「そうよー」
口を挟んだのは千鶴だった。
「愛衣ちゃん、すっごく感じ易いんだから。
やっぱり日々のリハーサルとイメージトレーニングの賜物かしらねー」
「ん?」
体質的に本当に発火してもおかしくないボッと真っ赤な顔で縮こまる愛衣を
隣の小太郎が怪訝な顔をして見ている。
「だからもう、イク寸前の可愛い涙目で生殺しにするの大変だったのよー」
「ちづ姉…」
「えぐい事するなぁ…」
流石に、一同呆れて笑うしかない。
「ひゃうっ!」
一端途切れた指の動きが、たっぷりと蜜をすくって本丸攻めに突入した。
「あ、ん、んむっ、あ、あ…」
「愛衣姉ちゃん」
「は、はい」
「我慢は毒やでぇ」
小太郎がニッと笑う。
柔らかな乳房から白い裸体に隠れたあちこちのポイントを経て、
じわりじわりと攻め落とすセオリー通りの手順を踏んではいたが、
その中で見せる愛衣の表情に小太郎はふるいつきたくなる。
根は明るい普通の女の子だが、小太郎が普段顔を合わせるのは仕事と修行。
真面目で礼儀正しく修行には真摯、人として実に好感を持てると思っていたが、
だからこそ、この真っ赤になって崩れそうな女の顔、女の声は、
元来やんちゃな悪戯っ子でもある小太郎をそそって仕方がない。
だから、本能のままに、思い切った賭にも出る。
実際危険なのだが、それでも信頼に任せた所もあった。