東京マグニチュード8.0でエロパロ 震度2
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無しさん@ピンキー2010/02/12(金) 11:58:10ID:UJuVywtb
東京マグニチュード8.0のエロSSスレです。
エロくなくても絵でも桶。我こそはという有志のかた、
どしどし投下してください。

前スレ
東京マグニチュード8.0でエロパロ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1253897735/l50

関連スレ
東京マグニチュード8.0 震度52(本スレ)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1264343215/l50

東京マグニチュード8.0の小野沢悠貴は姉思いカワイイ3
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1253782495/l50

東京マグニチュード8.0の小野沢未来は弟思いカワイイ3
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1253637042/l50
0078特別な日、その後2010/03/13(土) 23:41:05ID:Z+NbcACT
「ただいまー」
 三月半ばの夕刻。未来がリビングの床に寝転がって憂鬱そうな顔で漫画雑誌をぱらぱらめくっていると、
悠貴が帰って来た声が聞こえてきた。未来は一瞬顔を輝かせて漫画から顔をあげたが、すぐにむっつりと
した表情になると、再び雑誌に顔を向けた。卒業式間近の短縮授業で未来は昼過ぎには帰宅していたが、
母の仕事のせいで留守番を頼まれてしまい外へ遊びに行くことができず、彼女は今日は…というか今日も、
少々虫の居所が悪かった。
 まったく、悠貴はいいわよね…。未来は雑誌に目を落としたまま、胸の中で恨めしげに呟いた。悠貴も
今日は早めに授業が終わっていたが、一度帰宅したあとすぐにまたどこかへと遊びにいってしまっていた。
まだ小二の悠貴に留守番はさせられないから、悠貴がいれば未来は留守番をしないで済むというわけでは
ないが、自分だけが留守番で、悠貴は自由に遊びに行けるというのはどうにも恨めしい。
 それに、恨めしい理由がもう一つ…。未来は独りで留守番をするのが少々寂しく、心細かったのだ。
なんといってもまだ12歳の少女なのだから、それも無理からぬ話だろう。しかし、心細いから
一緒にいて、などと弟に言うこともできず、自分独りだけを残して出かけてしまった悠貴に、未来は
八つ当たりぎみに腹を立てていた。

「ただいま、お姉ちゃん」
「お帰り」
 息を弾ませてリビングに入って来た弟に、未来は寂しがってたのを悟られないよう、漫画雑誌に目を
向けたまま無愛想に挨拶を返す。その彼女の方へ悠貴はとことことやってくると、横で立ち止まった。
「ねぇお姉ちゃん」
「ん〜?」
 声を掛けてくる弟に、未来は鬱陶しそうに彼の方を向いた。むっつりとした表情の未来とは対照的に、
悠貴はにこにこと嬉しそうな顔をし、両手を後ろに回して何かを背中に隠しているようだ。
「何か用なの?」
 何か見せたい物でもあるのかと、未来は面倒臭そうに身体を起こして床に座り直した。悠貴はえへへ…
と悪戯っぽい笑みを浮かべると、後ろに隠していた物を彼女に差し出した。「はい、これお姉ちゃんに
あげる!」

 悠貴が持っていたのは、4、50cmほどある青と白のチェック柄の紙袋に入った品物だった。口の
ところがリボンで縛って閉じられていて、いかにもプレゼントといった見かけだ。中身は分からないが、
容器には入っていないようで、ところどころ袋がでこぼこしている。
「な、なに?」
 突然のプレゼントに戸惑う未来に悠貴はにこにこと言った。「バレンタインのお返しだよ」
「ああ…」
 そこで未来ははたと気がついた。今日は三月の十四日、ホワイトデーだ。元々バレンタインにたいして
関心がなく、今年は悠貴にチョコをあげただけだったこともあって、そんなことすっかり忘れていた。
もっとも、例え覚えていたところで、まさか小二の悠貴がホワイトデーにお返しのプレゼントをくれる
なんて思いもしなかっただろうが。
0079特別な日、その後2010/03/13(土) 23:42:15ID:Z+NbcACT
「あんた子供のくせに気ぃ遣いすぎ」
 出かけてたのはこれを買うためだったのかと、悠貴を恨めしく思っていた自分を反省しつつ、しかし
素直に感謝の言葉が言えず、未来は憎まれ口をききながら腕を差し出し、そのプレゼントを受け取った。
「開けてみて、お姉ちゃん」
 子供のくせにと言われたものの、それが悪意からではないのをわかっている悠貴は、にこにこと
笑顔を崩さず未来に言う。
「はいはい、何が入ってるのかな?」
 弟にせかされ、未来は床に座ったままリボンをほどき始めた。見た目はけっこう大きいが、思ったほど
重くなく、包装紙の下には少し柔らかな感触がする。

