>>111

「おーし、ほな行こか」
「うん」

人数が人数であり、当面は共同戦線を張るネギと小太郎が頷き合う。
飛んで来たパイをひょいと交わし、ニッと笑みを交わす。
学園某所に屹立するフラグをゲットすれば優勝、なのだが、
フラグ周辺エリアには攻撃専門キャラが待機していて、
ここでは顔面パイで指定エリアまで強制撤退と言うルールになっている。
取り敢えず、この辺に集結してるライバル達を二人で片っ端から一時停止させる。
パイ以外の暴力行為は御法度、すばしっこさとテクニックだけの勝負は悪くなかった。

 +     +

「おしっ、こっからやな」

クリスマスイベントとして大開放された建物の中で、小太郎が模造暖炉を指差す。
小太郎とネギがそこに潜り込み、そのまま梯子を伝って煙突を模した通路を上っていく。

「ふうっ」

梯子で登る縦型トンネルが終わり、開けた場所に出る。
取り敢えず、ネギは手近な梁にひょいと飛び乗る。
既に、小太郎がそこに乗ってきょろきょろしていた。

「天井裏に出たみたいやな」
「だね…」
「む」

小太郎がすっと遠くに視線を向け、ネギもそちらを見る。

「あ、高音さん」
「よう」
「どうも」

そちらでは、セクシーブラックサンタ高音・D・グッドマンと、
可愛らしいミニスカサンタの佐倉愛衣が別の煙突から現れ、離れた梁にひょいと飛び乗った所だった。
取り敢えず、ぺこりと頭を下げたネギと気軽な小太郎に、新たに現れた二人は丁重に挨拶を返す。