素直クールでエロパロPART15
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無しさん@ピンキー2011/06/07(火) 03:53:28.93ID:V3BcBp1k
ふたば☆ちゃんねる落書き板の天才によりツンデレに対抗すべく、
新たに"素直クール"なる言葉が誕生した。
ツン→素直 デレ→クール
ガチで愛してくれるが、人前であれ、好意に関してはストレートかつ
クールな表現をするため、男にとっては嬉し恥ずかし暴露羞恥プレイ。
しかし、どこか天然。言葉萌えのツンデレ、シチュ萌えの素直クール。

ここはそんな素直クールのエロパロスレです。
荒らし、煽りはスルーでお願いします。
・職人に対し注意予告の依頼は止めましょう。スルーは自力で。
・職人の投下しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。
・ネガティブな意見はなるべく控えましょう。
 理由もなく「嫌い」などの意見はスレには必要ありません。

前スレ
素直クールでエロパロPART14
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1284559058/

過去スレ
素直クールでエロパロPART13
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1266626964/
素直クールでエロパロPART1
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1139830862/
素直クールでエロパロPART2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1151146736/
素直クールでエロパロPART3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1165760283/
【エロパロ】素直クールでエロパロPART4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1177753262/
素直クールでエロパロPART5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182429786/
素直クールでエロパロPART6
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191464305/
素直クールでエロパロPART7
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197548369/
素直クールでエロパロPART8
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1202454157/
素直クールでエロパロPART9
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212939321/
素直クールでエロパロPART10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1224945913/
素直クールでエロパロPART11
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237301421/
素直クールでエロパロPART12
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1249978294/

保管庫(エロパロ板)
http://derheiligekrieg.h.fc2.com/cool.html

保管庫ミラー(現在のエロパロ板最新保管庫はこちら)
http://red.ribbon.to/~hachiwords/scool/

素直クール保管所(全体)
http://sucool.s171.xrea.com/

素直クール保管所(ほの板・最新VIP)
http://www16.atwiki.jp/sucool/
0020クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 10:54:44.40ID:uDwQDblV
クール感染です。タイミングがよろしければ投下させていただいてもよろしいですか?
0022クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:13:28.29ID:uDwQDblV
あの日、そうあの中途半端で俺としては正直生殺しにされた気分のまま透子の家からお暇したあの日から、1日がたった。
つまり、今日はその翌日だ。
教室に入ると同時に目に入ったのは、一カ所に固まった男子生徒の群れだ。
「どーした?お前ら」
「あぁ、大谷か。実は篠木さんのことなんだが…」
「透…篠木って転校生がどうかしたのか?」
「あの子…隙がない」
え?
「隙?」
「あ、あぁ、なんというかその…他の女の子みたいにキャッキャ言う子でもなさそうだし」
「は、はぁ…」
「わ、わかるか!?そう!例えるならば組織の女スパイ!」
「落ち着け」
確かに、あいつは別に近寄り固いってほど陰険なオーラは出してないんだけど、話すための話題が見つからない。謎すぎて。
「ミ、ミステリアスってことか?」
「そぉだ!!」
そうかな…
0023クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:18:38.82ID:uDwQDblV
「そこでだ、誰が最初に篠木さんに話しかけるか?またどんな話題で話すか協議していたところなんだ!」
は、はぁ…。確かにあいつは一見ミステリアスだ。学校では表情もなかなか大きな変化も見せないし、他の女生徒と話してるときも時々微笑むだけだ。
「なぁ大谷!?お前ならどう話しかける!?」
ラグビー部と相撲部に両肩を掴まれわっしわっしと揺さぶられる帰宅部。
お前ら俺を殺す気か?

それから同じような問答を繰り返し、俺の頭は数十往復以上は揺さぶられもうそろそろ意識ともオサラバかというところまでいったところで

『トントン』

肩を叩かれた。
グワングワン揺れる脳に翻弄されながら、後ろを振り返った

透子だった
0024クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:21:15.45ID:uDwQDblV
「おはよ」
「え?」
それだけ言って、また透子は自分の席の椅子に腰をかけた。
え?
そんな顔をしなでくれ、我が同胞たちよ!俺だって意味がわからないんだ!
「ね、ねぇねぇ篠木さん!俺には!?ねぇ俺には!?」
「おはよ」
「お、俺にも!」
「おはよ」
「私にも!」
「おはよ」
ただの挨拶でここまで必死になれる情熱、それをもっと別のものに回して欲しいんだけどなぁ。
お前らだ、お前ら男子のことですよ!
0025クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:25:19.54ID:uDwQDblV
授業中のあいつは、背筋がピシリと伸びて、お手本かとでも言いたいくらいに姿勢、書き取り、傾聴…なんというか、隙がない!!確かに奴らの言う通りだ!
それは授業中でなく休み時間でも言えることで。その休み時間が訪れ、先ほどの野郎どもはまたしても同じように緊急集会を催しているんです。
「おい大谷!」
「は、はい!」
まさか体育倉庫に来いとか言わねーだろな?ただの挨拶だからな!お前らだって挨拶したじゃん!
「篠木ちゃんの…好きなもの…聞いてきてッ♪」
おいラグビー部。好きなものってなんだよ
「好きなもの聞いてよ、プレゼントするって結論に辿り着いた」
「いきなりプレゼントってかなり勇気いるぞ!?」
「仕方ねーだろ!話題が見つからないんだからよぉ!」
「…はいはい、聞けばいいんでしょーもう…」
好きなものか…確かに知りたくはあるな。
0026クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:27:06.03ID:uDwQDblV
野球部の坊主ジョリジョリ攻撃を背中にうけながら、俺は透子の席に踏み出すことにした。
「よ!」
「優」
うん…何から話せばいいのかわからない。いきなり好きなもの聞いてもおかしいし…。
「こ、この学校には慣れたか?」
「えぇ、概ね慣れたわ。ところで何の用?」
隙がねぇーーー!!!
「え、えっとだな…」
あるんだ。用はあるんだ!でもなんか言い出しにくい
「?用事は無いの?別にそれでもいいけど…」
「あぁ…じゃ、聞くぞ?お前の好きなものってなんなんだ?」
「優」
おっと…。
「ありがとう。でもそうじゃなくてさ。好きな食べ物とか、そこらへんを聞いてるんだ」
「…」
しばらく、なんとも気まずい1分間を沈黙に費やした後、透子が答えたのは
「お茶漬けかしら」
「お茶漬け!?」
「好きなものなんでしょう?」
間違ってない。間違ってないんだけど何か間違えてる。
「あ、あぁ。お茶漬けね。ありがとさんっ」
「どういたしまして」
意外に渋い。
0027クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:28:40.21ID:uDwQDblV
津々浦々のお茶漬けのふりかけを買い求めに奔走しにいった男子生徒たち、帰りにケーキ屋に寄るのを楽しみに下校した女生徒たちの姿はなく、教室には俺だけが残されていた。いわゆる掃除当番という奴だ。
「はぁ、あとはここで終わりだな」
別に俺はクラスから孤立してるわけでもパシリにされてるわけでもない。男子生徒の奴らは、今日だけ俺がやればのこりの日は全部やるそうだから気楽なもんだ。
「で?お前は他の女の子とケーキ屋行ったりしないのか?あんなに誘われてたのに」
「今日はいいの」
教室に残っていたのは俺だけじゃなかった。
「掃除は終わった?手伝おうと思ったんだけど」
「いーよいーよ、今終わったし…さ、帰るか」
「待って優」
なんだ?こいつは課題で残されてるのか?それとも実はこいつ几帳面で俺の掃除が甘いとかなんとか
「昨日の夜のこと、謝らせて」
このタイミングで!?
0028クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:32:31.84ID:uDwQDblV
透子がわざわざ教室に残っていた理由が謝罪したいから?
「謝らせて」
透子がズイっとこちらに踏み出してくる
「い、いやあれは誰が悪いとか、そういうのじゃなくてだな」
「でも私の気が済まないわ」
そう言いながら、どんどんこちらに詰め寄り、ほとんど体が密着しそうになる。
「…じゃあひとまず謝られておきましょう」
「ごめんなさい」
「はい、許しましょう!」
透子は珍しく緊張した表情から、いつものように落ち着いた顔に戻ったあと、姿勢をかがめ、俺のズボンのジッパーを下ろしは…じめ…
「な、なにをする!」
裏切られた刑事のようなセリフを吐きながら、俺は驚きと抗議の声を出した。
「昨日の落とし前だけど?」
落とし前だけど?じゃねーよ!あとそのヤクザみたいな言い回しやめて
0029クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:34:17.75ID:uDwQDblV
カチャカチャとベルトの金属音を鳴らせたあと、透子はゆっくりと俺のズボンを下ろした。
「透子…そこまでする必要はないと思うんだけど」
「ダメ」
即答かよ。それにしても、緊張するというか、威圧されてる気分だ。蛇に睨まれた蛙の気分がよくわかる。
下着をそっとズラしたあと、透子の目が僅かに見開いた
「…っ…」
そんなに驚いたように見られても困る。俺だって恥ずかしいわ。
「…んっ…」
透子が行動を起こすまで5秒もたたなかった。突如、さっきまで驚きの対象であったものを透子はくわえたのだ。
「ちょ!?」
「ん」
苦い顔をしながら、あれこれ試行錯誤するように、顔の角度を変えては、先から根元まで丹念に舐めとる。
「お前っ…なんか…上手くねぇ…!?初めてじゃないのか?」
「初めてだけど?」
口を離して、また首を傾げながら透子はこたえた。
「あ、あぁ、そうなのか」
「下手かしら?やっぱり」
そういって透子はまた行為を再開した。えぇすごく上手いです。
0030クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:40:19.08ID:uDwQDblV
時折、俺の様子を心配するように、上目づかい+涙目でこちらを見てくるこいつ。ジュパジュパと粘着質な水音が教室になりひびき、誰かに聞かれてやしないかと少し心配になる。
透子の舌が、まるで別の生き物のように絡みついてはズルズルと竿を這いずり回る。
「くっ…と、透子?も、もうそろそろ出る!」
「ん」
了解、とでもいいたいのか?透子はそんな声を出した後、今までになく激しく舌をうごかした。ふぅ、ふぅ、と息を荒くしながら、口から銀色の糸を大量に垂らしながら。
「あぁっ…ちょっタイム!ティッシュ出すから!」
「んっ!んぅ!ちゅ…」
その言葉を拒むかのように、透子は先から大きくほおばり、吸い始めた
「おっおぉい!話聞いてたか!?うぁ、ダメだ!」
俺の背中に電気が走った。と、同時に下半身が大きく脈打ったあと、昨日のモヤモヤとドロドロとネバネバが思いっ切り出ていった
「んぐっ!?ふ、ぅん〜…ん…!」
透子の口に。
「ん…ぷはぁ…ゆ…優?気持ちよかった…?」
眠そうなくらいに目をぼんやりとさせた透子がそれでも俺を気遣うように聞いてきた。えぇ最高でしたとも…。
「じゃなくてぇ!お前っほら、汚いだろ!ほら吐き出しなさい!このティッシュに!ペッペって」
「もう飲んだわ」
「…」
もう突っ込む気が起きない。もう下校時刻が近い。はぁ…
0031クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:45:55.61ID:uDwQDblV
そして慌てて身支度を整え、透子を家まで送り、透子の家の前で何事もなかったかのように二人して透子のおばさんの世間話を聞いた後、何事もなかったかのように透子と別れた。そう、何事もなかったかのように、透子は手を降って…。
次の日の朝、透子の机の周りに人だかりができていた。成分はもちろん男子生徒。
「おう大谷!」
男子生徒の大半の奴らの手には地方限定のお茶漬けの素が握られている。
ま、まさか昨日のうちにこんなに買ってきたの!?
「優?」
そして透子の机の上には袋の山。
「そぉだ大谷ぃ…透子ちゃんによぉ?話題作りのために茶漬け以外の好きなもの聞いたんだよなぁ、俺たちゃ」
「へ、へへぇ」
初めからそうしなさいよ…。なんとなく冷や汗が垂れる。
「何て言ったと思う?」
「シュ、シュークリームとか?」
「違うんだよなぁそれが」
おいまさか
「優だけど?」
それがなにか?という顔で俺を見る透子。その周りに、握り拳をたて俺を睨む『元』親友たち。
俺は今日、無事に学校から帰れそうにない。
おわり
0032クール感染 ◆cfiYrmwCzw 2011/06/11(土) 11:47:37.65ID:uDwQDblV
今回はここまでです。
次こそはエロメインで本番いきたいなぁなんて思いつつ、文章力を鍛えます。

