魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その9
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0001名無しさん@ピンキー2011/04/05(火) 21:36:23.53ID:WHeYlpuH
魔法・超能力・奇術・手品・超魔術・イリュージョン・超科学・呪術・不思議アイテムなどといった
非現実的能力を使ってイタズラや陵辱をする、
そういったシチュエーションに萌えるスレです。
SSの投下は一次・二次を問わず大歓迎。

(過去スレ)
魔法・超能力でエロ妄想
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083837007/
魔法・超能力でエロ妄想 その2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093667653/
魔法・超能力でエロ妄想 その3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145518730/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172923757/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187957540/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200565700/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その7
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220010667/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その8
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1249035881/

(これまでに投下されたSSの保管場所)
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

(関連スレ?)
ドラ○もんの道具を悪用してエロ小説 10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1245697976/
【職人】MC・催眠系総合スレ その6【求む】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1239192912/
世界や学校がエロくなる話
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1218197879/
0841不幸の手紙と、もっと不幸な生徒会室2019/03/26(火) 23:04:46.87ID:9Hvy53RE
>>838
「恥ずかしい目に遭ってしまう不幸の手紙とかとか」という一文を見て、思い立って書いただけのものを投げたいと思います。
2時間ほどで書き上げただけのモノのため、ゆるくご覧ください。
次レスから投下します。
0842不幸の手紙と、もっと不幸な生徒会室2019/03/26(火) 23:05:50.16ID:9Hvy53RE
【これは不幸の手紙です。これと同じ内容の手紙を3日以内に5人の知り合いに出さないと、あなたにHな災いが降りかかります。P.S.この手紙を無視して捨てたりしても、Hな災いが降りかかるよ!】


「なんですか、これは」
「なにって、不幸の手紙ってやつでしょう」
 生徒会室の会議机を埋め尽くす手紙の山。これが全部、学園中で出回った不幸の手紙というのだから驚きだ。
 俺たち生徒会役員がせっせと回収したその数、なんと200通あまり。俺や他の生徒会役員たちの中にも、これを受け取った被害者がいる。
 不幸の手紙なんてもう何十年も前に流行った遊びだろうに、まだこんなものが大流行してしまうのか。しかも、文面もずいぶんふざけている。
 
 生徒会長の梨生奈は、酷くご立腹の様子だった。
 梨生奈は一言でいえば才色兼備な奴で、校内でも指折りの美人でありながら、性格はトゲトゲとして高飛車。
 高嶺の花ともいえる彼女にこの手紙を送る命知らずはさすがにいなかったようだが、潔癖症の梨生奈は怒髪天といった様子だった。

「こんなふざけた遊びでこの学園の風紀を乱すことは許しません。すぐに処分しましょう。来月の朝会でもよく注意しないと」
「いやいや、生徒会長」
 そんな梨生奈に待ったをかけるのが、副生徒会長の真智。真智は梨生奈と違い、生徒たちの噂話などを広く集めてこの件を警戒していた。
「生徒会長、まんざらふざけ半分でもないみたいなんですよ。生徒の中には、この手紙を放っておいて実際に酷い目に遭ったなんて子もいるみたいで」
「貴方までそんなバカげたことを?」
「いや、あくまで噂ですけどね……海水浴で海に入っていたら突然水着がなくなって海から出られなくなったとか、温泉で確かに女湯ののれんをくぐったはずなのに男湯に入っちゃったとか、ダンス部では近隣の小学校での公演中にいきなりズボンがずり落ちた子もいたり……」
「くだらない。どれもただの浮ついた噂話。本人の気の緩みからくる失敗でしょう。そんなものを信じるなんて、まさにぼんやりしている証拠です」
 真智が噂を持ちかけようと、梨生奈はやはり手紙および被害者を全否定だった。
 実際のところ、にわかには信じがたい話であり、梨生奈の反応も当たり前ではあるのだが……それにしても、梨生奈は容赦がなかった。
 梨生奈は呪いの話を一蹴し、生徒会の皆が見ている前で、生徒たちから回収した手紙を一枚残らずシュレッダーにかけてしまったのだ。

