【風俗】娼婦でエロ小説 2【遊郭】
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0001名無しさん@ピンキー2010/07/14(水) 22:52:13ID:WAnNYur9

 遊女・ソープ嬢など、娼婦・風俗嬢に関するエロ小説総合スレッドです。

 娼婦に関連するものなら、現実/ファンタジー、日本/海外、現代物/時代物は問いません。
 
 投下をお待ちしてます。

 前スレ
【赤線】娼婦・遊郭でエロ小説【花魁】
 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1201959276/
0305名無しさん@ピンキー2012/01/08(日) 03:54:01.98ID:1iDt35ZJ
マッチ売りの少女ならぬパンティ売りの少女という、しょうもないネタが浮かんだ。

しかし“花売り”とかの隠語は萌えるな!
0307名無しさん@ピンキー2012/01/08(日) 22:45:40.79ID:Vu+4RP0w
>>304
「日帝の恨み晴らしてくれるアル!」
とか勇んで日本の風俗嬢を奉仕させるも、
そのテクと癒しまで含んだサービスに改心する中国男。

……なんかリアルにありそうだあの国だとw
0308名無しさん@ピンキー2012/01/09(月) 00:50:33.08ID:5HEsHRXO
>>305
もともとあの童話自体、売っていたのは体だったというのをどこかで聞いた記憶が...
もしくはマッチの灯りでスカートの中を覗かせるいかがわしいバイトだっけ?
0309名無しさん@ピンキー2012/01/16(月) 19:16:56.79ID:8PkU/pgg
職業娼婦や援交少女も良いが、全然その気も無い女に強制売春させるのも鬼畜でそそる。
0310名無しさん@ピンキー2012/01/17(火) 17:08:50.32ID:fmH6WJFW
むしろそっちが本命。清純なまま娼婦テクがうまくなっていくとか最高。
0311名無しさん@ピンキー2012/01/18(水) 23:51:05.83ID:/Ga59akE
場末で立ちんぼをやってる擦れきったチョイブサ売女が、“身分を隠した高名な人物”という場違いな客の使いによってリムジンで高級ホテルに送り迎えられ、最上級のスイートルームに招かれ、
メイド達の手で、普段の稼ぎ一年分でも買えないような化粧品と、まるで絵本のお姫様のようなドレスで美しく飾り立てられて、天蓋付きの豪奢なベッドの上でその“場違いな客”に抱かれる……

という、よくわからないネタが浮かんだ。
0313名無しさん@ピンキー2012/01/22(日) 23:33:11.30ID:vNSt5h4O
うおおお、ワインレッドのマイクロミニボディコンを着たブロンドロングヘアーの娼婦と寝たい。
0316名無しさん@ピンキー2012/02/05(日) 22:21:25.79ID:+dyq10rs
花魁もので一作投下します。
スカトロ・アナル・ダーク属性注意です。

花魁ものは好きなのですがどうにも浅学なもので、
矛盾点や考証の甘さなどありましたらケツで勘弁してください。
0317山吹の冬   1/252012/02/05(日) 22:22:51.53ID:+dyq10rs

多少なりとも遊女屋への興味があって、“紅華太夫”の名を知らぬ者はいないだろう。

紅華は、遊女となる前は武家の令嬢であったという。
密かに遊郭遊びへ赴いた大名さえ、彼女の凛とした気迫に惚れ込んだ……という逸話がある。
その紅華が、太夫になった折に立ち上げた遊女屋こそ『山紫苑』。
大名の贔屓にしている遊女屋として有名で、往時には色街でも指折りの格を持つ廓だった。

しかし大名の血筋が断絶した時、その山紫苑の名も地に堕ちる。
紅華も時を同じくして病に臥せった事から、巷では分家による陰謀論がまことしやかに囁かれた。
今や戸も閉め切られ、過去の栄華が語られるのみとなった山紫苑。
……その山紫苑を、それでも今、再び甦らせようとする一人の娘がいる。

名は山吹、齢は十五。
腰までの艶やかな黒髪と聡明そうな瞳、月光を帯びた桜の如き肌を持つ彼女は、紅華太夫の一人娘だ。
幼少の頃より城主への目通りを経験し、三味線や和歌、茶道など、あらゆる芸事を仕込まれてきた。
その素養は武家の娘をも上回り、広い御殿で育ったその品格はまさしく令嬢のもの。
しかしながら山吹は、けして自らの育ちの良さを鼻にかける娘ではなかった。
庭先を掃く者、渡り廊下に雑巾をかける者、全てに足を止めて労いの言葉をかける。
寒い中で雪かきをしている者には、自身が手縫いで拵えた半纏を手渡す。
傲慢になる事無かれ、周りに感謝を忘るる事無かれ。
その人徳を以って太夫にまで登り詰めた紅華の、そうした教えが染み付いている故だろう。

山吹は母が病に倒れて以来、自ら冷たい水で手拭いを絞り、その看病を行ってきた。
その手は苦労を知らぬ純白ではない。
ある時には刀を振るい、ある時には扇子を持って舞い、ある時には洗物をこなす。
そうして苦労を積み重ねた手だ。
ほんとうに物の解った人間には、その手の価値が読み取れるもの。
いつか花魁となるならば、そのような人を一人でも多く見つけ、愛されなさい。
それが紅華の最後の言葉だった。

15の春。最愛の母を腕の中で看取った山吹は、太夫を目指すべく山紫苑の敷居を跨ぐ。
名目上は女将として。
しかし彼女自身、色事のいの字も知らぬ生娘だ。
ゆえに、かつての紅華の従き人で、信頼も篤い『お志乃』を遣手とし、廓全体の管理を一任する。
そして山吹は女将としての仕事の傍ら、自らも遊女として経験を積む。
それが母・紅華の遺言であったし、山吹自身にも最も適切な選択に思えた。

彼女はまだ世を知らなかったのだ。
女が女に抱く嫉妬の情。いつの時代にも歴史の裏で繰り広げられる、その業のおぞましさを……。
0318山吹の冬    2/252012/02/05(日) 22:23:19.77ID:+dyq10rs

志乃は紅華が病に臥せった頃、娘の山吹が山紫苑再興の意思を見せるや、進んでその後見人を申し出た。
しかし、それは紅華母娘が感謝するような義理人情の心からではない。
志乃は紅華を内心で嫌っていた。
生まれついて自分より器量が良く、育ちが良く、遊女としての格すら違う。
彼女の後ろについて花魁道中を歩くたび、志乃は胸を刻まれるような口惜しさを感じていた。
志乃にとって『山紫苑』での奉公は、その恨みを晴らす絶好の機会に過ぎない。

志乃は着々と山吹を追い詰める準備を進める。
まずは山吹の屋敷を売り払わせ、得た金を山紫苑の修繕費、及び再営業許可取付け資金等とする事で、帰る場所を失わせた。
お母上も亡くなられた今、貴方の生きる場所はここしかない……そう諭せば、今の山吹に屋敷を売らせる事は容易い。

さらに、山紫苑に置く遊女は器量の良くない者ばかりを揃えた。
そうすれば彼女達による稼ぎは少なく、山吹自身が身を削らなければ廓の経営が立ち行かない。
また醜女であれば当然に美しい山吹に嫉妬しやすくなり、心理的立ち位置からして反山吹の志乃寄りとなる。
これの理由付けは至極簡単で、最近まで幽霊屋敷のようだった山紫苑に行きたがる器量良しはいない、
力不足で申し訳ないと苦い顔をすれば、山吹の方からとんでもない、気苦労をかけてごめんなさいと頭を下げ返してくる。

こうして志乃は、いとも容易く山吹を廓の内で孤立させる事に成功したのだった。
さらに、ただ孤立させるだけではない。彼女に無力な味方を一人だけつける事も、志乃は怠らなかった。
その味方は、遊女の着物の洗濯や風呂沸かしなどの雑務をこなす下働きだ。
その下働きには、かつて山吹の下男をしていた男から一人を選んだ。
男の名は辰吉という。
志乃は女の勘で、このまだ年若い男が山吹に惚れている事を見抜いていた。
さらには山吹の方も、真正直で働き者の辰吉のことを以前から憎からず思っていた様子。

山吹が屋敷を売ったことで解雇となった辰吉は、その山吹が働く遊女屋での下働きを快諾した。
それは仕事にありつける喜びというより、再び山吹の傍で働けるという事への悦びだろうと志乃は看破する。
彼に与えられた私室は、折檻部屋の真横に位置する物置を整理しただけのものだった。
遊女への折檻が、その声も音も、余す所なく聴こえる悪夢の部屋。
その折檻は、やがて山吹に最も多く与えられ、そのたび辰吉の眠りを妨げることとなる。
0319山吹の冬    3/252012/02/05(日) 22:23:49.75ID:+dyq10rs

「私の水揚を、人目に……?」
志乃の前に座した山吹が、強張った面持ちで問う。
志乃は頷いた。
「そうさ。遊郭内じゃ、未だこの山紫苑が再興した事さえ知られていないのが現状だろう。
 ここから山紫苑が並居る遊女屋を押しのけて繁盛するにゃあ、何はともあれ話題性が不可欠だ。
 そしてそれに足る絶好の題材はひとつ。
 紅華太夫の娘・山吹の初夜……ここを余さず隠さず衆目に晒してこそ、
 山紫苑には大した花魁がいるらしい、って噂も流れようってもんさ」
志乃がそう続けてもなお、山吹の表情は和らがない。

遊女の水揚、すなわち初夜は重要な意味を持つ。
特に将来的に太夫を志す娘なら、その水揚は品格に溢れ、かつ秘匿された物でなければならない。
まかり間違えても下世話な客寄せなどであってはならない。
山吹はそう考えているのだ。
元より頭の悪い女ではない、思考の引っ掛かりをそのままに流しはすまい。

しかし志乃とて裏の渡世を経験してきた苦労人。人を疑う事を知らない山吹を、口説き落とせない訳ではなかった。
食い物や落語の上演場所などを引き合いに出し、娯楽が大衆化しつつある事を説く。
今や武士も質素倹約、わざわざ廓に入る余裕はないが、それでも外から美しい姿が見えれば惹かれもしよう、と煽る。
そうして何とか山吹を得心へと落とし込んだ。

「……そう……太夫従きの遊女として勤め上げたあなたが言うなら、きっとそうなのよね。
 遊女というのも、綺麗事ばかりではいけないんだわ」
やがて山吹は、思う所はあれども、経験者の志乃を立てる形で瞳を閉じた。
元より人柄が良い上、志乃に遣手として廓内の一切を任せているという負い目もある。
どの道彼女が断ることなどありえないのだ。
「すまないね。後追いの小さな見世としちゃ、他に繁盛の糸口が見当たらないんだよ」
山吹は心苦しそうな表情の裏で、陰惨な悪女の笑みを浮かべた。
0320山吹の冬    4/252012/02/05(日) 22:24:30.50ID:+dyq10rs

山吹は東の角部屋、畳の敷かれた和室に連れられる。
粗末な部屋だ。畳には布団が敷かれてはいるが、綿の薄い煎餅布団に過ぎない。
床入りをする目的で誂えられたというよりは、汚れてもいいよう体裁を整える為だけに存在する物だろう。
逆を言えば、普通の敷布団では勿体無いほどに布団の汚れる事が、予め解っているとも取れる。
山吹はその事実に歯噛みしながらも黙していた。

「さて、じゃあいくよ」
志乃が山吹へ向けて告げ、角部屋の障子を開け放つ。
タン、タンという木の打ち鳴らされる音の後、角部屋の中は渡り廊下を隔てて吹き曝しとなった。
庭の竹垣の向こうには、すでに黒山の人だかりが出来ている。
彼らは肩の高さほどの竹垣から身を乗り出し、我よ我よと山吹の姿を拝もうとしていた。

「おおおお、あれが紅華太夫の娘っ子か!流石に綺麗な顔してるもんだなぁ!」
「本当だ。こんな小見世じゃ勿体ねぇ、かなりの大見世でも通る器量だぜ。
 まぁ格式高い遊女屋じゃあ、こうして己らが水揚げを拝む事は叶わなかっただろうがよ」
品の無い声が山吹に浴びせられる。
その中で、山吹に見えぬよう口元を緩めながら志乃が手を叩いた。

「さぁ山吹、観衆の皆様に素肌を晒しな」
その声で、男達の歓声が高まる。
山吹は羞恥に歯噛みするが、しかし今さら拒む訳にもいかない。
「……ええ」
彼女は覚悟を決めたように顔を上げ、白く細い指で帯をつまんでしゅるりと解いた。
そして長襦袢の襟元に手をかけて腕へと滑らせ、雪のように白い肩を露わにする。

「うひょお、あの『紅華太夫』の娘のハダカが拝めるなんて、生きてて良かったぜ」
「しかし良い肌だな。乳房も娘っ子そのものの桜色で、うんまそうだあ」
「十五の割にゃ体つきもいやらしいもんだ。さぞかし良いもん食ってきたんだろうなぁ」

下卑た品評を為されながら、山吹は身に纏っていたものを全て畳の上に舞わせていく。
そうして一糸纏わぬ丸裸となった所で、部屋奥の襖が志乃の手によって開かれた。
その奥から姿を現した二人の男に、観衆が息を呑む。
大柄な身体つきに隆々と盛り上がった筋肉、剃り上げた頭、そして肩と背に彫り込まれた入墨。
「今日の為に特別にお呼びした、『仙蓮』って見世で遊女の仕込みをなさってるお二人さ。
 どっちもおんなの扱いに関しちゃ一流だよ」
志乃は山吹に向けてか観衆に向けてか、よく通る声で告げる。
「そういう事だ。愉しもうぜェ嬢ちゃん」
男の一人が、鶴の入墨の入った太い腕を掲げて山吹の顎を持ち上げる。
「っ……お願いします」
山吹は一片の恐怖すら映さない凜とした瞳で、荒くれた男を見つめ返した。
その品格高い気丈さは、男達も観衆をも虜にする。
0321山吹の冬    5/252012/02/05(日) 22:25:01.64ID:+dyq10rs

「あ、あっ……ああっ……あっ…………あ」
和室に若い女の声が漏れていた。
それは春のやわらかな風に乗り、観衆の耳を悦ばせる。

山吹は、背後に座る男の胸板へ寄りかかるようになり、その豊かな乳房を揉みしだかれていた。
白い乳肉が男の浅黒い手の中で形を変え、根元から波打つように丹念に揉み上げられる。
そうしてじっくりと胸の性感を目覚めさせたあと、微かに粟立ちはじめる乳輪を指先でなぞり、
それら全ての焦らしでついに切なく尖り始めた胸の突起が挟み潰される。
「はふぅっ!!」
その瞬間は山吹にとって堪らないものであるらしかった。
まだ男を知らない未成熟な胸が、男の巧みな愛撫によってほぐされ、屹立し、解放される。
それが一度二度ではなく、延々と続けられているのだ。

「すげぇ……荒っぽい見目に反して、えらく上手ぇなあの野郎」
「ああ。うちのカカァなら、ああもやられちゃあもう十辺は乳汁搾り出されてらぁ」

観衆達はその巧みな胸への愛撫に感嘆する。
しかし、山吹が刺激されているのは胸の膨らみばかりではない。
彼女は背後の男に背を預けたまま、膝を折る形で脚を開かされていた。
その間に晒された桜色の秘裂には、別の男の舌が入り込んでいる。
舌は山吹の陰核と花びらを丹念に舐めしゃぶり、内側に湿り気をもたらしたのち、指での慣らしに繋いだ。
まだ未使用で痛みの強い十五の花弁へ、一寸ずつ僅かに押し進めて戻し、また一寸だけ潜り込ませる。
そうして丹念に慣らした末に、ついに山吹の花壷は男の二本の指を受け入れられるようになる。

そこへ至れば、男にも容赦はなくなった。
幾度も幾度も、節ばった指の関節を花弁へ通り抜けさせ、その内なる肉を弄る。
奥まりで指をひらいては狭穴の中に蜜の糸を引かせ、臍側へ曲げた指の頭で臍下の一帯を擦りまわす。
「……っ!!…………っ!!!」
それらはどうにも効果的なようで、山吹は声を殺しつつ、足裏を幾度も煎餅布団から離していた。

「へへ。十五の餓鬼の女陰(ほと)が、とろとろに蕩けてきやがったぜ。
 蜜もこりゃあ美味ぇもんだ。内も外も身奇麗にし続けてきた生娘、ってのが味で解らぁ」
前方の男は山吹の花壷から指を抜き、付け根までの全体に纏いついたぬめらかな愛液を舐り回す。
山吹の頬は林檎のように赤らみ、目元は恥辱に歪んでいた。
何も言わずとも、何も纏わずとも高貴さが滲み出るような淑やかな娘。
その山吹が調教されているという光景は、竹垣外の男を狂乱させるに充分なものだった。
「ええい、退け小僧ッ!」
「なりません、敷地内への立入はご遠慮下さい!!」
興奮の余り肩丈までの竹垣を乗り越えて踏み入らんとする男を、下男である辰吉が抑え込む。
辰吉はその見張りの仕事を黙々とこなしながらも、心中はけして穏やかではなかった。
0322山吹の冬    6/252012/02/05(日) 22:25:30.08ID:+dyq10rs

入墨の男達は山吹を散々に蕩かした後、その身体を畳の上に這うようにさせた。
「しゃぶれ」
男の一人が褌を取り去り、自らの逸物を衆目に晒す。
おおおっとどよめきが起こった。
それは男の体格に見合った立派なもので、隆々と反って天を向き、血管さえ浮き立たせて脈打っている。
「ひっ……!」
山吹は両手で口を押さえながら目を見開いた。
彼女とて遊女になるべく育てられた子供。勉学の一環として、下女が下男と交わる様を目の当たりにし、
その際に屹立した男のものを記憶に焼き付けている。
だが今鼻先に突きつけられているのは、その記憶の中のものよりも遥かに凶悪だ。