お読みいただきありがとうございました!
0039名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/29(水) 00:28:02.45ID:tZLGBaS6
では
0047名無しさん@ピンキー2011/07/14(木) 20:19:24.97ID:ewU/TiZu
「君たちの保守の精神は素晴らしいな、一瞬惚れてしまうところだったよ」
0049名無しさん@ピンキー2011/07/16(土) 18:44:38.39ID:4WMSTIJv
「なんせ私には先約が居るからな。」
「マジかよ!どこの馬の骨だよ!」
「ふふふっ彼の保守を一度受けた瞬間から病みつきになってしまってな、あぁ思い出すだけでっ!」
「クラス1のクール女の>>47さんが人前でノロケるだと…」
「くそっ!どこの羨ましい奴だよ!」
「何を言っているんだ?こんなに近くにいるじゃないか」
といって女は後ろの席でふて寝していた男を引っ張り出す。
「なっ>>47っ!いきなり何しやがるんだよ!」
「こいつがその先約だ。」
>>44>>45>>46、どうして俺の方見てるんだよ…俺なんかしたの?めっちゃ怖いんだけど」
「「「…キ・サ・マ・かぁぁぁ!!」」」
「ちょ…まっ…ああああ!!」
男達はダッシュで教室を出ていった
昼の授業、彼氏の顔にはかわいい動物柄の絆創膏が張ってあった。

誰にでも素直クールなのが大好き。
0051名無しさん@ピンキー2011/07/18(月) 16:59:55.82ID:8nfhbMbu
スレの過疎化に保管庫の滞りも原因なんだろうな。どうにかならないものか
0054名無しさん@ピンキー2011/07/25(月) 23:42:29.79ID:CFysgNtS
ありそうで微妙に思いつきにくい属性な気がする。
投下までするとなるとさらに。
0056 ◆6x17cueegc 2011/07/26(火) 03:00:48.31ID:stLtZJgs
こんにちわこんばんわおはようございます、いつもの人です
単品書いてきました

・エロあり
・グロ、スカなど注意要素多分無し
・ヒロインに一癖二癖あり
・夏休み時期ネタ

ではどうぞ
0057たかが3割、されど3割 ◆6x17cueegc 2011/07/26(火) 03:02:30.76ID:stLtZJgs
「ヒロ君、少し寒くないか」
 カフェに入るなりナル姉は鞄に詰めてあった上着を取り出して羽織る。きょろきょろと天井を見上げて空調か
ら一番遠い座席に腰を落ち着けた。
「てか暑いよ」
 最近は節電とか何とかで、例年に比べればこの店だってエアコンの設定温度は高く設定されている。さっきま
で噴き出していた汗は止まったが寒いと言うほどでもない。むしろ火照った肌に冷風は心地よいくらいだ。
「ホットカフェオレ」
「アイスコーヒー」
 注文を取りに来た店員はわずかに顔をしかめたが、すぐににこやかに表情を作り直して厨房へ下がっていっ
た。
 置かれていったお冷やを一気に飲み干して一息吐くと、上着の前を寒そうにかき寄せて身体を強張らせたナル
姉が自分にあてがわれたグラスを恨めしそうにこちらに押し退けてくる。こんなに寒いのになお氷水を出すなん
て一体どんな店なのだ、と内心憤慨しているに違いない。滅多に表情を崩さないから、ある程度付き合いが長く
ないと予想もつかないが。
「……遅い」
 そんなに早く出てくるわけがないのは彼女も分かっているはず……はずだ。
「言いたいことがあるなら言えばいいではないか」
「八つ当たられるのは勘弁」
「八つ当たりなんてしない。夏に冷房を強くすることがいかに無駄で意味のないことかを」
「世の中じゃそれを八つ当たりって言うんだよ」

 ナル姉――宇佐見鳴海――は大学で知り合ったときからこんなのだった。大学の資格サークルの勧誘会で初め
て見かけたとき、酔いに任せてサークルのメンバーと大論戦を張っていた。てっきりサークルの一員なのかと思
っていたら、勧誘される側、つまり自分と同学年と聞かされたときには驚いたものだった。
 俺に自分のことをナル姉と呼ばせているのも『私は浪人してキミよりも年が上だから、ただナル、と呼ぶのは
なれなれしい』と言い出したのがきっかけだ。その頃には既に恋人同士になっていたのに随分今更なことを言う
ものだ、とも思ったが、そこは彼女に口でやりこめられたというか丸め込まれた。
「君は人を思い遣るということを知らない」
「真夏に長袖を着込んでるアンタをどうやれば思い遣れるんだか分かりません」
「それは奇遇だな。こんなに店内は寒いのに半袖のまま平気な顔をしているだなんて想像もつかない。見ている
 だけで寒くなるよ」
 まだ運ばれてこないのか、とちらちら厨房のほうを見ながらそんな悪態をつく。確かにこっちだって汗だくだ
が、新たな汗の噴出は止まっているのだから異常な暑がりのような扱いは止めてほしい。顎を伝って垂れてきた
汗をおしぼりで受け止める。蒸しタオルがほんのり温かくてまた汗が出てきそうだ。
「温かい。きちんとサーバーに置かれているおしぼりは後世に伝えていくべき素晴らしい文化だと思わないか、
 ヒロ君」
 目を見開いたまま寝言を言う彼女にどう返事をしようか考えていると店員がようやく飲み物を持ってくる。ナ
ル姉が待ちわびたとばかりにさっさと自分のソレを確保して一口啜ると、ようやく落ち着いた表情を見せた。
「この時期は苦手だ。こういう店でないと温かい飲み物が手に入らない」
「自販機も『つめた〜い』ばっかりだからな。……コンビニとか行けばあるんじゃないの?」
「あんな氷室に好きこのんで入る趣味はない」
 ちび、と彼女がまたカップを啜るのを横目に、自分のアイスコーヒーにガムシロップとコーヒーフレッシュを
放り込んでストローでがしがしかき回す。両手でグラスを包み込むと手先がひんやりとして気持ちいい。頬ずり
したいくらいだ。
「遊んでいないでさっさと飲め。行儀が悪いだろう」
 彼女の言い分ももっともだとストローを思いっきり吸いあげる。あっと言う間に液体部分がなくなる。案の定
氷が多い。
「そこまで急がなくてもよかったのだが」
 彼女のカップにはまだ半分以上カフェオレが残されている。
「私も急いだほうがいいか?」
「いや? ゆっくり飲んでるのを見つめてニヤニヤしてるからご心配なく」
「そうか」
 一旦取り上げたカップをテーブルに置き、こちらを見返してくる。そのまましばらくお互いが無言で見つめ合
う羽目になった。
0058たかが3割、されど3割 ◆6x17cueegc 2011/07/26(火) 03:03:10.94ID:stLtZJgs
 視線を外すのは負けだと思う。視線を外すということはすなわち生存競争での負けを意味する。山で熊と出く
わしたときも、目を見ながらそっと後ずさりするのが正しいとも聞く。簡単に折れてしまうのは癪だ。
 改めてナル姉の面体をまじまじと観察する。正直、美人ではない。童顔で身長も低いほうだ。俺のことをロリ
コンなどと言う奴が陰に日向にいるが、ロリコンはこんな面倒な女を相手にしないと思う。いや、子供のように
駄々をこねるところがあるからむしろ好物なのだろうか。
 また、寒そうに見えるのは厚着をしているからというだけではない。寒がりな上に出不精だから日に当たって
おらず肌が病人のように白いのもそう見える理由の一つだ。ちなみに、扇風機を全力でブン回しつつ自室でじっ
としているのが彼女の夏のスタイルだ。出不精のくせにエアコンを敵視している上、暑いのに特別強いわけでも
ないから自然とそうなったらしい。
「……ヒロ君、何か喋り賜え」
「見つめてるって言っただろ?」
「君は私のことを馬鹿にしているのか。久しぶりに君に会えたのに声が聞けないのでは意味がない。顔面偏差値
 が人並みの君に私がベタ惚れしているのは君のバリトンが大きくウエイトを占めているから、というのは以前
 にも伝えたことがあっただろう?」
 これで本人は褒めているつもりなのだからどうしようもない。貶める言葉は一言も言っていないから何も問題
ないだろう、というのが彼女の言い分だ。事実、確かにどこかの出来が悪いと言われたわけではない。
 それでもこっちが気分を悪くする可能性を全く考慮に入れていない彼女の物言いは、以前なら度々騒ぎの原因
になっていた。その度に宥め、すかし、後始末をしていたのは大概俺の役目。お陰で多少の彼女の褒め言葉
(?)では動揺しなくなっている。嫌なスキルが身についたものだ。
「……まあいい。こういう恋人同士らしいこともたまにはいい」
 何か一人で納得してカップの中をぐい、とやる。口の端についた液体を舐めあげるとまたこちらをじっと見つ
めてくる。
「顔がにやけそうだ」
「少しは表情崩してからそういうこと言ってみたら、ナル姉?」
「口角が3mmくらいあがっているぞ」
「そんなもん、普通は誤差の範囲だ」
「その誤差を見切ってくれるのが彼氏ではないのか」
 憤慨した振りをしながら机に置いた指でトントンと音を鳴らす。機嫌がいい証拠だ。
「なら俺の変わったところも分かるんだよな?」
「髪を2週間前に切った。体重が少し、2kgくらいかな、落ちた」
 恐ろしいことに全て当たっている。ストーカーのようで気持ち悪い。
「ストーカーみたいで気持ち悪いと思ってる」
「そりゃ思うだろ。なんで分かるんだよ」
「髪は長さで前回切ってからの間隔は想像がつく。体重は薄着だからな、見た目でなんとなく分かる」
 この女、相変わらず怖い。
0059たかが3割、されど3割 ◆6x17cueegc 2011/07/26(火) 03:04:12.79ID:stLtZJgs
 * * * * * *