「わぁ…」
 包装紙を広げ、中の品物が姿を見せると、未来は顔をほころばせた。そこに入っていたのは、緑色の
カエルのぬいぐるみだった。二人の部屋の窓際のチェストの上に置いてある物そっくりだが、それよりも
一回りか二回りほど小さい。
「窓のところのカエル、一人で寂しそうだったから。一緒に置いてあげてね」
 悠貴の言葉に、ぬいぐるみに寂しいも何もないだろうと未来は微苦笑を浮かべた。だが、いくら
未来でも、さすがにこれ以上憎まれ口をきくほどヒネくれてはおらず、素直に感謝の言葉を口にした。
「ありがとう、悠貴」

「小さいからこっちは弟だよ」
「へぇ、弟なんだ」
 ぬいぐるみを抱き上げるようにして眺めながら、未来は笑みをこぼした。どうして妹とか子供じゃ
なくて弟なんだろう? 悠貴の頭の中でなにか物語ができているらしいのがどうにも可笑しい。
「うん。それで、大きい方はお姉ちゃん」
 えっ? と未来は弟を見た。そしてふっと暖かい眼差しになると、もう一度ぬいぐるみに目を移す。
そっか、お姉ちゃんが寂しくないように、か。
 弟の優しさに、未来は胸の奥から暖かいものが込み上げてくるのを感じずにはいられなかった。
「ありがとう」
 未来はもう一度、心の底から悠貴にお礼を言うと、ぬいぐるみを抱いて立ち上がった。「それじゃ、
さっそくお姉ちゃんの隣に座らせてあげよ」
「うん」

 二人は揃って子供部屋へといくと、置いてあったぬいぐるみを少し横にずらし、右側に小さい方の
ぬいぐるみを置いてみた。少し座りが悪く、二体のぬいぐるみは互いにもたれかかってしまうが、却って
それが寄り添っているかのように見える。悠貴が言ったように、まるで仲の良い姉弟か、あるいは
恋人同士のように…。
「これでお姉ちゃんカエルも寂しくないね」
「うん、そうだね」
 寄り添うぬいぐるみをにこにこと見つめて言う悠貴に、未来もぬいぐるみを見つめながら肯き、半ば
無意識のうちに弟の肩に手を廻すと、そっと抱き寄せる。悠貴も甘えるように姉に身体を預け、二人は
ぬいぐるみと同じように仲良く寄り添った。
0080特別な日、その後2010/03/13(土) 23:44:53ID:Z+NbcACT
 それにしても…。しばらく嬉しそうにぬいぐるみを眺めていた未来が、ふと口を開いた。「あんた、
これ高かったんじゃない?」
 そんなに大きなぬいぐるみではないが、数百円で買えるようなものでもないはず。小二のお小遣いでは
大変だっただろう。
「大丈夫だよ、僕、お年玉がまだ少し残ってたから」
「無理しなくてもいいのに…」
 お年玉なんかとっくに使い果たしていた未来は、しっかり者の弟に苦笑しながら言った。しかし、いくら
余裕があったにしても、食べかけのチョコのお返しに貰っては、ちょっと申し訳ないくらいだ。他にも
ちょっぴり特別なプレゼントをあげたとはいえ…。
(少しお返ししてあげないとね)

「ね、悠貴…」
「なに?」
「今日も、一緒にお風呂入ろうか?」
 悠貴はさっと頬を赤らめると視線を落とし、恥ずかしげに小さくこくっと頷いた。「うん…」


 今日も両親の帰りは遅い。このプレゼントのお礼をたっぷりとしてあげられそうだった。
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況