「おら、花魁がブツを前にボケッとすんな!」
痺れを切らした背後の男が山吹の肩を掴み、前方の男の逸物に顔を近づけさせた。
痛烈な男臭さが鼻をつき、山吹の美貌を歪ませる。
しかし、確かに彼女は一流の花魁となるべくここにいるのだ。逃げてはならない。
山吹はおぞましさを振り払い、恐る恐る男の逸物に手を添えた。
その光景は、それだけで刺激的であり、観衆を沸き立たせる。

「んっ……んむっ、んんっ……!!」
山吹は逸物の先へと丹念に舌を這わせ、唾液で塗れ光る先端を口の中へと含んだ。
そうして舌を使って舐めしゃぶる。
「もっと舌を伸ばして裏筋をなぞっていけ。喉の深くまで咥え込め」
だが前方の男は、容赦なくその口戯に注文をつける。
山吹がその通りに試みても、やはり拙く思えるのか険しい表情は変わらない。
「ええい、思い切りの悪ィ餓鬼だ!こう……すんだよっ!!」
男は叫ぶように言い、山吹の黒髪を掴んで自らの腰へと引き寄せる。
「ごえぇっ!!」
山吹は目を見開きながら喉の奥で叫んだ。
その声に辰吉が振り返る。
(……お、お嬢様……!!)
振り返った先では、山吹が入墨男に髪を掴まれ、口一杯に男の怒張を捻じ込まれている。
眉の顰め具合からして、喉のかなり深くまで入り込んでいるのだろう。
そのまま頭を前後させられ、その際に漏れる声などは、人間が日常で生活していて出る声ではない。
0323山吹の冬    7/252012/02/05(日) 22:26:16.89ID:+dyq10rs

「お、オエッ!!!」
やがて男が逸物を抜いた瞬間、山吹の口からえづきが漏れた。
きつく閉じられた瞳から涙が伝い、そして逸物が抜き去られた事で露わとなった口元からは、
夥しい唾液と混じってかすかに黄色い半固形の物が零れ落ちている。
「これしきで吐くな!」
入墨男はそれを目にするなり、強かに山吹の頬を張った。
一瞬にして山吹の左頬は赤く腫れ、俯いた泣き顔から涎の糸がぽたぽたと滴る。
「……続けるぞ」
男が再び山吹の頭を鷲掴みにし、逸物を唇へと割り入らせる。

山吹はそれを拒める立場になどなかった。
かつて経験がないほどの苦しさに涙を零しながら、男の命じるままに逸物を手で扱き、深くまで喉で受け入れる。
そして辰吉もまた、山吹を救える立場にはない。
かつての雪の日、自分に手縫いのあたたかな半纏をくれた、あの純真な女主人が穢されていく。
それをただ、竹垣から響く喧騒にまみれながら傍観しているしかなかった。

這うような姿勢で口戯を仕込まれる山吹の後ろには、もう一人の男が貼り付いていた。
彼はまだ肉付きの甘い山吹の尻を手で割り開き、そこに顔を埋めている。
そして鼻先で尻穴の匂いを嗅ぎまわりながら、花弁に執拗に舌を這わせているようだった。
先ほどまで散々に嬲られていた山吹の花弁は、それによっていよいよ蜜を垂らすほどになっていく。

「おうお、塗れちまったもんだ。甘ぁい蜜が、太腿にまで垂れてきやがった。
 ……おい、もうそろそろ頃合いだ、やるとしようぜ」
背後の男が、少女に逸物をしゃぶらせている男に呼びかけた。
その男は頷き、いよいよ一回りほど大きさを増した逸物を山吹の口から引き摺り出す。
「抱いてやる。布団の上に寝転がんな」
男が唾液に塗れた逸物を反り立てて命じると、山吹は覚悟したように布団に仰向けに横たわった。
いよいよ破瓜だ。
観衆の騒ぎを耳に入れるまでもなく、辰吉にもそれが解った。
0324山吹の冬    8/252012/02/05(日) 22:26:44.88ID:+dyq10rs

男は山吹と顔を合わせる対面位で、山吹の脚をわずかに曲げさせて挿入を開始した。
「んっ……!!」
指や舌で慣らされているとはいえ、初めての挿入はつらいのだろう。
山吹は目を細め、唇で指を噛みしめてその痛みに耐えているようだった。
「さてそろそろだ、一気にいくぜ」
半ばほどが入り込んだとき、男が山吹に囁きかけた。
そうして一呼吸置き、腰を強く掴んだまま一気に逸物を押し進める。
「…………うアッ……;!!!!!!」
山吹は布団に髪を押し付けるようにして天を仰いだ。
男の侵入が終わり、腰が止まる。
ざわめきが一旦落ち着いたことで、山吹がもう操を失っている事実が辰吉の心に突き刺さる。
山吹は騒いでなどいない。
目尻に大粒の涙を溜め、唇を引き結んで高貴さを保っている。

「へぇ、流石に静かなもんだな。女の初めてってなぁ煩いもんだと聞くが」
「この大人数の前だ。乱れちゃならねぇと、あの細い身体で必死に我慢してるんだろうさ。
 見ろよ、ちっこい手がぎゅうっと敷き布団を掴んでてよ、健気なもんじゃねぇか」

観衆達がいよいよ興味深く見守る前で、男はゆっくりと腰を動かし始める。
「ん……く」
山吹は流石に小さく呻きながらも、男にされるがままになっていた。

「ふん、まあまあの締まりって所か。あの紅華太夫の娘っつうから、期待してたんだがな。
 この界隈にゃあこれより具合のいい女なんざゴマンといるぜ?
 蚯蚓千匹や数の子天井なんざ当たり前で、その上で俵締めや巾着みてぇな技を持ってる女までいる。
 そういう女共から男を奪い取るにゃあ、並じゃねえ苦労が必要だ。
 だがまぁ安心しな。これから俺達がたっぷりと時間を掛けて、テメェのおんなを目覚めさせてやる。
 どんな男でも逝かせられるようになるまで仕込んでやる」

男は山吹の汗に塗れた顔を撫でながらそう告げる。
そうしてゆっくりと花壷から逸物を引き抜いた。
どろり、と結合液が垂れる。愛液に薄められたかすかな朱が、敷き布団に染みを作る。
紛れもない純潔の証。
たった今名前も知れぬ男によって女にされたばかりの山吹は、そこから数日に渡って。
筆舌に尽くしがたい遊女調教を受ける事となった。
0325山吹の冬    9/252012/02/05(日) 22:27:34.76ID:+dyq10rs

昼も夜も角部屋に面した障子は解放され、廓の表から無銭にて見放題となっていた。
遊ぶ金のある者は鼻で笑って顔をしかめ、普段遊郭に来ない貧しい男達は、見世先に齧りついて各々に慰めはじめる。
辰吉もまた、庭先で枯葉を掃き集めながら、ちらちらとその調教を盗み見ていた。
ついこの間まで仕えていた、美しく優しい主人が穢されているのだ。気にならない筈がなかった。

「こ、こんなっ……けだもののような格好!」
山吹は背後から男に抱かれ、信じがたいという非難の声を上げた。
男がほくそ笑む。
「ふん、面つき合わせて抱く以外は皆けだものの性交か?ガキの癖に古臭ぇ考えしてやがるぜ。
 まぁいいさ、もうすぐテメェも、けだものの『ような』なんて言えなくなる位に乱れ始めるんだからよ」
男はそう言いながら山吹の腰を掴み、力強く腰を打ち付ける。
パンッパンッと肉のはじける音が響き渡り、山吹の豊かな乳房が前後に揺れる。
山吹は気恥ずかしげに唇を噛みながら、布団に肘をついて突き込みに耐えていた。

「おら、甘えるみてぇに感じてばっかいねえで、テメェの方からも締め付けろよ。
 テメェは入り口こそよく締まるが、ナカがまだまだ緩いんだ。
 こうやって後ろから突きゃあ、奥までよく届くだろう。そこで腹に力を入れてみろ」
男は山吹の尻を手の平で叩きながら命じた。
これはただの情交ではない、あくまで生娘を金の取れる花魁とする為の調教なのだ。
辰吉は改めてそう気付く。

「あ、ああ……っ!!……くあ……っ!!!!」
山吹は言われた通りに腹部をへこませ、結合部に意識を向ける。
しかしそれによって喘ぎ声が漏れ、さらには太腿に痙攣が起きてしまう。
「ふん、また逝ったのか?テメェは奥に意識を向けるとすぐに逝くな。
 まだまだへばってんじゃねーぞ。おら、自分で腰ィ動かせ」
男は溜息を吐きながら、山吹をなおも犯し続ける。
その前方では、別の一人が山吹の顎をつかみ、逸物を咥えさせてもいた。
「ったく、下手糞な花魁がいたもんだな。禿(かむろ)の方が、まだ男の悦ばせ方を知ってんぜ」
男達は山吹の未熟さを散々罵りながら、前後からの陵辱を加え続ける。

辰吉にはその中で、山吹が涙を流すのが見えた。
0326山吹の冬    10/252012/02/05(日) 22:28:27.79ID:+dyq10rs

山吹も母の華々しい逸話を聞き、また自分なりの太夫への夢を馳せる中で、憧れは様々にあっただろう。
身元は潔白で羽振りがよく、男前のきりりとした好青年に優しく抱かれる。
それが本来、山吹ほどの女の『初夜』があるべき状況だ。
その栄光への道は、今や地に堕ちてしまった。
饐えた匂いを発する下卑た男共に晒されるほど。道ゆく市井の民にすら蔑まれるほど。
これではまるで、調教ではなくただの辱めだ。

「馬鹿野郎ッ、誰が勝手に逝っていいっつった!!」
男の怒号が飛び、山吹の胸の突起が捻り上げられた。
「あううっ!!……ご、ごめんなさい……」
山吹は苦痛に顔を歪ませながら、男達に謝罪する。

彼女は布団に腰掛けた男へ後ろ向けに覆い被さるようになり、背後から深々と花弁を貫かれていた。
肩幅以上に広げられた膝の間から、ぬちゃっぬちゃっと何とも艶かしい音が立つ。
山吹は布団に手をつくようにしながら、その音が立つたびに身体を細かに震わせていた。
「いいな、『逝く』んじゃねぇ、『逝かせ』ろ!!
 ここで心地の良さに飲み込まれるような奴は花魁じゃねぇ、ただの素人だ!!」
男はそう言いながら、さらに容赦なく山吹の背を反らせて腰を打ち付ける。
「あっ!!ううっ、くっ!!!」
山吹は快楽に顔を歪ませ、懸命に堪えているようだった。

「おーまだやってる、可哀想だねぇ。今日で三日目だっけ?朝も晩もなく、ようやるよ」
「そうだなぁ。逝くなっつったって、こう何日もかけて逝き癖をつけられちゃあ無理ってもんだ。
 あの生娘だった紅華の娘を、数日でここまで愉悦に染め上げるのは流石って所だがな」
「布団がすっかり濡れてしなびてやがらぁ。腰が動くたびにニチャニチャいってやがるしよ。
 あれ、ほとんど嬢ちゃんの汗と愛液だろう?そりゃあ逝きっ放しにもならぁな」

初日に比べればまばらとなった竹垣の観衆達が、山吹達の情交を眺めながら言う。
その最中にも、男の精を搾り取る前に絶頂を迎えた山吹が、強かに頬を張られる音が響いてきていた。
何度目に頬を張られた頃だろう。
山吹の白い脚の間から、水の溢れる音がした。それは微かな飛沫を上げながら布団に広がっていく。

「ちっ、漏らしやがった。ビビッたのか、それとも心地が良すぎたのかよ?
 この衆目の前で用が足せるなんて、さすが太夫を目指す女は器が違うね。
 どうだいお集まりの皆々様。この女が見事太夫になった暁にゃ、『小便太夫』とでもお呼びしようじゃあねぇか」

男は高らかに笑いながら、小便と愛液に塗れた山吹の花園を開いてみせた。
もはや見慣れた光景となったそれに、観衆は誰も声など上げない。
ただにやついた不愉快な笑みでもって、山吹を見つめるだけだ。
その顔は言っていた。早く山吹を抱きたい、早くこの娘を自分の物で善がらせたい、と。
0327山吹の冬    11/252012/02/05(日) 22:29:26.53ID:+dyq10rs



見世に顔を出すようになって以来、山吹は、日に最低五人は相手をすることになった。
他の娘が日に一人か二人しか客を取れない上、来客の殆どが山吹の身体目当てなのでそうせざるを得ないのだ。

また山吹には、器量の他にも客から好まれる要素がある。
彼女はたとえ一仕事の後で疲れ果てていても、身体を正して三つ指をつき、有難う御座いましたと礼を述べる。
そして真裸のまま、一客のために本格的な茶を点てるのだ。
洗練された茶筅の動きが醸し出す侘び、しかし面を上げれば美しい女の裸体。
その品格高くも艶かしい異様な光景には、遊郭に通い慣れた伊達男でさえ、一時声を上げるのを忘れるほどだった。
山吹が人気を博すのも、至極当然の事と言える。

しかしまだ15に過ぎず、男に慣れきってもいない山吹の身体には、日に五人の相手でもつらい。
連日の無理が祟って高熱で倒れて以来は、五日続けて見世に出た後、一日は裏方に徹して休養するようになった。
この休養日は、色町の男達から“枯山吹”と呼ばれ、大層残念がられたという。
だが、その山吹の苦労を知ってなお、志乃の追い込みは終わらない。
彼女としては、美しく才豊かな山吹がより惨めに潰れてくれた方が気分が良いのだ。


「名目上は女将だか知らないが、所詮は娼妓の何たるかも知らない小娘さ。
 たっぷりと世の厳しさを教えておやり、嫌な客は全部山吹に回すんだよ」

志乃は山吹以外の遊女全てにそのように言い含めていた。
言われずとも、『紅華太夫』の血を引く山吹には皆が危機感を抱いている。
普通に客を取らせれば、たちまちに花魁の頂点へと登り詰めていく事は明白だ。
ゆえに、遊女達は志乃の謀りに乗った。
一度ついた客で嫌だと思う者がいれば、次からは山吹指名と伝えて回すのだ。
山吹はその裏心を察知してはいたが、それでも困った時は助け合いだからと快諾する。
そうしていざ相手をする段になって、他の遊女がその客を忌避する理由を嫌というほど思い知らされるのだった。
0328山吹の冬    12/252012/02/05(日) 22:30:17.67ID:+dyq10rs

忌避される一人は、信じがたいほどの巨根を有していた。
着衣で話をしている時から自分本位な性格が見える難ありの客ではあったが、
いざ褌を取り去って逸物が露わになった時、山吹は悲鳴を上げるのを堪えるのがやっとだった。
指で摘むなど到底出来ない、両手の指で包み込んでなお全く足りない。
それを愛撫するには、腕で抱き込むのが最も適切ではないかと思えるような規格外の巨木。
男はそれを誇らしげに揺らしながら笑った。

「どうだ、聞いたとおりデケェだろ。
 前にここで相手ばした女は、勘弁して下さいばっがで話んなんねがったかんな。
 ここの女将なら相手ば出来る言うがら、おらマス掻きもしねぇで溜めて込んできただ。
 ほら、とっととしゃぶれぇ」
男は山吹の鼻先へ逸物を突きつけて言う。
「は、はい。失礼いたします」
山吹は自身の女将としての責任感と男への憐れみから、その逸物へと口を近づける。
しかし余りに大きすぎた。顎が外れる寸前まで口を開いても、その亀頭部分さえ含めない。

「お前ェのそのちんまい口じゃあ、おらの物咥えるのは無理だぁ。
 口ですんのはもうええがら、さっさと女の場所に挿れさせてくんろ」
男がそう要求すると山吹は立ち上がり、部屋の戸棚にある陶器の蓋を開けた。
多少大きな物を受け入れるための油が入っている。
山吹はやや逡巡した後、その全てを男の逸物に注ぎかけた。
「うおっ!!へへ、冷たいじゃねが」
「しばし、ご辛抱を……」
山吹は自らの花弁にもその油を塗りこめ、いざ男の上に跨ろうとする。
しかしそれを男が制した。

「まで。なしてお前ェが上になる、おら女に主導されんのはきれぇだ。
 挿れんのはおらがしてやっがら、女は寝そべってされるがまんまにしどげ」
男のその発言で、山吹の心臓が震え上がった。
入る見込みなどまるでない極太だが、自分で腰を沈めて調整しながらならばまだ何とかなる。
しかし相手任せとなれば、自衛のしようがない。
「ほら、さっさと寝そべれ」
男はなおも横柄に命じてくる。山吹は、ただそれに従うしかなかった。
0329山吹の冬    13/252012/02/05(日) 22:31:05.82ID:+dyq10rs

「あうっ!!」
極太が花弁を通り抜けた時、山吹は思わず目を見開いた。
男の力に任せた、みしりと音を立てるような無理矢理の挿入。
骨盤が砕けそうなほどに軋み、下腹部を尋常でない圧迫感が襲う。
嫌な汗がどっと全身から噴き出す。
「ほーら、入っていくぞぉ、やらけぇ所に、おらのぶっといのがよぉ」
男はそう言いながら、いよいよ腕を痙攣させつつ強引に奥までを蹂躙する。
「くああああああああっ!!!!!」
山吹の瞳から涙が零れ落ちた。