 と、その時……
「イヤーッ!!」
 廊下の方から、耳を劈くような悲鳴が聞こえた。
 俺たちが慌てて生徒会室から飛び出すと、さっそく目に飛び込んできた光景は
「うおっ!?」
 俺のクラスメートの春奈がいた。ブラウスもブラジャーも脱ぎ捨てて、胸を抑えた状態でその場にかがみこんでいる。
 彼女に服を着るよう促しつつ話を聞いてみたところ、どうやら、服の中に虫が入り込んでしまい、虫が大嫌いな春奈はパニックになって、気が付いたら服を脱ぎ捨ててしまったのだという。
 ……そういえば、春奈からもこの手紙を押収したはずだ。
「ま、まさか、生徒会長が手紙を処分してしまったからでしょうか?」
「いや、そんなわけないだろ、春奈、もとから変なとこあるし……って、おわぁっ!? 瑠衣!」
 生徒会役員の一人で、自身が受け取った手紙を梨生奈に提出した後輩の瑠衣。彼女のスカートがきれいに裂けてパンティが丸出しの状態になってしまっている。
 さっき生徒会室から飛び出した拍子に、ドアにスカートが引っ掛かって破けてしまったようだ。瑠衣は黄色い悲鳴を上げて、裂けたスカートを抑えてその場にうずくまってしまった。
 
「いやぁぁっ!」
「なんだ、こんどは校庭か!」
 生徒会室の窓から校庭をみると、フェンスに腰かけてだべっていたと思われる女子生徒が、バランスを崩してフェンスに宙づり状態になってしまっていた。幸い、首が絞まったりはしていないようだが、逆さまになってスカートは全めくれ、身動きが取れない様子だ。
 その横でうずくまって倒れている別の男子生徒。どうやら彼は宙づりになった子を助けようとして、足を踏み外して股間を打ってしまったらしい。
0843不幸の手紙と、もっと不幸な生徒会室2019/03/26(火) 23:06:27.96ID:9Hvy53RE
「ちょっと、どうしたの? よく見えない!」
「うわっ! 千秋、あぶないぞっ!」
 俺に続いて窓の外を見ようと駆け寄ってきた書記の千秋が、足元に散らばっていたプリントで滑ってバランスを崩し、倒れそうになる。
 このままでは窓の縁にぶつかってしまう。俺は反射的に、倒れそうな彼女を支えようとして……
 手元が狂って彼女の胸をおもいっきり鷲掴んでしまった。
「いやぁぁぁぁっ! なにやっとんじゃこの変態野郎がぁぁぁ!」
「うぶぉあっ!?」
 刹那、千秋が放った殺人キックが俺の股間にダイレクトヒットする。掛け持ちしている剣道部で精神を鍛えていなければ俺は死んでいただろう。ちなみに、千秋も俺も、手紙を受け取ってしまい、生徒会長にそれを押収された被害者だ。
 
「キャーッ!」
「うわぁぁっ!」
「いやぁぁぁんっ!」
 ほどなくして、校舎のいたる所から大勢の悲鳴が聞こえてきた。ちょうど現在は下校時刻。学生はみな学園中に散らばっている。
 もちろん、騒動の根源(と思われる)、生徒会室も大混乱。
「一体どうなってるんだ! こんなエロハプニングが学園中で一斉に起こるなんて、偶然ではありえないぞ! やっぱりあの手紙だ!」
「いやぁっ! 私、手紙は処分されちゃったけど、まだハプニングに遭ってません!」
「由紀先輩、言いにくいですけど、汗でブラウス透けてます……」
「ひゃぁぁっ!」
「もぉーっ! 生徒会長、どうしてくれるんですか!」
 混乱の最中、被害に遭った生徒会役員たちが、一斉に梨生奈に詰め寄った。
 
「貴方たち、馬鹿なことを言うのはやめなさい」
 梨生奈、一刀両断。
「魔法や呪いなんてふざけたものはこの21世紀に存在しません。この学園の、日々の弛みです」
「だ、だって梨生奈も見ただろ? 俺が股間蹴り食らったの」
「それは自業自得でしょう」
 股間の激痛に耐えながらの訴えさえ、聞き入れてなど貰えなかった。梨生奈はあたふたする役員たちを見回し、あきれ顔でため息をつく。
「校舎内に虫がいたのは学園の清掃が行き届いていないから。スカートを履きながらフェンスによじ登るなど、注意も行儀もなっていません。スカートが破けたり、誤って女子生徒の胸を触れたりしたのは、貴方たちの不注意ではありませんか。すべて身から出た錆です」
 お、鬼だ。鬼がいる。魔法も呪いもないこの21世紀に鬼がいた。確かに一理ありとも言えるが、いくらなんでも、そんなになんでもかんでも突っぱねなくてもよくないか!?
 結局梨生奈は、手紙を処分した件については、微塵も悪かったとは思っていないようだ……。
 と、ともあれ、これで手紙は一通残らず処分されちゃったわけだし、これで事態解決、なのか?
 
