突然、雨が降ってくる。
目的地まではまだまだ遠い。軽騎兵は馬を走らせ、雨宿りできる場所を探す。
しかし中々見つからず、雨は酷くなるばかりである。
遂に軽騎兵、馬共に疲れ始めた頃、漸く雨宿りできそうな洞窟を見つける。
だが、洞窟の入り口は馬が入れる程は広くない。

「ごめんな、お前を雨宿りさせられなくて。」

軽騎兵は美しい黒毛の馬の頭を撫で、洞窟に入る。
入り口近くに腰を下ろし、外の様子を眺める。
雨が止む気配は無く、酷くなる一方である。
疲れ果てていた軽騎兵は眠りに落ちてしまう。