身体が耐えられるような痛みではない。自分の歳で許容できる大きさではない。
息が苦しい。
それでも、山吹は耐えていた。
女将として、この不満を持つ客を満足させるのだ、という使命感で。
男が欲望に任せて無理矢理に腰を動かすと、細い身体を精一杯に踏ん張ってそれを助けた。
その甲斐あり、男は絶え間ない抜き差しの果てに、ついに射精に至る。
「おおっ、ええぞ、果てるぞ、果てるぞッ!!」
男は叫びながら、山吹の奥深くで精を放った。
避妊具の在庫にも限りのある山紫苑では、膣内射精は原則禁止となっているが、そんな事はどうでもいい。

ようやく終わった……。
酸欠で意識も朦朧としている山吹が安堵の息を吐いた時、男が口を開いた。
「ああ善がった、たまんねえなぁ。ほれ、寝とらんと次いくぞ」
男はそう言いながら、射精してなお大きさの変わらない逸物を山吹の中で動かし始めた。
精液が攪拌され、再び呼吸が阻害される。
「そ、そん、な…………も、もう、い……いき……が…………」
山吹は、すでに限界を超えていた。
使命感だけでかろうじて酸欠状態を乗り切った彼女に、余力などない。
山吹は口から泡を噴きながら意識を落とした。
男が喚いている声が遠くに聴こえ、胸が痛むが、もはや気力でどうにかなる状態でもなかった。


目を覚ました山吹の視界に入ったのは、険しい顔をした志乃。
そしてその周りで、呆れ果てたように山吹を見下ろす遊女達だ。
「やってくれたね山吹。お客からの大顰蹙だ。
 他の女から盥回しにされ、あの女なら出来るというから期待していたのに、何だあの様は、
 あれで女将を名乗るなぞ笑止と仰って、店の中で随分と暴れてくれたよ」
志乃は荒れ果てた店内を指し示しながら告げる。
なけなしの金で買った壷も掛け軸も、無残に破壊され尽くしていた。
「本当に怖かったのよ。しかもその原因が、女将の不手際だったなんて。
 反省してくれないと、あたいらだって身の振り方を考えるよ」
志乃と遊女達に糾弾され、山吹はただ青い顔で頭を下げる。

これらは全て、志乃達の目論見通りだった。
性格にかなり問題のあるあの客が腹を立てていたのは事実だが、店を荒らしたのは志乃達自身だ。
全ては山吹を追い詰めるために。
0330山吹の冬    14/252012/02/05(日) 22:32:16.54ID:+dyq10rs



「ほーら、調教の時間だよ。どんなご立派様でも咥え込めるように蕩かそうねぇ」

折檻部屋の襖が開け放たれ、蝋燭を手にした遊女達が姿を現す。
その紅色の光が照らす輪の中には、竹轡を噛まされたまま柱に縛り付けられた山吹の姿があった。
その乳首と陰核には細い糸が結わえ付けられ、天井近くの横木に繋がれている。
「ふう、いつ見てもいい格好。
 ただいま女将さん、六ツ時から一人放置されて、寂しかった?」
女郎達はその山吹の姿を笑い、各々筆を取り出した。
そして部屋の隅にある壷へ筆先を浸し、粘質な薬を掬い取っては山吹の乳首と陰核に塗りつけていく。
「ふうううっ!!」
竹轡越しに山吹の声が漏れた。
「そんなに感じるの?まぁもう胸の方もオサネの方も、可哀想なくらい膨れ上がってるけど。
 こわーい薬なのね、これって」
遊女達は嬉々として筆を操る。

そうして陰核と胸の蕾へ散々薬を塗布したところで、繋がれた糸をピンッと弾いた。
「ふぁうううああっ!!!!!」
山吹が竹轡越しに呻く。噛みしめた口の端から唾液が零れ落ち、床の液だまりに弾ける。
「もう我慢できないみたいね。今朝はその割れ目にも、筆で直接お薬を塗り込んであげたもんね。
 しょうがないな、ちょっと鎮めてあげる」
遊女の一人が言い、持参した桐の箱を開ける。
中からは、縄を結び合わせて作ったような責め具が姿を現した。

「あなたのお蜜でふやけた随喜よ。昨日以来だから待ち遠しいでしょ?」
遊女はそう囁きながら随喜を取り出し、先端を指でぬちょぬちょと弄びながら笑った。
そうして山吹の瞳をしっかりと覗きこみつつ、ゆっくりと花弁へと挿入していく。
「んんん……!!」
「ふふ、女将さんったら腰がいやらしく蠢いてる。
 でも御免ね、二寸までしか入れては駄目と、お志乃さんに仰せ付かってるの。
 だからこうして、入口辺りをくすぐるだけ……そうしていくら強請っても駄目なのよ。
 ほら……随喜のお汁が染み渡って、堪らないでしょう。
 そんなに切なそうな顔したって、男じゃない私たちは篭絡できっこないんだから無駄よ。
 もっともっと酷い顔で、けだものみたいに呻くようになるまで止めないから。
 そうやって欲しくなって欲しくなって、最後には私らの腕を飲み込める位にしてしまうのよ。
 あははっ、すごいお汁出てきたわね。想像してお小水漏らしちゃった?さすがは“小便太夫”さまだわ」

女郎達は淫靡な表情で、山吹の秘所と胸の突起を責め苛み続ける。
同性ならではの的確すぎる責め。呆れるほど容易く、そして切なく昂ぶらされてしまう。
「ううう、うう……うううぅうんんっ!!!」
拘束された山吹は、その幼い手のもたらす責めに、涙と涎を零しながらただ耐え忍ぶ他なかった。
0331山吹の冬    15/252012/02/05(日) 22:33:05.79ID:+dyq10rs



山吹に回される『嫌な客』は、巨根の男ばかりではない。
初夏に訪れたある男は、服を着ていれば紳士的だったが、いざ床となると愛撫の折に執拗に尻穴を刺激する。
「い、いやっ、そんなところ!!」
山吹は恥じて身を捩るが、男は止める気配もない。
「何が嫌だ!客の男が望む事あらば、何であれ聞くのが遊女であろうがっ!!」
そう激昂し、尻穴へ膏を塗って指で解したあと、無理強いでの挿入を試みた。
「いやああああああっっ!!!!」
出すための穴を犯されるのは、いかに山吹とはいえ許容できない。
山吹は何とか逃れようともがくが、男はその狂乱をも愉しんで彼女を背後から押さえ込む。

「ふん、艶のある綺麗な背中をしおって。
 女の分際で、飢饉なぞとは縁のない、満ち足りた生活をしてきたのであろう。
 だが、そのような娘の後ろの孔を使っていると考えれば、これほど気分のいい事もない。
 農家の娘が腹を空かせて泣いているその時に、育ちの良い娘もまた糞の穴を犯されて泣くのだ。
 これぞ天下泰平、平等至極。……ほらどうした、入口から奥までよく絡み付いてくるぞ、この穴は!!」

男はそう罵りながら腰を打ちつけ、ついに肛門の中で精を放った。
男が逸物を抜き出すと、桜色の肛門からは白濁液に混じって茶色い筋が流れ落ちていく。
「ふん、花魁ともあろうものが浅ましい。糞汁が漏れているではないか」
男が機嫌悪く言う横で、山吹は懐紙を用いて尻を拭い、男へ向けて三つ指をついて頭を下げる。

「………………ありがとうございました」

どのような事をされても、相手がどのような人物であれ、意識がある限り続けている作法だ。
だが男の表情は晴れない。
「それだけか?」
男のその言葉に、山吹は目を見開いた。
「『紅華太夫』の娘は、母親と同じで事を終えた後に茶を点ててくれるのだろう?
 私に限ってないというのは些か寂しいものだが」
そう言われると、山吹も返す言葉がない。
かくして、彼女は男の望み通りに茶を点てた。犯された尻穴の痛みを堪えながら。

「ふむ、美味いな。その正座した脚の間から、精液と入り混じった糞汁を垂らす女が淹れたとは思えない。
 忘れるな、次も後ろでやるぞ。
 痛いのが嫌というなら、次に私が来る時までに、張り型でも使って慣らしておきなさい。
 もし自分でなさるのが嫌なら、下男の誰かにでも頼むといいよ、紅華のお嬢様。
 お前が相手となれば、およそ男なら誰であろうと喜んでやるだろうさ」

男のその言葉を偶然に耳にし、庭先で拳を握り締める人間がいた。辰吉だ。
彼には耐えがたかった。
山吹が後ろの穴を犯された事も、その後に関する侮辱も。
0332山吹の冬    16/252012/02/05(日) 22:33:43.78ID:+dyq10rs

その事件は秋口に差し掛かる、ある日に起こった。

「……有難う御座いました」
山吹がようやくに事を終え、三つ指をついて男に礼を述べていた時だ。
突如襖が騒々しく開き、遊女の一人が姿を現した。
「お、お鶴!?お前、今日居たのか」
男が動揺した声を出す。どうやらその遊女とは顔馴染みらしい。
その遊女は男に一礼をくれたあと、事情の飲み込めていない山吹を睨みつけた。

「……この、泥棒!!」
お鶴はそう叫ぶと山吹に掴みかかる。
「ま、待てよお鶴、落ち着いて……」
男が割って入ろうとするが、お鶴に跳ね飛ばされて畳に尻をつく。
そこでお鶴の剣幕を思い知った男は、そそくさと衣服を整えて退散した。
「い、いたい!!ちょっとお鶴さん、何するの!?」
髪を掴まれ、肩に爪を立てられた山吹は気が動転するばかりだ。

「何を白々しい。あんた今、あたしの上客と寝てたでしょう!
 あの男はね、ずーっとあたしを指名してくれてたの、お得意様だったのよ。
 それを知ってて、取ったんでしょう!!元から人気の癖に、まだ男が欲しいの!?」
「そ、そんなの誤解よ!!私は、指名があったというからこの部屋に来ただけ。
 お鶴さんへの悪意なんか、これっぽっちもなかったわ!!」

そうして騒いでいるうち、志乃が他の遊女を連れて駆けつける。
「やめな!一体何事だい!?」
お鶴を引き剥がした志乃は、双方の言い分を聞いた後に裁定を下す。
「……そうかい。なら今回悪いのは、山吹だね」
「どうして!?私は、何も知らなかったのよ、悪意なんて……」
「いや、悪いのはお前さ。女将の立場でありながら、誰の客が誰かも把握できていない。
 別の遊女の贔屓にしてた男に手をつけた事も、間違いのない事実。
 仮に罪が五分五分でも、お前が怒りを汲んでやる事で丸く収まろってもんさ」
志乃は冷たく言い放ち、傷だらけの山吹の心を絶望に染める。

これは言いがかりに近い裁定だった。
どの遊女がどの客を取っているのかは、全て遣手である志乃のみが把握している。
志乃はそれを元に下男に指示を出して遊女を誘導させる。
山吹に出来る事といえば、辰吉に連れられて部屋へ赴き、そこで客を取ることだけだ。
一日に何人もの客を取り、誰よりも働きづめで常に疲労困憊である山吹に、他に何が出来るというのか。
しかし山吹は折れるしかない。
おかしいとは思うが、山紫苑を維持するには、山吹自身が頭を下げるしかなかった。
0333山吹の冬    17/252012/02/05(日) 22:34:10.12ID:+dyq10rs

折檻部屋に、再び地獄が繰り広げられる。

「さてと。人の客を取るような泥棒には、それ相応の折檻が必要だねぇ。
 ここいらじゃ、泥棒にどういう責めをしてんのか、その身体に教えてやるよ」

お鶴は、紅白色の腰巻だけを山吹に着けさせ、上は丸裸のまま柱を抱えさせた。
そしてその両手首を、腋を晒す格好のまま上方で結び合わせる。
背中を隠す長い黒髪は、首と掲げた腕に挟み込むようにして脇に垂らした。

その状態で遊女の一人が箒尻を手に取り、無防備な白い背中を打つ。
耳を切り裂くような容赦のない音が響き渡る。
「あぐうっ……!!」
山吹の口から苦悶の声が漏れた。
「顔は打つんじゃないよ」
お鶴が命じる中、山吹の美しい肩、肩甲骨、背筋、腰つきに赤い線が描かれていく。
時には三重四重と平行に走り、時には交差して、傷のない所がないほどに徹底的に刻み込まれる。
「うっ、んぅぐっ……!うぐうぅぅッ…………!!」
山吹の全身からは汗が噴出し、細い身体がうち震えた。

数刻の後、ようやく手首の戒めを解かれた山吹は力なくその場に倒れこむ。
しかしその両腕は抱え上げられ、容赦なく後ろ手に縛り上げられた。
「うあ……!!」
山吹は背中の痛みで覚醒する。
「おや、お目覚めかい。よくお眠りだったから、今度は水に漬けて起きて頂こうと思ったんだけど。
 まぁどっちでもいいわ、やんな」
お鶴の声で、後ろ手に縛られた山吹の足首にも縄が巻かれる。
その縄は天井の滑車に通され、山吹の身体は遊女達の引きに合わせて天井近くへ吊りあがった。
離れていく床の一部には、並々と水の汲まれた巨大な桶がある。
「ひっ……」
これからなされる事を把握した山吹が顔を引き攣らせた。

彼女の予想通り、吊られた山吹の身は勢いよく桶の中に沈められた。
0334山吹の冬    18/252012/02/05(日) 22:34:37.09ID:+dyq10rs

「がぼっ……!!がぼっ、がぼぼっ……!!」
水に落とされた衝撃で空気を吐き出しながら、山吹は胸に強い痛みを覚えていた。
季節は秋口、寒いとはではいわないが暖かい季節ではない。
その時期に冷たい水に漬けられるのは、かなり心肺への負担がかかる。
苦しみもがく山吹の身体が、一旦水から引き揚げられた。

「げほっ、げほっえほっ!!うええええっ!!!」
かなりの水を飲んで空気を足りていない山吹は、酷く咳き込む。
「どうだい気分は、反省したかい」
そうお鶴に問われても、咄嗟に答えが返せる状態ではない。
すると、山吹の身体は再び水に漬けられた。

再度あふれ出す空気、全身を襲う寒気。窒息の苦しみ。
「さぁ、どうだい」
次に水から引き揚げられた時、山吹はすぐに口を開いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ!!!!」
しかしそうして謝罪しても、底意地の悪いお鶴が容易に赦すはずもない。
「誠意がないね。長めに漬けな」
そう冷たく言い放ち、山吹に更なる苦しみを与える。

肺の空気がなくなっても、大量に水を飲んでも終わらない三度目の水責め。
山吹の身体は苦しみに痙攣し、やがてその腰巻の一部が変色しはじめる。
それは腰巻から流れ落ち、腹部を伝い落ちる時に薄黄色をしているのが解った。
それは桶の中の水に溶け、かすかな刺激臭を漂わせる。
「あはは、流石は失禁太夫さまね。これだけ苦しめられても自己流を貫くなんて、大したものだわ」
お鶴が笑いながら引き揚げる指示を出す。
意識も朦朧として口から水を吐き零し続ける山吹は、お鶴を眺めて口を動かした。

「…………お、おつるさん…………ほ、ほんとうに、反省、しているの…………。
 ごめんなさい、わたしが、わるかったわ…………」

何とか赦しを得ようと、失神寸前の状態で言葉を紡ぐ山吹。
その彼女に、お鶴は冷ややかな表情の裏で思う。
何を言っても無駄、どう媚びたって無駄。この折檻は、私が飽きるまで続くのよ、と。
0335山吹の冬    19/252012/02/05(日) 22:35:04.01ID:+dyq10rs



「お嬢様、お嬢様!大丈夫ですか!?」
辰吉は、机に寄りかかったまま眠る山吹を揺り起こした。
山吹が眠そうな瞼を開く。
白い吐息が辰吉の頬を撫でた。
「……辰吉さん……?ああ、ごめんなさい、少し眠ってしまったわ」
「いけませんよ。火鉢を炊いているとはいえ、まだまだこの部屋は冷えます。
 眠るなら布団の中にした方がいいです」
辰吉はそう言い、ぶるりと身震いする山吹の背に半纏を掛ける。
「暖かいわ」
「そうでしょう。憶えていらっしゃいますか、これ、あの雪の日に……」
「ええ、私が縫ったものよ。肩口がどうにも上手く縫えなくて、別の布を当てて誤魔化しているんだわ」
山吹は半纏の裏を見ながら、恥ずかしそうに笑った。
辰吉は彼女に温かな柚湯を淹れる。

「……店の方は、どうですか」
辰吉は、山吹の手元にある帳簿を見やりながら問うた。
山吹はやや寂しそうに首を振る。
「厳しいわね、この時期はお客様も少ないし。
 本当は私が一日十人ほどお相手出来ればいいのだけど……痛くって」
どこが、と山吹は言わず、辰吉も聞かない。
山吹はしばしの沈黙の後、それに、と付け加えた。
「帳簿の計算も合わないの。お金に関する部分は志乃さんにだって任せてないのに、
 毎月三両ほどがこの店から無くなってる。
 見世の皆を疑うわけじゃないの。でも、これ以上はもう……」

山吹がそう言った時だ。俄かに見世先が騒がしくなりはじめた。
「……何かしら」
山吹は帳簿を閉じ、引き出しにしまってから障子を開ける。
それが地獄の釜の蓋だとも知らずに……。
0336山吹の冬    20/252012/02/05(日) 22:35:58.82ID:+dyq10rs

山紫苑の見世先には二十人余りの男達が詰め掛けていた。
男達は玄関口で志乃と言い合っている。
「志乃さん、一体何事なの!?」
山吹が下駄を鳴らして姿を現すと、男達が喚き出す。

「この見世で、今日は何人ででも遊べるってぇから来たんだぜ!?
 それをあの女、今日相手が出来る新造は三人だけだなんぞと抜かしやがる。
 こりゃあ一体どういう事だ、ああ女将さんよぉ!?」