 
 その数日後……
「生徒会長、これはどういうことなんだ」
 またも机に積み上げられた、不幸の手紙の山。
 だが、問題はその宛先だった。全部が生徒会に直接届けられたもので、しかも一通残らず梨生奈宛なのだ。
 
 どうやら、生徒会役員の誰かが、梨生奈の所業に腹を立て、手紙を処分した件について噂を流してしまったらしい。(俺じゃないよ)
 被害に遭った生徒たちは皆、手紙の呪いがかかったのを梨生奈のせいだと確信したのだろう。腹いせか、これ以上呪いが降りかかるのを防ぐためか、みんなで梨生奈に手紙を出したようだ。
「まったく、呆れたものですね」
 これでも涼しい顔をしている梨生奈の心臓はどうなってるんだろう。呪いが怖くないというのは本当のようだが、そもそも、これだけ呪いの手紙を集めてしまう自身の性格についても気にしてほしいもんだが。
 鬼、じゃなくて梨生奈は数日前と同じように、ためらうことなく手紙をシュレッダーに運んでしまった。
「おい梨生奈、大丈夫なのか?」
「なにがです?」
「お前の性格……じゃなくて、手紙を処分したりして、危ないんじゃないのか」
 正直、不安だった。先日のエロハプニングパラダイスのことを考えると、まんざらその手紙に効力がないとも言い切れないじゃないか。その手紙の危険性はいまだ痛みの引かない俺の股間が物語っている。
 しかし、梨生奈はつんとした表情で
「何を言っているのか分かりません。先日も言ったはずです、呪いなんてものは存在しません、と」
 意にも介さず、手紙を一通残らず廃棄してしまった。
 さて、何も起きないといいんだが……。いや、別に梨生奈がエロい目に遭うのはいいけど、その不機嫌で俺たちがとばっちりを食らうのは、ごめんだ。
 
 
 その考えをもって、この時、本気で止めておくべきだったのか……。
0844不幸の手紙と、もっと不幸な生徒会室2019/03/26(火) 23:07:52.80ID:9Hvy53RE
「この件はこれでおしまいです。そんなことより、生徒会便りの製作は進んでいるのですか?」
「いやぁ、だってこの呪いの手紙の件の記事、NGなんですよね? また書き直しですよ?」
「まったく、生徒会がこんなに浮ついているから、学園全体が……」
 梨生奈がいつもの自席に腰掛けようとして、「キャッ!」と悲鳴をあげて立ち上がった。
「どうした、梨生奈」
 梨生奈が可愛い声を上げたことにみんな心配して駆けよるが、梨生奈は酷く怒って、自分の椅子を指さしている。
「誰ですか、こんないたずらをしたのは!」
 見ると、梨生奈の椅子には、マーカーペン(太)が直立した状態で置かれていた。どうやら梨生奈はこれの上に腰掛けようとしてしまい、尻にペンを突き刺してしまったようだ。
 役員はみな顔を見合わせた。今日になってから、梨生奈の席に近づいた役員は一人もいない。第一、梨生奈はいま、椅子を引いて座ろうとしたはずだ。それなのに、直立したままペンが置かれているなんて現実的にあり得ないんじゃないか。
「偶然生徒会長の椅子の上にペンが落ちて、それが奇跡的に直立した状態でそこに? ……呪い、でしょうか」
 後輩の淳がぼそりと呟いたが、梨生奈に睨まれて怖気づいてしまった。

「なんですか、みなさん。そんな変な目で私を見て」
 梨生奈の機嫌が悪い。まぁ、あんなことがあった後だからな。
 だから、みんな口に出すのは躊躇った。だが、言わないわけにもいかない……とうとう、由紀がおそるおそると挙手をして、この深刻な事態の全容を告げた。
「生徒会長、あの、大変申し上げにくいんですが……椅子の背もたれにスカートが引っ掛かってますよ」
「えっ!?」
 あるある。パイプ椅子の背もたれの金具にスカートが引っ掛かって、尻丸出しになってるやつ。梨生奈がまさにその状態になっていた。まぁ、梨生奈がこんなミステイクをするのは普段ならあり得ないことなのだが。
 梨生奈は真っ赤になってスカートを正した。
「こういうことは早く言いなさい」
 まぁ、早く言うべきだったとは思っている。梨生奈の席はちょうど廊下側の窓に背を向けていて、通りがかった生徒からパンツが見えていただろうから。
 