 扇風機にあー、とやりたくなるのは本能だろうか。
「あ゙〜〜〜」
 帰宅して早々、エアコンを弱めに入れて扇風機は最強に入れる。顔を押し退けるような強風に目をしばたかせ
ながら吠えていると、背後に人影が立った。
「子供のような真似をするのが好きだな、ヒロ君は」
 嘆息しながら俺の隣へ腰を下ろすナル姉が首を振るスイッチを押し込んで俺から風を奪っていく。彼女のこと
を気遣ってエアコンは最小限に留めているんだから扇風機くらい独占してもバチは当たらないのではないか。
「私は扇風機の風は好きだ。もう忘れてしまったか?」
 まさか、と首をすくめてみせる。大学の通路に置かれていた業務用のオレンジ羽の強力扇風機の前に1時間以
上陣取っていたせいで風邪を引いたとき、面倒を見させられたのは他ならぬ俺だ。
「ならそれくらい我慢したまえ。わざわざこんな田舎にまで会いに来たのだから、それくらい譲ってくれたって
 いいだろう?」
「田舎って、ナル姉が今住んでるところだって大して変わらないだろう」
 一昨年、地元で上手いこと就職先を見つけて戻った俺と、同じ大学の大学院に進んだ彼女は絶賛遠距離恋愛中
だ。まだ学生(と言うと決まって、自分は修士生だ、と怒られるのだが)の彼女が夏休み期間を利用してこっち
に遊びに来た格好のお泊りは2泊3日の予定。ヒロ君のウチに泊まっていくつもりだがそれでもいいか、と訊いて
きたときは自分も多少は好かれているのだとうれしくなったものだった。
「だから田舎だと言っているんだ。大学のキャンパス以外何もないところとこの辺り、どっちがより都会だ?」
 答えに窮する質問をしてくる。この辺りも娯楽がパチンコ屋だけなところは変わらない。向こうには大学とい
う立派な教育機関があるからこちらのほうが分が悪い。
「そんなこちらが不利になる質問には黙秘します」
「卑怯な真似を……あ、こら」
 ナル姉の隙を突き、扇風機の首をこちらに向けて風を強奪する。Tシャツの襟から風を入れると上がりすぎた
体温ががくっと下がった気がした。
「私の扇風機を」
「じゃあ俺のエアコンには全開で働いてもらおう」
「わがままだな君は」
「どっちがだよ」
 ナル姉はエアコンのリモコンをいつの間にか手にしていた。何かの信号を本体に送りつける。
「これでいいだろう?」
 エアコンが大量の冷気を吐き出し始めた。
「寒くなるから暖を取るぞ」
 露骨な言い訳をすると彼女が俺と扇風機の間に立ち塞がり、抱きついてきた。
0060たかが3割、されど3割 ◆6x17cueegc 2011/07/26(火) 03:05:39.23ID:stLtZJgs
「この温もり、久しぶりだ」
 不意に正面から抱きしめられて束の間反応出来ずにいたが、彼女の呟きに含まれた湿り気で察した。
「……帰ってきたばっかりじゃね? せめてシャワーくらい」
「だからどうした。久しぶりにセックス出来るのに、時間いっぱい愉しまない理由はないだろう」
 時間いっぱいって、と笑いかけたが、彼女が更に力を込めて抱きしめてきたので本気だと分かる。
「セックスしたいから会いに来た、みたいに聞こえるんだけど?」
「理由としては3割くらいだよ。肉欲なんて所詮その程度さ」
「3割もあるのかよ、ってのが俺の印象だけど」
「それは考え方の齟齬という奴だ。3/10しか占めていないじゃないか」
「だったら残りの7/10を言ってみろ」
「君の声が訊きたかったのが2割、君の顔が見たかったのが2割、田舎料理が食べたかったのが2割。その他諸々
 で1割だな」
 結局セックスの一番比率が高い。『肉欲なんてその程度』ではなかったのか。
「シたかった、って正直に言えよ?」
「正直に言えば、時間いっぱい付き合ってくれるか?」
「それは体力と要相談です」
 ナル姉の背中に回した指が上着越しにブラジャーのホックを探す。辿り着いたそこを軽くひっかきながら我侭
なお姫様の求めるままキスをする。
 これをきっかけにナル姉が本気になった。俺のズボンの前を探って中身を取り出すと強めに握って上下させ
る。彼女の思惑通りあっと言う間にその気になった俺も更に攻勢を活発化させていく。
「ヒロ君はもうこんなにしているのか。射精寸前だな」
「……そういうナル姉は、どうなんだよ」
 ホックの位置だけ把握した指は、とっくに服の中に侵入してブラジャーを外していた。更に隙間に潜り込んだ
指の送ってきた情報に寄れば、彼女の膨らみの頂点は固くしこっている。こんなザマで俺のことをどうこう言え
る立場か。
 彼女はふふ、と囁くような笑いを返事にする。俺の上半身を押し倒して膝立ちになると、膝丈のスカートを
捲って下着のクロッチ部分をズラす。露わにしてみせたそこはしっとりと湿っていた。
「こんな感じ。……君のこと、言えた義理じゃないな」
 珍しく困った顔をしたナル姉が自分のクリトリスへ指を立てる。指の腹でおずおずと捻って潰す。
「っん……あ、すぐ、あっ、濡らす、からぁ」
 彼女は俺の目の前でオナニーをして自分を高めている。そんな煽られかたをしてはこっちだってその気になら
ないはずがない。上半身に覆い被さっていた彼女を引き寄せて濡れ始めていたそこへ口をつけた。空洞へ舌を突
き入れて粘液を掻き出す。淫靡な匂いが汗に混じって鼻に絡みつく。
「あ、んぅ……ヒロくん……急に、ダメだろう……?」
「手伝ってるだけ」
「……それなら、私も手伝う」
 言うと彼女は身体を反転させ、シックスナインの体勢へと変わった。
0061たかが3割、されど3割 ◆6x17cueegc 2011/07/26(火) 03:07:35.92ID:stLtZJgs
「ん、くぅ……ちゅる、ずずっ」
 唾液を絡ませて全体を咥えこんで唾液と一緒に啜る、なんて以前にシていたときには知らなかったはずなの
に。気持ちよくて思わず浮き上がる腰を必死に押しつけながら、彼女のそこも刺激し返す。
「こ、ゆーの、好きだろ? ……よかった」
 こちらの好みに合わせてテクニックを磨いてきた、らしい。勉強もせずにそんなことをしていたのか。
「喉の奥、突き上げないで……くれ、よ?」
「ん……なら、押しつけるな。息が苦しい」
「済まない。君の舌、すごく気持ちいいから……」
 そうしてまたフェラに戻る。汚い汚くないというのは完全に頭からなくなっているらしい。押しつけられたそ
こを、指と舌とでいじると、彼女の責めが少しだけ緩やかになる。
「こんなにひくひくさせてしまって……もう出したいのか?」
 舌の先で先端をこじりながらそんな風に言葉を投げかけるのだが、こっちとしては目の前で繰り広げられてい
る痴態のほうに興味があるために返事が出来ない。
「ヒロ、くん? ……ひゃあぁっ!」
 そろそろ使用に耐えうるだけ愛液をしたたらせているそこに鼻を突っ込むようにして深く探る。指で押し開い
て舌で襞を少しずつ広げると、それに合わせて彼女も口を激しくする。幹まで口の中に含みつつそれを絞るよう
にして吸い上げてきた。ぐぽ、と粘液の音が鳴る。
「イって、いい……からぁ……あむ」
 唇でカリに噛みついてくる。その拍子に気が緩んでしまった。半固形と呼べるような精液が噴出すると全身が
雷に打たれたかのように突っ張り、彼女の口内深くに突き入れて注ぎ込む。彼女は若干の不満が含まれた、掠れ
た声と共にそれを飲んでいった。
「……相変わらず、君は遠慮もなしにたっぷり出すな。あと前より早くなったかな?」
「早いは余計だ。それにイヤなら吐き出せ」
 彼女は振り向いてこちらを見下ろし、口の端にこぼれていた白濁を親指で拭うと口に含んだ。
「そういうのは必要のない気遣いと言うものだ。誰が君の快感を高め、射精に導いたと思っている」
「そりゃ、ナル姉だけど」
「なら出てきた精液をどう扱おうが私の勝手だろ?」
 屁理屈だが言い返せない。この妙な説得力はどこから湧いて出てくるのだろうか。
0062たかが3割、されど3割 ◆6x17cueegc 2011/07/26(火) 03:09:37.46ID:stLtZJgs
「もう……いいな?」
 落ち着いて見せてはいるが夏場の犬のように浅い呼吸を繰り返しているのは相当興奮している証拠だ。自分に
もそれをからかう余裕がないことに気づいて、振り切るように彼女の腰へ手をかける。顔を見ながら、声を聞き
ながらシたい、という彼女の我侭に付き合わされて正常位になっていた。先端を熱を持ったそこにあてがうと、
彼女は自分から身体をズラして入れようとする。
「な、あ、いいだろう?」
「ナル……かわいいな、お前」
「なっ……にを、いきなり言い出すんだ。私のこと可愛いなんて言うのは、君だけ、じゃないか……」
 不意打ちで赤面した彼女が復活しないうちに、とあてがった分身を彼女へ沈めた。喉の奥で押し殺したような
音を鳴らして挿入の感覚に耐えている。
「ふあっ……やっと、きた、な」
 彼女は臍の少し下辺りを撫でて表情を崩していた。快感に恍惚となっているようにも、待望のおもちゃを手に
入れたようにも見える。
「私の中、に、入るのも……君、だけだ……」
「変わり者だって言いたい?」
「わた、しのが、変わってるだろう?」
 ぐち、ぐち、と一定のリズムで彼女が繋がったところを押しつけてくる。口を開いて荒い呼吸を繰り返すもの
だから、普段の能面のような印象はもはやどこにもない。普段の彼女を知っていれば知っているほど、今の涎を
垂らした彼女を同一人物とは認めないだろう。
「セックスのためだけに、こんな田舎まで来る、んだぞ?」
「……あのなぁ、誰とのセックスがいいとか言ってくれれば、俺だって多少は」
「気持ちいいおもちゃが見つからないから、なんて言われたいか?」
「俺はおもちゃ代わりかよ」
「まさか。バイブは君のように優しく奥を突いてくれないだろう。君の肉が、私の一番奥を犯すのがいいんだ」
 それだって『君のじゃないと満足できない』とでも言えばいい話ではないか。相変わらず持って回った言いか
たをする彼女にほんの少しもどかしさを感じながら接合部分を密着させて捻り込む。
「んぁあぁぁっ! おっ……くぅ……っ!」
 ナル姉は奥のほうを押し込まれる刺激に弱い。ようやく嬌声と呼べるような声を聞くと、俺は自分自身のタガ
が吹き飛んだのを感じた。
「やっと、喘ぎ声、聞かせてくれた、なっ!」
「わたしのこえ、好きなんて、おかしっ……!」
「くっ、あ……お前だから、いいんだろうが……」
 腰をくねらせてなんとか突き上げから逃れようとする彼女の動きがそのまま膣の動きに変わる。分身を包み込
んで緩やかなマッサージをしていたのが急に握りしめて扱きあげはじめたのだから、我慢なんて意味がなかっ
た。
「で、出るっ!」
「ひ、ヒロくんっ!? ああぁぁぁっ!」
 溜まっていた分を全て吐き出す。喉の奥へ声を押し込まないと大声で吠えてしまいそうな強烈な快が全身を麻
痺させる。目の前がチカチカして呼吸が落ち着かない。
「っくあ……」
「……あ、んぁ、ヒロ君」
 ナル姉は注がれた感触があるのか、日に焼けていない白いお腹を抱えるようにしてその辺りを撫でていた。
「ヒロ君、私……」
「……ん?」
「まだイってない」
 まだ入ったままだった若干萎えたモノをぎゅうっと締めつけると、ナル姉はにたりと笑って見せた。
0063たかが3割、されど3割 ◆6x17cueegc 2011/07/26(火) 03:12:31.41ID:stLtZJgs
 * * * * * *