男達は怒り心頭といった様子で山吹に詰め寄った。
山吹には何の事やら解らない。
確かに今日出られるのは、山吹を含めても三人だ。最近は寒く、客足も遠のいている。
そんな折に何人も見世にいても、という遊女達の言葉を聞き入れ、休暇を与えていた所だった。
それを見透かしたようなこの大人数。
他の見世による妨害か、あるいは……。
山吹がそう考えていた所へ、まさに疑惑の当人である志乃が声を掛けた。

「これはまずいよ山吹。あの人らは、遊郭でも頻繁に姿を見かける常連だ。
 その人達を怒らせたままじゃあ見世の風評が悪くなって、お取り潰しの憂き目に遭っちまう」
志乃はさも山紫苑の心配をしているという風を装っている。
しかし今の山吹には、その本心が透けて見えた。

やはり裏で糸を引いているのはこの志乃だ。
先ほど志乃と男達が言い合っていた時の空気と、今騒ぎ立てている空気。
その微かな空気の違いを比べれば、志乃とこの男達が内通している事は容易に感じ取れる。
志乃の謀も杜撰になったものだ。
何度も彼女の顔を立てて従っているうちに、山吹の事を考える頭のない木偶とでも見たか。
……しかし。しかしながら山吹は、今回も志乃の謀に乗らざるを得ない。
母の遺した山紫苑を護るために。

「……わかりました。女将である私が、皆様のお相手をいたします」

思った通り、山吹がそう申し出ると、男達の雰囲気ががらりと変わる。
怒りの空気から、飢えた獣のような気配に。
「そうかいそうかい。じゃあ愉しませてもらうぜ、紅華太夫の娘さんよぉ」
顔を舐めるようにして告げる男の濁った目を、山吹は凛とした瞳で受け止める。


「む、無茶です、壊れてしまいますお嬢様……!!」
何十という男と共に門を潜る山吹を見送りながら、辰吉は言い知れぬ悪寒に震え上がった。
0337山吹の冬    21/252012/02/05(日) 22:37:14.14ID:+dyq10rs

その地獄は、山紫苑の「松・竹」二部屋を仕切る襖を取り払い、吹き抜けとした仮設の大部屋で繰り広げられた。

「おらおら、次々代われよ!まだ後が支えてるんだからよ!!」
そう野次が飛び、果てた男と入れ替わりに一人が背後から山吹の身体を抱いた。
「おおっ……。へへ、餓鬼のくせにしっかり締め付ける技を身につけてるじゃねぇか。
 奥が吸い付いてくるみたいで、たまらんぜぇ」
男は強く山吹の腰を掴み、一切の容赦なく腰を叩きつける。

山吹の顔側では、また別の男が逸物をしゃぶらせていた。
肉茎をやわらかく指で扱き上げ、先端を口の中で転がす絶妙の口戯。
「ああ、あ、駄目だこれ、すげえっ……!!!」
一人が忽ちに射精へと導かれ、しかし間髪置かずに別の男が山吹の唇へ逸物を宛がう。
山吹は一刻の間隔さえなく、常に複数の男達に群がられていた。
前後左右様々な姿勢から逞しい物で花壷を犯され、口唇奉仕を強要される。
花魁としての経験と技巧を身につけた山吹は、群がる男を次々に射精に導いていくが、いかんせん数が多すぎる。

「はっ、はぁっ、はぁ、はあっ……」
山吹は何十度目かの口戯の最中、息が続かずに怒張を掴んだままで息を整えた。
その顔は汗に塗れ、彼女がどれほど疲労しているのかをよく物語っていた。
しかしそれを隙と考えた男が、山吹の頭を掴んで喉奥深くへ逸物を叩き込む。
「えおっ!?」
「へへ、ようやっと余裕のない顔が出たな。女は素直が一番だぜ?
 ……ふむ、中々いい具合に喉奥へ入っていくな、こんなのももう経験済みってか」
男は言いながら、山吹の喉奥を掻き回す。
「おっ、おえっ、げぼっ……!!!」
山吹は嘔吐こそしないものの、涎を次々に吐き零し、鼻からも汁を垂らして苦悶した。

山吹の身体は時が経つほど乱雑に扱われるようになり、やがては前へ挿入されている最中の山吹へ、
もう一人が密着して逸物を宛がう。
「あうっ!!」
喘ぐばかりだった山吹が突如として大声を上げた。
「へへ、おい見ろよ!!こいつ糞の穴にも入るぜ!?」
「マジかよ!?おいおい、早く代われよ、どんな具合なんだ?」
「糞穴に入れるなんざ正気じゃねーなぁ。だがせっかくの機会だ、試してみるか」
男達は新たな加虐手段に目を光らせ、前後から山吹を犯し始める。
「あ、あう!あう!!ああううううっ!!!!!」
多くの客を取ってきた山吹とて、前後から挿れられる経験は初めてだ。
彼女はその未知の感覚に顔を歪め、男達に抱え上げられた両脚を強張らせて悶え狂う。
0338山吹の冬    22/252012/02/05(日) 22:38:23.80ID:+dyq10rs

悲痛な宴は夜が明けきるまで続けられた。
二部屋の至る所が精液や汗、その他様々な体液で汚され、酒と男の匂いで噎せ返るほどだった。
やがて畳に倒れ伏したまま動かない山吹を残し、男達が引き上げようとする。
「…………まって…………お、お代…………」
それを山吹の声が引き留めた。
彼女は意識も朦朧としているような有り様ながら、這うようにして男達ににじり寄る。
「あ、ああ……そらよ」
最後尾の男は顔を引き攣らせながら銀貨をばら撒いた。
そこに残っている、五人分の料金だけを。
山吹の目が見開かれた。

「ご、五人なはずないでしょうっ!」
そう叫ぶ山吹に、男の数人が気圧される。しかし中には平然としている者もいた。
「……何言ってる、ここにいるのは5人さ。
 文句があるなら、何人いたと思うのかをきっちり教えな。
 言うまでもねぇが、1人でも多く吹っ掛けやがったら承知しねぇぞ」
そう言い放たれ、山吹の瞳が惑った。
山吹が硬直している間にも、男達は一人また一人と帰り始めている。
やられた。
山吹を犯した正確な人数、そんな物は解るわけがない。
例え的確な人数を言い合てたとしても、証拠がない以上は相手の言い分でどうにでも覆せる。
「…………そんな…………こんな、ことって…………!!」
山吹は絶望の言葉を吐きながら意識を失い、力なく畳へと倒れ伏した。


「ええーっ嘘、『松・竹』の二部屋貸切にした上に、これだけ廓中汚されて、たったの五人分?」
遊女の一人が信じられないといった表情で山吹を睨む。
他の遊女も、志乃も、同じく山吹の吊るし上げに加担していた。

「何人の客を相手にしたのかも把握できないようじゃ、花魁失格だよ。
 加えて見世に大損害を与えるなど、女将としても度し難い。これは猛省が必要だね」
志乃は正座させた山吹を見下ろしながら宣言する。
今になって解る、心の内から愉しそうな表情。
あるいは紅華が病に伏せるよう仕向けたのも彼女かもしれない。そう思える異常性。

「……おや山吹、なんだいその瞳は。まさかお前、このあたしに逆恨みでもしてるのかい。
 とことんまで性根の腐った女だね。
 お前達、こいつの骨身に染みるような、一番きっつい折檻をしてやんな!!」
志乃はそう言い放ち、遊女達に山吹を引っ立てさせる。
人を疑えない、心優しい山吹は、しかしついに彼女へと不屈の視線を向け始めていた。
0339山吹の冬    23/252012/02/05(日) 22:38:57.15ID:+dyq10rs

数刻の後。
山吹は、駿河問いの格好で吊るされたまま笞打ちを受けていた。
顔も含めた全身至るところを滅多打ちにされている。
さらには用いる責め具も、牛の革で作られたしなやかな笞だ。
以前に使われた箒尻とは格が違い、皮膚の張り裂けるような鋭い痛みを対象者に与える。

「ぎゃッ!!あっ、うあぁっ!!ひいぃッ!!!」

山吹は悲鳴を上げ続けていた。
悲鳴を上げては暴れ、また悲鳴を上げ、やがて息をすることさえままならなくなっていく。
吊られる『駿河問い』のつらさと、笞の痛み。
しかもそれだけではない。
足の親指と人差し指の間に、右足は赤、左足は白の蝋燭を括りつけられており、
痛みに身を捩るたびに色とりどりの蝋が美しい背中を汚す。
「あははっ綺麗な紅白だよ。さすが芸事を修めてらっしゃるだけあって、芸術的だねぇ」
笞を振るうお鶴が嬉しげに笑った。

山吹の涙が、頬から顎先へ伝う。全身も至るところが汗で濡れ光っている。
その身体を容赦なく笞が襲った。
「ぎゃあっ!!……っあ、あうぅ……」
苦痛のあまり山吹が気を失うと、冷水が浴びられて無理矢理に意識を引き戻される。
「はぁ、はぁ、い、いつまで、続けるつもり……?」
「さぁ、特に何も言われてないわ。別にあんたが死ぬまででもいいのよ?」
そのようなやり取りが何度も交わされ、山吹は何度も失神しては目覚めさせられた。
やがて声さえ発さなくなった頃、ようやくにお鶴は笞打ちを止める。

「ふん、情けなく失神してるわ、汗やら何やらでくっさいいねぇ。
 まぁこれからもっと酷い有り様になるんだから、関係ないわね」
お鶴はそう吐き捨てながら、山吹の縄を解かせ始めた。
0340山吹の冬    24/252012/02/05(日) 22:39:42.81ID:+dyq10rs

山吹は朦朧とした意識の中で、湯のみ一杯の液体を飲まされる。
「うえっ……!」
あまりに不味いのか吐き出しかけるが、全て飲み干す事を強要された。
「今飲ませたのは、強烈な下剤よ。あと少しで効いてくるわ」
お鶴はそう言いながら、再び遊女達に山吹を拘束させ始めた。

首を支えに逆立ちをした状態で、両膝を頭の側面まで降ろす姿勢。
秘部と肛門が天を向く格好だ。
惨めさもさる事ながら、散々に背中を笞打たれた山吹にとっては、
その姿勢を維持する事自体が涙の出るような苦行だろう。

「ふふふ、いい格好。あの紅華太夫の娘が三流遊女の前でこんな姿を晒すなんて、
 一体誰が思ったかしら」
お鶴はそう言いながら山吹の尻肉へ指をかけ、肛門を開いて見せた。
「可愛い不浄の穴ねぇ。散々犯されて、さすがに開いてしまってるけど」
その言葉と共に肛門を開いて、閉じて、を繰り返すと、周りの遊女から笑いが起きる。
「くっ!!」
山吹は顔を顰めた。
「何だか後ろの穴は物欲しそうだわ。折檻部屋には大抵何か転がってるから……
 うん、これがいいわ」
お鶴は手近な箱から張り型を取り出し、山吹の肛門に宛がう。
「ちょっと、そっちはもっやめ……!!」
山吹の非難も空しく、張り型は桜色をした直腸内へと入り込んでいく。
そしてある程度まで入ると今度は抜き出され、また挿し込まれ、一定のリズムで抽迭され始めた。

「う! う! う! うっ!!」
山吹は後ろの穴が弱いのだろうか、一突きごとに呻きを上げる。
「なんだ、煩いねぇ。これでも咥えときなよ」 
別の遊女にとっては山吹の喘ぎは耳障りだったらしい。
彼女は山吹の口に竹の一節だけ切り取ったものを嵌め込み、それを縄で首裏に括りつけた。
その簡易な猿轡で、山吹の声は殺される。
「んおうぅぅあえーーーっ!!!」
だがしばらくすると山吹は、それでもなお漏れるほどの声を上げ始めた。
何が起こったのかと訝しむお鶴達は、その直後に事実を知る事となる。
0341山吹の冬    25/252012/02/05(日) 22:40:44.85ID:+dyq10rs

「あーあー、出てきた出てきた!」
一人の遊女が、山吹の肛門を差して叫ぶ。
彼女の差す先では、お鶴の抜き差しし続けていた張り型を押しのけるようにして茶色い液が漏れ始めている。
「おっと、ようやくか。意外によく堪えてたものね」
お鶴が満面の笑みで張り型を抜くと、その瞬間栓が抜けたかのように汚液が溢れ始めた。
「んむうううううぅぅーーーーっ!!!!!」
山吹が目を見開いたまま頭を振る。
下痢便は幾度か飛沫のように噴き上がり、次いで肛門を押し開くように流れ出して山吹の身体を汚した。
剥き卵のような尻、すらりとした脚、細い腰つきに柔らかな乳房、すっきりとした首元……。
「いああああーーーっ!!!」
汚液は山吹の顔にも容赦なく流れ落ち、小鼻や固く閉じた瞼の上を通り過ぎていく。
しかし竹を噛まされた口だけは防ぐすべもなく、奔流の幾筋かが舌へ絡み、喉奥へと入り込んでいく。

「あっはっはっはっは、ぶり、ぶびいいって凄い音!
 匂いも鼻が曲がりそうに堪らないわ」
「惨めねぇ。あの『紅華太夫』の娘なんていっても、うちらと何も変わりやしないわね。
 今までの世の中が、変にこいつを特別扱いしすぎてたのよ。
 せいぜいそうやって、自分自身が出した汚物に塗れたまま一晩を過ごしなさいな」

お鶴達はそれで満足したのか、なおも溢れ出る汚物に塗れたままの山吹を残して部屋を出た。


辰吉は布団に包まりながら、その全てを耳にしていた。胸が張り裂けそうになりながら。

やがて彼は『禁忌』を犯す。
志乃達全員が寝静まった頃、折檻部屋へと忍び入ったのだ。
すぐに鼻の曲がりそうな異臭が漂ってくる。
辰吉はその只中にいる山吹の傍へ屈み込み、水に塗らした布でその顔を拭った。
そして縄を解いて口枷を抜き取った時、辰吉は山吹の瞳を見る。

「………………負けない………………」

ぞくり、とした。

「…………絶対に花魁の中の花魁に、なってやる」

しわがれた声で呟く山吹を前に、汚れた布を握りしめながら辰吉は、どうしてか涙を零していた。


                     終わり
0343名無しさん@ピンキー2012/02/05(日) 23:26:01.47ID:YNqTXU6g
う、うーん、まあ、花魁ものってか、花魁風ファンタジーとしてならあり、かな…?w
0344名無しさん@ピンキー2012/02/05(日) 23:39:54.69ID:k7dNpTnN
終わり方からすると続編もありですよね
期待しています
0345名無しさん@ピンキー2012/02/05(日) 23:46:29.03ID:rHk+78wg
投下乙!!GJでした。
花魁風ファンタジー、それについては>>343と同意見かなw
この書き手さん、くノ一スレに書いたことある人かな〜?
0346名無しさん@ピンキー2012/02/06(月) 07:10:09.35ID:V9BJZHiY
長編GJ!
0348名無しさん@ピンキー2012/02/06(月) 22:43:24.17ID:YHINyYsO
スモークキャットさんか
こいつ本当に嫌味なくらい天才的に上手いよな
埋もれさせておくにはあまりにもったいない才能
0350名無しさん@ピンキー2012/02/07(火) 14:04:57.58ID:ZDKVSjmH
学生時代、学費を稼ぐためソープ嬢となった主人公。無事卒業し、念願の高校
教師となるが、偶然、かつて働いていたソープランドの店長と再会してしまい、
無理矢理、契約を結ばされる。やむなく、ソープ嬢と教師の二重生活が始まる。
かつての看板ソープ嬢の復活で、閉店の危機を免れるソープランド。教師と
ソープ嬢の二重生活に充実した日々を送る主人公のもとに教え子が客として
現れて・・・・・というSSを頭の中で妄想したことがある。

元ネタはテレビでとりあげられていたキャバ嬢で、語学留学の費用を稼ぐために業界入り
するが、指名NO1となり、店が辞めさせてくれず、当分留学はできない、と言って
いたのと、昼は諜報員、夜は高級ソープ嬢という設定のコミック。
0351名無しさん@ピンキー2012/02/08(水) 20:32:59.43ID:ytp0Q1K+
ある漫画でサーカス維持のため男娼をやらされてるピエロの話があるんだが、その女性版とか。
いや女がピエロ(クラウン?)のド派手でキラキラ光ってる衣装や、ドーランで真っ白けな地に色々描く化粧してるとビザールなエロさを感じるんだよね。
サーカスという夢の世界のために、ベッドの上で踊って見せる道化師……
0352名無しさん@ピンキー2012/02/09(木) 07:42:26.96ID:fN1dFLiF
>>350
学費を稼ぐ程度なら、ソープじゃなくキャバのバイト辺りが普通の発想じゃないか?
0353名無しさん@ピンキー2012/02/10(金) 23:57:06.23ID:Rr5xzK8L
生来女王気質で、男を蔑み虐げたいが為にSMクラブで働き始めた若い娘が、
『S嬢になるためにはまずMの気持ちを知らなきゃ駄目』との事で心ならずもM嬢からスタート、
研修中にエロ店長からたっぷりアナルマッサージ受けて塗れちゃったり、
子供の頃虐めてた奴とかキモ親父な客を相手に、浣腸&排泄晒した挙句アナルファックまでされちゃったりすると萌える。
0354名無しさん@ピンキー2012/02/11(土) 22:22:30.99ID:csYIz38X
gisgy
0357名無しさん@ピンキー2012/02/21(火) 06:39:56.53ID:Jxq1fRa9
「ボウヤ、もっと腰を振らないと身体が暖まらないわよ?」
「あらら、ボウヤの生温かいザーメンが出ちゃったわ。」
「ガーターベルトとストッキングに掛かったわよ。結構出たわね?」
0358名無しさん@ピンキー2012/02/24(金) 00:09:09.98ID:HLaJTSOk
ひらひらのフリフリなドレスを着たゴスロリ娼婦とかに萌える
0359名無しさん@ピンキー2012/03/02(金) 23:23:41.57ID:ur4swzXf
エロの敵と思われてたPTAが実は主婦売春の組織だったらおもしろそう
0360名無しさん@ピンキー2012/03/06(火) 23:24:56.85ID:42t9V/8C
口先ではポルノに対して批判的なことを言っているのに
裏に回ったらエロいことしてるのか…
0361名無しさん@ピンキー2012/03/11(日) 20:32:18.05ID:jRGnd0PD
毎年のように登場する変身ヒロイン、魔法少女などと呼ばれるジャンルのアイドルたち。
しかし、その内お役御免となっていったアイドルのその後を、彼女たちに守られてきた一般市民やファンたちは知らない。
何と彼女たちは裏の世界の地下アイドル――――魔法娼婦となって春をひさいでいたのだ!
0363名無しさん@ピンキー2012/03/19(月) 07:14:36.02ID:bCzMuSB6
今日もストッキングの淵が見えるミニスカート姿で客を待つ娼婦。
目の前に坊やが歩いているのを見て、ついつい手招きをして呼び込む。

最初はフェラ、次は挿入、最後は外出しで射精して帰らせる。

これが娼婦の一日。
0364名無しさん@ピンキー2012/03/20(火) 00:29:11.91ID:+4Gbv+QT
バニーガールはこのスレに含まれますか?