「真智さん、そこにある修正ペン、とっていただけますか」
「はいはいー」
 てきぱきと仕事を進める梨生奈の頼みに応え、ペン修正液を梨生奈めがけてぽんと投げる真智。
「ちょ、ちょっと真智さん!」
 梨生奈は急なパスに応えられず、慌てて修正ペンを受け取ろうとして……
 キャップのところを受け止めたせいでキャップが外れてしまい、手から修正ペンが滑り落ち、おまけにペン先からスカートめがけて、修正液をぶちまけてしまった。
 白く汚れる制服。なんというか、非常によろしくない有様だ。
 梨生奈は立ち上がり、カンカンになって真智を怒鳴りつける。
「真智さん! 文具を投げるなんて、どういう教育を受けているんですか!」
「教育はこの学園で……じゃなくて、いやいや、そのくらいキャッチしてくださいよ! 八つ当たりでしょう!」
「零れる危険がある液体の入った容器を投げるなんて、正気ではありません!」
「いや、だって……まさか、そんなにしっかり止まったキャップが外れるなんて……」
 狼狽する真智。まぁ、取り落とすくらいはあり得るが、まさかこうなるとは思わなかっただろうな。修正ペンからこんなに液が漏れだすなんて普通はないし、第一、キャップは一回捻らないと開かないようになっているはずなんだから。
 やっぱり、何かがおかしいな……。
 
 
 梨生奈はかなり不機嫌だ。何を思っているのかは知らないが、呪いのことや、数々のエッチな目に遭ったことがさぞ気に入らないのだろう。
 こういうときに梨生奈に話しかけるとまずろくな目に遭わない。
 だから、みんな彼女に触れずに黙々と生徒会便り作りにあたっていた。
0845不幸の手紙と、もっと不幸な生徒会室2019/03/26(火) 23:09:07.39ID:9Hvy53RE
 しかし、皆がなにもしなくても……
「なぁ、今日、やたら校内に人が残ってないか」
 ふと思うと、時刻の割にはやけに生徒たちの帰宅が遅い。生徒会室の窓から駐輪場を見てみると、だいぶ自転車が停まっているようだった。
 ……もしかして、呪いの話を聞いている生徒たちが、何か起きないかとそわそわして帰らずにいるのだろうか。
「校内放送で呼びかけます」
 梨生奈は、生徒会室備え付けのピンマイクを胸につけ、校内放送に繋いで、下校を促すアナウンスをはじめた。
 隣で聞いていると、下校を促すだけでなく、口内の風紀についての説教まで始まった。本当にイライラしているようだ。
「なぁ、梨生奈。気持ちはわかるけど、校内放送を私物化するのはやめろよなぁ」
 梨生奈が淡々とした放送(説教)を続けながら、こちらをキッと睨む。もう、こういう梨生奈は放っておいた方が安全か。
 
 …w……w……
「……ん? 何の音だ?」
 スマートフォンのバイブ音。どうやら、梨生奈のポケットの中からのようだ。
 梨生奈は校内放送(説教)を続けながら器用にスマートフォンを取り出し、着信の内容を確認し始めた。
 と、その時、梨生奈が手を滑らせ、スマートフォンを取り落としてしまう。慌ててキャッチしようとする梨生奈。しかし、不運にもスマートフォンは梨生奈の手から跳ね上がり
「あっ!」
「!?」
 なんという偶然、梨生奈の胸元にスマートフォンが滑り込んでしまった。
「あっ……ちょ……」
 梨生奈が一瞬動揺するが、校内放送の真っ最中。話を途中で中断できず、梨生奈は放送を続けながらも、服の中に入ってしまったスマートフォンを取り出そうと四苦八苦しはじめる。
 話内容にはブレがないし、まったく、なんて器用なんだ。下手に手出しをすると後が怖いので、俺たちは心配しつつも、彼女を見守っていた。
 と、服の中に入ってしまったスマートフォンが、服の中でさらにずり落ちて、ブラウスの下、スカートの中あたりにまで落ちてしまったようだ。そしてその直後
 ……www……www……
 またバイブ音だ。梨生奈のちょうど股間のあたりから響き渡る、大きなバイブ音。スカートに引っ掛かる場所はないはずだし、まさか、パンティの中に滑り落ちた? いや、そんな、下着の構造的にあり得ないんじゃぁ……
 ……wwwwwwwww……
「あっ……!」
 全員の視線が梨生奈に向く。いまの声、ただ驚いた悲鳴ではない。明らかに、露骨な色気を含んだ喘ぎ声だった。
 まさか、パンティに潜り込んだスマートフォンの振動で……
 そして、不幸にもその声は、校内放送を通じて全校に響き渡ってしまった。生徒会室からも聞き取れる、校内がざわつく声。