 快感の波が引いていって頭が冴えてくると、今更なことに考えが回る。その……大丈夫だったのだろうか。
「あ……あのさ……」
「ナル姉」
「へ?」
 唐突に、不機嫌そうにそう言う。
「さっき私のこと、ナルと呼び捨てにしただろう」
「……言ったっけ?」
「言った。君の言ったことだ、どうして忘れる」
 要するにナル姉は、俺の失言を今更思い出して生意気だと憤慨しているらしい。
「お互い裸で何を今更と思っているかもしれないが、親しき仲にも礼儀ありと昔から――」
 こうなると彼女はこちらの言い分など聞いてくれない。説教が本格化する前に、さっきの疑問をぶつけておく
か。
「――なんだね?」
「全然訊かずに中出ししちゃったけど、よかったのかなって」
「そういうのを今更と言うんだ。……そういうのも計算してからこっちに来る日付を決めたんだ。恐らくは大丈
 夫だろうよ」
「そんなことまで計算してたのかよ」
「3割だからな。それだけあれば、旅行の時期を左右する理由には十分だろう?」
 真っ直ぐに見つめ返されて息が詰まる。大げさに溜息を吐き、頭を振った。
「……そう言われればそんな気もするよ、まったく」
「納得したか? したのなら続きだ。じっくりゆっくり、何も出なくなるまで反省させてやる」
 ナル姉の艶を含んだ物言いに背筋が凍り付いたのと同時に、腹の底からマグマのような性欲が沸き上がってく
るのを感じた。
0064 ◆6x17cueegc 2011/07/26(火) 03:14:56.14ID:stLtZJgs
と以上です

怖い怖い忍法帖様のお伺いを立てながら、ちょっと感覚開け目で投下
トライアンドエラーでも普通にLv10削るのマジ勘弁
「もう二度と間隔を詰めて投下したりなんかしないよ(満面の笑み)」
0065名無しさん@ピンキー2011/07/26(火) 15:23:26.20ID:DcF1bD1w
GJ
久し振りの素直クール分で夏場の乾いた心に染み渡りました

本当にSS書きとしては忍法帖は辛いですよね
自分も何度も削られてるので分かります
0068名無しさん@ピンキー2011/07/31(日) 00:41:48.87ID:t75K/7BQ
クール美ズとは
美女達にクールに接してもらうことで…
0070 ◆xNDlZiuark 2011/08/04(木) 07:49:41.89ID:ob69kKmW
「止まっているな」
「そう…ですね…」
「よし、ここは私が一肌脱ごうか」
「えっ…何言ってるんですか!」
「どうした?」
「い…いきなり!ぬっ、脱ぐだなんて!」
「ふぅん、まぁそちらでも良いのだが、意味が全く違うぞ。
一肌脱ぐだ。ヒトハダ。このエロ魔神」
「すみません…」
「私はここの保守をしようと思っただけだ」
「で、ですよね〜」
「しかしな、今ので興味が移ってしまった」
「はい?」
「君は私に興味があるのか…。ちょうど誰も居ないところだし、ヤ・ラ・ナ・イ・カ」
「はいぃぃぃぃ!?」
「ちなみに君に拒否権はない」

そういって先輩に抱きつかれた俺は、先輩と2時間ほど乱れ続けた。
0071、、の人2011/08/08(月) 01:31:41.54ID:ryh/TORW
お久しぶりです。投下します。
前スレ506にほんの少しだけ投下したものの続きなんですが、
新スレに移行しているのでそれも含めて投下させていただきます。
時期外れ(2月頃)なので注意してください。
では、以下6レスほどいただきます……が、忍法帳にまだ慣れていないので
もし投下が止まったら規制食らったと思ってくださると嬉しいです。
0072後輩、小旅行、敬語2011/08/08(月) 01:34:14.23ID:ryh/TORW
たたんたたん、たたんたたん、たたんたたん、と緩やかに走る電車の中。
車輪がレールとともに規則的に鳴らす音と、座席の足元から吹いている暖かい風が、心地よい眠気を誘う。

冬場の電車の暖房ってなんでこんなに眠くなるんだろう、
このまま眠ったら気持ちいいんだろうなー、などという甘い誘惑が頭の中に飛来するが、

「寝ちゃダメですよ、月村先輩。久しぶりのでーとなんですから」
そんな俺の考えを見透かしたかのように、少し非難するような色が混じった声が上がった。
声の主は、俺の隣の席に座っている早川 小牧(はやかわ こまき)だ。
平日の昼間ということもあってかこの車両にはほとんど人が乗っていなかったためか、
割と大きな声で注意を喰らってしまい、少し恥ずかしい。

「そうは言っても、なぁ……ふぁぁ」
「そんなに眠たいなら、私が膝枕してあげましょうか?」
「いや、それは遠慮しとくよ……」
「そうですか。残念です」
などというやりとりを繰り返しながら、電車に乗ってかれこれ30分が経とうとしている。
普段電車などをあまり利用しない俺にとっては、慣れない時間だ。
早川の方は退屈ではないのだろうかと思ったが、彼女はもともとそれほど饒舌な方ではないし、
そして何より、俺と一緒にいることの方を楽しんでいるフシがあるので(例えば、早川はこの電車に乗る前、
駅で待ち合わせたときから俺の腕を抱え込んでいる。とても満足そうなので何も言えないのだが、正直、そろそろ痺れてきた)
特に苦痛ではないらしい。……何だかなあ。

「それより早川、勉強してなくていいのか? 入試は再来週だろう?」
「久しぶりに会うのにそんなことを言うなんて、月村先輩は野暮な人ですね。そんなんじゃ女の子にもてませんよ」
「ふーん。そりゃ残念だ」
軽口に付き合う気はなく、適当に相槌を打つ俺。

「先輩……ここは『俺はお前にもててるだけでいいよ』と言うところですよ」
「誰が言うかそんなこと!」
少し落胆したというか、呆れたような表情で早川は言うが、俺はそれを速攻で突っぱねる。
そんなベタな恋愛小説に出てくるような歯の浮くようなセリフ、誰が言うものか。
もしも本気で言えるやつがいるなら、お目にかかってみたいものである。

「ったく……お前は俺に何を求めてるんだか」
「え? 私を好きで居てくれること、ですが?」
「…………」
前言撤回。ここに居たよ。表情ひとつ変えずに、目を見て言い切りやがったよ。
ああもう、可愛いなちくしょう。
0074後輩、小旅行、敬語2011/08/08(月) 01:37:58.05ID:ryh/TORW
〜・〜

そもそも何故、もう受験シーズンまで残り僅かというこの冬真っ只中の時期に、
俺は早川と2人で慣れない電車の旅などしているのか。
その理由は、数時間前に遡る。

発端は早川から届いた一通のメールだった。
ちょうどそのとき俺は大学で授業を受けている最中で、大して興味もない社会学の講義を半分聞き流しながら、
惰眠を貪るべきか有意義に読書でもするべきか、はたまた試験前の労力が省けると思って真面目にノートを取るべきかという
不毛な3択を突きつけられていたところだったので、すぐさまこの第4の選択肢に飛びついた。
講師に見つからないよう、なるべく音を立てずに携帯を開く。文面をチェックすると、こうあった。
『先輩、今日、少し付き合ってくれませんか?』

