魔法先生ネギま!エロパロスレ31
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指もう一本くらい入れて……ちょっとやりすぎか?でも反応いいな、もっとメチャクチャやった方が良かったりして。 ……んーと、ここ突くとなんか凄く「締まる」んだよな。やっぱりこの辺りが気持ちいいのか? だったらこの辺り、色んな角度で試して……あ、でもこの体勢だと……まあ時間たっぷり使って全部やってみればいいか。……あー、でもちょっと良すぎるな……持てばいいんだけど……! あ、でも前と同じとこやってるのに反応良くなって。慣れてくると気持ちよくなってくるのか?……よーし、じゃ一晩かけてここを責め続けてみれば) 「ふぅぅっ!?………ふーっ!ふーっ!………ひぁっ!!?……う、ん……ひっ………〜〜〜〜っ!!………う゛うぅっ!?」 (と、刀太君……もう、許して……………) 普通の同世代の少年は本やデータで欲求を満たす。だが刀太の前には好きにできる身体があった。 故に性欲を発散するだけに飽き足らず、トライアンドエラーの実践方式によって性的好奇心が満たすようになるのも当然のなりゆきだった。 哀れ九郎丸はそれを一身に受けとめることとなり、毎晩のように刀太の気が済むまで弄りまわされることとなっていた。 冒頭はそんな日が半年ほど続いたある夜のことだった。 そして次の日の朝。 (ま、また……もうこんなに大きくなってる……!) 気絶寸前で解放された昨晩のことを思い出して顔を赤くしながら、姿見の前で寝起きの恰好を整える九郎丸。 鏡の向こうの自分の身体はどう見ても以前より柔らかな曲線を描いていた。 細身だっただけの中性的な腰のくびれが女性的な張りを持つ尻まで流れて性的な丸みを帯びている。 そして何より、九郎丸の胸は今や寄せると谷間が簡単に作れるほど膨らんでいた。 (刀太君への想いはもう、以前よりずっと強い。認める。だからもう、どんどん女の子の身体になってくのは予想できた……! でもいくら何でも、最近は戦ってリセットされた身体がえっちくなるのが早すぎる! こ、こんなの戦うのに支障が出るレベルじゃないか!! やっぱり夜か!?彼に散々抱かれてるのがいけないのか!?) 大正解であった。 (と、とりあえず今日は仕事を言いつけられてるから、それを頑張って…… そうすれば身体も元に戻るはず!) 「ああすまんな、お前が行くはずだった仕事は一空に行かせた」 「……はい?」 朝の掃除や雑用・食事等を済ませて支度をし、やる気勇んで刀太と一緒に雪姫の前へ出てみれば、出てきた言葉はコレだった。 「なあ雪姫、今日のなんたら言うお偉いさんのボディーガード?俺たちが行くんじゃなかったのかよ。あの拘束時間長いわりに退屈そーな任務」 「なんでうろ覚えだ。……まあそうなんだがな。ちょっとアレだ、今朝は私の虫の居所が悪くてな、暇そうに欠伸をしていたアイツについ強権を発動してしまった」 「それでいいのかアンタ!?」 (よ、よりによって今日……!) 「……それにしても」 雪姫は刀太のツッコミを受け流し、九郎丸の身体を上から下までじろじろ見まわした。 うっとたじろぐ九郎丸。 「あ、あのー、何か?」 「いや、なんでもない。……だが、ほどほどにしとけ」 「「?」」 二人が立ち去った部屋で、雪姫は溜息をついた。 「まったく、お盛んなことだ……って、何で私がこんな気分にならなければならんのだ……ったく」 数百年の時を過ごした現在でさえ、正体ロリ見た目妙齢の美女として生きる彼女もまた九郎丸と同じく「女」としての自分から離れられない。 そしてこのUQホルダー本部で雪姫が把握していないことは……まあ、そんなにない。 「エヴァ」、「マスター」、「雪姫」……彼女としてはあの家系に惹かれた我が身の不運を嘆くばかりだ。 というか、深夜に漏れ聞いた「猫の鳴き声」により原因不明の苛立ちを覚えた雪姫の不興を買った一空については、ご愁傷様というほかなかった。 