「ふふん、ネギ君も後ろでこんなのぷるんぷるんしてたら気になっちゃうよねー、
お背中にぴとぴと当たっちゃってるしー」
「ちょっと柿崎バカ言ってないでほらっ」
「はーい。あんましネギ君困らせんじゃないよー」
明日菜の口調が微妙に強まってから、美砂はにかっと笑って撤退する。
「全く柿崎バカ言っちゃって、パルと柿崎の妄想ネタにも困ったもんだわ。
シャンプー流すわよ」
「は、はいっ」
明日菜はシャワーでネギのシャンプーを洗い流し、目が開くぐらいまでタオルで顔を拭う。
無意識なのかどうなのか、ネギの後ろにしゃがんだ明日菜は敢えて、
と言うぐらい前のめりになってその作業をしていた。
「はい、いいわよ。ん?何やってんのよネギ」
「い、いえ、何でもないです」
やけに縮こまって斜め下を向くネギを見て、明日菜は首を傾げる。
「何よー、あんた照れちゃってる訳ネギもーマセちゃって」
「ちょいちょい、アスナそれ可哀相だってネギ君が」
距離を取っていた美砂が、再び明日菜に声を掛けた。
「ネギ君だってさー、ちゃんと男、として認めてあげないとね、ネギ君」
「分かってるわよ。ま、男の子だもんね。
男ってんなら体ぐらい一人で綺麗に洗いなさいよ。
私の裸なんて今まで散々見てた癖にさ」
「あ、あれは事故で、その」
「分かってるって、ネギがイギリス紳士wだってのは。
うん、真面目に言ってるんだからねネギの事は信頼してるって事で。
その割りには何回脱がされた事やら」
「全くだ」
ぼそりと響く遠くの呟きは、この際この場の考慮には含まれなかったらしい。
「あははっ、そうですねごめんなさい。そうですね…」
「ネギ?」