絵文字も顔文字もない、早川からのいつも通りの飾り気の無いメール。
だが俺はそのとき、また来たな、と思った。
まるで楽しみにしているテレビ番組の特番のCMを見たときのような、そんな感覚だ。
早川は何ヶ月かに一回、こういう文面で(先輩、いついつ、何々してくれませんか?
という文章だ)メールを送ってくることがあるのだ。
しかもこの文面を使うときの早川は、何故か必ずいつもより積極的で、自分の意見を曲げないので、
いつしか大事なお願いがあるときの文面として定着してしまったのである。

そういうわけで、
『時間にもよるな。いつ?
というか早川、今日平日だけど授業は?』
とだけ打って、すぐさま返信をした。

もちろん、俺もあの文面に何か特別な意味があるのかないのか、気にならないわけではない。
実はかつて一度だけ、
「この文面、何か意味があるのか?」
と尋ねてみたこともあるのだが、
「ただのげん担ぎですよ」
と言われたきり何も教えてくれないので、俺はもう何も聞かないことにしている。
教えたらご利益がなくなるから、とか言っていたっけか。

……正直よく意味は分からなかったが、とりあえず俺はこういうときのお願いには答えるようにしているのだ。

送信が完了した携帯電話を手に再びぼーっとしていると、僅か1,2分で早川から返信が来た。
『お昼からがいいです。授業は今日は入試前の自主登校なので、問題ありません』

ふむ。ちなみに現在時刻は10:45。今日の午後に入れている講義とその講師を思い浮かべると、
出席が厳しくなかったはずだという情報に行き当たったので、
『分かった。じゃあ12時くらいに駅で待ち合わせるか』

と返信する。
ほとんど間をおかず返ってきたメールに
『はい。待っています』
と書いてあるのを確認すると、俺はそそくさと荷物をまとめ大学から駅までの所要時間と
誰に代返を頼むべきかということを思案しながら、静かに教室を後にした。
0075後輩、小旅行、敬語2011/08/08(月) 01:42:32.32ID:ryh/TORW
そして時間は現在に至る。
しかし、実は未だに俺はどこに向かっているのかを知らされていない。
駅で軽めの昼食を取るときも、連れて行かれるがままに乗せられたこの電車の中でも、何度か行き先を尋ねてはみたのだが、
早川は「ミステリーツアーならぬ、ミステリーデートですよ」だの「デートに行き先なんて関係ないでしょう、先輩が隣にいれば」
だのとはぐらかすばかりで頑として教えてくれず、訊いているこちらの羞恥心が煽られるばかりだったので、俺は訊くのを諦めたのだ。
ちなみに切符の行き先を見れば分かるだろうという俺の予想は、
ICカードという文明の利器によって打ち砕かれたことを付け加えておく。

とはいえ滅多に乗ることの無い電車に、揺られること30分である。流石に俺にも行き先の見当がついてきた。
「なあ」
「何ですか先輩?」
久しぶりに発された俺の言葉にぴくりと反応し、きゅっと俺の腕を抱く力を強める早川。
当然のことながら、見慣れた高校の制服越しにささやかながらも自己主張は忘れない柔らかな物体が当たっているのだが、
ぶっちゃけもう指摘するのも面倒くさい。いつものことだ。
「もしかして行き先って、いつもの神社か?」
「あ、流石に分かっちゃいますか」
「まあ、これだけ長く電車に乗って行く場所なんて限られてるからな」
「ですね」

いつもの神社。
俺と早川が中学生の頃所属していた天文部の、恒例の観測スポットだ。
中学を卒業したあとも時折二人で星を見に行っている、言わばお決まりの場所である。
だが行き先が神社となると、ひとつの疑問が浮かんでくる。
「だったら、自転車で行けば良かったんじゃないのか?」
 部活で観測に向かうとき、そして二人で出かけるときも、自転車で出かけてその場で待ち合わせるというのが通例になっていた。
だからこそ、俺は30分も電車に揺られるまで行き先になかなか見当がつかなかったのだ。
あー、でも、自分で言っといて何だけど、電車を選んだ理由はなんとなく予想が着くな……
俺の質問にしばしきょとんとしていた早川だったが、やがてゆっくりと口を開く。
「そりゃあ、先輩と少しでも長くくっつきたいからに決まってるじゃないですか」
当然でしょう、と言わんばかりのトーンで予想通りの答えが返ってきて、俺は思わずふう、と小さく息をついた。
「何でそこでため息なんですか。だいたい、先輩の家が遠いのがいけないんですよ。
一人暮らしを始めるにしても、もっと会いに行きやすいところに住んでくれれば……」
「悪かったな。俺は朝弱いから、大学の近くに住みたかったんだ」
「そんなの、言ってくれれば私が毎日起こしに行ってあげたのに」
お前はそう言うと思ってたんだよ、とは流石に言葉にせず、俺は口をつぐんでまた睡魔に身を委ねることにした。

0076後輩、小旅行、敬語2011/08/08(月) 01:46:41.69ID:ryh/TORW
〜・〜
平日の昼間と言う時間帯であるためか、長い間電車に揺られて着いた神社にはほとんど人が居なかった。
近所に住んでいるのであろうおじいさんが犬と共に散歩をしていたり、
おばあさんの年代にさしかかろうとしている二人組のおばさま方が座って談笑していたりと、
見かける人影といえばそのくらいのものだ。
神社と言う場所柄のためか、真冬の冷たい空気もあいまって少し閑散とした雰囲気を感じてしまう。

そんな中俺と早川は、賽銭箱に小銭を放り込んでぱん、ぱんと二度手を鳴らし、拝んでいた。
賽銭箱の隣の柱に書いてある通り、最後に一度礼をして。
「で、何を願ったんだ?」
お祈りを終えて石段を降りたところで、俺は早川に聞いてみた。
これは俺の勘でしかないが、おそらくはこれが今日の早川の目的のはずだからだ。
「先輩とずっと一緒に居られますように、ですね」
「それ、今日じゃないといけなかったのか……?」

あの文面を使ってまで俺を呼び出し、やりたかったことがこれなのか?
長年の早川との付き合いからかんがみるに、それはどうにも釈然としない。
「まずは先輩と同じ大学に合格しないといけないですから。もちろんその辺りのことも含めてお願いしてきました」
「早川ならあのレベルの大学、楽勝だろうに」

早川の成績は周辺トップの公立高校の中でも、更に上位に位置している。
一方で今俺が通うのは、人並みちょい上くらいの成績の俺がそこそこの受験勉強で合格できた大学だ。
正直早皮なら、夏ごろに受験をしたとしても合格していたのではないかと思うくらいである。
「それでも万が一、ということはありますからね。神頼みというものも、しておくに越したことはないんです」

こいつは確か高校に上がる時にも同じようなことを言っていた。
そうだ、確か早川の高校受験のときにもこの神社に一緒に来たような気がする。
あの時にも俺と同じ高校に合格したいから、とか言っていたが……。なるほど、そのときと同じご利益を得ようと言う訳か。

「じゃ、先輩、帰りましょうか」
言って俺の手を引き、早川は境内を出る方向へと早足で歩いていく。
くいくいと俺の腕を引っ張るその力は、割合に強い。

「お、おいおい、何でそんなに急いでるんだ?」
あれだけ長い時間をかけてやってきて、こんなにもすぐに帰るのでは時間的にも金銭的にも割が合わない。
なんて考えてしまう俺は貧乏性なのだろうか。

「別に、急いではいませんけど?」
早川はきょとん、とした表情で俺の方を見る。
こいつは、こういうところはさばさばしているからな……
確かにそんなに長居するような場所ではないにせよ、もう少し何かないものかというのが俺の心情である。

「そうだ、おみくじとかは引かないのか? 神社といえばおみくじだろ、おみくじ」
「……」
ベタといえばベタな提案だが、せめてそれくらいしてから帰ったってばちは当たらないだろう。
しかし早川は俺の提案にしばし黙った後、
「私は、おみくじは引きません」
と言い放った。
0077後輩、小旅行、敬語2011/08/08(月) 01:51:48.33ID:ryh/TORW
「あれ? 早川ってこういうの嫌いだったっけ」
たまにこういう占いの手合いを好まない人もいるのは知っているが、早川もそうなのだろうか。
「だって、どうせ大凶が出るに決まってますから」
「いや、そんなわけないだろ。だいたい大凶って、神社によっては抜いてるところもあるらしいんだから」
「じゃあ、凶です。少なくとも良い結果は絶対に出ないに違いありません」
「絶対って……所詮こんなの、運試しじゃないか」

おみくじを引かない理由が、悪い結果が出るのが怖いからだとは。
受験前でナーバスになっているのだろうか。
ところが早川は、この人はいったい何を言っているんだろうという目で俺を見て、ふう、とため息をつく。
そして握っていた俺の手を今度は両手で包み込み、まるで俺に祈っているかのようなポーズで呟いた。
「運試しだから、ですよ」
「へ?」

意外と早川も、ジンクスなんかを信じる可愛いところがあるんだなあなんて思った俺の思考回路の、
しかし遥か上を早川の言葉は通り過ぎていく。
「月村先輩と一緒にいられるだけで、私の運は全部使い切ってしまってるんです。
こんなところに使う運が残っているわけないじゃないですか」

……。
ああもう。
いい加減慣れたと思ってきた早川の直截的な物言いだが、やはりそんな感覚は嘘だった。
背中がむず痒い。
自分の顔がみるみる赤くなっていくのが分かる。

あまり長い言葉を話すと動揺が言葉に現れてしまいそうで。
「……そんときゃ、俺の運を分けてやるから大丈夫だよ」
俺はいつもと変わらない表情の早川に、短くそれだけ返すのが精一杯だった。
0078、、の人2011/08/08(月) 01:56:33.10ID:ryh/TORW

ここで投下終了です。エロ無しって注意すんの忘れてた……orz

都合により3月頃から投下できない状況にあったのですが、ようやく状況が改善されたので、
少し時期外れなネタなのは承知の上で、途中まで書き溜めていたものを投下させていただきました。
途中で支援レスしてくださった方、ありがとうございました。
では、お目汚し失礼しましたー。
0079名無しさん@ピンキー2011/08/08(月) 22:36:42.74ID:nOZc/byl
GJ、なんですが…。

早皮で吹かざるを得なかった、スマン。
0081名無しさん@ピンキー2011/08/10(水) 19:13:29.54ID:Bjbm4W4B
>>80
なんのシリーズ?
俺も夕子さんシリーズ待ちなんだけど…
作者さん!カモーン!!
0087812011/08/15(月) 22:49:10.77ID:FaqR/m3V
>>84
あまり無理なさらずご自分のペースで頑張ってください!
期待しつつゆっくりお待ちしてます。
0088名無しさん@ピンキー2011/08/16(火) 00:44:08.76ID:LMn4WD3b
年上素直クールと年下素直クール、同年素直クールの三つの違いってどういう感じにしたらいいんだろう
0089名無しさん@ピンキー2011/08/16(火) 19:16:25.72ID:PDB4nG6P
気遣わなくていいんじゃない オリジナルを貫こうぜ

