。
そんなバストの先端にくっついた乳首は、唇と同じきれいな薄ピンク色をしている。
決め細やかそうな肌は、ここから見ているだけでもすべすべとした感触が伝わってくるようだった。
さっきまであんな寒そうな格好で外をふらふらしていたとはとても思えない。あんな格好でいたらすごく肌に悪影響がありそうなもんだが。
秘所からはこんこんと泉のようにえっちな液体が湧き、、知らぬうちに俺の激情を煽っている。
0399名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:30:28.63ID:LcmecgfP
「ひゃぁ……あっ……あんっ……」

 悪魔がその手で触れているのは、秘所ではなく自身の長い尻尾だった。
指がさわり心地のよさそうな尻尾を擦り、握り、扱くたびに悪魔の口から淫らな声が漏れる。
あっちじゃなくて尻尾で自慰をしているとはちょっと予想外だったが、
こうしてみると尻尾も秘所と同じくらいえっちな器官に見えてしまうから不思議だ。

「あぁっ! あ……あ……んぅっ!」

 もう悪魔は家の中にいる俺に声を聞かれる可能性など全く考慮していないようだ。
激しく尻尾を扱きあげ、愛撫の激しさに負けないほど激しく喘いでいる。
ここで悪魔は尻尾から一旦手を離し、たわわに実ったおっぱいを弄り回し始めた。

「ん……ぅ……」

 尻尾にしていた激しい愛撫とは打って変わって、優しく胸を揉みしだいている。
胸は尻尾ほど敏感ではないのか、喘ぎ声のボリュームはさっきよりも低いが、それでも十分に悪魔の声は熱を帯びていた。

「ふあぁっ!」

 悪魔の手が乳首の刺激にシフトした。途端に悪魔の口から大きい声が漏れる。

「あぁ……も……もうダメ……」

 淫らな表情を浮かべ、夢中になって自信の性感帯を弄り回す悪魔は、もう俺の知っている悪魔ではなかった。
俺の視界に映っているのは、性を貪り、けしからん肉体と喘ぎ声で俺を誘惑するメスの姿だけだ。

「ああぁぁっ!!」

 なんと悪魔は尻尾を自身の秘所にあてがい、そのまま押し込んだ。
膣の肉が尻尾の先端をギュウギュウと締め付け、悪魔に快感を与えているようだ。

「んっ……! も、もう我慢できな……あっ……!」

 とうとう自身の欲望に完全に屈服してしまった悪魔は、そのまま激しいピストンを始めた。
 あんな関節の多い部位をズッコンバッコンしたら脱臼とかするんじゃないか……?あの子の尻尾を性感帯に創った神は馬鹿だ。
なんて突っ込みを入れる余裕は俺にはもうない。自分の欲望に抗おうともせず、ただただ悪魔を貪るように見つめるだけだった。

「あぁ……もうダメ……あっ! ああああぁぁぁーーっ!!」

 風呂場に声をガンガン響き渡らせ、悪魔が全身をびくびくっと痙攣させた。どうやら昇天したようだ。
 恍惚とした表情を浮かべ絶頂の余韻に浸っているようだったが、案外すぐに持ち直し、再び体を洗い始めた。
 体を洗った後に悪魔は湯船に浸かってしまい、屈んだ姿勢では裸が見えなくなってしまったので俺はその場から退散した。
 ギンギンになってしまった俺の愚息をどう処理しようか……。悪魔が家の中にいるんじゃ、こっちだってオナニーができやしない。
うう……俺のここがこんなになってるのは悪魔のせいだ。悪魔の誘惑に負けて覗いてしまった俺も悪いが、
覗いてなくとも声を聞くだけで勃起はしてしまったに決まっている。
0400名無しさん@ピンキー2012/09/29(土) 20:33:16.35ID:LcmecgfP
 暫くして、悪魔が洗面所のほうから居間に姿を現した。
 嬉しそうに触覚を揺らし、とてもさっぱりした表情をしている。
 爽やかなシャンプーの香りが俺の鼻腔を擽り、気分を和ませた。

「お風呂あいたわよー。ごめ〜ん。気持ちよかったからちょっと長風呂になっちゃった」

 顔の前で両手を合わせ、悪魔が軽く俺に謝罪した。
 にしても……この格好はなんとかならないだろうか。
さっきから悪魔の裸と淫らな表情が頭にこびりついてはなれない。
こんな露出度の高い服を着ていたら服の上からでも容易に裸が想像できてしまう。


「随分かかったな。じゃ、俺入るね」

 なんだか俺のほうが恥ずかしくなってきた。耐え切れなくなった俺は悪魔から離れようと、さっさと風呂場に行くことにした。

「あたしが願いをかなえて出してあげたお風呂なんだから、あたしに感謝しながら使いなさいよー」

「うん。ありがとう。住む場所がほしいって言っただけで風呂までつけてくれちゃうなんて、本当に親切だな」

 その風呂は悪魔湯だなんて湯暖簾がかかってたりするんだけどな。

「それほどでもあるわよ。もっと感謝しなさい。実はあたしがお風呂がほしいから出しただけなんどけどね」

 やっぱり最初から自分もこの家に住んだり、利用したりする気満々だったんだな。
一生代価をもらえずに願いをかなえ続けることになっても、それを逆に利用してしまおうだなんて、
あの短時間で思いつくのは素直にすごいと思う。俺だったらわざと辛うじて住める程度の家を出して相手に意地悪をしてやるけどね。
 ところで、あんなに喘いでいたのに、それを俺に聞かれなかったのかどうか心配する様子が皆無なのはどういうわけだろう。
あんなに大きい声を出しておいて、自覚がないなんてことは考えられない。

「じゃ、行ってくる」

 そう言って、俺は逃げるように風呂場へ向かった。



 風呂場に行っても、頭から悪魔のことは消えなかった。
むしろさっき悪魔が自慰をしていたのと同じ場所にいることで、悪魔のことを意識してしまう。
 気が付いたらボディーソープで頭を2回も洗っていた。おいおい大丈夫かよ俺。しっかりしろ。
 十分温まったしもう出ようかな。
 今気づいたが、この湯暖簾はリバーシブルなんだな。裏表をひっくり返せば天使湯になるのか。
 洗面所をよく見ると、俺の分の代えの服もしっかりと用意されていた。
なかなかいけてるじゃないか。黒と赤の組み合わせはかっこいい。
でもこれよくみたらパジャマ……? 黒と赤ってパジャマとしてはどうなんだろ。
悪趣味にも思えるけど、かっこいいからいいや。
 鏡を見てみると、俺の白い翼とはミスマッチに見える。
俺が金髪じゃなくて黒髪に創られてたら多分今よりは映えたろうに……。服がかっこいいだけに、俺のせいで服の魅力を完全に引き出せないのは残念だ。

 居間に戻ってみると、悪魔の姿は無かった。
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