>>271

「刹那さん」
「はい」
「Merry Xmas」

互いの温もりを感じたまま、にっこり微笑んで言ったネギに、
刹那もお姉さんの笑みを取り戻した。

「はい、メリー・クリスマス。最高のクリスマスを有り難うございます」
「僕もです」

言葉を交わし、ちゅっと軽く唇を交わして照れ笑いを浮かべる。
その実に可愛らしい姿を、うつぶせに寝そべった木乃香は
にこにこと両手を両方の頬に当てて眺めていた。

 +     +

ベッドの上でにっこり笑った木乃香が、唇の前で人差し指を立ててベッドを降りる。
まだどこか余韻に浸っていたネギと刹那も、パジャマも着て木乃香の後に続く。
そこは刹那、脳が酔いから覚めると一瞬目つきに鋭いものが走る。
抜き足差し足していた木乃香がガバッと玄関ドアを開けると、
その向こうからクラスの中でもかしましい一団がドドドッと雪崩れ込んで来た。

「え、えーと…」

ネギが声を掛けようとするが、何から話していいのか分からない。
刹那も既に頭から湯気が噴出しているイメージ状態だ。

「にゃははは。いやー、凄かったよネギくーん」

後頭部をバリバリ掻いて立ち上がった裕奈の第一声の後で、
白い屏風を背景に、三方の後ろに正座して
バッとパジャマの前を開いてネギアーティファクトの匕首を逆手に握る刹那と、
その刹那の背後からそのアーティファクトを握る右腕をがっしと抱えるネギが笑い目で涙を飛ばす。

「うーん、凄かった。なんて言うか引き込まれるって言うかねー、
気が付いたらここ来てたんだけどさー、ネギ君もお二人さんも何とも言えないねー」

うんうん頷く柿崎美砂の言葉の後で、
白い屏風を背景に、三方の後ろに正座して
バッとパジャマの前を開いてネギアーティファクトの匕首を逆手に握る刹那と、
その刹那の背後からそのアーティファクトを握る右腕をがっしと抱えるネギが笑い目で涙を飛ばす。