ぶっちゃけ敬語以外の違いを見たことがない
0091名無しさん@ピンキー2011/08/21(日) 02:55:22.03ID:o0rgqIio
>>84
    + 。 *   ワクワクテカテカ  +
ツヤツヤ  ∧_∧  +
 +   _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
  ⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
  ⊂_。+   ゚+_⊃
    ⊂__⊃.  +  * +   ワクテカ  +
0095先輩、夏休み、小ネタ2011/09/03(土) 01:14:45.34ID:QpcRBIpL
〜・〜
「ふぅ。やっと着きましたね……」
どさどさ、と。
肩にかけていた大きめの旅行かばんを床に落として、僕はそう呟いた。
割と重たい荷物を運んでいたためか、肩に走り始めた鈍い痛みを和らげるべく、腕をぐるぐると回してみる。

「予想以上に遠かったねー。富永くん、運転お疲れ様」
隣では谷中先輩が同じように荷物を置き、固まった身体を解すかのように伸びをしているところだった。
何を隠そう、僕と先輩は今大学の少し長い夏休みを利用して、旅行に来ているところなのだ。

「それにしても、こんないいところにただ同然で泊まれるなんて。持つべきものは人脈ですねー」
一歩間違えば別荘として売られていてもおかしくないような一軒家。僕たちが今上がりこんだ大きな家は、そんな感じの建物である。
「ま、私は富永くんとふたりきりで過ごせれば、どこでもいいんだけどね」
きゅ、と後ろから僕の腰に手を回し、先輩が抱き着いてきた。
「ね、富永くん。ずっと運転で疲れたでしょ。お疲れ様のちゅーを」
「そ、そうだ谷中先輩! せっかく旅行に来たんですから、少し探検でもしてみませんか!?」

いつも通りのマイペースでいちゃついてこようとする先輩の言葉を、少々卑怯かなと思いつつも僕は途中で遮った。
いや、そりゃあ僕も先輩がそう言ってくれるのが嫌なわけじゃない。むしろ嬉しいに決まっている。
けれど先輩相手に一度気を許すとそのままずるずると行ってしまうということも、僕は深く理解しているのだ。
せっかく遠出したのだから、遠出したからこその楽しみを先輩と共有したいという気持ちがあるのである。

「むー。相変わらず富永くんはつれないんだね」
「いやいや、谷中先輩。僕は旅行も充分に楽しみたいってだけで、好きでつれなくしてるわけじゃ」
「そうじゃなくて」
「?」
「なまえ。また呼んでくれなくなった」
「あ、ああ……そのことですか……」

思わぬ方向からの指摘だったが、先輩がむすっとした表情を浮かべた理由としては納得だ。だが……
「慣れちゃったんですし、もういいじゃないですか。今更変えるのもなんか変な感じですし」
どうしてもそう思ってしまう僕がいる。
中学生の時から先輩のことは谷中先輩と呼んでいるのだ。もう頭の中で固定されてしまっている。

「それに、先輩だって僕のこと苗字で呼ぶじゃないですか」
「私はいいの」
小さく反撃を試みると、間髪入れずに返答が来た。
先輩だけなんてずるいじゃないですか、と言おうとする僕をひとさし指で制し、さらに言葉を続ける。
「だって、富永くんはずっと富永くんだけど、私はそのうち谷中じゃなくなっちゃうから。だからどっちにしろ名前で呼ぶことになるんだよ?」
0096先輩、夏休み、小ネタ2011/09/03(土) 01:16:11.33ID:QpcRBIpL

……
…………
……………………

なんていうか、こういうの卑怯じゃないかなあ。
右手の指を僕の顔に突きつけ、左手は腰に当てて仁王立ちしている先輩の表情には、一切の変化がない。
こんな直球で恥ずかしい言葉を口にしているにも関わらず、だ。
僕も先輩のこういう言動には慣れて来たから、まだ慌てふためくようなことは無くなったものの、
流石に頭の中が茹だってしまってなんと返事をしていいのか言葉が見つからない。

そんな風に固まっている僕を、先輩はとん、と軽くソファーの方へ押し倒し、頬へ柔らか
く口付けてきた。
「なんならこの旅行で、キセイジジツ、作っちゃおうか?」
「んっ!? ―――っ!?」
頬の次は、口へ。
荷物を置き自由になった腕を僕の頭の後ろへ回し、今度は長い長い口付けを交わす。
そしてその腕は僕の服へ伸び

「ちょ、ちょっと待ってください!朝日先輩!」
「あ、なまえ呼んでくれた。嬉しいな」

行為を止めて、僅かに口元を緩め嬉しそうな表情を見せる先輩。
そりゃ、そうしないと先輩が止まってくれそうにないからですよ……とは、思ったけれど口にしない。

「そもそも僕たち、ここに何しに来たんでしたっけ? 何でこんな場所泊まれるんでしたっけ?」
僕の言葉に、先輩は嫌なことを思い出したかのようにじとりとこちらを見つつ、返事をしてきた。
「それは……お母さんの友達に、こういう別荘を管理する人が居て」
「そう。それで、家は住まないと痛んでいくから、掃除とか細かいところをチェックするっていう条件で、
ここを紹介して貰えたんでしたよね?」
「うん」
「つまり、僕たちの仕事は……?」


「保守、だね」


〜・〜
0097、、の人2011/09/03(土) 01:18:12.22ID:QpcRBIpL

というわけで保守小ネタでした。

>>94
無理せずゆっくり仕上げればいいと思います!
wktkしつつ待ってます。
0098名無しさん@ピンキー2011/09/03(土) 02:05:38.62ID:fOmEe1bc
うまい保守ネタGJ
もうちょっと続きを書いて保守してもいいのよ?
0100 ◆6x17cueegc 2011/09/11(日) 01:16:04.42ID:IclhJImE
おはようございますこんにちわこんばんわ、いつもお世話になっております
今回は少し上で書いた夏休み(?)ネタの続きです

エロありグロなし

ではどうぞ
0101狙われた運転手、5分間の誘惑(以下略) ◆6x17cueegc 2011/09/11(日) 01:17:02.17ID:IclhJImE
 2泊3日の2日目、前夜はさっさと眠ってしまったナル姉が朝早くからごそごそやっていた。
「おはよう。涼しいうちに行きたいところがあるのだが」
「……まだ7時前じゃん」
「これ以上日が昇ると昨日以上に暑くなるぞ。今TVでそう言っていた。太平洋高気圧が相も変わらず元気らし
 い」
「少しは手を抜いてもバチは当たらないと思うんだけどねー……」
「お天道様が見てほしくて張り切っているのだろう」
「こっちは見られたくないよ」
「同感だ。さあ、準備をして?」
 俺が起きようとのそのそ動いているとナル姉はベッドへ入り込んできた。
「私はこの辺りの地理に疎いのだから……君がいないとダメだろ?」
 囁かれて昨日の情事が思い起こされた。目の前が真っ白に塗りつぶされる思いで飛び起きると、ナル姉は不敵
に笑っている。そちらが何を想像したのか分かっているぞ、という目だった。まんまと向こうの誘いに乗ってし
まった自分を恥じて不機嫌な顔をして見せる。
「本当のことしか言っていないじゃないか」
「本当のことを言われたからっていい気分になることもあればその逆もあるだろ」
「今一番留意しているのは気分ではなくて生理現象だろう」
 図星を指されてギクリと身体が固めると、彼女は無遠慮に股間に手を伸ばしてきた。
「ヌくか?」
「……いや、いいよ。急ぎはしないけど早く出たいんだろ?」
 ナル姉は首を竦めると先に起きあがってベッドサイドへ立った。
「ならさっさと汗を流したまえ。汗臭いぞ?」
 冷え性の彼女に合わせた温度設定のエアコンは俺には全く効果が無かったらしい。寝間着代わりのTシャツは
肌に貼りついており、髪はしっとりと湿っている。これでは外出なんて出来ない。忠告に従い、俺はシャワーを
浴びることにした。

「で、ナル姉はどこに行きたいんだよ」
 シャワーを浴びて食パンを牛乳で胃に押し込みながら訊く。どの辺りかの見当もつけずに車を走らせられるほ
ど俺は運転が得意ではないのだ。
 彼女が答えたのは隣町の山の中にある美術館だった。数年前観光事業の目玉として建てられたはいいものの肝
心の観光客はこんな田舎に寄りつかなかった、というよくあるハコモノ事業のひとつだったと記憶している。
「……あんなところに、ね。ナル姉、美術品とか興味ある人だったっけ?」
「いや。ただ研究室の知り合いがそこの展覧会に行きたがっていたのでな。絵葉書でも買って帰ってやろうか
 と」
 珍しいこともあるものだ。彼女が知り合いと呼ぶ仲の相手がいることも、彼女に頼みごとをする相手がいるこ
とも、学生時代には考えもつかなかった。いつも自分が騒ぎに巻き込まれていたのを思い出す。
 いつだったか彼女が学生会の運営執行になにかしらの異議を唱えようとしたときに、必要な書類を集めに走ら
されたことがあった。自分が異議を唱えるために必要な書類をリストアップして俺に押しつけてきたとき『何で
俺がそんなことをする必要があるのか』と反論すると、『私のやりたいことを理解して、手伝ってくれるような
知り合いは君くらいしかいない』などと口説き落とされて結局付き合わされたのだった。結果は芳しいものでな
かったが。
「……嫉妬か?」
「んな顔してる?」
 まだ頭が半分寝ている。気づかぬうちに不機嫌な顔を見せていたらしい。
「妬いてたのか」
 引っかけられた。今度こそ本当に不機嫌な顔をして見せる。
「安心しろ、相手は女だ。それに私が君以外になびくと思うか? まったく無駄な心配だな。君は間抜けか?」
 言いながらもナル姉はリズムよく指で食卓を叩いていた。
0102狙われた運転手、5分間の誘惑(以下略) ◆6x17cueegc 2011/09/11(日) 01:18:17.96ID:IclhJImE
 * * * * * *