>>363
お尻の形がくっきり浮かび上がるほどタイトなウルトラミニのレザースカート。
レースのストッキングに包まれた二本の美脚の付け根には、紫のスキャンティが。
プリプリぷるぷるの唇には真っ赤なルージュが引かれている。マスカラとアイシャドウ。サングラスをかけて、シガーを咥えて。
トップは身に付けず、毛皮のコートを羽織っただけ。15cm以上のピンヒールでツカツカと歩く度に柔らかな肉の双球が跳ね回る。
0366名無しさん@ピンキー2012/03/24(土) 01:24:28.81ID:5zfGeCpX
AV女優がヒロインの作品はこのスレでいいのでせうか……
0367名無しさん@ピンキー2012/03/24(土) 21:01:34.41ID:ING2l5N2
>>366
LR見てみると、
>以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
>キャラ単位、キャラ主体のスレッド →ピンクのキャラサロン
>年齢制限付きの作品に関するスレッド →エロゲネタ&業界/エロ漫画小説アニメ/エロ同人等
>画像の貼り付け →半角二次元/お絵描き・創作等
>実在する人物(アイドル等)を元にした創作 →えっちねたロビー等 【PINKちゃんねるは18歳未満立ち入り禁止】
>18歳未満の方は、エロ妄想を含まない範囲で2ちゃんねる掲示板をご利用ください。

と書いてあるから、
架空のAV女優ならおkで実在のAV女優を元にした場合はアウト になると思う
0368名無しさん@ピンキー2012/03/25(日) 01:38:29.11ID:QYmfkZeF
架空のAV女優モノで一作失礼します。
スカトロ(嘔吐)分があるので注意。20レスほど。
0369AV女優 冴草里奈   1/202012/03/25(日) 01:40:49.86ID:QYmfkZeF

眩い照明とレフ板が、閉ざされた室内を真昼のように照らす。
パシュッという音で一瞬の閃光が走り、ピピピピピと電子音が続く。
カメラを構えた男達が真剣そのものの顔で正面を凝視する。
その中心では、一人の女が数人の逞しい男達に囲まれていた。
行われているのはセックスだ。
ボディラインを浮き出しにしたまま、逸物を咥え、男の上に跨って蠢く女。
行われているのがアダルトビデオの撮影である事は疑いようもない。
しかし渦中の女性は、およそ性的な営みとは無縁なほど清楚に見えた。

「本当に彼女、惚れ惚れするぐらい若いよね。
 あれで今年32だなんて信じらんない。せいぜい女子大生くらいだよねぇ」
メイク係の女が壁に寄りかかりながら言った。
話しかける相手は、この撮影現場には似つかわしくないような少年だ。
歳は15,6といった所か。
坊主刈りの青い頭に、好奇心を抑えきれない瞳が新鮮だった。
彼の瞳は、女優の痴態に釘付けとなっている。

冴草 里奈(さえぐさ りな)。
女優顔負けのルックスを誇り、あらゆるハードコアを極めたと言われるAVクイーン。
デビューしてから11年が経ってもその人気が風化する事はなく、
DVDの売り上げでは今なお単体女優の中でもトップクラスに位置している。

デビュー当時は妹系、特にロリコン趣味の層をターゲットとする清純派女優だった。
初出演作はイメージビデオ程度の刺激の弱いものだったが、
アイドル級の愛らしさは早くも一部のマニアから高く評価されていた。
そして二作目、三作目でいよいよ本格的なセックスシーンが撮られると、
普段撮りとはまた違うカラミのシーンでの表情の良さ、声の通り具合が話題となる。
ただ可愛いだけでも綺麗なだけでもない、『エロい』女優。

やがて様々なメーカーを渡り歩いて経験を積んだ里奈は、
当初の“清純派ロリータ女優”というカテゴリから脱却し、官能美を売りにしはじめた。
女らしい艶があり、けれどもデビュー当時の瑞々しさも残している。
愛らしい、綺麗、色っぽい。それら女性の美の全てを内包した未知の魅力。
聖母という表現も多く用いられた。
作品を経るごとに洗練されていくその神秘性は、長らくに渡って男達を魅了し続ける。
0370AV女優 冴草里奈   2/202012/03/25(日) 01:41:22.78ID:QYmfkZeF

「この業界ではね、女優は出演するたびに価値が下がるって考えが基本なの。
 ほとんどのAV女優がデビュー後3作かそこらで消えるでしょ。
 まぁ名前を変えてまた出たりもするけどね。
 でも里奈さんは、その厳しすぎる業界で11年も残り続けてる。
 いや、残るなんてもんじゃない、今でも第一線だわ。
 新作が出れば迷わず買うっていう熱狂的なファンが一杯いる。そうだよね」

メイクの女は、少年に向けてそう続けた。
少年……駿介は、図星を突かれたかのようにメイクの女を振り仰ぐ。
確かに、駿介自身も冴草里奈の大ファンだ。
彼女の過去作は何度も見返しているし、雑誌のインタビューも余さずチェックしている。
間違いなく恋といえるレベルでの好意を持っているのは間違いない。
月に2本出る里奈の新作が日々待ち遠しくて堪らず、
学校の友人が里奈の話をしている際にはつい聞き耳を立ててしまう。

その駿介にとって、目の前の撮影現場は現実ではないようだった。
冴草里奈のセックスシーンなど飽きるほど観てきたはずなのに、興奮が止まらない。
空間に漂っているのは、殆どが男優の体臭と精液の匂いだが、
その中に微かに混じる甘い香りが、里奈の発するものではと思ってしまう。
彼女は何人もの男に囲まる状況下で、大ベテランの貫禄を見せ付けていた。

里奈に逸物を咥えさせている男は、甘いマスクが人気な、やはりベテランの男優だ。
「ううっ!!」
しかし彼も、里奈に口と手で逸物を扱きまわされ、情けない声で射精する。
里奈の唇が離れた時点でカメラからはフェードアウトしている筈だが、
傍から見ている駿介には男のその後の姿もしっかりと見えていた。
男は信じられないといった表情で逸物を見下ろし、荒い呼吸を繰り返している。
よく見れば筋肉質に締まった脚が震えてもおり、どれほどの快感に襲われたのかが見て取れた。
彼とて『ヤスの女性狩り』シリーズで、数名の女性を相手取って10回以上も射精する絶倫だ。
その彼がまるで子供扱いとは。
0371AV女優 冴草里奈   3/202012/03/25(日) 01:41:59.84ID:QYmfkZeF

里奈に騎乗位で跨られる男優もまた、彼女の技術に翻弄されていた。
里奈は両の掌で2つの逸物を扱き、口にも2人分を咥え込んでいるので腰しか使えない。
しかし、彼女が腰を浮かせながら締め付けると、下になった男から呻きが漏れる。
「くっ……!!」
男優はまるで犯されている女のような顔をしていた。
彼は自由な両手を使って里奈の腰を掴み、主導権を握ろうと躍起になるが、
やがて脚の先までをピンと伸ばしてあえなく射精を迎えてしまう。
にちゅっという音と共に結合部が外れると、里奈の割れ目からは多量の白濁が零れ落ちた。
明らかに絞りつくされたかのような量の精液。
無論、今絶頂を迎えされられた男も、熟練の域にあると名高い中年の名手だ。
AVに出ればそれだけで看板となりうる実力派男優が、次々と果てさせられる。
その様はまるで妖魔に精を搾り取られるようで、作品の仮題である『吸精主リナ』そのものだ。

やがて撮影も終わりとなった所で、里奈を円状に取り囲んで逸物を扱きはじめる。
〆のぶっかけ、という定番の手法だ。
男達が苦渋の顔を作りながら逸物を扱きたて、呼吸を合わせて里奈の顔へ次々と白濁を浴びせかける。
「あ、あ!」
しかし若い一人だけは、中々射精に至らない。
勃起は他の誰よりもしているが、現場慣れしていないだけに上手く射精できないのだろう。
「カット、OK!お疲れさん!!」
そこで監督の声が入り、撮影は終了となる。
男優達が一様に安堵の息を吐く中で、半端に達し損ねた若い一人が項垂れた。
すると里奈が彼の足元に歩み寄り、その逸物を摘み上げて口に咥える。
「あっ!?」
男優は驚きの声を上げた。
カメラの回っていない部分でまで奉仕をする義務は女優にはなく、完全なサービスだ。
カットが掛かればすぐに気だるそうに座り込み、煙草をふかす女優も多いというのに、
大ベテランがそこまでしてくれるものなのか。
「あ、有難う……ございますッ……」
男優が感謝の言葉を述べながら、実に心地よさげに射精を迎える。
里奈は精液を口に受け、手渡されたティッシュに吐き出してから、男優に朗らかな笑みを向けた。
それを直視した若き男優は、危うく惚れそうになったことだろう。
0372AV女優 冴草里奈   4/202012/03/25(日) 01:42:32.89ID:QYmfkZeF

「お疲れ様でした!!」
若い男優を先頭に撮影スタッフが頭を下げる中、里奈はバスローブを羽織ながら振り返る。
「みんなこそ、お疲れさま!」
汗を浮かべながらそう笑う顔は、まるで試合を終えたスポーツ選手のようだ。
駿介はその里奈の格好良さに見惚れると共に、改めて彼女がこの現場の主役なのだと実感する。

「彼女って、どれだけ大きな存在になってもああなのよね。
 その人徳が回りまわって、彼女をクイーン足り得させてるのかも知れないけど」
メイクが、シャワールームへ消える里奈を見ながら呟いた。
「彼女、業界でも有名なのよ。交渉でゴネない女優だって。
 勿論NGプレイはマネージャーから指定されるけど、ギャラは完全に相手の言うなり。
 本当ならもう豪邸を建てられるくらい稼げてるはずなのに、
 里奈さん本人は食べられるだけの稼ぎがあればいい、って言ってるらしいの。
 ホント、あたしなんかの物差しじゃ測れないような人だよ」
メイクはそう言いながら、自分の仕事をしに部屋の外へと消えていく。

スタッフ達も各々の仕事に忙しなくなる中、駿介はしばし立ち尽くしていた。
撮影の熱気に当てられたようだ。
頬が紅潮し、重苦しい息が漏れる。隆起した物が、窮屈そうにズボンの中で脈打つ。
丸2日に及ぶ撮影は、思っていたよりも遥かに生々しく、凄まじかった。
それに比べれば、単にビデオ映像を観るだけの行為など搾りカスのようにすら思える。
これが現場。これが生の熱さなのだ。
駿介がそう思って生唾を呑みこんだ時、彼の視界に再び里奈が現れる。
場の主役であった里奈が、傍観者である少年の目の前に。

「お待たせ。帰ろっか、シュンくん」
カジュアルな私服に着替えた里奈は、そう言って駿介の手を取った。
柔らかくしっとりとしたその掌の感触に、駿介はぞくりとする。
あの冴草里奈と親しい存在だという事実。
それが思い起こされた瞬間、少年は危うく射精しかねないほどの興奮に見舞われた。
0373AV女優 冴草里奈   5/202012/03/25(日) 01:43:05.17ID:QYmfkZeF



駿介と里奈は、同じマンションの隣同士だ。
カリスマAV女優とはいえ人間で、日本のどこかに住んでいるのだから、
たまたま近所である人間がいても何の不思議も無い。
その幸運な少年が駿介だった。

隣に住んでいるのがAVクイーンだという事は、駿介の両親共に知っている。
父親は密かなファンで、自室にいくつも彼女のDVDを隠しており、
駿介が冴草里奈という女優に一目惚れするきっかけを作った。
母親はその父の鑑賞シーンを目撃して隣人の正体を悟ったが、悪く思う風もない。
「あれだけ可愛いんだもの。稼げるうちに稼いでおくのは賢いわ」
そのようにむしろ肯定的に捉えている天然ぶりだ。
両親がまだ駿介と共に住んでいた頃には、母親が作りすぎた惣菜を、
父親が鼻の下を伸ばしながら里奈に届ける光景が頻繁に見られた。
里奈はお袋の味が楽しめると、それは大喜びだったそうだ。

今では両親揃って遠くに出張しているが、それでも月に一度、
里奈の分も合わせて2つセットでの惣菜が届く。
それを届けるついでに憧れの里奈の部屋に招き入れられたのが、
2人の知り合うきっかけだ。
初めて里奈の部屋に上がった時、駿介はインテリ人間の部屋という印象を持った。
とにかく本が多い。
一般小説に始まり、心理学、語学、環境学といった教養本が本棚に詰まっている。
額縁の卒業証書からは、驚くほど偏差値の高い大学の出である事も窺い知れた。
各部屋のレイアウトも斬新だ。
探究心と向上心に溢れた性格だという事が、家の中を見ただけで解る。
0374AV女優 冴草里奈   6/202012/03/25(日) 01:43:46.17ID:QYmfkZeF

里奈は頭の良い女性だった。
勉学のみならず、生活の上での諸問題についても、自身の哲学に沿って答えをくれた。
そして駿介に近い大人の誰よりも、しっかりとした倫理観を備えている。
『隣に住むお姉さん』として駿介と親しくはしても、それ以上になろうとはしない。
駿介が下心から里奈の体に触れようとすると、里奈はそれを頑として拒んだ。
「まだ早いよ」
ぴしゃりとそう告げ、欲情に猛る少年を戒めた。

……ただし、それはあくまで雄介が性欲からの行動を起こした場合の話だ。
しかし里奈と共に過ごす内に、彼は『本気で』里奈に恋するようになっていった。
諌められても、叱られても止まらない想い。
未熟な身でありながら、駿介は揺らがない恋心を里奈に抱いていた。

「…………本気なのね?
 その選択は、シュンくんの人生にとって毒になるかもしれないんだよ。
 後ろ指を差されて生きる事になるかもしれないんだよ」

里奈は何度もそう諭し……思い悩んだ末にその気持ちを汲む。
隣のお姉さんとして、彼の憧れるAVクイーンとして、ありのままで駿介の本気を受け止めた。
0375AV女優 冴草里奈   7/202012/03/25(日) 01:44:32.06ID:QYmfkZeF



乳液を塗る里奈の後ろから、駿介が抱きつく。
「里奈さん……」
シャツの裾から腕を潜らせ、脇腹を経由して乳房を揉みしだく。
「あんっ!」
里奈が声を上げた。
駿介の手のひらに吸い付く餅肌は、彼より10以上も年上のものとは思えない。
何かの拍子に触れた彼の同級生の肌にすら、負けてはいないように思える。
それは天性の素質に加え、里奈の努力にも拠るものだ。
ジムで定期的に汗を流し、朝晩の手入れも欠かさない。
また菜食を中心とした食事内容は、日々彼女の公式ブログに掲載され、
ある著名な女性アスリートもそれを参考にしているという。

駿介は、その芸術的な張りと触感を持つ肌を掌の中で堪能する。
「こら。私、さっき撮影終わったばっかりじゃない。
 撮影以外のプライベートでまでセックスなんて嫌ぁよ」
里奈は頬を手で叩いて引き締めつつ答えた。
「そんな」
駿介の表情が残念そうなものに変わった。
勃起しきった逸物を背中に擦り付け、名残惜しそうにねだる。
里奈の口元がふっと緩んだ。

「なーんて、ウソ。男の子の生理は、よく理解してるつもりよ」

里奈は突如振り返ると、駿介の唇を奪う。
少年の嗅覚を、里奈の付けている香水、乳液の薫り、そして女の匂いが埋め尽くす。
0376AV女優 冴草里奈   8/202012/03/25(日) 01:45:03.45ID:QYmfkZeF

柔らかな唇も、ぬめった舌も心地良い。
「ん……んんっ」
駿介はされるがままに、ベテランAV女優のディープキスを受け続けた。
上手いなどという次元ではない。
唇が生き物のように蠢く一方で、舌が口内に侵入してくる。
その舌先は少年の歯茎、舌の付け根、そして上あごの粘膜を丹念に舐めまわす。
ゾクゾクとする快感が少年の背筋を駆け上り、そして。
「んううっ!!」
里奈の舌に開かれたままの口から悲鳴が漏れた。
そして腰が小刻みに揺れた直後、下着の中がぬるいもので満たされる。
それは少量では済まず、どくどくと溢れて太腿を汚した。