そんな雪姫の事情は露知らず、思いもかけず一日の休暇を得た二人。 「どーする?俺はちょっと買い物に行きたいんだけど、一緒に来るか? ついでに遊んでこよーぜ」 「……ごめん。僕はちょっと、残って剣の修行するよ」 「なんだよ付き合いわりーな。あ、でも修行なら俺もしたいかも」 「と、刀太君はたまの休みなんだし、羽を伸ばしてきなよ」 「……んー?お前なんか隠してないか」 「べ、別に何も」 「あー!いたいた、刀太アンタ今日休みなんだって?私今日欲しいものがあって街に行くから、エスコートしなさいよ!」 「マジかよ!?女の買い物って絶対疲れるだろ!」 「九郎丸、アンタも一緒に行く?……あら、行っちゃった」 途中合流したキリエと刀太が言い合っている間に、これ幸いと逃れた九郎丸。 そのまま愛刀を握りしめて浜辺に向かう。 自分は日々是修練を旨とする、常在戦場の神鳴流剣士であるはずだ。 刀太に受け入れられたのは嬉しいが、色ボケも大概にしなければならない。 ――だが2時間後。 (しゅ、集中できない……!) どうにもこうにもいつも傍らにいる彼のことばかり頭に浮かぶ。 気が付けば剣の走りすら隣に黒刀を振り回す相棒がいることを前提にしていた。 そして何より、サラシの下の胸と豊かになりつつある腰回りが気になって仕方がない……! (普段は稽古もしっかりしてるのに……!なんで引っ込まないんだこの胸!? やっぱり本気の戦いじゃないと、あのシリアス感じゃないとダメなのか!? いや違う、素振りの最中も刀太くんのことを考えちゃうような具合だからダメなんだ! ……ああ!?意識するまいと思うとなおさら彼の顔が頭から離れなく!?) その場で膝をついて頭を抱えるのみならず、ガックンガックン振り乱す九郎丸。 長い黒髪がブンブン揺れて荒ぶる。 どう考えても様子がおかしいが、幸いにも見ているものはいなかった。 結局その日いっぱい、刀太から離れて剣の道に身を置くつもりが逆に離れたことでさらに想い人を意識してしまうという不毛な時間を送ったあと。 「おーい、九郎丸。……おーい?」 「…………なにかな、刀太君」 「ど、どうした?なに暗くなってんだよ」 「……ごめん。なんでもないんだ。はははは………」 自分の色ボケ加減に嫌気が差してどんよりとした空気を背負い、部屋の隅で壁の方を向いて体育座りする九郎丸に刀太が声をかけてきた。 ここは彼らの寝室。もう夕食も終わって入浴を済ませ、後は寝るだけの時間帯になっている。 窓の外に見える海と空は微かに蒼い漆黒で覆われ、穏やかな波の音が聞こえるのみだ。 「じゃ、寝っか」 「え?………えーっと」 「ん?……いや、あーーー……その、な」 下を向いて両手の人差し指を合わせ、顔を赤らめてもじもじする九郎丸に、こちらもやや顔を赤くして照れ笑いしながら刀太は言った。 「最近なんつーか、ちょっとずっとシっぱなしだったしさ。 今日はそのまま寝よーぜ。お前もなんか調子悪いみたいだし」 「そ、」 そんな、という言葉を済んでのところで飲み込んだ九郎丸。 自分が何を言おうとしたか自覚して、顔が今度こそ火のついたように熱くなる。 刀太が不思議そうに顔を覗き込んでいるがもはや気にする余裕もない。 (僕は今、なんて言おうと……! これじゃもう剣士とかじゃなく、ただのいんら――) 「九郎丸?おーい、もしもし」 刀太は眼をグルグルさせる九郎丸の顔の前で手を振ったりしていたが、その内さっさと自分の寝床である下段のベッドに入って横になり、背中を向けてしまった。 「んじゃ、九郎丸、また明日な。おやすみー」 残されたのは、一人寝巻姿で立ち尽くす時坂九郎丸。 ――いい機会だ。 ――最近の僕は色狂いが過ぎる。 ――ここらでちゃんと、気を引き締めないと。 ――刀太君と並び立つ親友として、傍にいたいと誓ったじゃないか。 ――昼間のような体たらくではいけない。毎夜身体を重ねるのは、今後少し自重しよう。 つらつらと、九郎丸の頭の中でもっともらしい言葉が次々浮かんだ。 だけれど。 最後に九郎丸を支配したのは単純明快であまりにも魅惑的な事実だけだった。 ――彼に抱かれるととても気持ちいい ――彼に抱いてもらえるととても嬉しい 今や九郎丸の胸はもはや成人女性の平均サイズまで大きくなっていた。刀太が時々こっそりチラ見し、気まずそうに目を背けてもいたそれ。既に桜色の先端が自己主張を始めている。 刀太の寵愛をたっぷりと受け、もはや調教済みと言ってもいい身体にさせられてしまったことを、夜が来る度そこが濡れてしまうような体になってしまったことを自覚した。 そして。 単純明快な本能と衝動に全てを支配された。 「のわっ!?」 気が付くと、ベッド下段で眠ろうとする刀太のところへ九郎丸は飛び込んで。 いきなりのしかかられた刀太は、仰天しながら抗議の声を上げようと、 「あにすんだよ九郎ま……」 しかし、できなかった。 いつも穏やかな相棒の顔は紅潮し、その上で泣きそうに歪んでいたからだ。 九郎丸は刀太の胸にギュッと顔を埋めた。 「ど、どうした!?」 「ううぅ……」 「……お前、泣いてるのか?」 「うううぅぅうぅうぅうぅぅうぅぅぅぅぅ」 唸り声のような嗚咽を漏らす九郎丸。その肩がいよいよ震え始めたのを見て、刀太の困惑も頂点に達しつつあった。数分前まで普段通りだった九郎丸に、いきなり抱きつかれて泣かれているのだから。 抱いて、なんてあまりにも直球な台詞、九郎丸にはとてもじゃないが言えなかったのだ。 どうしようもない身体の疼きと、それを抑えきれなくなった自分をただただ浅ましいと思い軽蔑する葛藤。男として、友として並び立ちたいと言いながら、女として抱かれるのを我慢できない自分。彼の為と言いながら結局は自身の快楽に敗けた自分。 九郎丸は仰向けの刀太の腰のあたりに跨り、顔を刀太の胸に埋めて寝巻のシャツを両手で強く強く握りしめた。 もはや常のような感情のコントロールなど不可能だった。羞恥と自己嫌悪と罪悪感が入り混じって爆発的に膨れ上がった刀太への気持ちと一緒になり、ぐちゃぐちゃになってしまった九郎丸。 もはや堪えきれなかった。 相変わらず顔を刀太の胸に埋めたまま、九郎丸はその言葉を口にした。 ずっと前から自覚していたその気持ちを遂に吐き出してしまった。 「……………すき」 「え?」 「……僕は、……刀太君が、…………すき、だ」 「くろう、丸」 「ホントに、……好き、なんだ」 「……………………」 その後は言葉にならなかった。 そのまま肩を震わせて嗚咽を漏らすだけとなった九郎丸。 あまりにも突然の告白を受けた刀太はとりあえず、その細い身体を抱きしめて、背中をあやすように撫でてやる。 九郎丸の言葉を噛み締めるように、無言のままで。 「……落ち着いたか?」 少し経ってから、頃合いを見て刀太は九郎丸に優しく声をかけた。 「ぼく、う、ぼく、とうた、く、ことすきで、」 「落ち着いてないのかよ。 ………分かった分かった、こういうのはずっとうやむやにしてた俺のせいだな。 すまねえ」 「ち、違っ……」 「九郎丸」 刀太が九郎丸の伏せた顔にかかる前髪を上げて、その綺麗な面貌を露わにした。 それにつられて思わず濡れた瞳で顔を上げた九郎丸は、その真っ直ぐな視線を受けて、 「『俺も』だ」 身体を起こした刀太に抱きしめられ、……唇を重ねられた。 「………!!」 今度は九郎丸が目を白黒させる番だった。 そして、それが先ほどの告白の返事だと遅れて気付く。 あふれ出る気持ちの奔流そのままに、ガバッと両手で身体を起こした刀太に抱きつき、自分からも進んで口づけた。 勢い余って再び刀太を押し倒すような形になる。 この瞬間を持って、二人は「つがい」となった。 不死者にとって、その意味は定命の人間よりもっと重い。「一生」が一体何百年、あるいはもっと長く続くのか知れず。 どころか「死が二人を分かつ」こともない。 ただ、この場の二人にとってはそれはどうでもよいことだったかもしれない。 刀太はそんな未来の話など気にするタマではなかったし、九郎丸はあふれ出る歓喜で思考がショートしっぱなしだったからだ。 何分経ったろうか。 