>>290

「でも、那波さん、女性から見ても」
「うん、凄いよ、むしろ凄過ぎる。そこが問題なんじゃないの?」

愛衣の言葉に円が応じる。
確かに、それは最早立派な女性の、それも紛う事無きグラマー美女の圧倒的な裸体だった。

小太郎が出会った頃ですら、出会った野郎の視線を入れ食いに引き付けていた双つの膨らみは
今やもう一回りその質感を増していながら、
若さの特権で形の良さをぎゅっと維持している圧倒的な迫力で迫っている。
その突出は確かに個性的で、全体的に母性的なおおらかさでありながら、
締まる所はぎゅっと締まってだらしない程の緩みは決して感じさせない。

確かに、ベッドの下で眺めている年の近い、
多少の例外はあっても年齢的にはスタイル良好美少女軍団からは只、
ため息しか出て来ないヴィーナスに他ならぬ圧倒的な美しさそのものだった。

「あらぁ?」

改めて、千鶴は優しく微笑み顔を伏せて指先をちょんちょんと突き出しそうな小太郎の前に座り込む。

「どうしたのかなー?ここまで三戦連勝、
あんなに可愛い女の子達に最強の男を見せつけた小太郎君もここまでなのかしら?」
「あ、いや、なんつーか」

そう言いながら、小太郎は顔を半ば横に向けて、それでいてちらっちらっと前を見ようとする。
何と言うか、観客連としては微笑ましいのが半分、
その時点で敗北以外の何物でもない対応の差に妬ましいのが若干。
それを緩和しているのは、
今までの絆と何よりストレートな妬みを躊躇させる程の圧倒的な千鶴の姿。

「ふふっ、それとも、
愛しの小太郎君と結ばれた彼女達と私は何か違うのかしら?」
「そ、それは、あー」

言い淀む小太郎の両肩に、千鶴の両手が添えられる。
そこでようやく前を見た小太郎と千鶴が、唇を重ねた。