状況を察した里奈は、糸を引きながら唇を解放する。
そして少年のズボン摺り下げ、悲惨な状態となっているトランクスを脱がせた。
「可愛い。キスだけで出ちゃったのね」
里奈が白濁に塗れた少年の持ち物を指先で弾く。
「う、うん……キスだけで、出ちゃった」
催眠に掛けられたように、同じ言葉を繰り返す駿介。
その髪を愛おしげに撫でながら、里奈は逸物の先を握り込んだ。

「ねぇ、シュンくん……今日も潮吹きさせてあげよっか」
意地悪そうな瞳が告げ、やわらかな掌は、射精を経験したばかりの敏感な亀頭を扱きはじめる。
「あっ、ああ!!」
駿介はその感覚に腰を蠢かせた。
射精直後の亀頭責め。それはつらいが、里奈の導くままに我慢していれば、
やがて痛烈な尿意にも似た感覚の直後に精液が飛沫くのだ。
肉体的な快感は薄いものの心が気持ちよく、駿介はそれに病み付きになっていた。
「あっ、あっあっ、ああっ!!」
AV男優をも腰砕けにする一流女優のテクニック。
それを惜しげもなく披露されながら、少年は声を上げ、極感の坩堝へと飲み込まれていった。
0377AV女優 冴草里奈   9/202012/03/25(日) 01:45:46.17ID:QYmfkZeF



冴草里奈のAV女優としての公式なデビューは、有名レーベルでの美少女物。
まるでアイドルのイメージビデオのような作品だったが、
実際にはそれ以前に、無名なインディーズビデオへの出演があると言われている。
ファンの間で存在が囁かれては、『ありえない。他人の空似だ』と一蹴される噂。
だが他ならぬ里奈自身がそれを持ち出した時、駿介は噂が真実なのだと知った。
「シュンくんは、これ……見た事ある?」
里奈は駿介の隣に腰掛けながら、そのDVDを翳す。
駿介が首を振ると、里奈はやや躊躇いを見せながらも再生を始めた。
冴草里奈を形作る、始まりの一作として。

ワイドテレビの画面に映像が映し出される。
素人娘が風俗店の店長から研修を受けるというありふれた内容のようだ。
ありふれてはいる。けれども横に座る里奈の、素人時代のビデオだ。
そう考えると、駿介は鼓動の高鳴りを抑えられない。

映像の中には、まだロリータ系の雰囲気を有していた頃の里奈がいた。
彼女は店長役の男優からスケベ椅子やマットを使って客の悦ばせ方を仕込まれた後、
いよいよベッドでの本番講習を受ける。
本当の講習らしく、正常位、座位やバックなど一通りの体位での実践がなされたが、
騎乗位での腰の使い方は特に念入りに仕込まれているようだった。

「これは辛かったわ……。他の体位と違って、騎乗位は自分で腰を使わなきゃいけないでしょ。
 最初は腰を振るのが恥ずかしくて、全然出来なかったの」

里奈自身の言う通り、ビデオの中の彼女は騎乗位を苦手としているらしかった。
男優に秘部を見られるのを嫌うのか、膝を閉じて腰を浮き沈みさせるばかり。
それはまるでお嬢様のセックスとでも言うべきものだった。
しかし里奈は、男優に何度も叱られ、半べそを掻きながら必死に腰遣いを覚えていく。
純白の布が何度も泥水に漬け込まれ、染められていくように。

「勿論お芝居なんだけど、初めて本格的なテクニックを仕込まれたこれは、
 私にとって本当の風俗研修のようなものだったわ」

里奈が遠い目で語る間に、テレビ画面の中は新たな場面に移る。
技量不足として、遊び人風のボーイ2人を相手に経験を積まされるシーンへと。
0378AV女優 冴草里奈   10/202012/03/25(日) 01:46:23.74ID:QYmfkZeF

「あははっ、遊び慣れてない娘のキスって旨いよな」
鼻にピアスをした男が、ベッドに座らせた里奈の唇を奪っている。
片手首を掴み上げ、頭を押さえつけたままでの口づけ。
困り果てたような顔で息を乱す里奈は、なるほど経験豊かそうには見えない。
「アソコもキッツキツだぜ。処女みてぇ」
下半身では、また別の一人の手がショーツに潜り込んでいた。
指はショーツの形を歪に変えながら激しく動かされ、クチュクチュと音さえ立てている。

「……感じてるの?」
画面の前で、駿介が里奈に尋ねた。里奈は首を振る。
「違う。感じる所を刺激されて、むりやり愛液を滲まされてるだけよ。
 怖くって、快感に浸るような余裕なんてなかったわ」

里奈の意思に関わらず、ショーツは彼女の愛液で透けるほどになっていく。
やがて男達はそのショーツを脱がし、ベッドの上でフェラチオをさせ始めた。
「徹底的に仕込んでやるから、覚悟しとけー」
男の声がする。
里奈は寝転がったその男に覆い被さって黒髪を上下させていた。
「んー、ダメだ。お前さっきから咥えてるだけじゃん」
男は痺れを切らしたように身を起こし、里奈の口に指を入れる。
そして2本指で挟みこむようにして舌を引きずり出した。
「フェラはこの舌を使うんだよ。ほら、指舐めてみろ」
男の指が、まだ幼げな顔をした里奈の口内を蹂躙する。
「あっ、あえおっ、あおああっ……!!」
里奈は非難めいた声を上げながら、執拗に舌遣いを仕込まれる。

やがて指が唾液塗れになった頃、男はベッドの上で膝立ちの姿勢を取った。
「そろそろコツも解ったっしょ。ほら、それを俺のチンポに対してやってね」
里奈は唇の端から唾液を零しながら、半ば泣くような瞳で逸物を口に含む。
0379AV女優 冴草里奈   11/202012/03/25(日) 01:46:50.13ID:QYmfkZeF

里奈が必死にしゃぶり回すうち、男の逸物は明らかに大きさを増していった。
初めは里奈の口にすっぽり収まるサイズだったものが、明らかにはみ出てきている。
「えっ、えはっ!!あえっ……」
里奈は苦しそうに呻きながら、唾液塗れの逸物を指の輪で扱く。
しかし男はその手首を掴み、跳ね除けた。
「ほら、苦しいからって手で誤魔化さないの。これ舌遣いの研修なんだから」
そう言いながら里奈の両腕を頭の後ろに掴み上げ、喉奥深くに逸物を捻り込む。
女の苦しげな声が映像内に漏れた。
そこから、リズミカルなディープスロートが行われ始める。
里奈のえづきや嫌がりなど度外視した、無機質にも思える喉奥蹂躙。
「…………っ!!」
容赦のない責めに、駿介は隣の里奈を仰ぎ見た。
かすかな笑みで画面を見つめる里奈は、横顔を凝視する視線に気付いて口を開く。

「スムーズにしているように見えるけど、かなり深くまで咥え込まされてるのよ。
 それはもう苦しくて怖くって、カメラの映っていない所では、
 男優さんに何度も『もう許してください』って上目遣いの視線を送ってるの。
 でも全く手を緩めてくれなくって、ああ自分で頑張るしかないんだって、
 うっすらとだけど現場の流儀に気付きかけてた」

里奈はそう言うと、しなだれかかるように駿介をソファへ押し倒した。
そしてジャージを摺り下げ、逸物をつまみ出す。

「AVみたいな特殊な環境じゃ、自分自身で気分を盛り上げていかないとダメなの。
 ライトは眩しいし、カメラは恥ずかしいし、人は多いし、
 声や表情も普通にセックスするだけじゃなくて、人の目を意識しなきゃいけない。
 素面のままじゃ、身も心も縮こまっちゃって何もできないわ。
 そういう意味じゃ、ボクシングなんかのリングと近いわね、AVの現場って」

里奈はそう囁いてから逸物を咥え込む。
過去を映したDVDの前で、積み上げてきた技術の実践をするように。
0380AV女優 冴草里奈   12/202012/03/25(日) 01:47:14.67ID:QYmfkZeF

「んむっ、おっき……相変わらず、AVに出ても恥ずかしくない立派さね」
里奈はそう言いながら、唇、舌、そして手を使って駿介の物を扱きたてる。
その技量は凄まじく、駿介の物にはたちまち血が滾って痛いほどに勃起していく。
「んふっ」
里奈が鼻に抜けるような笑いを浮かべた直後、逸物が喉奥までずるうっと入り込んだ。
「あふぁっ!?」
駿介の方が声を出させられた。
食道という未知の器官で、逸物の先が締め付けられる快感。
亀頭の裏に感じるコリコリとしたものは、普段彼が“喉チンコ”と呼ぶものか。
そのまま数度喉奥で扱かれると、耐えることは出来なかった。
「ううっ!!」
駿介は足を震わせ、里奈の喉奥へ亀頭を入り込ませたまま為す術なく射精を迎える。
里奈はそれをしっかりと受け止め、やや頭を後退させてからごくん、と飲み込んだ。
「……ンっ。ふふ、にがぁい」
そう笑う里奈。
ほのかに匂う汗の香りと、少し汗ばんで額に張り付く髪、柔らかな瞳。
相も変わらず、ぞくりとするほど魅惑的だ。

映像の中では、なおも在りし日の彼女が陵辱されている。
口内に深く咥え込んだ状態のまま、背後からももう一人の突き込み。
「うむおおおおおっ!!!」
里奈は、明らかに苦しげな声を上げている。
それがしばし続いた後、ビデオの中で男が役割を入れ替えた。
すなわち、フェラチオをさせていた男が膣へ挿入し、
膣へ挿入していた男が口を犯し始めたのだ。

「これは勇気が要ったわ。自分のあそこに入ってたものを咥えさせられるのよ。
 咥える瞬間に匂ってくるのが解った。
 単純な匂いの強さだけなら、男優さんのアレの匂いの方が強いんでしょうけど、
 自分の匂いって不思議とよく嗅ぎ分けられるものなのよね、困ったことに。
 でも最初は嫌だったけど、段々と興奮してくるの。
 自分の愛液塗れのものを無理矢理咥えさせられてるんだって思うと、
 それだけで軽く達しそうなくらいに。
 自分がどうしようもなく変態なんだって気づいたのはこの瞬間ね、きっと」

里奈は駿介の短い髪を撫でながら、懐かしむように言う。
これがAVクイーン・冴草 里奈の始まり。
ここから里奈は、様々な経験と苦労を積み重ねて、人としての厚みを増していく。
0381AV女優 冴草里奈   13/202012/03/25(日) 01:48:10.49ID:QYmfkZeF

「一番印象深いことって言えば、やっぱり初めて増谷さんと撮った時ね」

里奈は駿介の質問に、悩む風もなく即答した。
増谷とは、AV男優の増谷準の事だ。
AV産業の黎明期から業界に関わり、何千という女性と撮影を重ねてきた。
彼のノウハウや思想は数多くの出版社によって書籍化されており、
押しも押されぬAV男優のカリスマとして広く知られている。
経験豊富なだけに、仕事はまた別として女性の選り好みが激しい事でも有名で、
彼に認められる事が一流AV女優の条件とする声も多い。

「とにかく顔を合わせた瞬間からオーラに圧倒されたわ。
 単体女優として間近で向き合ってると、呑み込まれそうな雰囲気。
 やっぱり伊達じゃないのよ、あの人って。
 初めて増谷さんと共演した時は、女優としてのデビューから3年目で、
 自分では脂の乗ってきた頃だと思ってたの。
 でも増谷さんは、私とカラミを撮った後に『まだ小便臭い小娘だ』って。
 ……ただ実際、撮影してる間中、私はあの人に翻弄されてた」

里奈のその言葉を聞きながら、駿介は彼女が増谷と初共演した作品を思い起こす。
確かにあの作品の里奈は、終始増谷に圧倒されているのが見て取れた。
増谷は表面上はいつも通りの甘い声で里奈と仲睦まじく撮影しているように見える。
しかし何度も観返すと、その責めにはまるで容赦がなく、
まだ女優として青い里奈を徹底的に責め抜いて恥を晒させているのが見て取れた。
ネット上でもファンの間から、いつもの増谷らしくない、
事務所と関係が悪くなったゆえの女優いびりだ、などと様々な意見が交わされている。
0382AV女優 冴草里奈   14/202012/03/25(日) 01:48:37.60ID:QYmfkZeF

「胸を揉まれても、お尻を撫で回されるだけでもイきそうな気持ちよさが湧いたし。
 実際にセックスを始められたら、もう何度もイッちゃって演技どころじゃなかった。
 快感に蕩ける表情をするシーンでもボロ泣きしちゃって、何度もカットが入って。
 照明さんからもカメラさんからも、ダメな女優だなって視線を向けられた。
 再開してもすぐに状況が変わるわけもなくて、完全に素人そのものだった。
 それまでに28本のビデオに出演してたのに、よ。
 素人男優なら2分以内で逝かせられたし、風俗嬢とのレズでも太鼓判を貰った。
 それでも全然ダメだったのよね」

里奈はそう言いながら、少しつらそうに駿介から視線を外した。

「それで、軽く自信喪失しかけたんだけど、増谷さんはやっぱり一流だったわ。
 撮影の合間になるたびに私の横に座って、色々と私の良い所を指摘してくれた。
 勿論心の内じゃ小便臭い小娘だと思ってたんだからお世辞だろうけど、
 私はそれが嬉しかった。
 優しい言葉を掛けられながら身体を撫でられると、それだけであそこが濡れて、
 次の撮影がハードでも耐えられるだけの準備が自然と出来てた。
 恋とは違うんだけど、業界の一流に褒められるのって嬉しいのよ」

そこで里奈の指が恥ずかしそうに組み合わされる。

「増谷さんとの初めての撮影は、苦い思い出だけど良い経験になったわ。
 あの人のお陰で驕りも消えて、本気でAVの奥深くに挑もうって気分になった。
 スカトロも、獣姦も、黒人とのカラミも、やれるだけのセックスをして、
 一部でもう○○は見飽きたって声も出た7年目でようやく2度目の共演をして、
 『やっと一人前の女になった。ずっとこれを待っていた』って言って貰えたの。
 自分の7年の頑張りが認められたんだと思うと嬉しくて、涙が止まらなかったな」

言いながら当時の事を思い出したのか、目元に薄っすらと涙を浮かべる里奈。
それが駿介には、まるでコーチに認められたアスリートのように見えるのだった。
0383AV女優 冴草里奈   15/202012/03/25(日) 01:49:04.75ID:QYmfkZeF

里奈のファンの間で、特に大きな話題となったのは12作目だ。
まだ素人そのものの、初々しい頃。
撮影の中でもどこか控えめな部分が目立ち、犯罪臭さえする。
一部のマニアには人気が出るだろうが、シリーズを見た者からすれば、
落ち着いてエロを堪能するには不向きといえた。
それでもファンの間では、里奈のビデオで初のアナル要素入りとして神格化されている。

問題のシーンは、普通のセックスが行われる中での繋ぎとして入れられていた。
「ひぐっ んぁっ……」
愛撫を受ける一環で、倒立をした格好のまま尻穴を舌で舐られる。
さらにそこから指入れへとエスカレートし、細いアナルビーズを出し入れされる。
たったそれだけでも、アイドル顔負けのルックスを誇る里奈がとなれば話題性があった。

「これ、撮影の中で初めてアナルを弄られてるみたいに演出されてるけど、
 実は撮影の前日にスタジオに呼び出されて、お尻の穴を念入りにマッサージされた後なの。
 それでも一日経ったらまたぴっちり閉じちゃって、弄くられると凄かったんだけどね」

里奈はビデオを観ながら告げ、駿介に恥じらいの部分を晒すままにしている。
駿介の視線は、今日は桜色の秘裂にではなく、その下に息づく排泄の穴に吸い寄せられた。
「えっちでしょ」
里奈が囁く。
その言葉通り、彼女の肛門はよく開発され、柔らかそうにふっくらと盛り上がっている。
まるでルージュを塗った唇のように。
駿介はその妙な艶かしさに生唾を飲み込んだ。

「……本当のホントにそこの処女を奪われたのは、さっきのAVを撮るよりも前なの。
 実質的には枕営業だった」

里奈がややトーンを下げて紡いだ言葉に、駿介は顔を上げる。
伏目がちな里奈と視線がかち合った。
0384AV女優 冴草里奈   16/202012/03/25(日) 01:49:30.30ID:QYmfkZeF

「当時私の所属してた事務所の何人かが、クスリの中毒で捕まってね。
 あそこはヤバイってことで、どの制作会社からも完全に干された時期があったの。
 そうなると、AV女優としては仕事がないわけじゃない?
 そうして困ってた時に、ある大手メーカーで監督をしてた人がメールを寄越したの。
 事務所で一番良い女とやらせれば仕事をやる、そんな意味合いのね。
 当時事務所で一番人気だった私は、かなり躊躇はしたけど、その要求に従ったわ。
 そうしないと友達も私も終わりだったもの。
 でもそいつっていうのが、とんでもない変態だったのよね」

里奈の指は、記憶を思い起こすように膨らんだ肛門の淵を撫でていた。
駿介はその動きにすら妖しさを感じつつ、次の言葉を待つ。
異様なほど胸がざわついていた。

「撮影は、しばらく使われてない古いスタジオでされたわ。
 今でも忘れられない。埃っぽいビニールの上に、事務所の女の子がずらっと正座させられて。
 私はその目の前で慰み者にされた。
 騎乗位で奉仕させられて、フェラで抜いて。
 イチジクを四個入れられたまま、椅子を2つ並べた上に座らされて、洗面器に出して。
 その挙句に指でほぐされてから、顔を見合わせる体位で後ろの処女を奪われたの。
 ……ずっとそいつの目を見ていなくちゃならなかった。
 痛くって息が詰まるんだけど、そいつはもっと声を出せ、もっと出せって何度も叫んでて。
 私は言われるがままに、感じてる演技をしながら喘ぎ声を絞り出した。
 スタジオには結構自分のその声が反射して、嘘っぽいのが自分でも解ったわ。
 知り合いの大勢いる前で、響き渡るくらい声を上げて、初めてのお尻を犯されるのは、
 死にたくなるくらいに恥ずかしかった。
 でもその時はそうするしかなかったの。小さい事務所だったし、私自身も無力だったし」

