「私は、富士ちゃんが好き」
「やたーっ!」
 絶叫して、手を握ってぶんぶん振ってくる。握手か? 触りたいだけか? どっちでもいい。どっちも嬉しい。
「どのくらいっ! どのくらい好きですかわたしのことっ?」
「えっ……すごく?」
「えー、分かりづらいですよお。じゃ、いつからっ? いつからなんですかっ?」
「えー……去年の今頃かな?」
「わーっ、長い長い! どこがいいんですかっ! わたしの何がそんなに好き」
「調子に乗るなあっ!」