そんな中、ベッドの上では、
いつしか動きを止めた小太郎を千鶴が窒息しない様に、
と言う表現がよく似合うスタイルできゅっと抱き留めて、小太郎はその甘い香りにまどろんでいた。
「小太郎君」
「ん?」
「このまま、子守歌を歌ってあげましょうか?
小太郎君が雄々しい事も小太郎君の気持ちも、みんな十分に伝わってるわよ」
「んー…いい夢見られそうでそれもすっごく楽しみなんやけど、
ちぃとそういう訳にはいかなくなったみたいや」
「そうね」
千鶴の提案に気持ちが傾いた、その事がリラックスになったのか、
今まで半ば聖なる存在としていた相手の温かさ、柔らかさ甘い香りに十分満たされたためか、
千鶴のお腹を押す熱い感触がほぼぴったりくっつき合った両者の苦笑を誘った。
ゆるゆる動き出した小太郎は、改めて目の前の、
豪華なクリスマスケーキ丸かじりを思わせる豊かな膨らみの先で
尖った莓に唇を寄せ、むぐっと口に含む。
少しの間そうしていたのだが、興が乗ってきたのか、
小太郎の右手はきゅっと締まったお腹からお臍の下に、
さらさらとした茂みを過ぎて指が潜り込む。
「んー?」
「どうしたの、コタロー君?」
やはり、優しい笑みだった。
「いや」
「ふふっ、だって小太郎君があんなに逞しく力強く大活躍して、
みーんなあんなに可愛い鳴き声で天国に行っちゃったんですもの」
そう言われると、ベッドの下では横一列の正座で下を向くより他に無い。
「私だってね、逞しい男の人に抱かれるイメージと共に
体の奥から熱いものが溢れて来たりもするわよ、こんな風にね」
小太郎の右手を取りながら、千鶴は艶っぽい笑みを浮かべる。