>>172
それでも、ネギはしっかりと、エアマットに背中を付けたままアキラとの一時を共に完成させようと
毎度年齢をぶっ千切った能力を力の限り使い倒す。
僅かな経験と超越した勘を頼りに、
アキラとしっかと一緒になった部分を強く、弱く突き上げる。
さすがはネギと言うべきか、その度に、アキラは切ない声を短く漏らして豊かな裸体をかくんと震わせる。
満ちてきたのは、感じていた。

「アキラさんっ」
「ネギ君っ」

呼びかけと共に、二人は揃って最終ラインに突入した。
互いを気遣いながらも、力の限り求め合い、貪り合う。
白く豊かなアキラの裸体は、朱に染まったその姿を堂々とさらけ出し、
千々に乱れた豊かな黒髪を張り付けたまま、広々と力強い背中がピン、と反り返る。
切なくも美しい鳴き声が一際高く響き、決して哀しくない涙が、
結実した湯気に混ざってアキラの黒い瞳からつーっと溢れ落ちる。
その、幸せすぎる姿を、遠巻きにしているよき友人達はほーっと眺めているしかない。
但し、彼女達の右手が今も露わな自らの裸体でもっとも力強い内股の筋力で
きゅっ、と締め付けられているのは一人の女の反応として仕方の無い所。
そして、今のパートナーであるネギにしてからが、
ほーっと満ち足りたまま、
本来であれば今に至って残っているのが不思議な牡としての喜びを、只、アキラに委ねるばかり。

「あ、とっ」
「えへへ」

ぐにゃりと崩れた所を半身を起こしたネギに支えられ、
ぱっと目を見開いたアキラは照れ笑いを浮かべた。
頼もしいお姉さんが、支えられる存在になった。
互いに理解し、くすっと笑って軽く唇を合わせる。
心地よい疲れに任せてゆっくりとマットに横たわり、只、優しく笑みを交わす。

第十話投下、終了です。
今回はここまでです。続きは折を見て。