どちらともなく、二人のゼロだった距離がようやく離れる。 刀太は照れ笑いで、九郎丸は高揚と微かな情欲で顔を赤らめながら。 「はーっ、はーっ、はーっ」 「息が荒いぞ、九郎丸。なんだよ、そんなに嬉しかったのか?……イテッ!」 むーーーーーーーーっ、と瞳を潤ませながらも頬を膨らませた九郎丸がデリカシー皆無の己の相棒……いや、「恋人」の胸を拳で叩いた。 もっとも、その刀太の発言も多分に照れ隠しだったのだが。 少し拗ねた表情をしていた九郎丸だったが、ふっと顔を横に逸らして。 ちょん、と刀太のシャツの胸のあたりをつまんだ。 「……………?」 「………………」 キスしてからずっと、九郎丸は言葉を発していない。だが。 九郎丸が最初に求めようとしたのは何だったか。 それは結局口にされなかったが、刀太がそのサインを間違うことはもはや無かった。 何しろそれは恥じらいながらも精一杯の気持ちがこもった、自らの女の意思表示なのだから。 「よっ」 「わやっ!?」 刀太が自分に跨っていた九郎丸の脇に手を入れ、ゴロン、と一気に身体を入れ替えて上下逆となった。 刀太に押し倒されているような形になった九郎丸。「恋人」を組み敷いている、その事実がいやでも刀太を興奮させた。 加えて九郎丸の寝巻は乱れて上はへその辺りまでまくれ上がって片方の肩を覗かせ、下は腰からずり下がって鼠径部を覗かせる。なにより紅潮した顔がいやらしい。 「……いいか?」 コク、と微かにうなずいた。 次の日の朝。 「あーーーー………」 心地よい疲労感と共に目覚めた刀太の目に入ったのは、一糸まとわぬ九郎丸のどこを見ても肌色な絵面だった。 会ってから初めてみるような穏やかな顔で寝息を立てている彼、否、「彼女」の整った顔を鑑賞する。刀太はとても起こしてやる気にはなれなかった。 (ちょっと無理させすぎちまったかも……) 初めてできた恋人だ。興奮しないのがおかしい。 だけど最後の方は九郎丸から「やめて」とか「許して」とか聞こえていた気がして、最後の方は反応も何も無かったような。 刀太がうだうだ九郎丸の寝顔を鑑賞しているうちに、片割れも目をボンヤリと開け始めた。 「んぁ、あ……うぅ」 寝ぼけ眼の九郎丸が艶がありすぎる吐息を漏らす。 刀太は思わずドキリとした。 「おはよぅ、刀太」 ふにゃりと笑った九郎丸に、刀太は一拍遅れて笑い返して顔を寄せ、唇を重ねた。 どちらともなく顔を離して、また微かに笑いあう。 「……あー、大丈夫だったか?身体」 「え?………っ!そ、その……あんまり、……良くないかも」 「わ、悪い」 「べ、べつにいいよ。 というかその、………胸が」 「胸?」 刀太が視線を落として改めてみると、九郎丸の胸はますます重量を増していて、裸の姿が目の毒だ。 九郎丸の可変式胸部装甲は本人的にはアウトな域まで成長していた。 ゴクリ、と音が鳴った。 「すっごいエロい」 「真顔で言わないでよ!? ……でもこれはちょっと……あんまり効果はないかもしれないけど、ちょっと刀太君、朝ご飯食べたら外で一戦稽古に付き合ってくれないかな。 正直違和感が凄くて。…………ちょ、ちょっとなんでそんなにじりよって」 「もったいねえってそんなの。 どうせなら、ここでもう一度「一戦」しようぜ……っと」 「………んーっ!?………ひょうら…………んぅ……………ぷはっ」 「………ダメ?」 「………うぅ」 同時刻。 「まったく、あの二人……!今日は掃除当番だっていうのに寝坊なんて。 九郎丸も近衛刀太もこういうことはしっかりしていると思っていましたが」 「なーに、二人そろって寝坊?珍しいこともあるもんね」 「これはちょっとばかりお灸をすえてやらなければ」 ぷりぷり起こる夏凛と、それに付き添うキリエが二人の部屋のドアを開けるまであと5分。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 08.1h [pink] - 2023/09/20 Walang Kapalit ★ | uplift ★ 5ちゃんねる