conception×sis 第001回-1


「もう圭太も高校生だからな、いいぞ。お姉ちゃんたちとセックスしても」
 高校の入学式の夜、家族五人揃っての夕食時に、何の前振りもなく父さんが俺に向かって言った。
唐突な発言に、俺は口の中の味噌汁を噴き出しそうになった。
「ちょっ、待てよっ。親のセリフじゃねーだろっ!」
 言って二人の姉を見ると、あこ姉は頬を染めて恥ずかしそうに俯き、りこ姉は俺にじっと視線を向けている。
ちなみにあこ姉とりこ姉は双子で、俺との年齢差は一歳。二人とも俺と同じ高校の二年生になった。
「いいじゃないか。お前たちは父さんと母さんの連れ子同士。血縁はないわけだから、ガンガンいきなさい」
 父さんは笑いながら言うが、冗談じゃない。確かに俺は父さんの子供、あこ姉とりこ姉は母さんの子供で血は繋がっていない。
だが、前々から真性ブラコンの二人の姉は、俺の隙を見ては犯罪的なスキンシップを取ってくる。
添い寝ぐらいならまだいいが、唇を強引に奪って舌を入れてきたり、朝立ちしている陰茎を直接擦ってきたりするのだ。
父さんのこんな発言を許したら、それ以上の過激なアプローチをしてこないとも限らない。 
 俺が再度父さんに怒鳴ろうとしたその時、それまで穏やかな笑みを浮かべていた母さんが口を開いた。
「圭太は、あことりこ、どっちと結婚するの? 実はね、母さん、近所の奥さんたちと圭太がどっちと出来ちゃうか賭けてるのよ」
「おおっ、それは父さんも興味あるな」
「子供で遊ぶなあっ!」
 父さんだけでなく母さんもおかしい。常識的にあり得ない。確かに俺はあこ姉もりこ姉も好きだが、それは家族としてだ。
子供の頃には両方と結婚したいなどと考えたこともあったが、それは昔の話だ。物心ついた現在では、世間から後ろ指を指されるような間違いを犯す気はない。
「圭ちゃん、私と結婚しようよ?」
 紅潮した顔でそう言ってきたのはあこ姉だ。名前は住之江あこ。双子の姉に当たる。いつも前髪をヘアピンで留め、肩まで届く黒髪を後ろで括っている。
しっかり者で世話好きだが、些細な事で暴走し易い性格でもある。りこ姉のように俺に大胆に迫ってくる訳ではないが、油断しているとそれ以上のことをしようとする危険な姉だ。
「圭太、私は圭太に貰われたい」
 真顔で言ってきたのはりこ姉だ。名前は住之江りこ。双子の妹だ。何かの御呪いなのか、常に左頬に絆創膏を張り、腰まで伸ばした黒髪をポニーテールにしている。
日頃から性的好奇心を隠すことなくマイペースで、事ある毎に俺を誘惑しようとする恐ろしい姉だ。
 とは言え、弟の俺が言うのも何だが、二人とも揃って幼児体型で貧乳、色気はないものの、以前は毎日大量のラブレターを自宅に持ち帰っていたほど容姿端麗で、性格も悪くはない。
そんな二人から結婚を迫られて、正直、俺だって嫌な気分ではないが、姉は姉だ。