 …………。
 校内放送(説教)は滞りなく、それはもう滞りなく終わり、マイクが切られる。
 生徒会便りの作業に戻った梨生奈はとうとう何も言わなくなった。
 まぁ、いまのはここにいる誰も手を出していない、自業自得だから仕方がないはずだ。本人もそれはわかっているはず。
 しかし、なんで俺たちがこんな気まずくならなきゃならないんだ。
0846不幸の手紙と、もっと不幸な生徒会室2019/03/26(火) 23:09:45.61ID:9Hvy53RE
 それからまたしばらくして、イライラしながら作業をしていた梨生奈が、不意に席を立ち、生徒会室を出ていってしまった。
 不機嫌極まって帰ったか? いや、アイツはそんな無責任なことはしない。大した用事じゃないだろうし、すぐ戻ってくるだろ。
 
「ん、いま誰かドア開けた?」
「いや?」
 ドアが開いた音が聞こえたような気がした。だが、生徒会室の戸は梨生奈がきっちり閉めていったままだ。
 はじめは空耳かと思ったが……
「あれ、また聞こえた」
 今度は確かに聞こえた。木製のドアが軋む音。ガチャンと鍵がかかる音。
「これ、放送から流れてません?」
「本当だ。放送部め、ついに生徒会に無断で環境音を流し始めたか」
「いや、放送部は生徒会長に叱られて、今月は放送自粛のはずじゃぁ」
「あぁ、そういや無断で音楽流して注意されてたんだっけな、曲はなんだっけ、あれだ」
「「「20センチュリー・ボーイ」」」
 鬼の居ぬ間に馬鹿な話をしていると、また校内放送から妙な音が聞こえてきた。
「……ん、なんだ……?」
 水が滴るような音。まるで水たまりにホースで水を流しているような、それでいてなんだか勢いがある水音のような?
  
「…………!!!」
「えっ、ちょっと、これは!!」
「由紀、早く伝えてこい!!」
 そうだ、梨生奈、ピンマイクをつけたままだったんじゃないか? あれ、でもスイッチは切っていたような?
 とにかく、音の正体が分かった。生徒会室はまたも騒然となり、由紀に命じて直ちに女子トイレへと向かわせた。

 ほどなく、校内放送に交じるノック音。
『生徒会長ッ! マイク、マイク入ってます!』
『えっ!?』
『校内に響いちゃってますよ! オシッコ止めて!』
『なっ!』
 由紀のバカめ!!!
 ……慌ててマイクが切られる音がするが、後の祭りだ。校内放送で響き渡る、音の主の名前と、音の正体。さらにざわつく校内。生徒会室にいる俺たちはというと、もう、俯いて梨生奈の帰りを待つことしかできなかった。
  
 数分後、怒りと羞恥の表情で、耳まで真っ赤っかになった生徒会長が戻って来た。
 この生徒会室に帰ってくるまでの間も、生徒たちにひそひそ噂でもされただろう。もう俺たちがなんと声をかけても無駄だ。目を合わせてはいけない。殺されるか、石にされる。
「せっ、生徒会長……あの、続きは僕らでやっとくんで、今日は……」
 よくぞ言った淳。こんな不機嫌特売セールな梨生奈とこれ以上一緒に仕事なんて、賽の河原の石積が可愛く見える苦行だ。

 梨生奈も、さすがに居心地が悪かったようで。顔を赤くして、表情が固まったまま
「……ありがとう。それじゃぁ、よろしくお願いします」
 鞄を持ってそそくさと帰ってしまった。俺達には顔も合わせない。そりゃそうだ。合わせようがないだろう。

 ……だめだ、俺達には勇気がない。背負ったカバンに引っ掛かってスカートがまくれ上がっていることを指摘する勇気なんて……
 
 FIN?
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