 山の中の美術館は真っ白で明るい建物だった。灯り取りのために屋根の大部分がガラス張りになっているから
だ。直射日光が作品を劣化させたりしないのだろうか。もしかしたら劣化したと騒ぐ必要もない、大した価値の
ない作品が揃っているだけなのかもしれない。
 それにしても暑い。冷房は回しているのだろうが、節電のご時世と太陽に灼かれる室内という合わせ技が館内
の気温を数度引き上げているようだった。
「冷房、強めてくれないかな」
「……今回ばかりは君に同意だ」
 ナル姉は暑さに辟易している素振りを隠そうともせず額の汗を拭う。真夏の太陽の下、芸術鑑賞をしようなん
て物好きは今のところ俺たちしかいないようだった。しんと静まり返った館内に彼女のヒールの音が響く。
「目当ての芸術家さん、そんなに有名なの?」
「いや、それほど有名ではない。だが出身がこの町らしいな。その縁でこの夏に特集を組んでもらっているよう
 だ」
「隣町に芸術家なんていたのか……全然知らなかった。本当に有名じゃないんだろうな」
 件の芸術家のコーナーは、流石にきちんと屋根のある部屋だった。そのお陰で室温は他よりやや低めに感じ
る。一息ついて壁に掛けられている絵画に目を走らせると原色の多い絵が目に飛び込んできた。芸術は爆発的な
芸風らしい。残念ながら俺は絵心や美的センスというものとお友達ではないので、ざっと目を走らせると部屋の
真ん中に置かれていたベンチに腰掛ける。
 このベンチはちょうど冷房吹き出し口の真下らしい。冷たい風が心地よい。頭を深く沈めて首筋に冷気を当て
る。
「生き返る心地、か?」
 ナル姉が隣へ腰掛ける。俺と同様に俯いてこちらへ身体を倒してきた。
「ヒロ君とこうするの、久しぶりだ」
「だな」
「夏場は暑いし、お互い同じ部屋にいること自体少ないし」
「ナル姉が寒がりだからね」
「ヒロ君が暑がりなんだろう?」
 手を繋がれた。視線がぶつかる。
「シたくなっちゃった、か?」
「……冗談言うなよ」
 顔を上げて正面の絵を視界に収める。真っ青な空の絵らしい。青い空、白い雲……少し紫がかって見える。見
るだけで真夏の蒸し暑さが想起される、嫌な説得力のある絵だった。
「冗談じゃないぞ。私はシたくなった」
 それこそ冗談じゃない。昨日は深夜まで何回、何時間付き合わされたと思っているんだ。あれだけシたのにま
だ足りないとは。
「というか今ここでスるつもりでもあるのかよ」
 彼女は意表を突かれたという表情で驚いて見せた。俺からそんな言葉を聞くとは思わなかった、と繋いだ手を
握り直して辺りを見回す。絵には興味がないのは彼女も同じだから、とりあえず入館料の元を取ろうと考えてい
るのかもしれない。
「……シようか?」
「何でだよ」
「カメラ、ないみたいだし」
「……絵でも見てるかと思ったら」
「そんなタマじゃないのは君も知っているだろう」
「入館料の元を取ってるのかと思ってたんだよ」
「自分が払っていれば元を取るつもりもあるがね」
 そう言えばここのチケット代は俺が出したのだった。そりゃあ元を取り返す必要なんてない。
 彼女の自分勝手さに溜息を吐きながら立ち上がる。目当てのものを買って早く帰ろう。ここで絵を見続けるく
らいならサウナにでも行ったほうがマシだ。
0103狙われた運転手、5分間の誘惑(以下略) ◆6x17cueegc 2011/09/11(日) 01:19:55.69ID:IclhJImE
 * * * * * *

 ギシ、とサスペンションが跳ねる。中古車だからかやたらに柔らかいそれが、2人分の体重を同時にかけられ
て生まれた衝撃を吸収した。
「さて、どこへ行きましょう?」
「君の部屋に戻る」
「昼飯食ってからでいいだろ。ウチには何にもないぞ」
「君がいてくれれば満足出来る」
 瞳を怪しく輝かせて彼女が呟く。さっき建物の中で言っていた、シたくなった、というのは嘘ではなかった
か。サカリのついた猫のようだ。
「……田舎料理だっけ、こっちに来た目的」
「たったの2割だ。一番割合が大きいのは」
「分かってるよ。でも昨日も散々ヤらかしたんだからエネルギーの補給も重要だと思うよ」
 正直俺がそうしてほしい。食パン1枚きりの朝食では物足りない、というかもう腹ペコだ。彼女のことを考え
なければ今すぐどこかのファストフードに駆け込んでいる。生唾を飲み込むようにして沸き上がる空腹感を押し
込んだ。
「そうか、ヒロ君はお腹が空いているのか?」
「俺はね。ナル姉はどうなんだよ」
「空いているよ。それに、空いていない、なんて言って君にガス欠を起こされても困るしな」
 どうして俺がガス欠に至るようなことになるのか、もしくはナル姉はなんらかの手段を用いて至らせるつもり
なのか。詳しく訊き返す気力もなく曖昧に相槌を返すと、ナル姉はくすりと笑ってシートベルトを締める。
 さて、どこへ行こうか。この辺りの名産というと山と川しかない田舎にありがちな、山菜とか果物とかそうい
うものばかりなのだが、彼女がそういうものを積極的に食べているイメージがない。大学時代はタンパク質を中
心にがっつく姿しか見たことがないのだ。
「ナル姉、何が食べたい?」
「肉、魚、卵」
 どこの体育会系だ。
「……は無理なのは分かっている。一応事前に調べては来ているからな」
「なら言うなよ」
 わざわざ調べてきてそんなことを言うなんて嫌がらせにもほどがある。こっちだって一応考えているのは分か
っているだろうに。ただ、彼女がやってくるからと町内の食堂をずらりと調べ上げ、県内の有名どころもそれな
りに抑えてある、なんて口が裂けても言えない。そんなことを言ったが最後、末代までバカにされるのが目に見
えている。
「マジでどうすんの? 調べてきてるんならそこに行くけど」
「そうだな。私好みの店はなかったから、コンビニにでも寄っていこうか」
「カップ麺で済ませるつもりかよ」
「よく分かったな?」
 食べたいものがないが腹は空いた。だからカップ麺を啜りこんで飢えを満たす。効率的かもしれないが、彼女
の思惑に沿うのはなかなか難しい。
「残念だけどそれ無理」
「何故だ?」
「とりあえず帰り道にコンビニやスーパーなんてモンはない。逆方向に山一つ超えるか、ウチを行きすぎて10分
 くらい行ったところにはあるけど」
 ナル姉は珍しく面食らった顔をしている。同じくらい田舎の大学周辺は学生の町(断じて街ではない)だから
か2件くらいはコンビニがあったが、そうした若者が集う場所がないのではどこも出店しないのは当然だ。戻っ
てきて半年くらいは確かに不便な思いもしたが生まれ育った地元だ、すぐに違和感はなくなった。
 ちなみに今はスーパーに立ち寄るのが日課になっており、休日に限ってはちゃんと自炊もしている、割と真面
目な一人暮らし生活だ。
「……なら、食事は無しだ」
「おいおい、俺がさっき言ってたことを」
「その代わりに君は私を食べろ」
 はめたばかりのシートベルトの金具を外して、彼女は飛びかかってきた。
「オンボロ車でカーセックス……頭の悪い映画みたいにギシギシ揺れるかな?」
 彼女は学生時代のドライブはレンタカーで汚せなかったしな、と付け足すと、上着を脱ぎ捨て肩に引っかけた
ワンピースの紐を落とした。
「ちょっと待て! ここ、美術館の駐車じょ……ッ!」
「心配するな、5分とかけない。バレやしないさ」
 彼女は後ろ手にキーを引き抜き、俺の手の届かない後部座席へ投げ捨てた。
「どうする? 座席を倒さないと取れないぞ?」
 ああくそ、いい笑顔しやがって。
0104狙われた運転手、5分間の誘惑(以下略) ◆6x17cueegc 2011/09/11(日) 01:22:07.67ID:IclhJImE
 こっちのズボンをパンツごと下ろした彼女は下着越しに下半身を押しつけてくる。目が完全にアッチの世界に
すっ飛んでいる。
「抵抗は無駄だ」
 ナル姉が左手を引くとシートが倒れ、ついでに倒れ込んでくる。……ここまで来たら何を言っても無駄だ。
「この色情狂が……」
「色情狂で結構。君も気持ちよさそうじゃないか?」
 抱きしめられた。腰だけはしっかり振り続けている。
「ほら、その気になってきた」
 下から見上げるようにして挑発してくる。こちらもあちらの尻を掴んで撫でる。柔らかい。俺としてはこれだ
けでもいいのだが、彼女がそれを許してくれないだろう。仕方がないな、という態度は崩さずに腕で尻を持ち上
げる。
「……5分だな?」
「そんなことを訊くなんて、君もシたいんだ? ……むぅ、待て、キスするならもっとちゃんと」
「俺はチューでお腹いっぱいだよ」
「お腹がいっぱいならお昼は無くても問題ないな。ゆっくり楽しめそうだ」
 ナル姉はにぃ、と口の端を持ち上げ、噛みつくようにキスを求めてきた。猛攻を防ごうにも為す術がないこち
らはただ受け入れるしかない。首に引っかけられた腕がぐいぐい引っ張ってくるので更に抱き上げる。掌で支え
る形に変えて尻の谷間に指を這わせる。
 布地の内側へ指を突っ込んで直接皮の合わせ目を探る。盛り上がったところを指で挟むようにして捕まえて合
わせ目を指でなぞって掘る。ナル姉は小さく悲鳴を上げるとこちらの頭を抱えて力を込めた。口の辺りを押しつ
けられ、窒息させるつもりなのだろうかと考えてしまう。
「だから、苦しいって」
「ヒロ君がいきなり触るからだろ。君は下になっているんだから何もしなくていいんだ」
 再度彼女が、俺の本気になった先端に自分の割れ目を擦りつけ始めた。どちらともなく唇を合わせる。ナル姉
はもどかしそうに自分の腰を送り出しながら喘ぎ声を喉の奥へ抑え込む。すっかり頭の中がピンク色になってい
るのが見ていても分かる。
 苦しそうな声を漏らしながら、その原因になっている腰の動きは止める気配もない。上半身を密着させ、キス
をし、腰だけがくっついたり離れたりを繰り返していた。