そこまで言い終えた所で、里奈は言葉を失っている駿介に気付く。
そして安心させるように肩を竦めて笑った。

「ま、今はその男とも完全に力関係が逆転してるんだけどね。
 必死に覚えたテクで搾り出せるだけ搾り尽くして、もう女を見るのもイヤって言わせてやったわ」

そう言い放つ里奈は独特のカリスマに満ちている。
その厚みは、まさに今語ったような苦労を経験した成果だ。それゆえのAVクイーンだ。
ただ、駿介は知っている。彼女の苦労話は、それだけではないという事を。
0385AV女優 冴草里奈   17/202012/03/25(日) 01:50:00.57ID:QYmfkZeF

『私、ぜったい吐いたりしません』

それが、里奈の出演した初のハードコアレーベル『Agony』の作品だ。
その頃の里奈は何人もの男優にフェラチオをして回る作品が多く、
ディープスロートの女王などと祭り上げられていた。
実際、彼女の清楚な横顔を映しながらのディープスロートは、
反則的なまでに男の性欲を刺激する絵面だったので仕方のないことではある。
ただ一部のファンの間には、
『ディープスロートの女王を名乗るならAgony作品に出ろ』
との声が大きくなっていた。
そこで満を持して、S級単体女優・里奈の出演となったのだ。

それは、里奈の綺麗どころとしての矜持と、イラマチオ男優の意地のぶつかり合いと銘打たれた。
後ろ手に縛られた里奈が膝立ちで睨み上げ、それを勃起させた男優群が取り囲む。
そのパッケージは、まさしく女優と男優達との真剣勝負を想起させ、
発売開始前から大評判となった。
何しろ冴草里奈といえば、それまでオーソドックスな大衆向けの作品が殆どで、
しかしそれでもなおファンのつくルックスと愛嬌を備えた人気女優だ。
それが突然のハードコアレーベル入りとなれば、期待するなという方が無理な話だろう。
そしていざ蓋を開ければ、そこには期待を裏切らない壮絶な映像が繰り広げられていた。

大きさ自慢の男優が里奈を取り囲み、頭を掴んで次々に剛直を咥え込ませる。
白いワンピース型の水着を着たまま後ろ手に縛られた里奈は、
その男達の怒張を舌遣いと喉奥の扱きだけで射精へと導かなければならない。
状況でも、数の上でも圧倒的に女優不利の状況。
その中で、里奈はよく健闘していた。
男優のうち最初の数名は、里奈に逸物を咥え込まれた瞬間に、もう腰が引けていた。
そして一人当たりわずか2分余りで精を搾り取られ、輪の外に退く。
普通の撮影であれば、その時点で里奈が貫禄を見せての勝利となったことだろう。
けれども、ハードコアの撮影はそんなものでは終わらない。
0386AV女優 冴草里奈   18/202012/03/25(日) 01:50:30.10ID:QYmfkZeF

自分だけが休むことのできない無間地獄で、里奈は次第に追い詰められていく。
そして男優達もまた、徹底的に里奈の弱った所を責めていく。
「んっ……んああっ、はぁっ……あごっ、ああっ…………」
何人目かで、顎の疲れた里奈が、やはり達しそうで余裕のない男優と拮抗していた時。
突如その弱った逸物が抜かれ、まだ一度も達していない余力の有り余った一本に変わる。
「あごおろっ!!?」
突如固く逞しい物に奥を抉られ、里奈の喉から小さな嘔吐の音がした。
カメラは今だと言わんばかりに里奈の足元から見上げる視点で撮り始める。
しかしこの時は何とか持ちこたえ、映像には太い涎の線が滴るのみとなった。

とはいえ、里奈が追い詰められているのは事実。
男優達は何度も何度も白い喉の奥へと怒張を抉り込む。
そして里奈が苦しげな反応を示すと、怒張を奥深くで留め、ぐりぐりと亀頭を擦り付けるのだ。
「あごぉっ……おご、おぼおぉっ…………!!」
これは実に効果的らしく、里奈はそのたび目を見開き、頬を膨らませて吐きそうになる。
澄んだ瞳一杯に涙を溜め、唇が陰毛に隠れて見えなくなるほど深く飲み込んでの長期戦。
その気丈な抵抗の末に、8人目でついに限界が訪れる。
「う、お゛おぉっ!!!」
低い呻きと共に、里奈の上体がうねる様に大きく波打ち、唇が逸物から離れる。
そして嘔吐。
「げおっ!!!おえ゛っ、う゛お゛ぉおお゛ぉおううえ゛ええ゛!!!!!」
その獣のようなえづき声と、瞳も唇もぐしゃぐしゃになった嘔吐顔は、
一部コアなマニアの間で大いに語り草となった。
映像も、わざわざその嘔吐シーンを、六ヶ所のカメラからの映像で繰り返す。
まるでインディーズメーカーが、一流女優を屈服させた証とでも言いたげに。
ただその凄まじい決壊が、清純派女優の屈服を端的に表すものである事は間違いない。

一度嘔吐という屈服をしてしまえば後は脆く、
里奈は涙と涎でグズグズになった顔のまま、その撮影の中で実に12回、
様々な体位からのイラマチオで嘔吐を晒し続けることになる。
特に、椅子に腰掛けた男に無感情な瞳で奉仕しながら嘔吐する終盤は、
そのままショックで女優業を引退するのではとファンを不安にさせるほどだった。
0387AV女優 冴草里奈   19/202012/03/25(日) 01:50:55.11ID:QYmfkZeF

ただ里奈によれば、これは男優と女優の対決でも何でもなく、
元より『吐くまで撮り続ける』事を前提とした出来レースであったらしい。

背景には、その年の春、2人の現役アイドルが突如AV業界入りした事がある。
その話題性は凄まじく、人気が「元芸能人組」とその取り巻きに持っていかれ、
純正のアダルトビデオが廃れる恐れを業界にもたらした。
そこで事務所が、業界の面目を保つべく、トップ女優である里奈をハード路線に走らせたのだという。
元芸能人の一発目では絶対にやらない事をさせる事で、同じく話題を作って対抗したわけだ。

この異例の対決は、様々な週刊誌やスポーツ新聞に取り沙汰される事となり、
里奈の世間一般における知名度・注目度を飛躍的に向上させた。
その影響もあってか、結果として『私、ぜったい吐いたりしません』はヒット。
セル・レンタル共に元芸能人組を上回ることとなる。
衝撃的であったのはどちらも同じだが、やはり男の本能を直撃する里奈に軍配が上がり、
ハードなアダルトビデオの強さを改めて世間に知らしめた。
最も、勝因はただプレイの過激さだけではなく、里奈自身のルックスが、
前年まで現役アイドルであった娘にも引けを取らないレベルであった事も大きく関わっているだろう。

ともあれこれをきっかけに、これまでアナルを少し弄られる程度の清純派路線だった里奈は、
正統派のビデオと平行してハードな物に次々と挑戦するようになっていく。
その経験を経て、いよいよ里奈は熟練の雰囲気を纏い始め、色気を増していった。
今や経歴も人気も実力も、どこを取ってもクイーンの名に恥じない存在だ。
そんな里奈と親しく出来る事が、平凡な学生に過ぎない駿介には夢のようだった。
彼女はどこまで本気で、自分を気に入ってくれているのだろう。
どこまで彼女の心の中に、ちっぽけな自分が存在できているのだろう。
里奈のやわらかな笑顔を見つめながら、駿介は時々そう考える。
0388AV女優 冴草里奈   20/202012/03/25(日) 01:51:32.01ID:QYmfkZeF

里奈の撮影は次々と過激さを増していった。
その果てに、ついに里奈が撮影中意識を失い、病院に担ぎ込まれる事態にまで発展する。
「里奈さんっ!」
「ああ、シュンくん……心配かけてごめんね。さすがに無茶しすぎちゃったかな。
 私の希望で限界までしてってお願いして、監督さん達にも迷惑かけちゃった」
大慌てで病室へ駆けつけた駿介に、里奈は恥ずかしげな笑みを見せた。
そして一つ瞬きし、悪戯っ子のような瞳で続ける。
「……でもね。今度はきっと、今までの作品の中で一番凄いのになってるよ。
 それくらい凄いのをシュンくんに見せたかったんだ。
 好きな子にこれを観て貰えるんだって思いながら演技すると、一番興奮するの。
 ねぇ、シュンくん。ビデオが家に届いたら、どうか私の全力を観届けて……」
里奈はそう囁き、疲れたように瞳を閉じた。

遥かに年上とはとても思えない、まるで妖精のような寝顔。
「……里奈さん……」
駿介は、静かな寝息を立て始めた里奈の顔を撫でて呟く。
身体を壊すほどの全力で、AVに取り組む。それが里奈という女優だ。
そんな事は解っている。そんな里奈だからこそ、駿介は恋したのだ。
その里奈からの告白を、受けないわけにはいかない。

『冴草 里奈 地獄イカせ20時間』
それが最新作のタイトルだった。
ノーカットで20時間の撮影を流し、4時間×5本組とした前代未聞のDVD。
購買力の高いファンが多数いる里奈だからこそ出来る新境地だ。
そこに秘められた里奈の“全力”を咀嚼するように、駿介は覚悟を決める。

ただ観るだけではない。
増谷を初めとする最高峰の男優から愛撫を受け続け、
指責めで幾度にも渡る潮吹き絶頂を極めさせられる姿。
最新鋭のマシンバイブを用いた、徹底したポルチオ開発。
ヨーガの達人による、快感の泥沼に沈み行くようなスローセックス。
それらによって発せられる里奈の悲鳴を、涎を、失神を、失禁を、痙攣を、
全てを読み取って彼女が意識不明に至るまでに感じていた事を把握する。
それが彼女の全力に応えるということだ。

「……ふぅ」
駿介はひとつ深呼吸し、脳髄の焦げ付きそうになる作業に挑み始めた。



                                      終わり
0389名無しさん@ピンキー2012/03/25(日) 19:22:18.32ID:2r85kTfq
投下乙ですー
今晩かけて読ませてもらいます
GJ!
0391名無しさん@ピンキー2012/03/25(日) 23:55:59.60ID:r0XZd9wi
久しぶりに、この板で良い物読めた気分。
GJというか、ありがとう。
0393名無しさん@ピンキー2012/04/01(日) 00:11:54.40ID:UO71kR42
異世界ファンタジー物ってここ的にOKですか?
いちおう風俗で筆おろしの内容なんだけど……
0395金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:12:40.40ID:UO71kR42
【 1 】

 後悔が無いという訳ではない――否、レェスはこの後に及んでもなお悩んでいる。
 なぜなら自分は今、送迎の馬車(ブルーム)に揺られて街の遊郭へ向かおうとしているのだから。

 伸びた鼻頭(ノズル)と鋭角に立った大きな耳、そして茶の毛並みもふくよかに外へ丸まった大きな尾のレェスは、
世間一般では犬狼型に分類される獣人である。
 今年の四月――晴れて成人し親元を離れた彼は、故郷より遠く離れた帝都の街中に居た。大概の若者達がそうで
あるように、田舎暮らしで華の時間を浪費してしまうことを惜しんだレェスは、「自分試し」などという説得力の
かけらもない理由をつけて離郷を果たしたのだ。
 そんな世間知らずの田舎者にとって都会の風はそれなりに強く冷たいものではあったが、それでも日々そこで
感じる未知の世界はレェスの愚かな独立心を励ましてやまなかった。自分は生涯をここで生き、そしてここで
死ぬのだと、もはや使命感にも似た感動(かんちがい)を胸に抱いたほどである。
 しかしながらそんな生活も半年が過ぎると途端にその光(いろ)を失っていった。
 せわしない都会の時間(ながれ)にも慣れ、仕事も憶えてサボりの要領を得てくると、途端にレェスは脱力した。
 このままでいいのか? 結局は、ここでも自分はつまらない仕事に時間を浪費していくばかりなのではないのか? 
――朝目覚めると、いつもそんなことを自問した。……しかしながらそれも、哲学などといった崇高な命題ではなく、
単に仕事をサボりたいが故に起き上る自堕落で甘えた妄想ではあるのだが。
 とはいえしかし。それに気付けぬレェスにとってのそれは、今の自分を崩壊せしめぬほどに重要な問題であったのだ。
 しかしながら若者ゆえの浅はかで計る問題のこと、その解決策は実にあっさりと彼の中で紡ぎだされた。

『 そうだ、彼女を作ろう! 』

 要は寂しかった訳である。
 都会暮らしに慣れて余裕が出てくると、途端に独り身が沁みた。しかしながら、望郷や人恋しさを認めてしまうのは、
少年のちっぽけなプライドが許さない。
 ゆえに遠回りに自分探しなどを考えさせて、その寂しさを紛らわせるパートナー探しを理想(ハードボイルド)の自分に
認めさせたという訳であった。
 そう結論づくとにわかにレェスの生活は活気を取り戻す。
0396金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:13:40.64ID:UO71kR42
 まずは職場において、そんな運命の相手がいないかどうかを検討した。
 レェスの通うレンガ工場は街でも一番の規模を持つ老舗で、工場内には常に50人以上の人足がいた。
 しかしながらそこの働き手達は全てが男であり、しかもそのどれもが中高年の世代という有り様。唯一の若衆はレェス
ただ一人だけである。
 ならば事務職には? ――と考え、経理を始めとする事務所や営業もしらみつぶしに探してはみたが、どれも似たり
寄ったり。そこにおける数少ない女達もまた、「とうの立った」おばちゃん達ばかりと、ロマンスの予感は微塵も
感じられなかった。
 そうして危機感を募らせるうちに、最初は単なる『寂しがり(ホームシック)』であったはずの心の隙間は、次第に
『強迫観念』へと変わっていった。
「このままでは自己が崩壊する」――若者特有の陳腐で無根拠な思い込みではあるのだがしかし、等の本人であるところの
レェスにとっては重大な問題である。
 それを苦悶する生活に重いストレスを感じ始めた彼は、日に日に疲弊していった。
 毛並みは艶を無くし、耳と尾は常に垂れ、鼻は乾き視線も俯きがちとなった。そんな傍目からからも見て取れるレェスの
疲弊ぶりを見かねて、彼の雇い主でもあるところの工場長がついにレェスへと声を掛ける。
 そこにて、初めてレェスは己の悩みを他人へと打ち明けたのであった。
 レェスの話を終始無言で聞いていた工場長ではあったが、その時々で笑いを堪えかねては何度も咳払いをした。他人の
そんな青臭さがなんともこそばゆいのだ。
 そして全ての話を聞き終えるや、
『 レェス。お前さんは童貞かい? 』
 そんなことをレェスに問いただした。
 その質問に慌てふためき、はたまたどうにか無頼な自分を取り繕おうとしたもののそこは経験の差――緩急織り交ぜた
工場長の話術に翻弄され、たちどころにレェスは『一八歳(こども)の自分』へと丸裸にされてしまった。
 そうなると素直なもので、レェスは率直に今の不安と問題解決の糸口を工場長に求めた。
 そんな折、彼から返された返事(こたえ)こそが―――
『 一度でいいから女でも抱いてみろ。もしかしたら考え方が変わるかもしれない 』
 そんな中身の有るような無いような、なんとも無責任な答えであった。
 正直その時のレェスも、そんな工場長の言葉に何一つ琴線を震わせられる事が無かったものだから、ただ「はぁ」と空返事を
返しただけであったが――事件はそれから4日後に起きた。
 いつものように仕事を終えたレェスは件の工場長から呼び止められる。
0397金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:14:25.07ID:UO71kR42
 そして一枚のカードを手渡されたと思うと、
『 明日の休みにこの店へ行け。役所前に迎えの馬車が来ている筈だから、それの御者に声を掛ければあとは万事、向こうが
よろしくやってくれる 』
 工場長はそう言って武骨な笑みを見せた。それこそは、とある娼館への招待状であった。
 代金は自分で工面するようにと言われた。金貨一枚分であるそうな。言うまでもなく大金である。
 しかしながら初めての風俗というシチュエーションに発奮してしまったレェスには、そんな金額の高低など気にはならなく
なっていた。その時はただただ緊張し、そして胸ときめかせた。
 自室に帰ってからも、食事すら忘れて貰った名刺を眺めて過ごす。
 普段の生活において目にしたことすら無いほど奇麗に精製された紙面に繊維の屑などは一本として見当たらない。麦の穂のよう、
かすかに金色を含んだ色合いのカードには、達筆の書体で『Nine・Tail(九尾娘)』と店名が印刷されており、さらには
その隣にレェスの名前が「様」を付けて書かれていた。
 なんどもそれを見つめ、さらには匂いなど嗅いだりしてはレェスは妄想を膨らませる。
 いったいこの場所で何をするものなのだろう?
 それこそ己の持つありとあらゆる知識を動員して淫靡な妄想にふけろうと考えるも――結局それらは何一つ実体を持たず、
ただ行き場のない情動となって胸を焦がすばかりであった。
 そこにおいてようやくレェスは、自分が何も知らない「子供」であったことを自覚する。
 思えば女の子と接触を持ったことなどは、田舎に居た時からなかった。
 もし故郷において齢相応の相手に巡り合えていたのならば、自分はこんな都会に出ることもなかったのではないか、などと
妄想する。
 平凡ではあるものの、つましく楽しい毎日を生涯の伴侶と送り、家業の酪農に精を出すのだ。……そんな妄想の中の自分に、
レェスは思わぬ寂しさを感じて大きく鼻をすすった。
「もう……取り戻せない生活だ」
 そんなことを呟いて目頭をきつく閉じると、涙が一筋頬を伝った。
 傍から見れば「何を言うか」とツッコミたくもなる。況やまだ18の子供が、だ。
 そう思うのならばすぐにでも故郷に戻って家業でも婚活でも、好きにすれば良いのだろうがとかくこの年代の若者は、
何かというと破滅的な方向にばかり未来を考えては悲観して、その主役であるところの自分に陶酔して過ごすものなのであろう。
 閑話休題。
 そうまで考えながら明日の日を待ち望む傍ら、とはいえ今回の初風俗を素直に受け入れられぬ想いもあった。
 それこそは今日のトラブルにいたる元凶ともなった、ちっぽけな『プライド』に他ならない。
0398金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:14:55.42ID:UO71kR42
「これは……男のするべきことなんだろうか?」
 寂しいだ破滅だと散々のたまっておきながら、この期に及んでレェスは考え込んでしまった。
 風俗――すなわちは『女を金で買う』という行為を思い悩んでしまった訳である。
 些細な疑念であったはずのそれも、そう思い込むと途端に心の中を占める割合を大きくしていった。
 とはいえしかし、風俗にも行きたい――良心と本能、プライドとスケベ心との狭間でその夜、レェスは眠れぬまま煩悶し
続けるのであった。
 そして翌日の夕刻、彼は約束の場所である役所前に―――居た。
 結局はスケベ心が勝った。とはいえしかし、それに心が傾いたのは本当に僅かな差異に他ならない。事実いまも、
胸の内では葛藤が続いている。そんな今の状況はむしろ、寂しさに打ちひしがれていた時よりも激しく心を乱していた。
 斯様にして情緒不安定なレェスへと、
『 レェス様、でいらっしゃいますか? 』
 何者か声が掛けられた。低く落ち着いた男のものである。
 それに驚いて振り返ればそこには、テールコートの正装に身を包んだ紳士が一人。
 年の頃は四〇代半ばといったところか。僅かに胸を張り背筋を正したその立ち居は、自然な振る舞いでありながらも
慇懃で折り目正しく、けっして己を卑下をしない「強い男」の印象をレェスへと憶えさせた。
 とはいえその「強さ」もけっして腕力や、権力を背景にした脅しじみたものではない。
 いうなればそれは、この男が持つ自己への誇りと自信に他ならないのだろう。
 口にはせずとも彼が、己の仕事に気高いプライドと固い意志とを以て挑んでいることがはっきりと見て取れた。まだ、
彼が何者か聞いてもいないにも拘わらずである。
 そんな紳士の落ち着いた雰囲気に包まれて、混乱の極みにあったレェスも沈静化する。
『 レェス様でいらっしゃいますか? 』
 そして再度の紳士からの問いに、ようやく我に返ったレェスは大きく頷くのであった。
『 お待たせいたしました。私は、「Nine・Tail」からの使いの者であります。レェス様をお迎えにあがりました。
こちらへどうぞ 』
 渡されたレェスの名刺を確認して一礼をすると、紳士は泰然自若とした振る舞いで半身を開きレェスへと道をあける。
そうして誘うよう右手を泳がせたその先には、黒塗りの馬車が一台停められているのだった。
 そんな馬車の壮観にレェスは思わず息を飲む。
 自分の身の丈ほどの車輪を四環搭載し、さらには楕円の円蓋を被せた粋な造りのそれは見るからに優雅で美しい。
 さらにはその中に誘われて、今度は息を止めた。
0399金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:15:19.77ID:UO71kR42
 赤を基調に、向かい合うように設置されたソファは質素な造作ながらも造りが実に細やかで、背もたれに施された
刺繍ひとつをとっても細部まで実に手が込んでいた。さらにはその手触り、はたまた硬すぎず柔らかすぎない座り心地からは
相当にこれが高価なものだということを貧民のレェスにすら実感させる。
 それら自分の日常からは完全にかけ離れた、別世界の物に触れるということにレェスは躊躇いすら覚えずにはいられない。
 それらに比べて今日の自分はといえば、一張羅のジャケットにハンチング帽。シャツとパンツにはそれなりの物を身に
まとっては来たが、それでも目の前の馬車やそれの御者たる紳士のそれに比べれば、月とすっぽんほどに今の自分は滑稽に思えた。
 そうしてそれらに圧倒されるまま馬車の中に閉じ込められると、御者は外套(マント)を羽織り馬車を発進させる。