 先端を布地越しのそれが触れる行為はじりじりと脳味噌を痺れさせていく。いつ弾けてもおかしくない、とい
うくらいまで高められたとき、不意に彼女の動きが止まった。
「……どうした?」
「欲しい」
「そっか」
 このまま騎乗位でヤるつもりらしい。ぐちゃぐちゃに濡れて汚れた下着を脱ごうとしたのか、彼女が身体を起
こして膝立ちに――
「……っぐ」
 ――すごい音がした。天井に頭をぶつけたのだ。涙目でこちらを見下ろして何か言いたそうにしている。ケチ
くさく小さな車なんか買って、とか言うつもりだろう。彼女がこっちを罵倒する言葉を用意し終える前に抱き寄
せる。
「最初に車の中でシたいって言ったのは誰だっけ?」
「私だ。……分かってるよ?」
 天井にぶつけた辺りを撫でる。
「焦りすぎだ。俺は逃げないから」
 彼女の安堵の吐息が肩にかかった。
「嘘を吐け。君がさっさと地元に引っ込んでしまったせいで私が置き去りじゃないか」
 こっちにも生活をしなければならない事情がある。それを分かっていてこんなことを言うのだから、そのうち
にナル姉の我侭も度が過ぎたものに変わってしまうのではないか。
「……分かってるんだ、君の都合も、私が我侭だってことも。なのに君を独占したいのが止められないんだか
 ら、自分の身体だというのにままならなくて」
「身体じゃなくて心の問題だろ、それ」
「心の底から君に惚れてる、って言いたいのか?」
 彼女は俺の胸の、乳首の辺りを引っかきながら言う。言葉に出せない想いがあるときに身体のどこかに反応が
出る癖がある、と以前に聞いたことがあった。
「……不満か?」
「質問に質問で返すな、馬鹿め」
 彼女は天井の高さを確かめるように腕を上に伸ばすと、肘を突いて身体を支えながら結合を成功させた。
0105狙われた運転手、5分間の誘惑(以下略) ◆6x17cueegc 2011/09/11(日) 01:23:55.18ID:IclhJImE
「不満な、ワケが、あるか、ぁ……」
 彼女はぶるぶると震えながら、奥歯をしっかりと食い縛る。小さく腰を前後させる動きで吐息を漏らす。また
頭をぶつけるのが怖いのか、体勢を低くして身体を揺らし続ける。射精感がまた膨らんできて俺は喉の奥から声
が漏らしてしまった。
 心臓が一つ鼓動を打つ度に自分の分身が大きく力を増していくのが分かる。小柄な彼女の中身を押し広げる感
覚、自分の手で彼女を変えていく感覚が間違いではないことを、目の前の彼女の反応が示していた。
「こんな、ケダモノ地味た真似をするためだけに、こんな、あぁ……」
 力が入らないのか、突っかえ棒にしていた両腕が落ちる。それを捕まえて手を繋ぐと、彼女は俯いてこちらを
睨みつけるような強い視線を向けた。
「こん、な、ことで、君に……籠絡されて、自分が、変わってしまう……」
 厳しい目つきだと思ったのも一瞬、溶けるように崩れた。
「こし、押しつけたら、気持ちよくて……ヒロ君も感じてくれてるの、うれしいんだ」
 軽く跳ねるようにして体重を押しつけてくる。体重を受けるとギシギシ車体が揺れる。サスペンションの重い
音と彼女の艶のある声が耳の中で混じりあった。これが頭の悪い映画の登場人物なら必ず聞いているだろう音
か、と視線を繋がった部分へ落とす。
「こっからだと……丸見え、だな」
「馬鹿め、見せているんだ。興奮すっ……する、だろう?」
 繋がった部分を指してからかうと恥ずかしがる様子もない彼女がそう罵倒する。興奮しているのはどっちだ、
指摘されてから締まりが良くなったことに気付いていないと思っているのか。
 見せられているそこへ腕を伸ばすと彼女が過剰に反応する。全体重を、伸ばした腕の肘へかけて抑えつけてき
た。
「触るつもり……?」
「ダメ?」
「そんな、ん、あっ、こと、したら」
「イっちゃう、って?」
「……悪いか」
 腕の締め付けが緩んだ隙に繋がったところへ達する。薄い毛が生え揃ったあたりを撫でると、彼女は大きく身
体を震わせて背筋を伸ばす。また頭をぶつけてはかわいそうだと上半身を抱き寄せた。
「まだちゃんと触ってないぞ」
「来ると思ったら、全身がそういう風になってしまった」
 一息吐くように、力を入れっぱなしだった上半身を弛緩させる。
「馬鹿みたいだ。触られたわけじゃないのに、想像しただけで身体が反応してしまって。以前に目隠しプレイを
 したときみたいだ」
「……その目隠しされたの俺なんだけど?」
「怯えた様子がかわいかったぞ」
 彼女は、ふ、と溜息とも微笑みとも取れる息を吐いた。酸欠気味なのだろう、肩を大きく上下させながら涙の
溜まった瞳でこちらを見上げる。
 あ、ヤバい。これはマズい。
0106狙われた運転手、5分間の誘惑(以下略) ◆6x17cueegc 2011/09/11(日) 01:24:35.46ID:IclhJImE


「……ヒロ君、どうした?」
「腰、突き上げたくなってきた」
「そんなに興奮してるのか。さっきはダメだのなんだのと言っていた癖に」
「うるせえよ」
 両足を突っ張り腰を持ち上げると、彼女は困惑した顔を見せる。もっと激しく揺さぶられると思っていた、と
言葉を漏らす。そんなことをしては車を派手に揺らすことになってしまうではないか。
「バレたりしたら大変だ。だろ?」
「だからって……ひっ!?」
 浮かせた腰を彼女の身体ごとシートへ落とす。大して落ちていないのに盛大に声を上げてくれた。軽い悲鳴を
上げさせられ若干気分を悪くした彼女を再度持ち上げる。ナル姉は今度は不意打ちを喰らうまいと息を詰めてこ
ちらの様子を観察し始めた。
 それならお望み通りに揺らしてやるだけだ。ギシッギシッとゆっくりとしたテンポで腰を持ち上げて落とす。
期待していた声は聞こえず、奥歯を食い縛った彼女の顔がこちらを睨みつけていた。
「ヒロ……ッ!」
「どう、した?」
「にやにや笑うな、馬鹿」
「ナルが可愛いんだから仕方がない」
「んな……っ! 可愛い、なんて言うな。それとナル姉と呼べ」
 昨日、気付いたことがある。ナル姉に可愛いと言うと露骨に動揺する。今更過ぎる弱点だ。どうして今まで知
らなかったのかとさえ思う。
「聞いているのか?」
「……うん、聞いてる。すっごく可愛い」
「それは聞いていないと言うんだ……」
 おでこをこちらの胸に押しつけるようにして呟きを漏らす。下半身を突き上げるとうらめしそうに喘ぎ声を漏
らしてみせた。
 彼女の上半身の下敷きにされていた腕を引き抜いて彼女を抱きしめる。
「なんか、ダメだ。止まんないや」
「何が、だ?」
「ナル姉可愛い。すっごく可愛い。滅茶苦茶にしたい」
「――っ!」
 目を見開いて息を呑んだ彼女にお構いなしに俺は腰を打ち上げる。抱きしめたままにどこにも行かせないと動
きを激しくする。急に積極的になった俺に戸惑いがあるのかナル姉は何も言わなかった。ガムシャラに突き上げ
てナカに埋める。
「あっあっあっ……そんっなにナカ、んっひぃ!」
 右手だけ繋がった前のところに添えて指で弄る。肉が堅くしこったそこに触れたのを感じて押し潰す。ギュと
膣が締めつけてくる。一番奥の固い壁を力づくで押し上げて壊してしまいそうだ。
「ナルっ……ねぇ……」
「いあっ、んっくううぅぅぅっ!」
「だ、出すぞ……っ!」
「んっ、うんっ!」
 自分の奥歯の軋んだ音を聞きながら彼女の内側にたっぷり放つ。放ちつつ、内壁にこすりつけるように腰を前
後に動かすとすぐに勃起が戻ってきた。
「い、ま、出したんじゃ……?」
「出したけど、ナルはもう終わりにしたいの?」
 情けないことに息が上がってしまっている。それでもあと1回くらいなら出来そうだった。
0107狙われた運転手、5分間の誘惑(以下略) ◆6x17cueegc 2011/09/11(日) 01:26:10.87ID:IclhJImE
 * * * * * *

 結局、区切りの5分どころかバレるバレないということすら頭から飛んでいき、お互い夢中でピストン運動を
愉しんでしまった。隣町とはいえ、こんな施設もう二度と訪れることはないだろうから別に問題は無いのかもし
れないが、それでももし車が変に軋んでいることがバレていたら恥ずかしいことに変わりない。
「……不満だ」
 ダッシュボードへ放り込んだままだったポケットティッシュを見つけ、後始末を大方終えたナル姉がようやく
助手席に戻って発した第一声がこれだ。こんなところで付き合わせておいてまだ不満があるのか。
「シている最中、ヒロ君、何度も私のことを呼び捨てにするし、可愛い可愛いと連呼するし」
「それは」
「私を動揺させてどうするつもりだ。私をいじめているのと変わらないことに気付いているか?」
「いじめてるつもりはないよ」
「君はそのつもりだろうさ。私がどう感じているかという話で」
 そっぽを向いてシートベルトの金具をかちゃかちゃやっている彼女の手を握る。
「可愛いよ。……その、心底そう思ってるから俺もハッスルしちゃったわけで」
 エンジンを始動させると同時にナル姉は何事か呟く。聞き返すと苦々しい表情で一言、ありがとうと言ったの
だ、と吐き捨てられた。
「私にしては珍しく感謝の気持ちを示したのだからちゃんと聞いておけ、この馬鹿め」
 逆に手を握り返され上半身を引っ張られる。私は君に惚れ抜いているのだから、と聞こえた。
0108 ◆6x17cueegc 2011/09/11(日) 01:27:01.55ID:IclhJImE
と以上です
9月に入ったけどセーフ!ヒロイン院生だからセーフ!

ちなみにフルタイトルは
『狙われた運転手、5分間の誘惑 〜真夏の駐車場にこだまする嬌声 受付嬢はずっと見ていた』
建物ガラス張りだからね、仕方ないね
0113名無しさん@ピンキー2011/09/16(金) 01:18:01.96ID:ZlXpv47w
GJ

保管庫最終更新から1年が経つな…
俺やりたいけど技術と知識が決定的にない 放置しない自信はあるけど
0115名無しさん@ピンキー2011/09/26(月) 04:57:16.72ID:JXpz+HLg
wikiでいいんじゃね
テンプレをコピペするだけでも形になる
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況