 かくして運命の車輪は動きだしてしまった。
 後悔が無いという訳ではない――否、レェスはこの後に及んでもなお悩んでいる。
 なぜなら自分は今、街の遊郭へと向かおうとしているのだから。



0400金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:16:03.40ID:UO71kR42
【 2 】

 目的地である娼館『Nine・Tail』は、遊郭街の外れにあった。
 入口に近い通りには原色を散りばめた派手な看板の、一目でそれと判る店が多かったのに比べ、件のNine・Tailが
ある一角は一見したならば高級住宅街かと見紛わんばかりに閑静で趣のある建物が並ぶ通りである。
 そしてその中の一つである、一際大きい洋館が今居る店であった。
 入店し待合室に通されたレェスは、緊張から味の判らぬ紅茶に舌を焼いていた。
 室内の壁面に備え付けられたソファーはコの字を描くようにして設置されており、その前には小型のテーブルが
個別に何基も備え付けられていた。その上にはそれぞれ重厚なガラスの灰皿とライターとが置かれ、そんな自分の机
そこにはさらに紅茶とおしぼりがある。
 とりあえずここで待つように指示されたレェスは、緊張から何度も部屋の中を見渡しては、ここに至るまでの経緯を
思い出すのであった。
 入店と同時にレェスは、入口正面に設けられたロビーにて再度の名刺提示を求められた。続いて『入館料』と称した
金銭の提示に、レェスは虎の子の金貨一枚を支払う。受付もまたそれを受け取ると、銀貨二枚をレェスへと返した。
 料金は金貨一枚分と聞かされていたレェスだけに、これには大いに困惑した。そんなレェスの混乱を察し受付の紳士は、
『その残りはお相手を務める給仕にお渡しください』と笑顔で諭してくれたのであった。
 どうやらこの手の店はまず店側に『入館料』を支払い、さらには相手となる娼婦に残りの金額を支払うという仕組みらしい。
なんとも困惑する。
「早まったかなぁ……金貨一枚分は高いよなぁ」
 呟き、手の中で握りっぱなしであった銀貨二枚を見下ろす。この金とて、工場に勤め始めてから今日に至るまでに
貯めたレェスの血肉のような銭である。それを、手元に形の残らぬこのような遊行に使ってしまうことへレェスは
なんとも強い抵抗を感じていた。
――これだけあったらコートが買えた……ブーツだって買えるし、飯だって好きなものが食える。
 そう考えだすとどんどん思考は所帯じみて、いつもの妄想も現実味を帯びてくる。
――チョコだって食える。肉だって食える。パンだって好きなだけ。フルーツだってそりゃあもう。
  大判コロッケもいい。
  いくらどぶ漬けか。さんま焼きだっていいぞ、そこに生ゆば刺しなどつけるか。岩のり250円も
  渋いな……。
 そうしてすっかり現実逃避をして自分の妄想(せかい)に入るレェスへと、
0401金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:16:28.63ID:UO71kR42
『お待たせいしました、レェス様。ご案内いたします』
「ッ!? こ、こっちもうな丼ください!」
『――はい?』
 案内係の存在に気付けずにいたレェスは、その突如の声に思わず両肩を跳ね上がらせた。
『いかがなさいましたか、レェス様?』
「え? あ……い、いや何でも。ははは」
 怪訝な案内役の表情に我へと返ったレェスは、つい自分の奇行を笑ってごまかす。同時に、その瞬間が訪れたことを
瞬時に理解する。それゆえにさらに混乱する。
――ついに……ついに女の子と……!
 心臓は鼓楽器よろしくに、その音が喉から漏れているのではないかと心配するほど強く胸を叩いている。
 目の前を歩く案内役の背に、レェスはこれから会うであろう嬢を妄想した。
――猫型の華奢な子が来るんだろうか? それとも白兎の純情そうな子とか? 
  いやいや、もしかしたらオイラと同じ犬の娘なんてことも……!
 様々な美少女達が案内役(エンコート)の背に浮かび上がっては消える。
 やがて目の前を行くその背が止まった。
『こちらからは御一人でどうか。――どうぞお楽しみくださいませ』
 体を開いてレェスの前へ道をあけると、案内役は深々と頭を垂れた。
 そんな目の前には巨大なカーテンが壁のように通路を塞いでいる。
 いったいこれからどう行動したらいいものだろうと困惑するレェスではあったが、目の前のカーテンそこにスリットが
通っていることを発見した。
 どうやら二枚を重ね合わせてある造りらしい。それを前に一歩踏み出すと、レェスはその隙間へと体を進入させた。
 シルクのカーテンの質感それを鼻先に感じながらそこを潜り切ったその先には―――

「はじめまして。お待ちしておりました」

 柔らかく、そして落ち着いた声。
 その瞬間、レェスは金色(こんじき)の風を見た。斜陽に輝く夕暮れの稲穂畑ような紅(あか)と黄金の煌めきが目の前を
走ったように思えた。
 しかしそれが目の前にいた彼女の毛並みから連想した錯覚であることをすぐに理解して我に返る。
0402金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:16:59.27ID:UO71kR42
 目の前には、
「今宵、あなたのお相手を務めさせていただきます『チトノ』と申します。本日はありがとうございます」
 狐型の女性が一人、レェスへと微笑んでいるのであった。
 光を受けると深い赤の色合いを反射(かえ)すその金色の毛並みは、どこまでも強く深い黄金の色合いをレェスに印象付けた。
 高く通って上を向いた鼻頭と切れ長の瞳。しかしながら、黒く潤んで静夜の湖面のような光彩を満たした大きな瞳ゆえに、
そこからは細目の持つ冷たい印象は無い。ウェーブ掛った金の髪を額から後ろへ流した髪型も、そこから一筋垂れた前髪が
そんな瞳の顔(おもて)にかかり、それが彼女の気怠さとそして得も言えぬ妖艶さを演出しているようである。
「…………」
 そんな彼女を前にしばしレェスは言葉を失う。
 しかしながらそれは、けっして目の前のチトノに見惚れているからではない。むしろそれは――『困惑』あった。
――え……? なんでこんな人がいるの?
 その放心の理由をつけるならばそれは、チトノが自分の想像していた『嬢』とは大きくかけ離れた容姿であったからだ。
 今のこの瞬間に至るまでレェスが思い描いていた風俗嬢とは、どれも若く華奢な、あくまで『同年代』の少女たちであった。
しかしながら今目の前に居るチトノは、明らかに自分よりも年配のように思える。
 体つきも然りだ。大胆に露わとされたドレスの胸元そこには、襟元の淵から零れてしまうのではないかと思わんばかりの
乳房が谷間もみっちりとその肉を凝縮している。
 妖艶にくびれた腰元のラインも臀部とのメリハリがきいており、ふくよかな彼女のヒップラインがより大きくそして
艶めかしくその存在感をアピールしているようである。
 斯様にして男好きしそうな体つきの彼女ではあるがしかし……それでも、期待していた風俗嬢象からかけ離れたチトノの
存在は、ただただ今のレェスを戸惑わせるばかりであった。
 そんなレェスの心情を鋭敏に察知すると、
「もー、なぁに? こんなおばさんでがっかりした?」
 チトノは微笑みつつもしかし、チクリとレェスの図星を突く。
 その声に再び我に返されるレェス。
「あ、いえ、そ、そんなッ」
 思わぬチトノからのそれに、さらに慌てふためいて言葉を重ねようとするもそれが泥沼。可哀相なほどに慌てふためいた
レェスの反応はしかし、如実にチトノの言葉を肯定してしまうのであった。
「ふふ。いいのよ、気にしないで。たしかに若くはないもの」
 そんなレェスにコロコロと笑って見せるチトノ。そんな彼女の仕草に、思わずレェスはどきりとする。
0403金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:17:22.55ID:UO71kR42
 純粋に今のチトノを可愛いと思ったのだ。
 そう思うと同時に、いま自分が娼館へと来ていることもまた思い出す。そして目の前に居る彼女こそが、今宵自分の相手を
務めるパートナーなのだと実感した瞬間、
「ん? あら、嬉し♪」
「――え? あ。うわぁー!」
 レェスの体が反応した。
 股間は傍目からも判るほどに怒張して、大きくパンツの前面を突き上げて張らすのであった。
「い、いやコレはッ……その!」
 途端に股間を抑えて腰を引くレェスではあったが、そんな彼にあきれることなく微笑んでチトノはその腕を取る。
「遠慮しなくていいのよ? ここは『そういうこと』をする場所なんだから。むしろ私なんかに反応してくれて嬉しいわ」
 言いながらレェスの頬へと愛情たっぷりに唇を押し付ける。そんな異性(チトノ)からのファーストキスに、完全にレェスは
熱しあがって――そして脱力した。
「さぁ、はやくお部屋に行きましょ♪」
 あとは為されるがままレェスはチトノに腕を引かれ、すぐ傍らのドアを開く。
 自分の身長の倍はあろうかと思われる重厚な装飾のドアをくぐると――目の前に広がった室内の様子にレェスは息を飲んだ。
 体を反らせて見上げるほどに高い天井と、足音を完全に消してしまうほどの柔らかな絨毯の足もと。猫足の椅子やテーブルと
いった調度は、そのどれもが高価そうに見える。
 そんな部屋の中で一際レェスの目を引いたのが、その中央に設置されたキングサイズのベッドであった。
 シルクのカーテンを弛ませた天蓋付きのそれは、まるで絵本の中に出てくる姫や王族が使用するかのようなそれだ。
そしてそんなベッドの淵にレェスとチトノは腰掛ける。
「そういえばまだ名前聞いてなかったね? 君のお名前は?」
「あ、あの……レェス、です」
「『栗毛(レェス)』君、か。ふふ、君にぴったりな名前だね♪」
 まるで恋人同士の会話のよう微笑むチトノではあるがしかし、その行動は徐々に妖艶さを増していく。
 さりげなくレェスの腿の上に這わされた掌が――そっと股間まで伸びた。
「ッ! う、うわ……!」
 パンツ越しに、勃起していた陰茎の先端を包み込まれる感触にレェスは上ずった声を上げる。
 そしてその反応を楽しむよう、チトノは手首を返し、そしてさらには回しては手の平の中央(なか)にある先端をこねる。
「あ、あぁ……もうッ」
0404金と銅貨のワルツ2012/04/01(日) 20:18:05.09ID:UO71kR42
 今日までの禁欲生活ゆえかそれだけで達してしまいそうになるレェス。そんな彼の反応を前に、チトノは動きを止めて
そこから手を離した。
「えぇ……?」
 そんな突然の『おあずけ』に不安げな視線を向けてくるレェスにチトノも苦笑いに微笑む。
「このまま続けちゃったら召し物を汚しちゃうよ? ちゃんと準備しよ。そのあとは……たっぷりね」
 顔を寄せレェスの耳元でそう囁くと、チトノは愛おしげにその耳介を甘噛みするのであった。
 そこからは職業故か、実に手際良く準備をこなすチトノ。いつの間にかレェスのジャケットを剥ぎ取ると、瞬く間に
その下のシャツやパンツもまた脱がし、たちどころに彼を丸裸にしてしまうのであった。
「わぁ♪ 可愛い顔してるのに、こっちはすごい『男の子』なんだから……」
 そうして露わになったレェスの陰茎を改めて前にし、細めた瞳に期待を輝かせるチトノ。
 興奮からくる緊張に刺激され続けた茎の先端からは夥しい量の線液が溢れ、先細りの陰茎はそれに濡れて赤剥けた全身を
夏の果実のようにぬめらせ輝かせている。
 それ自身が放つ、潮の香りにも似たほのかに塩気を含む茎の臭気に、チトノもまた眠たげに瞼を細める。斯様なレェスの
雄の香に、彼女も発情を促されているようであった。
「じゃ、私も準備するから……ちょっと待っててね」
 言いながらレェスの茎から視線を振りきると、チトノは背筋を伸ばしドレスの背後にあるジッパーへと左腕を
ひねるようにして手を伸ばす。
 ゆっくりとそれを降ろすと、胸部で形を作っていたドレスの胸元が崩れ、重力に引かれた乳房が水風船のような質感で
下に降りる。
 そんな乳房両方を、残った右腕で抱えるようにしてドレスを脱ぐチトノ。肩口が無く、胸部で引き締めることにより
形を維持する構造のドレスは、背のジッパーを解くことでいとも容易く、さながら輪でもくぐるかのよう足元までストンと
落ちて脱げた。
 そうして目の前には裸体に近いチトノがあらわれる。
 豊満な胸元を両腕で抱えるように隠し、股間にはレースを施したシルクのショーツと、同じく白を基調としたストッキングと
ガーターベルト。ドレス姿であった頃には黄金一色に思えた彼女の毛並みが、胸元から股間に掛けては雪原のような
眩い白に変わっている様子にレェスは目眩を覚える。
 美しいと思った。全てが想像を越えていた。ゆえに目の前のチトノにどう対処すべきか悩んだ脳は激しく混乱し、
さらには発奮してはそれらが目眩となってレェスを惑わせた。
 そうして見つめる中、チトノは流し目でレェスを捉えたままこちらへと背を向ける。大きく、そしてふくよかに毛並みの
整った木の葉型の尻尾が、優雅に左右へ揺れる様に目を奪われる。
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